6767.2025年11月22日(土) イラン古都の渇水と原発再稼働ゴーサイン

 昨日の朝日夕刊の一面に「イラン 乾く古都と沈む街」と題してイランの世界遺産都市イスファハンの異常な渇水について書かれた大きな記事が載っている。イランは2度訪れているが、20年ほど以前2度目に訪れた時は、主に古代都市のペルスポリスとこのイスファハンを中心に訪れ、長い年月の間昔のまま保存された街の光景に触れ、感動したことを想い出す。

 実はそのイスファハンが、他のイラン都市と同じように気温の上昇と雨不足が続いて河川や湖が干上がり、地下水の過剰なくみ上げによると見られる地盤沈下が進んでいるという。イスファハンには、中心部をザーヤンデ川が横切っていて、そこに独特のハージュ橋が架かっていてそれが何とも言えない魅力的な建築なのである。何とそのザーヤンデ川がほぼ干上がってしまったのである。今では渇水は世界的に共通した課題になってしまっているが、特にイランでは近年各地でダストストームと呼ばれる砂塵が舞い上がり、呼吸器の疾患のような健康被害が広がっている。このため、特に東部では村人が村を去り、打ち捨てられた村があるという。

 それにしても残念である。イランは人々が優しく歴史と文化が根付いた都市は何とも魅力的で居心地が好い。それが失われてしまうとは、政治が何とか出来ないのかと思うのだが、政府に危機感はあれども予算も技術も欠けるようだ。そのためイランは地球温暖化対策の国際ルールである「パリ協定」に最初に署名した国であるにも拘らず、今では署名195か国の内最終的に批准をしていない3か国のひとつとなってしまった。かつて世界を席巻したペルシャ帝国もマケドニアのアレクサンドロス大王によって征服され、その後裔たちによる今の「イラン・イスラム共和国」も次第に存在感が消えつつあるようだ。あまりにも寂しいことである。

 さて、長々と燻っていた柏崎刈羽原発再稼働問題も、昨日地元の花角英世・新潟県知事が容認する意向を公表したことにより方向性が定まった。日本のエネルギー政策は原発の活用を掲げているので、これにより前進することになる筈である。今年度内に柏崎刈羽原発7号機の内6号機の再稼働にメドが立ったことで、東京電力にしてみれば事故後初の原発稼働であり、一応首都圏の電力供給は安定性が高まる

 ただ、東日本大震災によって損壊し、放射能漏れを引き起こした東電福島原発があまりにも莫大な物心両面におけるマイナス面があっただけに、同じようなケースが起きた場合リカバリーをどう国民に訴え、理解してもらえるだろうか正念場となるであろう。東電も国民から厳しい目で見られ、廃炉費用などが経営を圧迫している中で、1基でも稼働すれば、年間1千億円の利益を改善することが出来ると見られている。まだ、続くであろう再稼働へ向けた動きの中で賛否両論をどう国民的利益の視点から決着をつけることが出来るだろうか。問題はまだ始まったばかりである。

2025年11月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6766.2025年11月21日(金) 教育重視なのに国立大授業料2割値上げ?

 昨今自治体の歳出の中で、教育予算が重視され保護者の負担もかなり軽減されているようだ。特に財政豊かな東京都の場合、小中学校では授業料の無償化の他にも、保護者の要望を受けて2024年度から都立学校の給食費が無償化された。この他に都立高校では授業料を実質無償化とした。更に私立高校にも国の就学支援金に加えて、授業料軽減のための助成をして実質無償化を実現している。以前にはとても考えられなかったことである。

 こういう教育費助成傾向の中で、大学にも好影響が現れるかと思いきや、それとはまったく反対の動きがある。それは国立大学の授業料値上げが今年に入って現実となったことである。これは最近の物価高騰や研究・教育コストの増加に対し、国からの運営費交付金が減少していることが背景にある。

 まず、東大が今年度の学部入学者から授業料の20%値上げをすると発表した。本来国立大学の入学金と授業料は文部科学省によって標準額が決められている。前者は28万2千円、後者は53万5800円である。東大は授業料を文科省の標準額上限の64万2960円に値上げすることを決めた。国立大学のリードオフマンである東大が値上げする以前に、すでに2019年度から東京芸術大、東京工業大(現東京科学大)、20年度から東京医科歯科大(現東京科学大)、千葉大、一橋大、24年度からは東京農工大などが、東大の値上げ先取りをして、次々と授業料を20%増の64万2960円に値上げした。私は私立大生だったが、当時の授業料は年3万円だった。卒業してから63年が経ってもちろん社会状況の変化はあるが、随分大きな差が生まれたものだと思う。

 この動きは、26年度以降地方の国立大学に表れ、埼玉大、名古屋工業大、山口大で東大と同額の値上げを決定した。今後も他の地方国立大から同じ動きが出てくると予想される。

 それにしても、高校生以下の教育予算にはかなり思い切って支出しているが、大学にはさほど支援をしていないことがはっきり分かる。

 例えば、国家として教育予算に日本は欧米に比較して果たして多いだろうかと調べてみたら、GDPに占める教育への公的支出の割合は、多い順に挙げれば、フィンランド5.18%、フランス4.52%、OECD国平均4.15%、アメリカ4.12%、そして日本2.9%で、防衛費予算に比べれば遥かに少ない。

 1990年時点では、教育費(文教費)は、4.54兆円で防衛費4.16兆円を上回っていたが、年々その差は狭まり2005年にはほぼ同額となった。以降教育予算が減り続ける中で防衛費は増額される一方で、今年度の政府予算では防衛関係費は過去最大の8兆8千億円に対して、教育予算は5兆6千億円と格差が大きくなった。政府首脳は口では教育重視を言うが、実際には戦禍を及ぼす戦争のための費用「防衛費」の方が大事なのだ。

 堅苦しい話とは別に、今日午前東京ドームで「ミスタ―プロ野球」長嶋茂雄さんのお別れの会が開かれた。今年6月に惜しまれながら旅立たれた。王貞治氏、松井秀喜氏、北大路欣也氏ら多くの著名人が挨拶された。高市首相、大谷翔平選手、イチロー氏らからお別れのメッセージも流された。背番号「3」にちなんで、お花が33,333本も飾られたという。お別れの会の参列者は、着席2,800人、2階席に応募で選ばれた6,800人が見守るなかで、厳粛に行われた。午後には一般の参拝者、2万3千人が訪れた。

 長嶋氏は選手、監督としても素晴らしい実績を残されたが、明るく前向きな性格は生前誰からも好かれていた。晩年は身体に障害を抱えて歩行も大儀そうだったのが、少々お気の毒だった。彼のプレーは何度も見たが、あんな選手はもう2度と現れないのではないだろうか。心よりご冥福をお祈りしたい。       合掌

2025年11月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6765.2025年11月20日(木) 少子高齢化、韓国で益々進む首都圏集中化

 いま日本では少子高齢化により、人口減少が将来的に大きな社会問題に発展すると心配されている。その最大の原因は、出生率の減少により子どもの数が思うように増えない反面、社会福祉制度の充実などにより寿命が延びて高齢者が増えつつあるいびつな状況を示していることである。これは日本だけの問題ではなく、お隣の韓国などでは日本より進行が激しく、他にも東アジアの国々などにも似たような現象が起きていて、今では世界共通の課題となっている。

 中でも下記にわが国以上に深刻なお隣韓国の特殊な現状を紹介したい。

 ①2025年→2070年の人口推計によると、1億2千万人から8千7百万人に減少する日本に対して、韓国では5千百万人から3千7百万人にまで減少する。

 ②2025年の首都圏人口集中度は、日本の30%に対して韓国は51%である。

 ③2025年→2070年の高齢化率推計は、日本29.3%⇒38.7%、韓国20.3%⇒47.5%である。

 ④2021年の66歳以上の貧困率は、日本20.0%に対して、韓国は39.3%である。

 以上で推察できるように、韓国ではソウル首都圏への人口集中度が、欧米主要国や日本よりかなり高い。これは、特に若い世代が国内各都市から首都ソウルへ移動していることが大きく影響している。とりわけ40代以下の世代の首都圏居住率の高いのが特徴である。その最大の原因は、高校を終えると若者は挙ってソウル市内の有名大学を目指す。大学を終えると市内にある大企業へ就職する。これが韓国国内における典型的な「成功コース」であるとの価値観がある。このために韓国の若者は、受験勉強を始めるとゴールであるソウル市内にある有名大学、大企業への道を目指すことになる。そのため韓国では受験勉強が大分激しいと聞いている。さりとて日本人も高校時代から受験勉強をスタートして、東京都内の一流大学を目指し、都内の大企業への就職を望んだ経験があり、とやかく言えないが、それにしても韓国のケースはとても尋常ではない。しかし、心配なのは、受験勉強ができる環境下の恵まれた家庭の子女はともかくとして、家庭的に恵まれない子どもたちや、能力的に力が及ばない子どもらは、若いころから先の目標がなく、途中でぐれたり、間違った道へ足を踏み入れるのではないかと不安や心配がつきまとう。難しい問題だと思う。

 「中庸の徳」という言葉がある。孔子やアリストテレスらに通じる思想で、物事の考え方や行動に置いて過剰でもなく、不足でもない調和の取れた状態をいう言葉である。気がかりなのは、それが教育の現場から忘れ去られ、韓国内の若者世代が同じように上級志向にのみ目が向いていることである。

 この空気が韓国全土に定着して、今ではソウルに次ぐ第2の都市といわれる東南の貿易港である釜山にも若者が少なくなってきたことである。釜山市民は、「ソウルの方がいろんな分野で仕事が沢山あるのだから、大学進学や就職で若者がソウルに行ってしまうのは仕方がない」とあきらめの表情で語っていたという。釜山で暮らす高齢者は寂しく感じるだろうが、ソウルの高齢者とて周囲に若者ばかりではとても息苦しいのではないだろうか。

2025年11月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6764.2025年11月19日(水) 小学生のころの野球と鎌倉の想い出

 こんな幼いころの些細な想い出が蘇ることがよくある。小学生のころは、学校から帰ると毎日のように幕張海岸の埋立地で野球をやっていた。小学校5年生だった76年前の今日、1949年11月19日に作家椎名誠氏の兄研二くんら幕張小学校のクラスメートと後楽園球場の外野席で巨人戦を観戦していた。試合も後半になったころ、場内アナウンスの声の後に、どっと拍手と歓声が上がった。その時東急フライヤーズの大下弘選手が、甲子園球場で行われた対太陽ロビンス戦で7打数7安打の前代未聞の大記録を達成したのである。子ども心にはまだその偉大さは分からず、ポカーンとしていたが、この大記録は未だに達成した選手が他にいないほど難しく貴重な記録なのである。

 その時私が友人らと後楽園で観戦していたのは、巨人軍対中日ドラゴンズ戦だったが、応援の甲斐あって、巨人軍が川上、千葉、青田選手らの活躍と別所投手の好投により5-1で勝った。ファンだった巨人軍が勝ったことより、大下選手の記録の偉大さが分からないくせに、7打席7安打という大記録のことばかりが印象に残っている。かつて芦屋市内に住んでいたことがあったので、もしもその時芦屋市内に住んでいれば甲子園に観戦に行って、大下選手の大記録を目に焼き付けることが出来たかもしれないとあらぬ夢を見ていたこともある。

 思い返せば、あの当時のことは意外にも断片的にかなり覚えている。その翌日、11月20日は鎌倉・江の島へ学年旅行だった。旅行前に担任の湯浅和先生が鎌倉の知識として、鎌倉幕府や、源頼朝の鎌倉幕府確立の功労者で、千葉県の礎を築いた千葉常胤について話をしてくれた。「幕張」の名も幕府から取ったと言われた。湯川秀樹博士が日本人として初めてノーベル物理学賞を授賞したのもこの年だった。翌年は朝鮮動乱などパッとしない年となった。今でも大下選手の大記録に続き、初めて大仏の中へ入った鎌倉旅行は忘れられない想い出である。

 さて、昨晩6時前に九州大分市佐賀関の住宅地帯で火事が発生し、強風に煽られ火は燃え続けて今日12時現在すでに発生から18時間が経過したが、現場から白い煙が上がっている状態である。大火となり48,900㎡が消失し、住宅170棟以上が燃え、多くの住民が避難した。身元不明者が1名出て居るが、他には被害はないようである。大分県は陸上自衛隊に災害派遣を要請した。

 佐賀関は、今ではあまり知る人もいないが、かつて日本鉱業佐賀関工場があり、そこには社会人野球の強豪チームがあった。かつては、夏になると都市対抗野球に夢中になっていて、全鐘紡の3連覇なぞは忘れられない。40年近く前にチームは解散してしまったが、それまでは都市対抗野球には毎年のように顔を出し、ベスト8に進出したこともあり、プロ野球選手も何人か輩出した。そんな過去における華やかな歴史を思うと、一野球ファンとしてはこの火災も他人事とは思えないように感慨深いものを感じる。

 1976年山形県酒田市や、2016年新潟県糸魚川市の大火災はよく覚えているが、それと匹敵するような大火災である。まだ火災は完全に鎮火したわけではなく、これから火災の原因や、被災がどの程度だったのかが明かされることだろうが、今では地方都市として住宅が密集するような感じの地域であるだけに、これからの復興がまた大変なことだと思う。

2025年11月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6763.2025年11月18日(火) 気になる高市首相と自民党の軍国主義的言動

 去る7日衆議院予算委員会で高市首相が、台湾有事に際して武力行使を伴う存立危機事態になり得ると発言したことに対して、中国政府は直ちに抗議し、発言の撤回を求めて激しく非難し日中両国が対立した不穏な状況に陥っている。中国は元々高市首相が軍国主義信奉者で、反中国的であると警戒していたところへ首相が中台問題に首を突っ込んでしまった。首相の言動には、元々うっかりすると触れてはならない、或いは触れない方が良いとされる領域へ、手を出しかねない予兆があった。今朝の朝日「天声人語」欄でも「要らぬことを言った」と批判している。しかし、この高市発言に対して中国の反発も聊か度を越している。日本は現在治安が不安定であるとか、中国人を対象に襲われる恐れがあるとか、およそ事実とはかけ離れた見当違いな情報により、日本へ渡航しようとする中国人に対して渡航自粛を促している。日本へ留学しようとする学生に延期を求めたり、インバウンド客の約3割を占める中国人観光客の抑制を図り、すでに日本入りの航空会社の運行を中止した。国際的な友好関係の礎は、そもそも人と人の交流によって育成されるものだが、それを根っこから摘み取ろうとしている中国政府の子どもじみた軽々しい行動には疑問を感じざるを得ない。

 意外にもこの右翼志向の高市首相に国内では支持率が高く、朝日新聞の世論調査でも、支持率は69%という高い支持を得ている。その中で、日中両国の関係改善については、高市首相には僅かながらも「期待出来ない」44%が43%の「期待出来る」を上回っている。支持層の間でも日中関係だけは、期待出来ないという不安があるのだ。高市首相の言動が警戒されるのは右翼志向で、この先日本のリーダーとして外交、内政に充分な力を発揮出来るだろうかという懸念である。また、他の国との間でもトラブルを生まなければ良いと祈るような気持ちである。

 最近この他にも自民党内に右翼的な芽が吹きだしつつある。16日付東京新聞「本音のコラム」欄に前川喜平・元文科省事務次官が次のようなことを書いている。自民・維新政権合意書に基づき、政府は自衛隊の階級を「国際標準化」して、「1佐」を「大佐」に、「1尉」を「大尉」に変更することなどを検討しているそうである。木原官房長官は「国際標準化」して自衛隊員に高い意識と誇りを持ってもらうと語ったが、すでに1佐も1尉も英語では[COLONEL]や、[CAPTAIN]のように国際標準化されている。むしろ国際標準化ではなく、「旧日本軍化」であり、漢字を理解する中国人には無用な脅威を与える旧日本軍人化は即刻中止すべきであると、至極妥当な考えを主張している。

 それにしても高市首相の台湾有事に備えた余計な国会答弁には、大きな収入源だったインバウンド業を収縮させる可能性がある。首相には責任ある立場にいるだけに、もう少しあらゆる点を弁え、チェックしよくよく考えたうえで発言してもらいたいものである。

2025年11月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6762.2025年11月17日(月) 戦争の怖さを知らない国内外の政治家

 今朝の朝日新聞一面に次のような記事が掲載された。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が公表した調査結果によると、戦争の死者の数はこれまで伝えられていた数字より遥かに多いという事実である。実際死者の数が約2倍にも増えたことに驚いた。

 これまで国会答弁や、全国戦没者追悼大会で述べられていた「310万柱」という説得力があった戦没者数が、何と大幅に修正され、実は約626万人と推定されるということである。戦後のドサクサに紛れて戦没者数は、確実な数が分からなかった。政府が最初にこの310万人と言い始めたのは、1963年私が大学を終え社会人になった年であり、東京オリンピック開催の前年でもあった。以降今日までこの戦没者数が信じられてきた。その310万人の内訳は、軍人・軍属・準軍属が230万人、外地で亡くなった一般国民が30万人、国内で空襲などにより亡くなった一般邦人が50万人と言われてきた。

 ところが、社人研の更なる調査によると実際に日中戦争と太平洋戦争で亡くなった日本人の総数は、韓国、台湾、樺太などにいて亡くなった人を加えると約626万人であることが分かった。これは日中戦争では国の死亡統計が存在しなかったからだと推定される。しかし、戦後80年を経て、今更戦没者が増えたとしても、遺族の行方も不明な点が多く、賠償はないにしても最早名誉とされる靖国神社などへの報告は為されないだろう。今後国会答弁や、全国戦没者追悼大会では626万人とはっきり言うのだろう。

 戦時中旧日本領だった、台湾、韓国にも同じような悲劇があった。台湾人も日本人として軍事徴用され、戦地で戦い、多くの犠牲者が出た。その犠牲者の数は3万人と言われている。これらの点も政府としては軽々に扱うというわけには行かないだろう。

 私も陸軍航空部隊の現地戦没者慰霊祭や、太平洋戦争遺骨収集団などの現地における慰霊際儀式など旧戦跡地で、事あるごとに尊い310万柱という言葉を何度となく聞かされてきた。それでもこれはこれとして、新たに判明した日中戦争と太平洋戦争の犠牲者に対する哀悼の気持ちは変わるものではない。しかし、626万人というこの数字があまりにも大きいので、ショックを受けている。

 今一番気がかりなのは、日本人と言わず世界中の政治家らが、本当の戦争の怖さを知らない世代になり、戦死者が出る戦争を恐れていないことである。戦争は実戦経験、或いは臨場感で戦争を感じたということでもなければ、戦争の恐ろしさが実感としてピンとこないものだ。現在日中間でお互いの不信感から、両国間に緊張の度合いが高まり、険悪な気配が生まれつつある。もちろん立場によって感じ方はいろいろあるが、それでも、高市首相の台湾有事発言に、中国政府は台湾海峡に他国の軍隊が侵入するなら対抗手段を考えると態度を硬化させている。高市首相、習近平国家主席ともに戦後派で、本当に戦争の恐ろしさが分かっていないことは言える。まるでゲーム感覚である。あまりスッキリしないが、しばらくこの問題から目を離せない。

2025年11月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6761.2025年11月16日(日) 言葉の乱れはテレビから

 最近若い人たちの会話でどうにも気になる言葉がある。テレビなどでこの言葉を話す若者とその相手の会話の中で、度々出て来る言葉である。もちろん改まった場などでは、この言葉が使用されることはまずない。政治討論などでもこのような安っぽい言葉が出て来ることはない。その言葉とは「滅茶苦茶」、「めちゃくちゃ」、「メチャクチャ」という言葉で、本来の意味とは逆の意味で日常的に喋っているのが気に障るのである。テレビではある程度模範的な言葉遣いが求められるものだが、この言葉の使用、乱用については、テレビ局でも出演者にあまり注意しないようだ。或いは、ディレクター自身が日ごろから「メチャクチャ」を常用しているせいだろうか。

 本来「メチャクチャ」などは、「良い」、「楽しい」、「嬉しい」、「格好いい」などの反対語で、悪い意味、或いはマイナス・イメージで使われる言葉である。例えば、「部屋の中がメチャクチャだ」とか、「文章がメチャクチャだ」、「話をメチャクチャにぶち壊した」などのように使用される。それが昨今は「非常に」、「ものすごく」とか、「すごい」などを強調する意味で若者たちは「メチャクチャ忙しい」とか、「メチャクチャ恰好好い」、「メチャうまい」という案配で気軽に使っている。我々高齢者にはどうも違和感を覚える。

 驚くのは、「メチャクチャ」の語源は、室町時代にまで遡ると言われている。元々は「道理にあわないこと」、「でたらめ」を意味する「滅茶」という言葉に、「苦茶」が組み合わさり、意味を強調したらしい。あくまでカジュアルな言葉であり、ビジネスや目上の人との会話では、避けるよう教えられている筈である。

 それにしてもこのような言葉がどうして日常的に使われるようになったのだろうか。話した当人に間違ったとの意識がないまま一般的に話され流行したのは、マスコミがかなりその責任を負っていると思う。言葉を初めて覚える小学校などでは、間違った言葉や、使われていない言葉を使った場合は、先生が間違っていると注意し、使わないと思う。日常会話でこのような言葉を使い出したのは、中学生になってテレビを観るようになってからだと思う。テレビで日常的に話されれば、子どもたちはそれを悪い言葉だと知らずに無意識に受け入れ、当たり前のように話すことだろう。ここは、テレビ会社が明かに間違った話し言葉を使用したので、話した出演者に注意して2度と間違った言葉を使わないよう喚起を促すことが望ましいと思う。そうすれば、「メチャクチャ嬉しい」だの、「メチャ気に入った」などのような間違った言葉を使わないだろう。テレビ会社は、自社から発せられる言葉が、間違った言葉として使われていることに責任を持つべきであり、修正するよう常に心掛けることが言葉を乱さない基本である。

 さて、昨日観戦することが出来なかったデフリンピックを観てみようと、ウォーキングがてら駒沢公園の室内体育館でバレーボールを、室内球技場でバンドボールを観戦した。バレーボールは、体育館内を2つに仕切って、男子アメリカ・フランス戦と女子ウクライナ・ブラジル戦をやっていたので、少し観戦した。試合前だったので、いずれも国歌吹奏があり、一度に同じ場所で4つの国歌を聴くことになった。やはり少し空席があり、ゆっくり座って観戦することが出来た。バレー、ハンドボール、いずれの球技も、観た感じでは代表チームとは変わらないが、やはり実力的にはレベルはやや落ちるのではないかと思った。明後日はスタートの合図に変わったところがあるようなので、陸上競技を観戦してみたいと思っている。

2025年11月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6760.2025年11月15日(土) 七五三にお粗末なデフリンピック開催情報

 今日は七五三という、家族で子どもの成長を喜び合う日本の伝統的な文化を祝う1日である。これは中国から伝来した行事ではなく、純日本的な歴史的行事で、平安時代の宮中儀式がその祖である。平安時代には貴族の家庭で子どもの成長を祝い、それが江戸時代になると武家にも広まり庶民の間にも浸透して現在の様な形になった。昔は、3歳、5歳、7歳になって祝う年齢も数え年だったが、近年はほとんど満年齢となった。

 さて、今日から聴覚に障害を抱える人たちが参加するデフリンピックが開幕した。パラリンピックに匹敵する障碍者のための国際スポーツ大会である。数日来テレビでもしきりにデフリンピックの啓蒙をすることによって視聴者への周知、関心を高めていたので、私なりに興味を持った。この陸上競技では、昔と今では短距離レースのスタートなどの表示の仕方が変わったというので、どういう風にやるのか見てみたいと思った。幸い陸上競技とバレーボール、ハンドボールが、自宅近くの駒沢公園内で行われると立派な広報誌「広報東京都」に書かれていたので、ウォーキングがてら駒沢陸上競技場へ行ってみた。

 ところがどうしたことだろう? 競技場の入口はすべて閉鎖され、ポスターは貼られているが人気がない。ボランティアの受付係らしい女性がいたので、尋ねてみると競技は行われていないと意外な返事が返って来た。今日は開会式が東京体育館で行われただけだという。では、屋内競技場のバレーと屋内球技場のハンドボールは行われているのかと聞いてみると、ここも今日は試合をやっていないという。係の女性に尋ねたら陸上競技は明後日からで、バレーとハンドボールは明日からだということだった。広報誌を見た限りでは、今日から開会し競技も行われているような表現である。実際この間に私と同じように近くの住民が、観戦に来られたが、納得しないまま不承不承引き上げて行った。遠方から見えた人たちは、とても納得出来ないのではないだろうか。

 東京体育館で行われた開会式は、秋篠宮殿下家族と高市首相も参加し、それぞれ開会の挨拶をされた。大会には海外から81か国・地域から3千名を超える選手らが参加し、日本からも268選手が参加する。

 それにしてもどうしてこういう粗雑で誤解を生むような情報通知、管理をしたのだろうか。帰宅して改めて広報誌を見てみたが、全5頁の紙面からは今日から行われるように受け取れる。それは陸上競技も、バレーボールもそうである。関係者の杜撰な広報誌作りが読み取れる。

 1924年のパリで第1回大会が開かれてから100年余も経過した伝統ある世界大会にしては、余りにもお粗末過ぎる。同年1924年は、パリ・オリンピックも開かれ、伝説的なフィンランドの金メダル5個を獲得した英雄パーヴォ・ヌルミ選手や、3つの金メダルを獲得し俳優になってターザン役を務めたジョニー・ワイズミュラーらが活躍した。オリンピックと同じくらい長い歴史を有するデフリンピックは、残念ながら日本における知名度は薄い。それでも今年になって伝統あるデフリンピックが、初めて日本で開催されたことは意義のあることである。それにも拘らず正しい情報が伝えられていないことは極めて残念である。この辺りは東京都ももう少し業務に真剣に取り組んでもらいたいものである。

 まぁ大会自体は、26日(水)まで開かれるので、明日以降にまた来てみて、何とかデフリンピックを見てみようと思う。

2025年11月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6759.2025年11月14日(金) 大谷選手4度目のMVP受賞、あっぱれ!

 アメリカ大リーグ(MLB)、ナショナル・リーグの今年の最優秀選手(MVP)に予想されていた通り、ワールド・シリーズ(WS)で連覇を遂げたドジャースの大谷翔平選手が、3年連続4回目の受賞者に選ばれた。これまでの受賞は4回ともすべて満票だったというからすごい。4回の受賞は、ジャイアンツなどで活躍したバリー・ボンズの7回に次ぐ歴代2位である。今年の大谷選手は、2年ぶりに二刀流を復活させ、投打両面で大活躍した。また、昨日投手部門の最高の賞であるサイ・ヤング賞も、同じドジャースの山本由伸投手に授賞されるのではないかとの期待感があったが、山本投手が特にめざましい活躍をしたのが、ポスト・シーズンに入ってからだったために、シーズン中の活躍を評価する同賞の受賞者は別の投手に決まった。

 それはともかく、これで今年のMLBは漸く幕を降ろした感がする。大谷選手については昔こんな印象に残っているこぼれ話があった。それは、彼のプロ入りを発表した際、高校時代と同じく二刀流でやっていきたいと希望を述べたことに対して、関口宏司会の「サンデー・モーニング」のスポーツ・コーナーに出演した巨人軍OBの張本勲氏が、即座にそれは無理だと言い、投打どちらかに決めて、それがだめになった時にもうひとつの手段を考えるべきで、そんな二刀流のような今どきプロ選手が誰もやらないことをやってみたいというのは、無理だ。それはプロ野球を舐めているとまで言って厳しく非難したことがある。その後日本ハムに入団した大谷選手は、当時の栗山監督から二刀流を認められ、二刀流で活躍して見事に張本氏の鼻を明かした。その後、張本氏が大谷選手についてコメントしたのを聞いたことがない。さぞや面子がつぶれ、恥ずかしく思ったのではないだろうか。それでも並外れた力量の大谷選手がこれほどの大活躍をするとは、誰も想像出来なかったことだろう。

 それにしても今シーズンも大谷、山本選手や、新規にシカゴ・カブスに入団した今永投手らを中心に、MLBでも日本人選手の活躍が大分目立った。ドジャースが昨年に続き、ワールド・シリーズ(WS)へ進出したために、日本でもワールド・シリーズの人気が高く、しかもNHKテレビで生中継されたこともあり、視聴率は全7試合とも軒並み高かった。

 その高い視聴率は、毎週新聞に公表される前週の高視聴率ベスト20などで知ることが出来るが、先月最終週に行われた第3、4、5戦は、数ある多種多様な番組の中でも、視聴率4位、9位、2位だった。そして最終戦第7戦が行われたのは、11月1日で視聴者は何と2,100万人に上り、日米加の視聴者を合わせると5,100万人が視聴した。これは34年ぶりの高視聴率だったという。ちょうど日本でも日本シリーズ開催中だったが、決着のついた第5戦が漸く20位に顔を覗かせる程度だった。これはこれで収まったが、少し寂しい気がした。このままMLBで日本人選手の活躍が続くなら、来年以降も大リーグ人気は一層高まることだろう。

2025年11月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6758.2025年11月13日(木) 東京都は豊かな財政の効率的な運用を

 首都東京都の豊かな財政状況について首都圏の各県から羨望の声が聞かれるが、現実に子どものいる家庭などからは、余りの格差に悲鳴が聞こえるほどである。その典型は、東京都と神奈川県の境界を流れる多摩川を隔てて、東京都民と川崎市民の間に「多摩川格差」と言われる大きな待遇の差があることである。

 その最大の原因は、東京都は周辺各県に比べて財政収入に恵まれているからである。基本的には、法人税が地方税になっているため、東京に本社を置く企業の法人税は、東京都に納められる。また人口が多く所得税なども多くなる傾向がある。因みに財政力指数は、東京都が全国で最も高く、全国47都道府県の中で唯一指数が1.0を上回るため東京都には地方交付税が交付されない。現実に首都圏の財政力指数は、東京都1位、神奈川県3位、千葉県4位、埼玉県6位で、概して首都圏は周辺各県が東京都と連動した関係にあることから、他の道府県に比して高くなる。

 その富裕都県で一部に「多摩川格差」などという言葉が聞かれる。多くの支出を避けられない子どもを持つ東京都以外の家庭から不満が漏れている。単純な例を挙げれば、年収6~7百万円の世帯が子ども2人を育てた場合、保育利用料と公立小中学校の給食費だけを比較すれば、歴然である。川崎市の場合、市民には約385万円の支出があるのに対して、都民の支出は0円である。そのうえ18歳まで約2百万円を補助する。このため東京から川ひとつ隔てただけの川崎市民からは、「『多摩川格差』は585万円?『東京の母』はなぜこんなにリッチ?『東京だけズルい』」(この585万円には全面的に信じ難いが・・・)と東京都への恨み節が聞こえるという。

 こればかりは、基本的には小池都政の巧みな資金繰りとか、優れた都政運営というわけではなく、税収制度によるものである。

 さて、その東京都に今深刻な問題が生じているという。それは火葬場の火葬料金高騰問題である。全国的に火葬場はほとんどが公営であるが、東京都23区内では9カ所の内7カ所が民間経営で、都が料金に関与することが出来ず、火葬料金が全国平均で1万円前後のところを、この民間企業に中国資本が投資されてから、4年前に9万円に値上げされた。その付属費用も引き上げられ、低料金で行える区民葬儀の制度からも離脱したという。子どものいる家庭には、資金面で援助をしつつも、高齢者の人生最後のお別れに際して何の補助もしてくれないとは、富裕東京都としては些か冷たいのではないか。東京都は、都民が最後に通過しなければならない儀式に関わる費用には、小池都政に悩みを押し付けられる。豊かな財政も、税法の恩恵であるが、それを恰も自分の考えだけで判断し、都民のために行動しているようには見えない。

 葬儀について、愚痴を書いている時に、偶々大学の山岳クラブ「アルペンクラブ」の会長が昨日亡くなったことを後輩から電話で知らせてもらった。会長は、学年は1年先輩であるが、年齢は同じ87歳である。5月に久し振りに同窓会に出席して会長に会い、散会後銀座でともにいっぱいやったことが最後の想い出になった。会長の体調は必ずしも良くなかったが、無理しながらも立場上出席された。クラブでは、度々ともに日本アルプスなどへ登った。結婚式の司会役も務めてもらい、随分お世話になった。近日会長を偲ぶ会を開くということなので、是非とも出席したいと思っている。会長のご冥福を心よりお祈りしたい。 合掌

2025年11月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com