今日は冬至である。世田谷区周辺の日の出時間が午前6時47分頃、日没時間は午後4時32分頃というから随分日照時間が短くなったものである。これから日1日ごとに日が長くなる。
さて、今朝のテレビ朝日「羽鳥モーニングショー」で「年賀状じまい」を話題にしていた。「後悔しない年賀状終活のすすめ」と題して近年の年賀状普及度合を紹介した後に、コメンテーターらの年賀状郵送状況についてそれぞれ説明していた。ゲストに澤岡詩野・東海大准教授が顔出ししていたが、澤岡氏自身年賀状の終活を勧める著書を書かれている。近年年賀状の発行枚数は減少を辿り、2004年には44億枚も発行されていたが、20年後の昨年は、7億5千枚にまで減った。昨年の発行枚数ですら、対前年比▲30%だそうだからその急降下ぶりはすさまじい。アンケートによると2026年に年賀状を送ると言う人は、36.4%だそうだから、全体の三分の一の人たちしか、年賀状を書かなくなったことになる。
確かに私の元へも来年度以降は年賀状を辞退したいという連絡をいただくケースが増えてきた。年賀状を書くのを中止する理由には、頷けるものもある。ただ、僭越だが、私のケースを述べるなら、小学4年時までは年賀状を書いたことがなかった。5年時に転校して新しく担任となった湯浅和先生が、年賀状について分かり易く丁寧に説明し、彫刻刀で版画を彫って年賀状を仕上げることを教えてくれた。そして年賀状を書く時は相手を想いながら書くものであると話された。先生から頂く年賀状には生徒一人ひとりに添え書きをして送られ、私は年賀状を書くのが楽しみとなったし、先生からの年賀状を楽しみにしていたものである。爾来これまで70数年に亘り毎年年賀状を書いて来た。今も2026年の年賀状を毎日コツコツと宛名書きをしている。
近年年賀状を書くのを止める人が多くなったのは、若い人などが、SNSやLINEの普及で普段から音信で交流を続けているので、敢えてその必要性が薄れてきたこと、手間と費用などから整理、高齢化による負担、価値観の多様化等々が挙げられている。心の底から知人に手紙を書く純真な気持ちが失われている。会社などで経費節約のため止めるという考えや傾向も大きく影響しているようだ。
テレビでこんな例も話していた。元教師がやや高齢となり教え子を主とする年賀状の交換を止めてから、寂しい気持ちが募り、教え子は今どういう考えや生活をしているだろうと懐かしく、寂しく感じていると言い、出来るならもう1度昔のように年賀状の復活をしたいと考えている人が大分いるようだ。これも元教職にいた人だから、恐らく子どもたちに年賀状について講釈を述べたことがある人たちだろう。
今日の番組コメンテーターの中で、ひとりは年賀状に随分きれいな写真を印刷して、自分が毎年どこを旅行しているかを知人に知らせていると言っていた。もうひとりは、10年前に年賀状を中止したと持論を述べていた。私は前者の年賀状派に惹かれる。
小学校の恩師は大分以前に他界されたが、仮にご存命なら今も変わらず年賀状の交換をしてくれていると思う。先生の最近のお考えも理解できるし、私の言動についても先生に知ってもらえると思う。まだ年賀状を書いているが、受け取った友人、知人が私の現状と考えを知ってくれるなら嬉しいことである。