6776.2025年12月1日(月) 地球上の各地に人災、災害が襲っている。

 このところ自然災害や、人災とも言える香港高層住宅大火災など国内外に忌まわしい災害が襲っている。国内では最近起きた大分市佐賀関大火災の惨状がある。これは死者こそ1人で騒ぎの割には、犠牲者は少なかったことは不幸中の幸いとも言えるが、焼失した家屋は182棟もある。加えて鎮火するまでに11日間もかかった。そして何と言っても強い関心を呼んだのが、香港の32階建ての高層集合住宅ビル大火災である。公営マンション7棟が焼けた。今日までに151人が亡くなった。負傷者79人の他に、まだ行方不明者が30名ほどいる。燃焼中のビルを見ると、炎が下から真っすぐに立ち上り煙突効果を呼んで、短時間の間に大きく燃え広がったものと見られている。これには、過失というより人災ではないかと当局は工事中の業者を取り調べている。

 偶々この時期にマラッカ海峡で発生した熱帯低気圧が、実に1週間にわたり豪雨や突風をもたらし、東南アジア一帯でそれぞれ大きな犠牲者を生んだ。死者だけでも昨日までにインドネシアで442人、タイ南部で162人、マレーシアで3人もいる。スマトラ北部では、JICAに勤める日本人8人が孤立していたが、そのうち7人の身柄が確保され、残る1人も安全が確認された。この他にもスリランカでサイクロンによりこれまでに334人が死亡し、370人が行方不明で、全国で50万人以上が被災した。特に酷かったのはインドネシアで、西部スマトラ島内3州が洪水と土砂崩れで大きな被害を受け、死者が増加した。

 近年多発するようになったこのような自然災害は、突き詰めれば地球温暖化による影響が大きい。その原因である二酸化炭素の削減を明記した「パリ協定」から、身勝手に離脱したトランプ・アメリカの責任は重いと思う。その意味でもこれら大きな自然災害を引き起こした責任の一部は、トランプ大統領の政策によるものであり、彼が世界最大の国家アメリカの大統領を辞さない限り、地球上の自然災害は起こると言っても好い。

 ところで、インドネシアの首都ジャカルタが、昨日国連が認定し公表したところによると、人の動きが最も激しい都市ということになった。2018年に世界の「人口が多い都市」では33位だったが、今年2025年には一気に1位だった東京を抜いてトップの座に就いた。東京は3位に落ち、2位には同じくアジアからバングラデッシュの首都ダッカが入った。全般的に大都市が増える傾向で、現在世界で82億人の人口のうち、45%が都市部に集中している。しかし、都市化の影響が進み、2025年までに世界人口の3分の2が都市部に居住すると考えられている。

 さて、今日から師走である。今年も残すところあと1カ月となった。恒例の今年の「流行語大賞」が今日発表された。何と高市首相が自民党総裁に選出された直後に語った「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」と「働く」ことを5回も繰り返した表現だった。これが各党党首との討論会の前夜に、4時に出勤し、関係する省庁スタッフに早朝出勤を要請することになり、一部で問題になっている。賞を選定する主宰者から表彰され、ニコニコしていたが、台湾有事を含めて難題を抱え、笑っている場合だろうか。現役の首相がこの種の賞を受賞したのは、あの「最低の首相」鳩山由紀夫氏以来だという。どこか似たようなところがあるのではないか。

2025年12月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6775.2025年11月30日(日) 国家の危機に難しい立場の新聞社

 いま映画「国宝」が、6月に公開されてから大当たりで、異例の興行収入を記録している。観客動員数は1千万人を突破し、興行収入は173億円に達した。国内の興行収入を22年ぶりに更新したそうである。

 「国宝」の原作は吉田修一で、2017~18年に朝日新聞に連載したものであるが、そのほぼ10年前に朝日夕刊に吉田の「悪人」が連載された。これがつまらない小説だったので途中で読むのを止めたほどである。元々吉田は、芥川賞他多くの賞を授賞している英才であるが、どうも私にはなじめない作品が多い。「悪人」以後吉田の作品は読んでいないが、この「国宝」も読まなかった。ところが、「国宝」は芸術選奨文部科学大臣賞と中央公論文藝賞をダブル受賞した作品で、今から思えば読まなかったことは過失だったかもしれない。「国宝」は歌舞伎を舞台に描かれた作品で、アメリカ映画界からも称賛の声が聞こえる。

 しかし、私には新聞連載小説が面白くないことを実例を挙げて、これまでブログに度々取り上げてきた。実際現在連載中の柚木麻子「あおぞら」も途中で読むのを止めてしまった。しかもブログに取り上げた拙稿自体が、Googleのレポートによると大分関心を持たれたのか、アクセス数はいつもトップ・クラスなのである。

 ところで、つい長い間購読している朝日新聞に関する報道や、記事などに関心が向いてしまうのだが、毎日確実に読んでいる記事に一面の「天声人語」がある。文章の表現、限られた文字数のまとめ方などが随分参考になる。東京朝日新聞が発行されたのは、1888年であるが、「天声人語」が初めて掲載されたのは、1904年大阪朝日新聞紙上だったというから日ロ戦争が始まった年である。今年9月の大阪・関西万博開催中に朝日新聞は5万号を発行した。この間1907年に夏目漱石が、09年には石川啄木が社員として入社している。

 歴史を辿ってみると終戦後間もない1945年11月7日付朝日紙上には、「宣言」と称して新聞社としての戦争中の報道を反省し、再出発を誓う言葉を掲載している。「常に国民とともに立ち、その声を声とする」との見出しで戦時中の報道姿勢を反省し、国民に寄り添う報道を約束したものである。新聞社は戦時中軍部に協力することを要請され、軍事情報を優先的に扱い、ややもすると軍部の意見を鵜呑みに伝えていた傾向がある。その姿勢を反省したものである。これは朝日だけの問題ではなく、読売にも同じような反省と自戒の念を自紙上に伝えた。私の良く知る元テレビ会社勤務の政治ジャーナリストの父上は、戦時中読売新聞社に勤務していて、終戦直後に読売紙上に「社説」を書いたと伺っているが、次のメッセージは父上の主張だろうか。1945年9月5日付読売一面に「戦争責任はあくまでも政府と軍閥側にあり」として、「戦争責任は国民が平等に負うべきものであるという当時の風潮を『詭弁』である」として批判し、戦争に協力した政治家、思想家、芸術家などの責任を厳しく追及する必要がると主張している。

 これらの記事を読むと、連載小説とは、全く別物の深刻な内容を含んだ記事であり、考えさせられる。時の情勢により自己の立場を守るのは、難しいメディアの存在を考えれば、言うべき的確な言葉も見つからないが、政治や戦時報道に関わる部門に勤務していた苦しい気持ちは分かる気がする。

2025年11月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6774.2025年11月29日(土) 戦争へ前のめりの首相、防衛費大幅増額

 高市首相、及び自民党、日本維新の会は、国民をどうしようとしているのか。一体何を考えているのだろうか。政治家らしいことをやっているのか。巨額の補正予算の実現に何の責任も持っていないようだ。医療費を4兆円も削減し、その一方で防衛費を大幅に増やして大軍拡をやろうとしている。政治家はみな悲惨だった太平洋戦争を完全に忘れている。国会議員が全員戦後世代であるにせよ、戦争を実感として理解しようという気持ちに欠けている。

 高市政権は、今年度の補正予算に18兆3千億円も支出しようとしている。責任ある積極財政を謳い文句に、元々金に糸目をつける気のない首相は、いくら支出しても金は金庫に眠っているとの感覚である。財務官僚は何か、財政の何たるかを首相に説明したのだろうか。毎年きちんと歳入、及び歳出を帳尻合わせして赤字予算を組まないよう、普通の組織では考えるものだが、高市早苗という空気感のない女性は、まったく赤字なんて気にしない。当初予算には、概算要求基準など予算の肥大化を防ぐ仕組みがある程度機能していたが、結局無駄だった。国家にとって国家予算は歳入と歳出をバランスよく合わせるよう歳出項目を徹底的に調整し抑えるものだが、首相はそのような重要なことを気にもせず、歳出を必要、要求額に応じて積み上げていく。国家予算作成上大切な1年間でバランスを取るプライマリー・バランス(基礎的財政収支)もまったく気にしない。単年度の赤字にはとらわれない姿勢を示しているのだ。いずれ調整するぐらいの感覚でいる。しかし、過去の例を見ても、放漫財政の直後に帳尻を合わせ、累積赤字を減らして次年度予算を作成した例を知らない。この野放図な高市私観が、今年度の補正予算で18兆円超にまで達した大きな原因である。

 しかも、この巨額の補正予算の内訳を見て分かるのは、特に高齢者に冷淡で、働ける若者と同様の負担を強いて全体として医療費を大幅に削減することである。その反面、削除分を防衛費に回し、勝手に積み増しして、当初予算と合わせて今年度防衛費を11兆円とした。これは2027年度に達成したいと考えていた国内総生産(GDP)比2%目標を前倒しで実現することになる。この流れは、トランプ大統領に忖度して彼の希望を呑み、遠からず対GDP比の3.5%を実現しようという腹づもりである。

 高市首相の防衛予算への関心は些か異常である。恐らくGDP比3.5%への志向は強まるだろう。特に「非核3原則」にあまり関心がない印象がある。核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」の3原則に首相の関わり方として、昨日石破茂前首相が、高市首相の非核3原則の見直しを検討することについて、緊急時の米軍による核持ち込みは、核抑止力のために絶対必要か、余り意味を見いだせないと否定的見解を示した。前首相が首を傾げる問題点を、高市政権下の閣僚や、自民党員らが容易に認める構図は極めて危険だと思わざるを得ない。これも高市首相に戦争体験がなく、戦争の恐ろしさが実感としてまったく分かっていないからである。

 いま首相の台湾有事の存立危機事態発言により、中国とは対立関係が深まり悪化しているが、中国は周囲を見ずに一直線に前だけを見る国だけに、よほど発言に気を付けないといつか破裂する恐れがあることが心配である。

2025年11月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6773.2025年11月28日(金) 理系大学の本音のCM、「いっそ、AIを総理に。」

 去る18日に大分市佐賀関で大火災が発生し、被災した住宅地帯の道路が狭く密集していたせいもあり、高齢者が多い地区だった割に死者はひとりだけで済んだが、焼失した住宅は237棟に上がった。中々鎮火に至らず、昨日漸く消し止めたようだ。これからの復興計画も時間がかかることだろうし、国や県が支援しないととても十分な再興は難しいと思う。

 日本で大火災が発生した折も折、昨日香港で高層ビル、高層集合住宅で火災が発生し、今日までに犠牲者消防士1人を含めて128人が確認され、その他に負傷者は79人、行方不明者は200名を超えると見られている。香港における火災としては、1948年135人の犠牲者を生んだ大火災以降最悪の結果となった。今後まだ被災者の数は増えると見られ死者は最多になると予想されている。今まで何度となく香港を訪れているが、ここは住宅エリアで旅行者が訪れることはなく、私もこのエリアには行ったことがない。

 これだけ多数の犠牲者が出た原因は、現在修繕工事中で建物を覆っていた竹製の足場や、プラスチック製のネットなどいろいろあるようだが、特に32階建ての住宅ビル8棟(約2千戸)の内7棟が火に包み込まれたように、個々の原因をよく調べてみると改修工事の安全基準に大惨事を引き起こした要因があったようだ。

 翻ってわが日本のタワマンと呼ばれる高層住宅ビルは、床や天井が耐火構造を義務付けられ、15階以上のタワマンでは通常の避難階段より安全性の高い防火扉の付いた特別避難階段の設置が義務付けられている。まだ他にも厳しい義務が押し付けられている。とてもこれっぽちで充分というわけではなく、同じような危険性はあるが、香港火災のようなケースに陥る可能性は少ないようだ。

 日本、特に大都市周辺では近年タワマンが次々に建設され、場所の良い東京都内のタワマンなどでは、人気もあり価格もかなり上昇傾向のようだが、今後購入に際して冷静に安全性など購入条件を考える良い契機になるのではないだろうか。

 さて、昨日絶滅の恐れがある野生生物の国際取引を規制する「ワシントン条約」締約国会議が開かれた。西欧諸国が規制をアピールして日本や中国にとって不利な情勢が生まれつつある中で、日本うなぎを含むうなぎの全種類を国際取引の規制対象とする案が反対100、賛成35で否決され、日本の関係者もひとまずホッとしている。日本では日本うなぎだけでは、需要に応えられず、約7割を主に中国からの輸入に頼っている。「うな重」は私も大好物で近所にあるうなぎ店でよくいただくことがある。但し、来月5日に本会議が開かれ、再投票が行われ、ここで可決されて初めて採択されるということなので、まだ安心できない。「うな重」は食べたい時に、食べてみたいものだ。

 締めにちょっとびっくりするような昨日の朝日朝刊の新聞広告を紹介したい。朝刊全26頁の内4頁分が全面広告だったが、その中の1頁は理系の某大学がPRした全面ブラックに緑抜きの大きな文字でこう書いてあった。

 「いっそ、AIを総理に。」である。勘ぐれば、高市首相は考えることなく判断はすべてAIに任せれば良いとの皮肉を込めたご託宣と考えられなくもない。一大学のCMにしては随分とがったCMだが、高市首相の右翼的言動をセーブし、判断はすべてAIに任せればよいということである。正に図星でその通りだと思う。‘YES’と言ってやりたい。それにしてもロシアや中国、北朝鮮ではまったく考えられない「言論の自由」が、日本の大学にはあるということである。高市首相のおかげで改めて「言論の自由」を知った。

2025年11月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6772.2025年11月27日(木) デフリンピックで分かったこと

 昨日閉会したデフリンピックには、オリンピックとは結果的に大きく異なる点がある。それはオリンピックでメダルを獲得する国とデフリンピックで同じようにメダルを獲得する国とは地域が随分異なることである。それは、陸上男子などでは、健常者のオリンピックならアフリカ勢やジャマイカが上位を独占するというイメージがあるが、難聴者のデフリンピックではまったく異なり、ヨーロッパ諸国や日本も上位を占めることである。

 この傾向にかなり関心が集まったと見られ、メディアでも原因やその分析について報道しているほどである。ひとつには、デフリンピックが今から約100年前の1924年にフランスで始まった歴史的経緯もあり、ヨーロッパを中心に発展し、このような歴史的土壌が現在の競技力に影響を与えたことである。もうひとつは、ヨーロッパや日本には聾学校などが古くからあり、選手を育てる組織が出来ているが、中南米やアフリカでは聴覚障害者スポーツが機能する環境が整っていないことが考えられる。デフリンピックの国別メダル獲得数を調べても、協会から正式に公表されたわけではないが、1位中国(メダル数220、金メダル94)、2位イギリス(メダル数124、金49)、3位アメリカ(メダル数105、金36)しか分かっていない。日本は過去最多の合計51個で、金メダルは16個である。

 いずれにしても聴覚障害を抱える人たちが参加するスポーツ大会には、それなりの人材、資金面などハードルがある。デフリンピックのようにメディアも目を向け、一般に啓蒙するようならいつの日にか、アフリカの国がオリンピック同様檜舞台で活躍する日が訪れる可能性もあるのではないかと密かに期待したいと思

 さて、一時コロナ期を除いて近年インバウンド業では、外国人の来日が増えて、オーバーツーリズム現象のようなマイナス面を抱えながらも、現状は悦に入っている。国の財政面でも今や旅行業がプラス要因として大きく貢献している。

 それに沿って都道府県も頭を抱えながらもそれなりに受け入れ態勢を整備している。そこへある民間調査会社が全国47都道府県の魅力度ランキングなるものを発表した。各自治体はそれなりに現存する観光地の他にも、新たな独自の魅力をアピールして魅力度アップに取り組んでいる。ランキングを一瞥して感じることは、自然風景と歴史的資産に恵まれた自治体と大都市圏が概ね上位にランクされている。例を挙げれば、ベスト5は、北海道、京都府、沖縄県、神奈川県、東京都の順である。その一方で、ワースト5は、埼玉県、茨城県、佐賀県、鳥取県、山口県である。判定の根拠である種目別点数が分からないので何とも言えないが、最下位の埼玉県は、首都東京に近く住み良さと交通至便では高い評価を得て、その他にも教育・子育ては2位という評価を得ながらもトータルでは最下位に沈んだ。これは実感というよりイメージの要素が強いが、その自治体職員にとっては屈辱であろう。その点でも行政ではこれらの点にも留意しながら業務に取り組むべきであろうか。

2025年11月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6771.2025年11月26日(水) 日本ペンクラブ創設から90年

 国際的に注目されたトランプ大統領が提案したロシア寄りのウクライナ和平案は、ロシアはもちろん受け入れ姿勢であるが、肝心な当事国ウクライナにとっては領土を割譲するという開戦当初から強く反対していた条件が含まれているだけに、停戦したいウクライナとしても迷いに迷い、西欧諸国と協議することになった。

 国内政治では高市首相が国会で応えた台湾有事問題が中国に反発を与えて日中関係がこじれ、一部には日中間に亀裂が生じている有様である。現状から察すると長期間に亘って情勢の回復が難しそうである。

 実は、今日11月26日は、日本ペンクラブが創建されてちょうど90年になる。これまで初代会長の島崎藤村をはじめ、有力な作家が多く活動してきた。ペンは設立当初より政治力に惑わされることなく、言論の自由を主張している。だが、私自身2017年に理事に就任して、一時財務委員として活動していたが、実際には会長をはじめ、各委員会委員長以下委員の間に保守的な意見、傾向が強かった。ともすると意見の対立が見られ、ある面で陰湿な面もあった。私は気持ちの合った同志とともに敬遠され、2年後に理事を辞めた。現在もペンをリードしている委員らは、リベラルというよりむしろ保守的である。現会長の桐野夏生氏が就任されてから、忸怩たることであるが、1度も会合には出席していない。今日のペンの日集会にも参加しない。会員資格として「平和への希求」と「言論・表現の自由の追求」という理念への賛同がある。ペンクラブとしては当然のことであるが、物書きのひとりとして、後者の言論の自由がペンとして果たして守られているかという点が気になっている。今日の朝日「天声人語」にペンクラブについてざっくり取り上げられている。結成された当時、日本は国際連盟から脱退していた。あの時代の先達たちのご苦労を思えば、現代人はかなり自由を享受しているのではないかと思う。このままペン会員として留まることが、自分にとって意味があるだろうかと今も自問自答している。

 さて、去る15日(サッカーだけは14日から)から開催されていたデフリンピックが今日最終日を迎えた。日本が獲得したメダルは、金16、銀12、銅23の合計51個となり、過去最高である。閉会式は開会式と同じ東京体育館で行われた。つい今日も競技があるかと思い、ウォーキングの途中で駒沢公園に寄ってみたが、バレーボール、ハンドボール、陸上競技のいずれの会場も締められ競技は行われていなかった。競技はすべて昨日までに終わった。

 今までこのような聴覚障害者のための競技が行われていたことはまったく知らなかった。連日テレビで開催の事実、競技のルールなどが報道されることによって国民の間にもかなり周知されたのではないかと思う。

 ところで、昨日の本ブログに書いた突然の肩の痛みであるが、今日になって大分楽になり、午後にはほとんど痛みを感じなくなった。クリニックに行かないで済んだ。しかし、どうして急激に右の肩だけ痛み出したのか、さっぱり見当がつかない。6月に夜中寝ている最中にお腹と背が急に痛み出したのと同じで、その時の検査の結果が来月のアイソトープ検査を受けることになった。この肩の痛みもうっかり出来ないかも知れない。

2025年11月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6770.2025年11月25日(火) 兄と兄の友人とフランス料理を楽しむ。

 1年半ぶりに兄と、兄の高校時代の親しいご友人と3人で、平河町のフレンチ・レストランで会食をした。兄が妻を喪ってから10年になるが、気持ちが落ち込んでいるのではないかと、彼女が他界した直後にご友人に兄を元気づけるために会ってもらえないかと声をかけさせてもらったところ、快く引き受けてくれた。爾来3人で度々食事をすることにした。それから早くも10年が経過したわけである。その間途中から同じくご友人と兄の同級生で私もよく存じ上げている先輩にお声をかけ、4人で会食を楽しむようになった。ところが、その方が昨年亡くなられ、会食は元の3人に戻ってしまった。兄は私より1歳年長であるが、最近になって大分老け込んでしまった。認知症症状が現れたのではないかと近くに住む息子たちが心配している。食事会場に来るのにもしばしば遅刻したので、今日は最後の宴ということで姪っ子が集合場所まで付き添って来てくれた。

 ご友人が気さくな方で、いつもいろいろ話題を提供してくれる。今日も高市首相の軍国主義について厳しく批判しておられた。先日いただいた著書「素人学講義」は読んでいる途中であるが、この中で厳しく高市首相の戦争好きを非難しているようだ。本職は地球物理学者で大学院の名誉教授も務めておられる。とりわけ南極に関するエキスパートで、南極大陸にご友人の名前を刻んだ岩が何カ所もあるほどの「南極男」である。南極にも2度の越冬を含めて16度も出かけられた。南極だけに拘らず、ごく最近もドナウ川を船でドイツからハンガリーまで旅行されている行動派学者である。

 ご友人と兄は米寿を迎えたが、囲碁に凝ってあまり外出したがらない兄に比べて、ご友人は今も海外へ積極的に出かけておられる。このように高齢になってから昔の学校時代の友人同士で、食事を囲むということは大分少なくなっていると思うが、今日もご友人は今回の食事を一区切りとして学校仲間との食事会を打ち止めとする最後の宴の筈であった。ところが、あまりにも楽しかったのでこれから、また気分が向いたら食事会をやりましょうとの結論になった。ご友人は由しとして、問題は兄の認知症度合である。息子たちは、極力近くの分かりやすい日本レストランで会食して欲しいと言うので、今日の会食のように指定場所まで電車を何度も乗り換えするようなところは避けてほしいというのが本音のようだ。これからどうするか、3人とも90歳近くなって最早時間的に余裕は亡くなったが、急がば回れのおおらかな気持ちはまだ充分有りで、気が向いたら出直し食事会をやりたいと思っている。

 今日の食事は旨かった。フランス・プロヴァンス仕込みのオーナー・シェフが、名のある平河町のビジネス街でフランス料理店を営業しているだけに、味も良いしお客も多くいて安心して料理を味わうことが出来る。今日は、ご友人にもご満足いただけたようだし、兄の機嫌も良かったし、まずまずの1日であった。

 ついては、昨日午後から右肩が不意に痛み出した。思い当たる原因はまったくない。何も無理をしていないし、どこかにぶつけたような記憶もない。右肩が上がらないので、高い所に置いてあるものを取ることも出来ない。昨夕一晩寝たが、あまり変わらない。こんなこともあるのかと思うほど馬鹿々々しい気持ちになる。このまま明日になっても痛みが消えないようなら、整形外科医に診てもらおうと思っている。これも加齢のせいで、肉体的に大分疲労しているせいかも知れない。

2025年11月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6769.2025年11月24日(月) トランプ大統領のウクライナ和平案

 昨日大相撲九州場所で初優勝を果たした関脇安青錦の活躍が、プライベートの面でも話題となり、昨日のテレビ・ニュースや今日の朝刊にも大きく取り上げられている。昨晩は博多市内の優勝パレードも放映されていた。注目される理由は、いうまでもなく安青錦の出身地が今世界中から注目を浴び心配されているウクライナで、相撲取りになった動機も子どものころに珍しく相撲をやっていたことからである。2022年にロシアが母国ウクライナに軍事侵攻して18歳以上は徴兵されるということで、17歳の時日本に避難して相撲界に入った。ウクライナの人びとにとっても日本の国技と言っても好い相撲で、日本人を倒して優勝を成し遂げたというのは、力づけられるニュースであろう。実際母親から電話があり、優勝を涙を流して喜んでいたそうである。

 偶々母国ウクライナは今苦しい最中にある。それはアメリカのトランプ大統領の提案したロシアとの和平案を母国のゼレンスキー大統領が受け入れるかどうか、悩んでいることである。トランプ大統領は受け入れるか、拒否するかの回答を27日までに決めるよう要求している。これまで何度も提案された和平案の中でも、領土問題など最もロシア寄りの和平案でゼレンスキー大統領は、苦悩している。

 ゼレンスキー大統領が語ったのは、「尊厳を失うか、重要なパートナーを失うリスクを取るか」の選択を迫られているということである。ロシアにとってはこんなに有難いトランプのお膳立てはない。1度は、トランプ大統領がロシアを孤立させるような提案をして、ロシアの石油企業に制裁を課す圧力をかけたかと思ったり、ウクライナには逃げ場のない要求を突き付けたり、トランプ大統領の姿勢も一転二転して荒れ模様の天候のようである。生憎最近ウクライナでは政権幹部が関わった汚職事件が摘発され、大統領は政権基盤までぐらついている。ウクライナも西欧各国と対策を相談しているが、提案にあまり強い反対も出せない。ひとり得意になっているのは、トランプ大統領の個人的な意向によるものである。依然としてノーベル平和賞が欲しいようだ。これを停戦して平和の実績にしたいのだろう。

 ロシアへウクライナ東部2州の領土割譲を求めているトランプ提案が、これまで領土割譲は譲れない一線として拒否してきた経緯もあり、ゼレンスキー大統領が悩み苦しんでいる問題である。

 安青錦の初優勝が、ゼレンスキー大統領をはじめ、ウクライナ国民にとって多少なりとも気持ちを安堵させるものであってほしい。それにしてもトランプ大統領は、他人の悩みに付けこんで利己的なことをやらかすものだ。高市首相がトランプ大統領にノーベル賞受賞を推薦したというから、日本の首相も利己主義の塊のようなものではないだろうか。

 さて、今東京を中心に各地で開催されているデフリンピックも明後日までとなった。今日もウォーキングの途中で駒沢オリンピック記念公園へ立ち寄り陸上競技場で、少し陸上競技を見学してきた。3連休ということもあり、競技場内はいつもより観客が多かった。自発的とも言える難聴者のための応援を手振りでやっていたが、大分賑やかな応援風景だった。男子走り幅跳びと男子1万メートル、女子5千メートルを観戦したが、健常者の競技会、特にオリンピックなどでは考えられないくらい優勝者と最下位ランナーとの差が大きいのには驚いた。女子5千メートルでは、ラストはトップに4周も差を付けられていた。公園内ではあちこちにテントを張って「スポーツFUN PARK」という催しを行って、子どもたちにウェイトリフティングやタンブリングを指導していた。

 ウクライナに比べれば、つくづく平和だなぁと思う

2025年11月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6768.2025年11月23日(日) ウクライナの避難民・安青錦、大相撲初優勝

 拙著「八十冒険爺の言いたい放題」の英語版出版に際し、英語の翻訳でお世話になった大学ゼミの後輩・遠藤靖子さん、及び彼女の友人で早大講師をしているイギリス人のMr.Robert Jonesと前々からの約束通り今日3人で二子玉川駅隣接のエクセル東急ホテルでランチの会食をした。原典である拙著を、当初出版社の意向でAI生成によって翻訳すると言っていたが、初校を見てとても私の思っていることを表現していないし、事実だけを表記するのならともかく、私の心情などはとてもAIによって表せるものではない。即座に出版社にお断りして、お人の力を借りることになった。タイトルも初校では‘Experiencing the Real World for Eight Decades~’となっていたが、最終的にはお2人の要望を採り入れ、‘THE REBEL GRANDPA Across Frontlines and FaultlinesーOne Man’s War Against Comlacent Journalism’(日本語訳:反逆の爺:戦火と断層を越えて-惰性のジャーナリズムと闘った男の記録)に決定した表紙も中々洒落たものになって、問題点がまだいくつも残されているが、先ずは良しとしている。

 今回初めて出版社㈱22世紀アートと仕事をすることになったが、上記のようにAI採用の件で躓いてから私が考える点を充分採り入れてくれなかったことが最大の誤算だった。特に書籍と電子書籍の英語訳本を発行したわけであるが、そういう説明すらなかった。電子書籍だとばかり理解していたが、途中から書物と電子書籍の二刀流だと聞かされ、唖然としたくらいである。そして一番ショックだったのは、著者である私に献本を提供してくれるわけでもなく、況してや2人の英語翻訳者に対しても何らの報奨もないことだった。私が3冊分実費で購入し、それを2人に手渡した。さらに電子書籍も発行されたが、これも1冊の献本もない。

 他にも販売価格が明示されず、定価も税込みか、税別のどちらを希望するのか知らされず、十円単位の価格表示に固執している。言い出したら切りがないが、最終的にはすでに市場に出たので、これ以上言い争っても仕方がないと諦めるより外ない。

 まあ、この英語版拙著が多くの外国人に読まれ、面白かったと読後感を述べてもらえれば、それ以上の望みはない。

 さて、今日最も驚いたのは、大相撲九州場所千秋楽で横綱豊昇龍と優勝決定戦の末、横綱を破って初優勝を果たした新関脇安青錦の活躍ぶりである。昨日14日目まで、東横綱・大の里、西横綱・豊昇龍、そして東関脇・安青錦が、11勝3敗の三者三つ巴となった。今日安青錦は大関琴櫻に勝っても横綱同士の対決で勝った横綱と決着をつけなければならない。それが、横綱大の里の突然の欠場により豊昇龍の不戦勝となり、仮に安青錦が負ければ豊昇龍が戦わずして優勝するという珍しい事態が想定された。幸い安青錦が勝ってそういう妙な決着とはならなかった。

 それにしても21歳の若い安青錦は、ロシアに侵攻されたウクライナから日本へ避難して未だ3年である。これまで勝利の道を上昇一本だった。今場所関脇に就任したばかりで早々優勝したが、入幕以来すべての場所で11勝以上を上げて、今場所は初優勝を遂げ、殊勲賞と技能賞まで獲得したので、大関は琴桜ひとりしかいないせいもあり、来場所は大関昇進も期待されている。

 今場所は15日間ずっとテレビ観戦して楽しませてもらった。来年も大相撲に期待出来そうだ。

2025年11月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6767.2025年11月22日(土) イラン古都の渇水と原発再稼働ゴーサイン

 昨日の朝日夕刊の一面に「イラン 乾く古都と沈む街」と題してイランの世界遺産都市イスファハンの異常な渇水について書かれた大きな記事が載っている。イランは2度訪れているが、20年ほど以前2度目に訪れた時は、主に古代都市のペルスポリスとこのイスファハンを中心に訪れ、長い年月の間昔のまま保存された街の光景に触れ、感動したことを想い出す。

 実はそのイスファハンが、他のイラン都市と同じように気温の上昇と雨不足が続いて河川や湖が干上がり、地下水の過剰なくみ上げによると見られる地盤沈下が進んでいるという。イスファハンには、中心部をザーヤンデ川が横切っていて、そこに独特のハージュ橋が架かっていてそれが何とも言えない魅力的な建築なのである。何とそのザーヤンデ川がほぼ干上がってしまったのである。今では渇水は世界的に共通した課題になってしまっているが、特にイランでは近年各地でダストストームと呼ばれる砂塵が舞い上がり、呼吸器の疾患のような健康被害が広がっている。このため、特に東部では村人が村を去り、打ち捨てられた村があるという。

 それにしても残念である。イランは人々が優しく歴史と文化が根付いた都市は何とも魅力的で居心地が好い。それが失われてしまうとは、政治が何とか出来ないのかと思うのだが、政府に危機感はあれども予算も技術も欠けるようだ。そのためイランは地球温暖化対策の国際ルールである「パリ協定」に最初に署名した国であるにも拘らず、今では署名195か国の内最終的に批准をしていない3か国のひとつとなってしまった。かつて世界を席巻したペルシャ帝国もマケドニアのアレクサンドロス大王によって征服され、その後裔たちによる今の「イラン・イスラム共和国」も次第に存在感が消えつつあるようだ。あまりにも寂しいことである。

 さて、長々と燻っていた柏崎刈羽原発再稼働問題も、昨日地元の花角英世・新潟県知事が容認する意向を公表したことにより方向性が定まった。日本のエネルギー政策は原発の活用を掲げているので、これにより前進することになる筈である。今年度内に柏崎刈羽原発7号機の内6号機の再稼働にメドが立ったことで、東京電力にしてみれば事故後初の原発稼働であり、一応首都圏の電力供給は安定性が高まる

 ただ、東日本大震災によって損壊し、放射能漏れを引き起こした東電福島原発があまりにも莫大な物心両面におけるマイナス面があっただけに、同じようなケースが起きた場合リカバリーをどう国民に訴え、理解してもらえるだろうか正念場となるであろう。東電も国民から厳しい目で見られ、廃炉費用などが経営を圧迫している中で、1基でも稼働すれば、年間1千億円の利益を改善することが出来ると見られている。まだ、続くであろう再稼働へ向けた動きの中で賛否両論をどう国民的利益の視点から決着をつけることが出来るだろうか。問題はまだ始まったばかりである。

2025年11月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com