3720.2017年7月20日(木) 安倍政権、及び自民党支持率低下の原因

 今月2日行われた東京都議選で自民党は惨敗した。これで1強多弱の地盤に胡坐を掻いていた安倍政権の支持率は大幅に下落した。俗に支持率が30%を割ると危険水域と言われているが、第2次安倍政権誕生直後の2013年4月の世論調査では68.8%もあった支持率が、今や29.2%にまで急降下した。昨今益々評価を落としているトランプ大統領ですら40%前後である。

 その原因はいろいろ挙げられているが、やはり1強という幻に甘え切ったせいだろう。やりたい放題にことを進め自民党議員が増長し、官僚のトップ人事まで内閣官房が決めるというから、政官の垣根がなくなり官僚の間にも「物言えば唇寒し」の空気が生まれているらしい。しかし、思い上がって支持率を失ったことは、反って自民党が謙虚に出直すためにも良薬ではないだろうか。

 不人気の原因としては政権内の閣僚の言動が大きく影響している。今最も疑念を持たれているのは、国家戦略特区の獣医学部新設に暗躍して加計学園認可に動いたとされる山本幸三・地方創生相である。どう考えても関係者の声を聞く限り疑わしいものであり、山本大臣がいなければ加計学園獣医学部認可は考えられなかったように思われる。

 24日、25日に国会閉会中審査に安倍首相が出席するようだが、常々首相は丁寧に説明すると言いながら、これまで一向に明快な説明をしていない。森友学園問題にせよ、加計学園問題にせよ、安倍首相がどっぷり深みに嵌まっていたのは明らかである。

 例えば、3年前行われた加計学園職員へのアンケート調査では、獣医学部新設に対して職員の間では圧倒的に反対意見が多く、「アベを使うなどのやり方がきたない」と加計理事長と安倍首相との特別な関係によってゴーサインが出されることに極めて拒絶感が強い。内々には2人の密接な関係とその成行は早くから不審な目で見られていたのである。

 これら反対の声を押し切って、加計学園獣医学部新設計画が進められることにどうしても不審感を抱かざるを得ない。明らかに加計学園と安倍首相との関係がずぶずぶだったことが判る。

 もうひとり支持率低下に協力したのが、自衛隊南スーダン派遣部隊の日報を非公表、また隠蔽に関わったと疑いをかけられている稲田朋美・防衛相である。日頃から弁護士らしからぬ稚拙な答弁に終始している稲田氏は、森友学園でも虚偽の対応をした。今また持ち上がっている自衛隊PKO派遣隊の日報が亡くなったり、現れたり、それを公表しないことを承認したり、その情報を聞かなかったとか、答弁が二転三転してまるで訳が分からない。森友学園に続いて、またも虚偽の説明をしている。同僚議員も稲田氏の言動が評価を下げたと指摘するほどひどいものである。

 来週安倍首相がこれらの疑問にどう国民を納得させる説明をしてくれるのか。これによって首相への信頼が良くもなり悪くもなると思う。その意味では安倍政権は鼎の軽重を問われているのだ。首相には、国民のことを考えてもう少し真面目に、謙虚にことに当たってもらいたいものである。

2017年7月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com