このところ自然災害や、人災とも言える香港高層住宅大火災など国内外に忌まわしい災害が襲っている。国内では最近起きた大分市佐賀関大火災の惨状がある。これは死者こそ1人で騒ぎの割には、犠牲者は少なかったことは不幸中の幸いとも言えるが、焼失した家屋は182棟もある。加えて鎮火するまでに11日間もかかった。そして何と言っても強い関心を呼んだのが、香港の32階建ての高層集合住宅ビル大火災である。公営マンション7棟が焼けた。今日までに151人が亡くなった。負傷者79人の他に、まだ行方不明者が30名ほどいる。燃焼中のビルを見ると、炎が下から真っすぐに立ち上り煙突効果を呼んで、短時間の間に大きく燃え広がったものと見られている。これには、過失というより人災ではないかと当局は工事中の業者を取り調べている。
偶々この時期にマラッカ海峡で発生した熱帯低気圧が、実に1週間にわたり豪雨や突風をもたらし、東南アジア一帯でそれぞれ大きな犠牲者を生んだ。死者だけでも昨日までにインドネシアで442人、タイ南部で162人、マレーシアで3人もいる。スマトラ北部では、JICAに勤める日本人8人が孤立していたが、そのうち7人の身柄が確保され、残る1人も安全が確認された。この他にもスリランカでサイクロンによりこれまでに334人が死亡し、370人が行方不明で、全国で50万人以上が被災した。特に酷かったのはインドネシアで、西部スマトラ島内3州が洪水と土砂崩れで大きな被害を受け、死者が増加した。
近年多発するようになったこのような自然災害は、突き詰めれば地球温暖化による影響が大きい。その原因である二酸化炭素の削減を明記した「パリ協定」から、身勝手に離脱したトランプ・アメリカの責任は重いと思う。その意味でもこれら大きな自然災害を引き起こした責任の一部は、トランプ大統領の政策によるものであり、彼が世界最大の国家アメリカの大統領を辞さない限り、地球上の自然災害は起こると言っても好い。
ところで、インドネシアの首都ジャカルタが、昨日国連が認定し公表したところによると、人の動きが最も激しい都市ということになった。2018年に世界の「人口が多い都市」では33位だったが、今年2025年には一気に1位だった東京を抜いてトップの座に就いた。東京は3位に落ち、2位には同じくアジアからバングラデッシュの首都ダッカが入った。全般的に大都市が増える傾向で、現在世界で82億人の人口のうち、45%が都市部に集中している。しかし、都市化の影響が進み、2025年までに世界人口の3分の2が都市部に居住すると考えられている。
さて、今日から師走である。今年も残すところあと1カ月となった。恒例の今年の「流行語大賞」が今日発表された。何と高市首相が自民党総裁に選出された直後に語った「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」と「働く」ことを5回も繰り返した表現だった。これが各党党首との討論会の前夜に、4時に出勤し、関係する省庁スタッフに早朝出勤を要請することになり、一部で問題になっている。賞を選定する主宰者から表彰され、ニコニコしていたが、台湾有事を含めて難題を抱え、笑っている場合だろうか。現役の首相がこの種の賞を受賞したのは、あの「最低の首相」鳩山由紀夫氏以来だという。どこか似たようなところがあるのではないか。