4561.2019年11月8日(金) 日墺国交150周年記念行事認定を取り消し

 共著「新世代の観光立国」のうち拙稿「旅のあゆみ」について、今日麹町の海事センタービルで話をした。残念なことにパワーポイント機器の具合が悪く、調整に2人、3人と入れ替わり立ち代わり具合を見てもらって遅ればせながらやっとスタート出来た状態である。以前から思っていたところだが、こういう最新の器具は、やたらにソフトや中身を変えたりグレードを上げて消費者に新製品を売りつけようとする傾向がある。従って操作機器がグレードアップする度に、一部の機能が使用出来なくなってしまう。今日講義の冒頭にメーカーの不親切にして、儲け主義の実態を改めて知った次第である。

 さて、心配していた香港デモで今日ひとりの大学生が死亡した。どういう状況で亡くなったのか、まだはっきりしないが、警察隊とデモ参加者の衝突現場付近で発見された。今後両者の激しい衝突が懸念される。

 そして、フランスのマクロン大統領が、イギリスのエコノミスト誌へのインタビューでNATO(北大西洋条約機構)は脳死状態だとの発言が物議を醸しだしている。統制が取れていないことを指摘したようだが、加盟国から反発を招いている。特に、アメリカについて中東への関与を減らし、アメリカと中国だけを見るようになったと批判し、同時にトランプ大統領に対してもヨーロッパと考えを共有しない初めてのアメリカ大統領だとも述べた。これに対してアメリカのポンペオ国務長官は、NATOは歴史的に最も戦略的に重要なパートナーだと反発し、ドイツのメルケル首相も過激な言葉は共有しないと批判した。NATOの実情は分からないが、トランプ大統領についてのコメントは分かる気がする。今後ヨーロッパ内で大きな問題にならなければ良いと気になっている。

 ついては、オーストリアで起きた日本の政治がからんだ対応について気がかりなことがある。今年は日本とオーストリアが国交を結んで150年になり、両国間でいろいろな催しが行われている。問題となったのは、10月30日付で日本大使館がウィーンで開かれている展覧会「ジャパン・アンリミテッド」の両国友好150周年事業としての認定を取り消したことである。国の認定はキャンセルされたが、展覧会は予定通り11月下旬まで開催される。

 一時中止になったが、再開された「あいちトリエンナーレ2019」の企画に参加した芸術家集団も招かれていたという。安倍首相に似せた人物が鎖国を訴えたり、戦争について中国と韓国に謝罪したり、東電福島第一原発事故の謝罪会見を題材にしている作品もあるという。まるで、「あいちトリエンナーレ2019」とそっくりである。確かに日本人にとっては、面白いものではない。自民党合同会議で問題になっていた節もあり、外務省から取り消しの連絡があったのかも知れない。「あいち~」が中止になった経緯によく似ている。

 展示企画者であるイタリア人マルチェロ・ファラベゴリ氏は、日本の本音と建て前をテーマにしたと語り、「日本を悪く言うのが目的ではなく、日本社会が複雑で多くの問題があることを示したかった」と説明しているが、この行く末はどうなるだろうか。「あいち~」の場合と異なり、150年の友好国オーストリアに対して失礼とか、恥ずかしい動作がないことを願っている。

2019年11月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4560.2019年11月7日(木) 安倍首相の責任を取らない無責任観

 過日の閣僚2人の辞任に関して、安倍首相が任命責任を痛感しているとの具体性のないお決まりのコメントを述べたが、これについて国会でも野党から厳しい質問がぶつけられている。言葉だけなら何とでも言えることであり、首相自ら本当に不適任な任命で国民に迷惑をかけたと思うなら首相自身の辞任や、一定期間職責を離れる、或いは給与を辞退するなど具体的に責任を取るべきだと思う。

 そして9月の内閣改造で同時に初の閣僚に就任した萩生田光一・文部科学大臣が「身の丈」発言やら、来年度から始まる大学入試共通テストで新たに導入される予定だった英語民間試験をこの期に及んで延期するなど、信念に欠ける対応に新大臣の椅子もぐらついている。他にも橋本聖子・オリンピック担当大臣の2020東京オリンピック・マラソンの札幌開催に関わる代表者協議では国の代表でありながら、その薄い存在感には果たして職務を果たしているのか極めて疑問である。

 大臣が所管官庁を管理出来ず、外部との交渉でも力を発揮しなければ、その存在は関係部門を失望させるばかりでなく、必要性と存在さえ疑われる。現在の内閣閣僚は大臣としての器に欠ける人物が、首相官邸への忖度とか、奉仕によって論功行賞として委ねられただけではないかと思いたくなる。これには野党の追及が弱い一面もあるが、安倍長期政権による気持ちの甘さや緩みが大きいと考えている。

 さて、先ごろ共著として出版した「新世代の観光立国」の拙稿「旅のあゆみ」について、明日麹町の海事センタービルで講演することになっている。その中で2020年に政府が目標とする外国人観光客が4千万人ということに触れるつもりだが、その数字達成が少々危うくなってきた。その最大原因は、中国人に次いで多い韓国人観光客が昨今の日韓関係の悪化により、このところ激減しているからである。

 全体的には訪日観光客は増加しているが、韓国人だけに限ってみると6月まで順調に伸びていたが、7月に韓国政府がGSOMIAから脱退を公表して以来減少に転じて、8月、9月の対前年比率は、それぞれ-48.0、-58.1%となった。2019年累計で9月までに740万人が来日してそれは対前年比+14.6%である。ところが今日のエンタメ番組「ミヤネ屋」で驚くことに10月の韓国人観光客は、83.2%も減少したと伝えたことである。こうなると韓国人の比率が高いだけに、2020年の4千万人が達成出来るかどうかいよいよ危なくなってきた。

 明日受講者の皆さんにこの現象をどう思っているのか聞いてみたい。

2019年11月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4559.2019年11月6日(水) 気持ちが休まる2つの集まり

 今日は忙しなかった。ヨーロッパで活動され、今月初めの連休に広島原爆記念館で演奏されたセルビアのヴァイオリニスト・豊嶋めぐみさんに、藤山一郎さんの甥・増永基文さんが加わり3人で新宿のハイアット・リージェンシー東京の和食レストランでランチをともにした。嬉しかったのは、豊嶋さんがわざわざヴァイオリンを持参され、私たち2人のために名器で演奏してくれるというお申し出だった。早速レストラン支配人にお願いしたところ防音設備の別室で演奏の機会を作ってくれた。折角の機会だったので、レストランの従業員にも聴かせてあげたいと思い、そう話したところ6人の和装女性が部屋にやって来られ、静かに聴いて感激していたようだった。名曲を生でじっくり聴かせてもらった。臆面もなく豊嶋さんに次回出版記念会に来ていただき演奏してもらえれば嬉しいとお話ししたところ、予定が早めに分れば是非とも演奏したいと受けてもらえて期待が高まった。心ウキウキする嬉しい会食となった。

 夜は、六本木の森ビル・アークヒルズで開かれた恒例の母校・湘南高校OBの有志で組織する「東京湘南有志会」の会合に出席した。年齢差もあるが、同じ母校で学んだ同窓生でもあり、皆和気あいあいの楽しい集会だった。久しぶりに佐々木信也さんにもお会いした。佐々木さんが甲子園で優勝した時の野球部の同級生2人も出席されたが、お2人とも現役の医師として今も活動されていると聞いて敬服した。

 話題の中心は、再来年迎える母校創立100周年記念行事に関することだった。この会の難点は、敢えて言えば若い後輩たちがやや少ないことである。だが、文武両道の湘南で学んだことを皆誇りに思っている。それはランチの際にも増永さんとの話の中で、慶應で学んだことを良き思い出にしていると言ったことと相通じるものがある。

 今日の大失敗は、新宿から六本木アークヒルズへ行くルートをちょっとした勘違いで間違えて、地下鉄南北線「六本木一丁目」駅で下車すべきところを、日比谷線「六本木」駅で降りて随分遠回りして歩いたことである。何日ぶりかで歩数も1万5千歩になって、やはりふくらはぎを痛めてしまった。いずれにせよ、心を許せる人との会合は楽しいものである。疲れたが、今日は心地よい疲労である。

2019年11月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4558.2019年11月5日(火) 地球温暖化の犯人アメリカ、パリ協定脱退

 世界遺産の首里城が焼失して失望していた昨日、また世界遺産の白川郷の建物が火事になったとの報道に愕然としていたが、世界遺産の茅葺屋根の家屋ではなかったということでホッとしている。それにしても日頃防火に注意しているだろう貴重な文化遺産でも身近な場所の監視に抜かりがあることに留意して、首里城の二の舞を演じないよう気を付けて欲しいものである。

 台風19号の被災状況も、金額的にも相当なダメージを関係自治体に負わせる形になった。9月の台風15号は風害によるものだったが、19号は風水害によるものでこれまでになく河川の決壊が目についた。大型で気まぐれな台風襲来には、近年気象温暖化現象の影響に負うところが大きい。世界的に気温の上昇を抑える取り組みを各国で考えているが、現実は毎年酷くなるばかりである。

 さて、1997年に地球温暖化を防止するための京都議定書が採択された。今アメリカの離脱で話題になっているパリ協定とは、京都議定書の後に2015年パリで気候変動枠組条約に加盟する196カ国が、2020年以降の地球温暖化対策を定めたものである。第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)でフランス外相は、パリ協定は地球温暖化を提言させる目標であると述べた。2016年温室効果ガス2大排出国の中国とアメリカはこれを同時に批准した。ところが同年11月アメリカ大統領にドナルド・トランプ氏が選出されて様子が変わった。「アメリカ第一主義」を政権運営の柱に据えたトランプ大統領は、かねてから地球温暖化に対する懐疑論者で「地球温暖化という概念は、アメリカの製造業の競争力を削ぐために中国によって中国のためにつくりだされた」と主張して、2017年6月に協定から離脱する意向を表明した。そしてアメリカは正式な離脱通告が可能となった昨日11月4日、国連に正式に通告して脱退の手続きを開始した。脱退が完了するのは1年後で、ちょうどアメリカ大統領選の投票日翌日である。こうなったらトランプ氏が大統領選で落選するよう願うより他ない。アメリカの狡さは、世界第2位の二酸化炭素ガス排出国でありながら、自国経済を優先した利己主義に凝り固まっていることである。いずれ地球温暖化のしっぺ返しは、当然アメリカにも降りかかるだろう。

 ここまで大量の温室ガスを排出しながら、その責任を一切取ろうともせず、他国のせいにして一方的に協定から離脱しようとする狡い腹の内が理解出来ない。それならアメリカがそれなりの対策を打ち出すわけでもなく、イチや~めたとばかりに温暖化防止に真摯に向き合っている国々の前を通り抜けて行こうとする身勝手さには、最早救いようがないと言わざるを得ない。トランプ大統領とアメリカの天邪鬼ぶりには、毎度迷惑させられるが、トランプ大統領になってから特に酷くなっている。アメリカは世界中で一番失望させる国と言わざるを得ない。

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4557.2019年11月4日(月) 首里城はなぜ燃えたのか?

 先月31日に焼失した沖縄の世界遺産・首里城について沖縄県民はもとより、日本国内から惜しみ嘆き悲しむ声が上がっている。台湾から沖縄を訪れる旅行者は、感性が通じるのか、必ず首里城を訪れるそうである。首里城が世界遺産として認定されたのは、焼失した琉球特異の建物ではなく、世間には知られていない地下にある琉球の伝統的なお宝だという。従って建物の焼失によって世界遺産が登録を取り消されることはないようだ。

 しかし、なぜ火の気のない場所からこれほど大きな火災を起こす事態に至ったのだろうか。国宝であり、重要文化財でもある首里城にスプリンクラーさえ取り付けられていなかったということもショックである。火災原因として、分電盤のショートが挙げられている。事前に見回りでチェック出来なかったのだろうか。こんなことで貴重な国民の財産が跡形もなく消えてしまうのは、如何にも残念である。

 また火災発生に際して空からヘリコプターによる消火がまったくなかった。自衛隊への支援要請もなかったようだ。沖縄県と国との難しい関係の中で自衛隊ヘリが出動出来なかったとするなら、これほど馬鹿々々しい話はない。焼失した建物の価値が一瞬にして消えたのである。

 消火活動を心配そうに見守った住民からは「なぜ自衛隊のヘリコプターを使わないのか」と不満の声も上がっていたという。東京電力福島第1原発発火の際には、陸上自衛隊の大型ヘリコプターが上空から海水を投下している。那覇市にも陸自第15旅団が駐屯し、同じ大型ヘリも配備していたというだけに、これをどうして活用できなかったのか疑問が残る。

 これについて知人の軍事評論家・小川和久氏はツィッターでこう述べている。

 「まだ阪神淡路大震災の時の教訓に学んでいない。この記事にある旧態依然たる認識は24年前のものだ。沖縄県の担当者は私の『ヘリはなぜ飛ばなかったか』(文藝春秋)を読んでほしい」、「沖縄県は危機管理部門に自衛隊OBを入れるのにずっと抵抗していたが、いまはどうなっているのだろう。それに、自衛隊のOBと言っても空中消火を語れるのは航空科職種のパイロット出身者だけだ。その点は、多くの自治体もわかっていない」。

 幸い一般市民から、早くも2億円近い募金が寄せられたという。この国民の素直な声を受け止めて政府もいち早く再建に取り組んで欲しい。費用的にも時間的にも相当かかることだろう。恐らく私の生存中には再建は難しいかも知れないが、1日も早い復興を願っている。

2019年11月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4556.2019年11月3日(日) 今日「文化の日」は81歳の誕生日

 今日11月3日は、「文化の日」であるとともに我が81歳の誕生日である。昨年は80代に足を踏み入れることになって、人生の終末期を覚悟しながらも「傘寿」という祝意が感じられたが、今年は「半寿」というお祝いも半ばという年になった。

 「文化の日」は、文化活動的行事や式典が各地で催され、名称も佳い祝日だと思っているが、近ごろ保守的な人たちの間で、この「文化の日」を「明治の日」に変更しようとの動きがあるらしい。昨年明治150年にかこつけて唐突にそんな話が出てきたが、それは頓挫した。しかし、かつての「明治節」へ復古しようとの思惑が依然あるような動きも見られて、ついあらぬ邪推をしてしまう。「文化の日」は、あまたある国民の祝祭日の中でも、最も格調の高い祝祭日のひとつだと思う。それを今更「明治の日」に変更することもないと思う。

 毎年誕生日は快晴に恵まれているが、今日は薄曇りだった。お祝いに妻がランチでお祝いしてくれることになり、台風19号による多摩川の決壊箇所近くの二子玉川まで出かけた。ガラス越しに見える外の景色が素晴らしいレストランで、美味しいイタリアン・ランチを食した。Face bookで知人からお祝いのメッセージをいくつかいただいたが、大学の先輩からも励ましをいただいた。現在執筆中で来年前半に上梓するドキュメントの後に、もう1冊ノンフィクションを書く予定なので、まだまだへこむわけには行かない。せめて父親の没年齢93歳までは頑張らなければいけないと考えている。

 さて、昨日閉幕したラグビー・ワールドカップに関して、ホスト国日本の完璧な大会運営に過去最高の大会との評価をもらい、日本人ファンの公平で愛情あふれる応援に感激したという選手やチーム関係者、外国人が多い。お世辞抜きにしても1か月半に亘ってこれほど関係者、ファン、一般の日本人を満足させた大会はなかったと称賛されている。実際試合会場の外でも日本人を含めてサポーターの熱気は高まる一方だった。すでに向う20年以内にもう1度日本国内でワールドカップ開催が話題に上がっている。

 そんなワールドカップ万々歳の空気の中で、昨日決勝で敗れたイングランド選手の表彰式時の行動が母国で批判を浴びている。余程負けたことが悔しかったのか、ワールド・ラグビー会長から一人ひとり銀メダルを首にかけてもらいながらも、中には首にはかけてもらわず手で受け取ったり、すぐ首から外してしまったり、その行動が顰蹙を買っているのだ。エディー・ジョーンズ監督にしても最後に受け取り首にかけてもらいながら、壇上から降りるやすぐポケットにしまっていた。テレビでそれらの行為を目にした時、ラグビーのノーサイド精神から逸脱し、少々不味いなと思っていたところ、やはり槍玉に上がってしまった。

 折角の大会成功の心地よい空気に何となく後味の悪さが拭えない。一部彼らの行動は、ラグビー精神とは相いれないものだと思う。少々残念な気がしている。

2019年11月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4555.2019年11月2日(土) 南アフリカ優勝でラグビーW杯閉会

 9月20日に始まったラグビー・ワールドカップは、1か月半後の今日南アフリカ対イングランドの決勝戦を迎えた。決勝トーナメント1回戦で日本が26-3で敗れた相手だけに、南アフリカに勝って欲しいと思っていた。両チームともにディフェンスがしっかりしているので、そう簡単にトライは奪えないと思っていた通り、前半はお互いにトライを奪取できずペナルティ・ゴール合戦で南アが12-6でリードした。後半に入って南アが2トライを奪い結局32-12のスコアで南アが勝ち、3度目の優勝を遂げた。第1次予選で(ニュージーランドに)敗れたチーム(南ア)が優勝したというケースは初めてである。

 今日は南アにとっては3度目、イングランドにとっては2度目の優勝が懸かっていただけに南アからはラマポーザ大統領が、イングランド・ロンドンからはハリー王子が応援に来られた。表彰式では大会名誉総裁の秋篠宮が優勝した南ア主将にトロフィーを手渡した。ワールド・ラグビーのビル・ボーモント会長は日本の開催運営と日本人のホスピタリティを高く評価していた。

 今年のワールドカップは日本が初めて決勝トーナメントに進出したこともあり、ラグビー人気はいやが上にも盛り上がった。ゲームの面白さもさることながら、選手及びチームのパフォーマンスがファンの目を引き付け、会場はすべて満員の盛況だった。他のスポーツと異なり、チームは外国人選手を交えて「ワンチーム」として堅いチームワークでよくまとまり、ノーサイドまで勝負の行方は分からなかった。日本チームがカントリーロードの替え歌「ヴィクトリーロード」を唄ってはチームを引き締めひとつにまとまった。昨日行われた東京オリンピック・マラソン開催地決定の協議に際し、森喜朗・オリンピック組織委員長がラグビーの「ワンチーム」を引き合いに出して大所高所に立ち関係者がまとまることを求めたほどである。

 1982年にラグビー発祥のラグビー校を訪れた時、ウエブ・エリス少年像の周りを軽く走ったことがある。南アフリカは、コリシ主将が生まれた1991年に訪れたことがある。偶々長年の懸案だったアパルトヘイト差別政策が廃止された年だった。いずれも懐かしい思い出である。あのイメージを胸に両国を応援していた。

 まずは、ワールドカップは大成功のうちに目出度く閉会となった。テレビのインタビューでも、ワールドカップの閉会を多くの人々が寂しいと言っていた。大会成功は東京オリンピックについても大きな期待を抱かせてくれるのではないかと思う。

2019年11月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4554.2019年11月1日(金) 東京五輪マラソン、札幌に変更決定

 東京か、札幌か、こじれていた2020年東京・オリンピックのマラソン・競歩の開催地は、十分な合意のないまま東京から札幌に変更することに決定した。一昨日以来3日間に亘ってコーツ国際オリンピック委員会(IOC)調整委員長、国から橋本聖子五輪担当相、小池百合子東京都知事、そして森喜朗大会組織委員長の4者が協議を続けていたが、小池都知事が「合意なき決定」として不承不承札幌開催を受け入れた。都は、①会場変更の最終権限はIOC にある、②移転費用を負担しない、③これまでにかかった費用の一部を都は負担しない、④その他の競技は会場を変更しない、などを了解してIOCと合意した。

 不満を抱えたまま理不尽な決定となったが、この会場変更には、いくつもの問題点が残された。まず、この期に及んでIOCの傲慢さがあからさまに表れた。スポーツ評論家や関係者の間には、IOCが現場サイドから事前に意見を聞かずに、上意下達で札幌開催決定を押し付けたことに強い不満が出ていた。

 不満のひとつは、いくらドーハで行われた国際陸上マラソンで暑さのため途中棄権ランナーが28/68人も出たからといって、開催地の東京都からきちんとした了解もなく、一方的に東京からやや涼しい札幌へ移転するというのは、少々強引であり遅過ぎるのではないか。IOCと国際陸連はなぜもっと早くこの暑さ対策を具体的に検討しなかったのだろうか。

 もうひとつは、現場関係者の意見を真摯に聞かなかったことである。今朝テレビ出演した瀬古利彦氏は、決定の仕方に強い不満を述べていた。

 さて、遅すぎた変更決定に引きずられている間に、来年度から実施される大学入試の英語民間試験を延期すると萩生田光一文部科学相が表明した。これもあまりにも唐突な事態の変更となった。今日から大学入試センターで必要な共通IDの申し込みが始まったが、これを急遽中止する有様である。改めて2024年度から始められるよう見直しを進めていくという。最初から制度設計が甘かったのではないだろうか。あまりにも拙速に過ぎる。

 それにしても大きな影響を与えるオリンピックの最終競技マラソンの会場変更や、全国の大学入試に影響を及ぼす英語試験の延期など、なぜもっと早く結論を出せなかったのか、理解に苦しむ。

2019年11月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4553.2019年10月31日(木) 世界遺産・首里城が焼失

 今日は驚くべきニュースが多かった。中でも一番悲しくショックを受けたのは、沖縄の世界遺産である首里城が一夜にして焼失してしまったことである。残念ながらまだ訪れたことはなかったが、琉球王朝(1429~1879)の政治と文化の中心だった。終戦の年に沖縄戦で米軍の攻撃により破壊され焼失した。その後再建され国宝として、また世界遺産にも登録され、毎年多くの観光客が訪れていた。政府も再興すると言っているので、再びその姿を見ることは出来ると思うが、今日一日沖縄の人々はがっかりし、皆言葉を失っている。真夜中に焼け落ちる首里城を見て、茫然として涙を流している住民の姿が何とも悲しい。火災の原因は現時点では分かっていない。

 日本の建築様式とは一味違う建物と漆塗の工芸技術には、長い伝統が滲んでいた。沖縄県民にとっては戦時下の火災を想い出されたのではないだろうか。1日も早い再建を心から望んでいる。

 2000年に九州・沖縄サミットが開催された折に議長を務めた森喜朗元首相にとっても悲しみと感慨が湧いてくることと思う。だが、その森氏は昨日2020年東京オリンピックのマラソン・競歩開催会場を東京から札幌へ変更するIOCの決定について、IOC実行委員会、東京オリンピック組織委員会、東京都、そして日本政府の間の打ち合わせに出席していた。五輪憲章によると最終決定権はIOCにあるので、現状ではいくら東京都が反対してもIOCの望む札幌開催が最終決定となってしまう。問題になったのは、開催を9か月後に控えた時点での会場変更は時間的に厳しいことと、会場変更に伴って派生する経費をどこが負担するのかということである。開催は成功裡に終わったとしても、後に大きなしこりが残ることが懸念される。

 さて、25日に菅原一秀・前経済産業相が辞任したばかりのところへ、今日突然河井克行法務大臣が参議院議員の妻の公職選挙法に絡む疑惑により、法相としての立場上辞表を提出した。例によって安倍首相は、任命責任があるとして国民に謝罪したが、この言葉だけで反省すべき何の行動も起こしていない。任命責任を取るなら自身辞任するなり、せめて給与を何か月分辞退する行動を起こしてもらいたいものである。こんなあいまいな結論では、いずれ近いうちに3人目の辞任大臣が出ることだろう。

 そして、夕方になってお騒がせ国・北朝鮮がまた短距離弾道ミサイルと見られる飛翔体を日本海へ向けて発射した。今年に入って20発以上であり、今月に入って2度目である。今回の着水は日本の経済的排他水域の外だった。他国へ迷惑ばかりかけている北朝鮮は、いつになったら愚かな行動を止めるのだろうか。

2019年10月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4552.2019年10月30日(水) 緒方貞子・元国連難民高等弁務官亡くなる。

 セルビアから一時帰国中の山崎洋さんの多忙な間隙を縫って新宿の「ハイアット・リージェンシー東京」でランチをともにすることになった。ゼミ仲間の池田くんと赤松くんに加えて、京都大学経済学部在学中にゾルゲ事件を研究していた芳野健二さんに声をかけたら、ぜひにと言われ参加された。ゾルゲ事件の資料も持参され、ラグビー・ワールドカップの話題も含めて活発に話し合いに加わってもらい、大いに盛り上がった。

 昨日葬儀に合わせて公表された緒方貞子・元国連難民高等弁務官の死亡が大きく報道されている。10年間も国連内で難民問題のトップとして難民の実情を視察し、現場感を持って厳しい現場を度々見てこられた。5.15事件で暗殺された犬養毅首相の曾孫という家系である。アメリカ留学により語学が堪能で、行動力は国連内の評価も高く、国内でも文化勲章を授与されるほどの功績を上げられた方である。セルビアでもボスニア・ヘルツェゴビナ内戦時にNATO軍の攻撃に対して鋭い口調でNATOを非難していた。山崎さんからこっそり聞いた話では、緒方さんは現場に出ていたが、ほとんど国連によって動かされていたし、自分の意見をはっきり言ってはいなかったそうである。現実とメディアが伝える情報の間には、かなり乖離がある。しかし、緒方さん自身がどうして度々危険な地へ出かけるのかと尋ねられた時、即座に現場感を知らなければ、人を説得することは出来ないと応えられたことに大いに納得したものである。

 さて、すったもんだした挙句に先日イギリスのEU離脱の時期を、明日10月31日から来年1月31日へ延期することをEU委員会が承認した。その後イギリス国内がすぐ結論を出せるのか気になっていたところ、予想に反してイギリス議会下院でジョンソン首相が提案した総選挙実施を299対70の圧倒的多数で可決した。これは総選挙に反対すると思われていた労働党が賛成票を投じたことと、同時に多数の労働党員が棄権したことによってジョンソン案が通過したと言える。これで12月12日にジョンソン首相の信を問うことになった。

 それにしても随分長い間イギリスでは、政治が機能不全に陥っている。かつては世界中に植民地を支配して地球上の国土のほぼ1/4を占有した大英帝国の権威も、随分地に墜ちたものである。

2019年10月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com