6801.2025年12月26日(金) 首相は日本の財政を破綻するつもりか?

 昨日来年度の国家予算案が閣議で決定されたが、心配が絶えない予算案である。取らぬ狸の感覚で税収に大きく期待して、全体の予算案歳出額は122兆円超となった。そもそも保守主義者の高市内閣による来年度予算案編成は、高市政権発足後最初である。首相には。残念ながら一般社会で当然の予算案は支出が収入を上回らない、当然の企業経理の原則が頭の中にはないようだ。従って、赤字国家予算を成立させてもいずれサンタクロースが持ってきて穴埋めしてくれるとでも考えているようだ。とにかく超赤字予算案について、警戒している空気が感じられない。これは財政全般の指揮官である財務大臣にも言えることである。財政面の総責任者である片山さつき・財務大臣は財務省官僚だった割に、財務官僚の立場を理解しようとする姿勢が見えない。財務相が首相に気を遣いすぎているのではないだろうか。経理面に詳しい片山さつき財務相が、あまり意見を言っている様子が見えないのが不思議でならない。

 怖いのはこのような空気が、来年以降もマイナス予算が続けられ、健全財政が行われないとするなら、近未来的に日本は破綻することになる。日銀や学者ら有識者が警告しているようだが、政界のトップクラスはあまり聞く耳を持たないようだ。

 具体的な支出の中でも、国債費が前年度より10.8%も増えて31兆円超となった。全歳出額の実に25.4%である。国の費用の四分の一が借金である。加えて大幅に予算を増加させた防衛予算は、防衛力強化に邁進中の自民党の意のままに対前年比3.8%増の9兆円強である。

 一般会計予算総額が122兆3千億円で、2年連続で過去最大支出予算である。一時は財政再建がしきりに言われ、財政健全化への意向も示してきたが、近年政府はすっかりその考えを止め、むしろ積極財政に転化しつつある。

 一番の夢物語は、若者世代の将来への負担を軽減するという主旨の下に厚生福利費を減らしたりもしたが、赤字国債を発行することによって国家の借金が増えることは、現在の若者たちを将来的に逆に苦しめることになるのではないか。

 高市内閣の最も気がかりな点は、上記防衛費の増額である。党内の大物議員のひとりである茂木敏充外相もすっかり鳴りを潜めてしまった。むしろ膨らんだ防衛費予算の外に外務省予算案に、同盟国軍に防衛装備品や機材を供与する「政府安全保障能力強化支援」と称して過去最大の181億円まで計上している始末である。政府予算案は、戦争への道をひた走りに走り出しているのである。

 いずれ次の国会で政府から説明があり、国会で与野党の質疑応答があると思うが、野党国民民主党も右傾化の傾向を強め、防衛問題の動きの中でどういう決着が付くことになるのだろうか。危うい国家予算になってきた。

 経理の原則を知らず、国の財政を切り盛りするのは、政治家ではない。この際予算作成は、財務省と経済学者に任せた方が良いのではないかと皮肉の一つも言ってやりたくなる。

2025年12月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com