3674.2017年6月4日(日) 28年前の今日、天安門事件が起きた。

 28年前の今日6月4日、中国北京で天安門事件が発生した。この日自由と平等など民主化を求めた言論人や学生らが、北京の天安門広場で中国共産党一党独裁政権に対してその非民主化政策に抗議する行動を起こし、それを弾圧しようとした党、官憲、軍隊と衝突して多数の犠牲者を出した反民主的事件が起きた悪夢の一日である。ある意味では、中国が民主社会への道を歩みだしていた時、まさに歴史上でも最も呪われた日になったとも言える一日である。この日を境に民主的な共産主義国家へ脱皮、発展すると思われていた中国共産党は、益々国民への弾圧を強め、国民の自由と言論を監視し、国民を管理、抑圧する共産党一党独裁国家色を強めて行った。それは今日強まることこそあれ、弱まることはない。

 言論と表現の自由を認めず、日頃の行動まで監視し、中国共産党政権は共産党一党独裁支配体制を一層強固にして、中国国内は国民相互監視社会と化し、「物言えば唇寒し」の不自由な非民主国家となってしまった。中国革命から68年、天安門事件から28年が経過しつつも、中国は今もって国家として自由で公平な選挙制度を取り入れることなく、国民に自由選挙権を認めていない。国、地方すべての政治組織と統治はすべて共産党本部が決める人事によって統治され、今どき一部の国を除き国際的には考えられないほど後進的な政治体制になっている。

 しかも、言論、表現、報道の自由は許されず、今日も天安門事件関連のNHKニュースが流れるや一時テレビ画面は消されるほどの報道規制である。一言でも政府にとって好ましくない情報は、国民の耳に入れることを許さない。更に現在の中国共産党幹部には個人的な権力志向が強く、国民のことは忘れて自らの権力闘争にわが身を忘れるほどである。中央政界でも贈収賄が蔓延り、国民の自由な活動や、生活面の福祉向上に配慮する暇もない。今では世界一の経済力を誇るとは言われるが、それは実態を表しているとは言えない。一人当たりの国民所得はキューバと同レベルであり、富は一部の富裕層に集中し、農民の所得は極度に低く所得格差が蔓延している。しかも農民を土地にしばりつけ、意欲的な農民さえ都市部への移転、進出を認められることはない。

 一方で、貧困層の不満を逸らすために愛国心を利用して国内的国威発揚を狙って、周辺国に対して軍事力の威嚇により度々トラブルを引き起こしている。近年公海である南シナ海や、東シナ海における覇権主義的な領海拡張戦略は、その最たるものである。マルクスが提唱した社会主義国家、自由平等社会への道筋は、今や暗澹たるものである。マルクスは泉下で悲しみ、「中華人民共和国」の名も泣くというものである。

 もうひとつ6月4日と言えば、遥か彼方の思い出となってしまったが、「六四会」を思い起こされる。毎年6月4日に靖国神社に参拝していた元陸軍航空隊飛行第六十四戦隊、通称「加藤隼戦闘隊」戦友会のことである。この部隊と同じく第5飛行師団膝下の戦隊の方々とは、ビルマへの戦跡慰霊団で1972年以来15年間も毎年ビルマへご一緒した。もう当時の戦友会の人たちほぼ全員が彼岸へ旅立たれ、今ではご交誼をいただいている人はいなくなった。加藤戦隊長夫人や、終戦時の宮辺英夫戦隊長も懐かしい。それが6月4日である。

 さて、昔からファンである連敗中のプロ野球読売巨人軍は、今日もまた負けてしまった。負け癖がついてしまったのか、実に10連敗だ。どこまで続くヌカルミぞである。数年前に巨人軍オーナーを辞めてしまったが、ゼミ仲間の滝鼻卓雄くんは、さぞがっかりしていることだろう。

2017年6月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3673.2017年6月3日(土) トランプ大統領の思考老化現象

 新旧交代期と言うべきであろうか、近年各分野で若い世代、それも格別若い人たちの活躍が目立っている。一番驚くのは、将棋界であっという間に公式戦20連勝で飛び出てきた、愛知県出身14歳の中学生・藤井総太四段の颯爽としたデビューである。これで竜王戦決勝トーナメント進出に続き、棋王挑戦トーナメントに参戦することが決まった。将棋、囲碁の世界というとどちらかと言えば、中高年が活躍する世界との印象が定着していたが、ひとりの中学生棋士の出現によってガラリとイメージが変わったような気がする。

 スポーツ界では、現在ドイツのデュッセルドルフで開催中の世界卓球選手権で、今日男女を通じて史上最年少で男子ベスト8入りを決めた13歳の張本智和選手の活躍が目立っている。女子では17歳の平野美宇選手が準決勝で世界チャンピオン丁寧選手に敗れたが、女子シングルでは実に48年ぶりという銅メダルを獲得した。他にもサッカーU20日本代表チームで20歳以下の選手の中で、僅か15歳にして代表に選出された久保建英選手の活躍が目覚ましい。それに引き換え、プロ野球界では異常な事態が起きている。かつて9連覇を成し遂げた読売巨人軍が今日も敗れ、実に13年ぶりに9連敗を喫した。時代に逆行してロートル選手が少々多すぎるのではないだろうか。

 若手の活躍は、フレッシュさを感じるし、将来に期待感を持てて頼もしい気持ちになる。願わくば、最も有能な人材が求められる政界にはフレッシュな政治家が出現することを願いたいところであるが、どうしても「政治=世襲=因習」のイメージが強く旧態依然の集合体と思われるだけに、果たしてどうであろうか。

 つい昨日目の前にマイナス要素の見本がぶらさがった。アメリカのトランプ大統領は世襲とは見られていないようだが、父親から多くの不動産を継承して財を成した。45人の歴代大統領の中でも70歳の最高齢で大統領に就任した、年齢的にはとてもアメリカ大統領らしからぬお人である。性格的にも意固地で発想も柔軟性に欠けるように思える。イメージ的にも43歳最年少で就任したケネディ大統領や、47歳でその地位に就いたオバマ大統領のように、颯爽とした清々しさがなく、暴力的で口汚く喚き散らしているイメージが強い。部外者の勝手な希望だが、他にもスキャンダルを抱えているようでもあるし、早いところ大統領を辞めてもらいたいというのが世界的な世論ではないだろうか。

 出来得れば、アメリカ政界には非トランプ的なフレッシュな若い人たちに期待したいものである。アメリカのパリ協定離脱によって、早晩老いさらばえたトランプ大統領は想像もしなかった壁にぶち当たることになるだろう。

2017年6月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3672.2017年6月2日(金) アメリカがパリ協定離脱とは!

 日本時間今朝4時半、アメリカのトランプ大統領が、地球温暖化対策のための「パリ協定」からの離脱を発表した。ホワイト・ハウスの前には、多くの人々がシュプレヒコールを上げてパリ協定離脱に反対していた。パリ協定離脱は大統領選中のトランプ氏の公約ではあったが、アメリカの国際的立場を考えれば撤回すべきものであると思う。

 先日のG7でアメリカの主張は他の6カ国と折り合いがつかず、そのうえ最大の温暖化ガス排出国である中国が、昨日残留を公表していただけに、いかにも「アメリカにとって不公平」とするアメリカのパリ協定離脱は、アメリカの独善的な対応ではぐれ狼的行動に見える。トランプ氏はかねがね「地球温暖化の原因は二酸化酸素排出によるものとの説はでっち上げ」であると言い、パリ協定はアメリカ経済にとってマイナスで不公平であると述べていた。だがその言い分は、あまりにも身勝手で‘America First, Abandon the Others’ではないだろうか。自分さえ良ければすべてオーライなのである。このことを普通のアメリカ国民は本当のところどう思っているのだろうか、知りたいものである。

 アメリカ離脱を耳にしたヨーロッパの首脳は、申し合わせたように遺憾の意を表明した。同時に協定から離脱して再交渉すると言ったが、ドイツ、イタリア、フランスは再交渉は出来ないとする共同声明を発表した。わが麻生副首相は所詮アメリカというのはその程度の国と厳しく切り捨てた。麻生氏は、アメリカは第1次大戦後に発足した国際連盟の主導者だったにも拘らず、当初加盟を見合わせたことを今回の離脱表明と重ね合わせて皮肉っているのである。記者会見で山本公一環境大臣は、人類の英知に背を向けたアメリカの離脱に失望するとともに、怒りすら憶えるとまで言っている。

 アメリカ国内にも賛否両論がある。だが、パリ協定は、一昨年12月にパリで開いた第21回国連気候変動枠組み条約締結国会議(COP21)で採択され、昨年11月に発効したばかりである。途上国を含む195の国・地域が加盟した。これに不参加の国はシリアとニカラグアだけである。世界が排出する温暖化ガスの16%、世界第2位の排出国アメリカが、この協定から手を引いたら、地球温暖化現象は益々進み、海面は上昇し、島国は水没する危険性がある。

 一体全体どうしてアメリカ、否トランプ大統領は世界に多大な迷惑をかけてまでしても、パリ協定離脱を推し進めようとしているのか。

 最大の理由は、パリ協定の二酸化炭素の厳しい規制が自国経済に悪影響を与えるという利己的な理由から、協定離脱をトランプ大統領の選挙公約に挙げていたからである。娘のイヴァンカ・クシュナー氏夫妻や、ティラーソン国務長官らが反対していたし、共和党内にも反対する議員が多くいた。経済界の有力者も離脱に反対していた。それ故離脱表明はしないだろうとの楽観論も一部にあったが、トランプ氏は持論を押し通した。そこには、ガスを排出する石炭産業を保護し、炭鉱を復活させ雇用拡大を図りアメリカ経済を復活させたいとの強い意向があったからである。

 しかし、自国の経済や雇用を守るために、他国、特に貧しい国の人々に目を向けないというのは、とても民主主義国アメリカのなすべき行為とは思えない。あまりにも身勝手に過ぎるのではないか。

 トランプ大統領は、中国をやり玉に挙げている。途上国の温暖化対策を支援する緑の気候基金に、アメリカが30億$(約3300億円)を拠出するとの約束も白紙に戻すと語っている。中国が最も多くの温暖化ガスを排出しているにも拘わらず、中国は未だに途上国との理由でビタ一文拠出していないのは、確かに筋が通らない。更にこのところ中国に気を遣いながら北朝鮮に対する圧力を強く行使するよう求めているにも拘わらず、その効果が一向に上がっていないことに不満を募らせたことも原因のひとつではないだろうか。

 それにしてもアメリカはこれでも世界に冠たるリーダーと言える行動を取っているつもりだろうか。後世になって、罪もないアメリカ人が、彼らの先輩たちが地球を破壊したとして世界中から後ろ指を差されるようなことになるのではないだろうか。

 アメリカの後ろ向きの政策に拘わらず、昨日NY株式市場は史上最高値をつけ、それに引っ張られたか日経平均株価も1年半ぶりに2万円の大台に乗せた。

2017年6月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3671.2017年6月1日(木) 屋内禁煙を実施しょうとする塩崎厚労相

 昨5月31日は、世界禁煙デーだった。今や世界的に禁煙ムードが広がりつつある。それほど地球上で、タバコは害あって益なしの困りものなのである。欧米では「インテリはタバコを吸わない」と言われている。実際途上国ほど街のあちこちでタバコを吸っている人を数多く見かける。

 世界保健機構(WHO)は、喫煙による影響と健康被害について毎年数値を公表して警告を発している。信じられない数字であるが、喫煙による死者は世界で年間700万人に達するという。これまでは統計上600万人と公表されていたが、それが更に増えたうえ8割以上が途上国に集中し、それがこれらの国々における貧困を生む大きな原因にもなっていると厳しく警告している。

 厚生労働省は喫煙が原因でその分余計にかかった無駄な支出まで試算している。喫煙者に掛かった医療費は、2014年度試算によると約1兆4,900億円で、国民医療費全体の4%近くを占めているというから黙っているわけにはいかない。加えて受動喫煙が原因とされる医療費が馬鹿にならない。医療専門家の話では、現在100万人以上が喫煙により、79万人以上が受動喫煙で、医者通いをして人並みの生活を送れない状態にあるという。

 今厚労省はこうした現状を少しでも打破すべく、国際世論を受けて屋内の喫煙を禁止することを検討しているが、選挙の票田であるタバコ農家に配慮して、思い切った節煙対策に踏み切れない。塩崎恭久・厚労相が、世界の主要都市では屋内禁煙が当たり前だとして、大臣が先頭に立ち、屋内禁煙を日本国内で実施しようとしているが反対論が根強い。WHOからの要請や、2020年東京オリンピックを見据えたIOCの要請を受けて屋内では禁煙に踏み出そうとしているが、政府、自民党の一部がこの動きにプレーキをかけようとしている有様である。塩崎厚労相自身かつては喫煙者だったが、子どもが生まれたのを機にタバコを止めたという。「受動喫煙防止」は政治家の責務と考えている塩崎大臣の行動を評価し見守りたいと思う。

 昔からタバコを止められないヘビー・スモーカーにとっては、禁煙は辛いことのようで、彼らなりに屁理屈をつけてはこそこそタバコを楽しんでいる。先日も小学校の同級生が、あるイタリア・レストランで店外ではなく、どうしても食事しながら吸いたいと店主を困らせたが、店主から他のお客が入店したら、店内での喫煙は止めるとの条件をいただいて目の前で吸い出した。そのうえ不遜にも喫煙者はタバコ税を払っているので、国に貢献しているのだと得意になって古臭い身勝手な自己主張を語り出した。そこでタバコは国にとって、国庫に入る税収より医療費などで失う金額の方が遥かに多いのだと言ってやった。彼は黙ってしまったが、今以って昔ながらの煙草性善説をぶつ現代人がいるのだから、厚労省にとっても悩ましいわけだ。

 先日婚約を発表された秋篠宮家の長女眞子さまが、今日公務でブータン入りされた。そのブータンは、周囲を山々に囲まれた自然豊かな国であるが、2005年に世界で唯一の禁煙国家を宣言した。世界一幸せな国は、世界でただ一つの禁煙国家なのである。

2017年6月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3670.2017年5月31日(水) 権力者のメディアへの対応と圧力

 先週に引き続いて、駒沢大学公開講座で「体験的ジャーナリズム論」担当の山田克講師の講義を拝聴した。

 権力の監視者という視点で、メディアの立場とあり方を語られた。特に、メディアには何物にも縛られない在野精神が大事だと主張された。その点で共同通信社の大先輩である原寿雄氏に影響を受けたと話されたが、偶々2009年にその原氏が講師を務めた岩波市民セミナー4回シリーズを受講したことがある。

 山田講師が強調された最近の問題は、安倍首相が読売新聞社との単独会見で憲法改正について持論を語ったが、それが読売1紙だけに掲載されたことであり、その内容も自民党内の憲法調査会が考えていたような腹案とは異なり、突然読売1社だけに機会を与え、9条1、2項に自衛隊を容認することを追加明記する点を主張したことである。これまで首相がメディアを1社だけに限定し、しかも国会で詳細は読売を読めと首相が言うようなことはなかった。首相がメディア各社に平等に機会を与えるのではなく、特定のメディアだけに優先的に情報を与えるのは、異常な対応であり首相の立場上いかがなものか。この辺りに最近首相周辺に問題が多発する原因があると思う。今に始まったことではないが、一強多弱により首相は思い上がっているのではないか。

 今メディアの間では、今年の特ダネ賞の選考が進んでいるが、読売が本件を推薦する可能性について、話題になっているらしい。

 私が山田講師に質問したのは、別の問題である。去る28日に北朝鮮が新型対空ミサイルを発射したとテレビ(NHK?)で放映しながら、その後このニュースについて、どこのテレビも新聞も一切報道しなかった情報の流し方についてであった。残念ながら山田講師もこのミサイル発射についてはご存知なかった。誤報なら尻拭いせず誤報と正直に報道すべきではないかというのが私の主張だが、講師が知らないのでは話が進まない。

 そこで2008年1月7日に韓国ソウル郊外の利川市内で発生した冷凍倉庫爆発事件について話した。本件については当時日本テレビで散々放映していながら、翌日からどのテレビ局、新聞ともに一切報道することを止めた。如何にも恣意的である。40名も死亡し、その内12名が韓国系中国人だったせいもあり、当時の胡錦濤国家主席や、温家宝首相が韓国政府に処理と賠償を求めた事件だ。これほど各方面に深刻な影響を与えた大事件が、突然報道されなくなった。背後に意図的なものを感じる。 

 その年の11月に韓国東海岸の束草市で開催された韓中米日シンポジウム「退職後の高齢者の現状とこれからの生活」に、日本人唯一のパネリストとして招かれた時、その利川近くをバスで通過したが、同行してくれた通訳の桂明洙氏に尋ねたところ大変な事故だったと仰っていた。それが、日本国内では1月8日を境に事件の報道はまったくなくなったのである。あまりにも不自然である。何らかの事情で、報道管制が敷かれたのではないか。それが山田講師への質問である。情報隠蔽ではないかという質問である。

 この事件は、岩波市民セミナーでも原講師にお尋ねしたが、生憎ご存じなかった。

 言論の自由とともに、報道の自由がある筈であるが、事柄によってはどうも一部の情報は隠蔽されている恐れがある。このうえ共謀罪が成立したら、言論の自由まで権力者に奪われてしまうのではないか。考えるだにぞっとする。

 ところで、利川冷凍倉庫爆発事件をネットで確認していたら、同項目に私の原講師に質問した日、2008年12月22日に書き込んだ私のブログがそっくり掲載されていた。

2017年5月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3669.2017年5月30日(火) 私利私欲で辞めた舛添前都知事、復活へ虎視眈々

 先月イタリアのミラノに住む大島悦子さんから、彼女が書いたエッセイ集「街角のミラノ」の原稿についてアドバイスを求められた。時間を見ながら何とか通読して、感想とアドバイスなどをA4版紙3枚にまとめて今日ミラノの大島さんへ送信したところである。

 大島さんは流石に20年以上もイタリアで生活されておられるだけに、イタリアとイタリア人事情に詳しく、エッセイの内容も身近な事象を具体的に興味深く書かれ、生活者の目で精細に描写されている。普通のガイドブックや書物には紹介されていないエピソードなどが盛りだくさんである。

 これまでもこの種の依頼をいただいたことがいくつかあるが、大島さんのエッセイの内容は上質で、イタリア旅行を計画している人には、随分参考になるものだと思う。

 ただ、こういうアドバイスは差し上げた。それぞれのエッセイは全般的に似て非なるものとは言え、同じようなエッセイを似たような手法で採り上げている傾向があるので、どうしても全体的に見ると平板に陥りがちで、僭越であるが、各章ごとにイタリアの決まりのような小話などを挿入してみてはどうかとアドバイス的なコメントを送ったところである。旅行関係の出版社から、イタリア紹介書籍として上梓されれば、かなりアピールするのではないかと思っている。

 さて、前東京都知事の舛添要一氏がその職を去ってから、約1年が経過した。その後を受けて著名人が参戦した賑やかな都知事選により、小池百合子知事が誕生して、今舛添都政とは異なるやり方で歩んでいる。その舛添氏が、久しぶりにメディアに登場した。「都知事失格」なる自虐的な著書を上梓された機会に、朝日朝刊の「オピニオン&フォーラム」のインタビューを受けたのである。小池都知事が進軍ラッパを響かせ、2020年東京オリンピック、豊洲問題のディーリングで脚光を浴びる中、舛添氏が退職時に約束したいくつかの問題、私費流用、特に公費で自分個人用の美術品を購入した問題や、湯河原別荘売却などについて、都議会は追及することを止めてしまった。

 3月ごろある共産党都議会議員が拙宅を訪問された時、①豊洲市場を止めるということは、豊洲をこのままにして6千億円もの巨額の投資額を無駄にすることではないか、②舛添氏が都議会との約束を履行することを追及しないのか、を問い質したが、煮え切らない返事をされた。

 元来目立ちたがり屋の舛添氏は、1年間も世間から構ってもらえなかったことが我慢出来ず、著書をきっかけに表舞台への再登場を目論んでいるようだ。その著書が「都知事失格」というのだから、好い気なものである。朝日のインタビューを読んでも、自らが犯した反都民的行動についてまったく反省の色が見られない。相変わらず自らの主張を正当化して、辞める直前の騒ぎは人民裁判であるとか、別荘から通ったことは今になって問題ではないと言い、約束した別荘売却も都知事なら問題だが、都知事を辞めた現在売却する必要はないと勝手な言い分で居直る有様である。こういう御仁はメディアが構わないようにして、放っておくのが一番効果的だと思う。

 こういう人間的にも問題のある人物をおだてるようなことをして、「天下の朝日」と思い上がっている朝日は、ここでも常習の勇み足をやっている。インタビューをやって舛添氏の復活に精々手を貸しているだけではないのか。

2017年5月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3668.2017年5月29日(月) インディ500で日本人初優勝

 今朝またもや北朝鮮でミサイルが発射されたとのニュースに接した。2日間も続けてよくもやってくれるものだと思っていたが、どうも情報がおかしい。テレビ・ニュースでは昨日の対空ミサイル発射についてまったく話がない。朝刊を見てもどこにも昨日午後打ち上げたミサイルに関連する記事が載っていない。昨晩はあれほど派手に新型のミサイル発射と騒いでいたのに、今朝のテレビ・ニュースはこのことに一言も触れていない。不思議な話である。昼近くになってどうも昨晩のミサイル発射はなかったらしいと思わせられた。

 今朝の発射は、今月に入って3度目の打ち上げと言っていたが、それは昨日の話だ。今朝のミサイル発射は今月に入って4度目の筈である。どうも昨日のミサイルは本物ではなかったようだ。ミサイル発射は確証のないフェイク・情報だったことになる。それに対して、どのテレビ局も素直に過ちを認めたり、謝罪することもなく、昨日あれほど新型ミサイルを打ち上げたと、北京やソウル駐在員のコメントを添えて放映されたニュースをいとも簡単に彼方へやってしまった。視聴者には嘘をつき、間違いを正すこともなく次のステージへ話を進めていった。夕刊を見ても昨日の発射についてはまったく触れられていない。このように無責任で恥知らずだからメディアは困る。このいい加減さは何とかならないか。

 ところで昨日のフェイク・ミサイルに代わって今朝本当に発射した弾道ミサイルは、日本の経済水域内に、しかも隠岐の島から僅か約300㎞の日本海に落下した。北朝鮮の労働新聞は「アメリカが正しい選択をする時まで高度に精密化、多種化された核兵器と攻撃手段を更に多く製造する」と身勝手なことを書いている。どうにもならない厄介な国である。これに対して昨日佐藤栄作、吉田茂に次ぎ戦後長期間在位首相第3位になった安倍首相は、「G7で北朝鮮問題は国際社会の最優先事項だ。北朝鮮を抑止するため、アメリカとともに具体的な行動をとっていく」と強調した。最早北朝鮮に対して日本独自の切り出す札はなく、最近は具体的な行動を取れなかったが、アメリカとともに果たしてどんな具体案があるのだろうか。

 トランプ大統領は、メディアと対立してG7終了後も記者会見を開かなかった。これも異例である。安倍首相について今夕の朝日「素粒子」欄に「安倍首相が戦後3位に。『もり』『かけ』にもめげず。だが慢心は支持を『ざる』に。『きつね』も『たぬき』もいる政界で」と冷やかして書かれている。森友学園と加計算学園との不自然な関係を皮肉られているのだ。首相も降りかかった煤を取り払わなければなるまい。

 そんなすっきりしない中で、アメリカから日本人選手が活躍した明るいニュースが入ってきた。F1モナコ・グランプリ、ルマン24時間耐久レースとともに、自動車の世界3大レースと言われる第101回インディ500(正式には「インディアナポリス500マイル」)で日本人として初めて佐藤琢磨選手が優勝したのである。この種のレースには、ほとんど関心はないが、この100年を超える伝統のレースには、世界中から耳目が集まっている。

 偶々1981年秋、旧文部省教員海外視察団のお供でチャウシェスク時代にルーマニアのシビウと、オーストリアのザルツブルグで教育施設を視察して最後の学校訪問地としてこのインディアナポリスに5泊して、学校など教育施設を視察した後、教育委員会から特別にこのインディ500のレース場を見学させてもらったことがある。インディ500は現地の人々が誇りとしているレースであり、レース場である。その時アメリカの先生から、いつか日本の選手もこちらで優勝カップを獲得してほしいとお世辞を言われたことがある。とてもその時は無理だろうと日本の先生たちと話し合ったが、あれから36年を経て現実のものとなった。何となく嬉しい気分である。

2017年5月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3667.2017年5月28日(日) G7で6カ国と対立するトランプ大統領

 イタリアのシチリア島で開催されていた主要7カ国首脳会議(G7)が首脳宣言を採択して閉幕した。7人の首脳の中で4人が初参加だったが、トランプ大統領の初参加により異例ずくめのG7となった。過去に見られないほど項目別の対立があったようだ。メルケル・ドイツ首相は6対1の会議だったと述べていたが、唯一の対立国となった、アメリカのトランプ大統領の独断的な言い分には相当いらいらが高じていたようだ。これまで中ロを意識して、結束の固かった7カ国の協調に乱れが見られたのは、トランプ大統領がアメリカ第一主義を強引に主張する保護主義的姿勢に対して、自由貿易体制の堅持を主張する6カ国の間に意見の相違が見られたからである。

 世界貿易機関(WHO)協定違反となるような国際ルールを無視する、一方的な発言がトランプ大統領の口から次々と飛び出すなど、荒れた舞台にもなったようだ。多くのドイツ車がアメリカ市場に入って来ることで、目の敵にされたメルケル首相も戸惑っている節がある。これは関税だけの問題ではないと思う。逆にアメリカも自国における自動車貿易量のアンバランスを非難するだけではなく、人気がなくなったアメ車の外国市場における販売不振の根本的な原因を調査する必要があるのではないかと思う。首脳宣言では、自由貿易や地球温暖化対策をめぐる意見の調整がつかず、アメリカは最終的に「開かれた市場を堅持し、保護主義と戦う」との文言を盛り込むことを漸く受け入れた。対北朝鮮対応、テロ発生防止では異論は出なかったし、東及び南シナ海で活動を続ける中国に対する警戒だけは意見の一致をみた。だが、難民受け入れ問題ではアメリカと他の6カ国の間では意見が合わなかった。

 G7を通じて、深刻な危機感を憶えるのは、地球温暖化を抑制するパリ協定をめぐって、トランプ大統領が離脱を示唆し、6カ国との間に大きく足並みの乱れが露呈されたことである。これからの西側諸国の方向性に黄色信号が灯った。議長国イタリアのジェンティローニ首相も取りまとめに苦心されたのではないだろうか。

 そのトランプ大統領は、国内でロシアゲートと揶揄される大きな問題を抱えているが、新たに娘婿で大統領上級顧問であるクシュナー氏にも大統領選以前に極秘にロシア側と接触していた疑いが問題視され、この先下手をすると弾劾にまで発展しかねない様相を呈してきた。アメリカもトランプ政権を取り巻く問題を中心に内外ともに「波高し」のムードとなってきた。

 夕刻になってまた北朝鮮の新型対空ミサイル発射のニュースが入ってきた。ミサイルは先週発射したばかりで、今月に入って3度目である。30日にアメリカが3年ぶりに対空ミサイル実験を再開するとつい先日発表したことと、朝鮮半島沿岸に展開するアメリカ海軍原子力空母カールビンソンとロナルド・レーガンのプレッシャーなどがその原因と見られている。いずれにしても懲りない悪の枢軸には、好い加減うんざりする。国家のリーダーが世界を敵に回して世界中に迷惑をかけているこの実態、国民に真実を知らせない反「報道の自由」、また否定される「知る権利」の実態を国民が知ったら一体何と思うだろうか。その一方で金正恩の脳みそはどうなっているのか一度覗いてみたいものだ。

2017年5月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3666.2017年5月27日(土) 心に染み透る尺八の音色

 毎年今ごろになると尺八の都山流師匠の鯉江丈山さんから、主宰する尺八丈清会の定期演奏会ご案内をいただく。今年もご案内頂いたので、今日午後鯉江さんが主役として吹奏する時間に合わせて会場の「なかのZERO小ホール」へ出かけた。観客席は比較的空いているが、皆熱心に耳を傾けている。いつも鯉江さんが独奏する「岩清水」を楽しみにしている。この曲名「岩清水」は、京都府下の石清水八幡宮(イワシミズハチマングウ)に因み「岩清水」ではなく、「石清水」が正しいのではないかと一度鯉江さんに尋ねたことがある。だが、これは石清水八幡宮に日ロ戦争戦勝祈願にお参りした中尾都山師が、岩から滴る清水が流れとなり川となって海に注ぐまでの情景を意識して作曲した曲であるので、「石清水」ではなく敢えて「岩清水」と音読みして名付けたということらしい。

 鯉江さんとは同じ会社の旅行部門でともに働いていたことがあり、添乗員として大阪万博や四国にも一緒に行ったことがある。最も印象深く思い出すのは、今から40年ほど前に、旧第5飛行師団ビルマ慰霊団を案内してビルマを訪れた時、現地の慰霊祭で鯉江さんに尺八を吹奏してもらった時の原風景である。戦時中旧日本陸軍の飛行場があった、だだっ広いビルマの草原で、鈴木崇司・元第5飛行師団参謀長の言葉に続き、元慰霊団参加者がお参りし、一同で般若心経を読経した後に鯉江さんの尺八の音色に参加者が涙を流していたことが、昨日のことのように思い出される。帰ってから多くの参加者の方々から、あの尺八の音色はしみじみとした気持ちにさせてくれて、戦時を思い亡き戦友を供養することが出来たような気がすると感謝の気持ちをいただいた。これも鯉江さんの尺八が奏でる音色が素晴らしかったからである。

 元会社のよく知る同僚が、退職後も人生から引退することなく、別の分野で自らの能力を生かして個性的に活動しているのは、嬉しいことであり、頼もしいことでもある。

 2009年に「停年オヤジの海外武者修行」出版記念会を開いた時には、鯉江さんに会場でその名曲「岩清水」を演奏していただいた。3年前の「南太平洋の剛腕投手」出版記念会では会場内で突然倒れられて少々心配した。大震災に遭った福島県相馬市出身の鯉江さんも現在80歳台の半ばであるが、これからも健康には充分留意され、いつまでも丈清会演奏会で楽しませて欲しいと願っている。

 さて、奈良県生駒市にいる長男の中三の孫娘が、このところハンドボールで活躍してジュニア・オリンピック候補選手に指名されたと聞いている。3月に富山県氷見市で行われた春の全国中学生ハンドボール大会に奈良県代表として出場し、残念ながら2回戦で敗れたが、その試合で孫娘が3得点した記録とともに、彼女の写真が月刊誌「HANDBALL」6月号に掲載されたと言って嫁から同雑誌を送ってきた。中一の妹の方が、活発でサッカーなどでも頑張っていたようだったが、割合大人しい上の娘がハンドボールで頑張るとは意外だったが、嬉しいことである。

 これから中々大変だとは思うが、このまま健康で学校生活を楽しんで素直に育って欲しいと思っている。

2017年5月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3665.2017年5月26日(金) 改憲論と自衛隊トップ・統合幕僚長の軽口

 5月3日の憲法記念日に、安倍首相が「日本会議」の会合で憲法改正への強い思いと行程をビデオで訴え、首相の唯我独尊的で強引なやり方に批判の声が上がっている。その中で首相は現行憲法を2020年に改正するメドをつけることと、憲法第9条の1、2項に加えて自衛隊の存在を1、2項と矛盾する3項として明記することをアピールした。

 それに有頂天になった自衛隊制服組のトップの河野克俊・統合幕僚長が、こともあろうに首相の改憲発言は非常にありがたいと高く評価する発言を行った。一自衛官としての発言だと前置きしてはいたが、自衛隊法では政治的行為を制限している。それにも拘わらず、制服を着用した記者会見の場で改憲発言を評価したことは、憲法順守に背き、政治活動には関与しないと服務宣言している以上トップの発言としては明らかに行き過ぎである。

 統合幕僚長の発言の背後には、一強多弱の安倍内閣の強力な後ろ盾があるとの自惚れと過信があったようだ。実際この御仁は、現在62歳で自衛官の60歳定年を過ぎている。日頃から首相官邸サイドの覚えが良く、昨年現職のまま定年を1年延長されたほどであるが、昨日更に1年延長された。防衛省背広組の間では、その発言はあまりにも軽率と思われているようだが、これも官邸と自衛隊制服組との出来レースの結果と思われても仕方がないのではないだろうか。

 今や改憲へ向けてまっしぐらの安倍政権は、なりふり構わずである。これからどんな奇策を考え出して来るのだろうか。どうも首相自身悪知恵のある取り巻きに囲まれて、前後の見境がつかなくなって今や歯止めが効かなくなっているようだ。

 ところで、憲法改正推進者でもあるその安倍首相は、主要7カ国(G7)首脳会議出席のため、森友学園問題で疑念を抱かれた昭恵夫人ともどもイタリアのシチリア島を訪れている。今日と明日の2日間G7が開かれるが、論点は盛りだくさんである。自由貿易や経済のグローバル化、地球温暖化など地球規模の課題、テロ防止対策、北朝鮮及びシリア問題などであるが、アメリカ第一主義を唱えるトランプ大統領と国際協調主義を守りたいドイツとフランスなどとの関係をどう維持するかが、抜き差しならぬ課題である。

 以前から注目されていたのは、ドイツとフランスが重視している地球温暖化対策である。パリ協定の精神を持ち続けなければいけないと主張するドイツのメルケル首相と同調するフランスの若いマクロン大統領が、地球温暖化に積極的な役割を果たして、中国まで協定に同意させたオバマ前大統領の対応を批判して、協定無視、環境に関する協定からの脱退まで仄めかすトランプ氏を説き伏せることが出来るだろうか。

2017年5月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com