4390.2019年5月20日(月) 消費増税に説得力はあるか?

 政府内や経済界には安倍首相が提唱したアベノミクスによって好景気とのムードがある。今年10月に消費税が2%アップされるのも国内総生産(GDP)が堅調に推移していたからこそ説得力がある。ところが昨今景気が下降気味で消費税値上げに関して、その根拠に一部に疑問が出されていた。日銀短観でGDPが下がれば考えなければならないと陰では心配していた。荻生田光一・自民党幹事長代行が消費増税を延期することも考えられると勇み足発言したほどである。仮にそうなると消費増税を実施し難くなると懸念されていた。

 今日内閣府は今年1~3月期のGDPを発表した。前期(昨年10~12月)に比べて、0.5%増えた。このままのペースで推移すると年率換算では、2.1%増となる。財務省はホッとしたことだろう。これで消費増税の裏付けが取れた。ただ、今回のプラス成長の要因は、大幅な輸入の減少によるものであり、手放しでは喜べない。それは、輸入の減少は、設備投資や消費など国内消費が落ち込んだことによるからである。

 政治家というのは、ずる賢いところがある。実質経済は決して明るいものではないが、この一時的なGDPプラスを消費増税の理由にこじつけたりするからである。

 米中貿易摩擦が大きくなり、今後GDPを押し下げる原因になりかねない。一方で、10月には消費税は間違いなく上がりそうだ。そうなると庶民の暮らしは益々厳しくなるだろう。

2019年5月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com