4866.2020年9月8日(火) 予定通り24日に白内障手術

 来る24日(木)国立東京医療センターで左眼の白内障手術を受ける予定であるが、今日執刀医師による説明会があるということで医療センターへ出かけた。医療センターでは、医師が手術を受ける患者を対象に1時間半程度の説明をするということだった。しかし、新型コロナウィルスの影響で1か所に集まることは出来ず、1人ひとり別々にテレビ画面で説明するということから、タブレットによって15分程度の画像による説明を受け、その後に執刀医師から個別に検査と説明を受けた。

 白内障手術を受けた友人は結構いるが、受ける立場からすれば、それほど大変な手術ではないと聞いていた。ただ、身体の中でも最も大切な目を診てもらうわけで、いくら設備の良い国立病院で名医の執刀であろうとのほほんとする気持ちにはなれない。3日前から所定の薬を服用し、手術以降は就寝時にも眼帯を外さないことが少々面倒である。それでも今世界が暗く見え、寝ながら読書することが出来ない状況では、手術後は世界が明るくはっきり見えるようになることを楽しみにしている。

 さて、コロナ禍の中で観光業界が落ち込んでいるとの声に、7月から観光業全般の景気テコ入れとして国土交通省主導の「GO TO トラベル」キャンペーンが実施され、一部に問題があったとは言え、ある程度観光業界にとっては息をつくことが出来た。そこで柳の下の2匹目のどじょうを狙って、今度は農林水産省が旗振りして「GO TO EAT」キャンペーンを始める。あくまでコロナ禍に伴う外出自粛などの影響を受け、甚大な影響を受けている飲食業者に対して期間を限定して需要喚起を図る。

 果たしてこれが観光業界全般にどれほどの効果をもたらすだろうか。

 コロナが少しずつ終息の方向へ向かっているという一方で、一部にはむしろ逆に感染者が増える傾向が窺える。日本では確かに7月下旬を頂点に少しずつ減り始めている。だが、不名誉にも感染者数トップのアメリカをはじめ、2位のブラジル、3位インドは相変わらず増え続けている。そこへ異変が起きた。連日1日当たり9万人が感染しているインドが、昨日になってブラジルを抜いて2位に躍進?した。インドは何度も訪れたことがあるが、人口も中国に次いで多く、街に人が溢れ、とても「3密」を避けることは難しい。そして、衛生状態が悪いという悪条件が重なり、このままではインドのコロナ旋風を抑え込むのは容易ならないことである。世界で感染者の数は2千7百万人を超え、死者は90万人弱となった。この勢いからすると直ぐに、感染者は3千万人、死者は90万人に達することだろう。

 折も折大統領選で苦戦を強いられているトランプ大統領が、コロナ・ワクチンを来月10月には提供できるだろうと随分楽観的な発表をしたが、一種の選挙戦術ではないかと俄かには信じ難い。アメリカも大統領がひとり相撲ばかり取っているだけに、科学的根拠よりも感情が先走って取り巻きはさぞや大変だろう。

2020年9月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4865.2020年9月7日(火) 国が民間企業に巨額の債務保証をしても良いのか?

 昨日から今朝にかけて九州一帯を暴風圏に巻き込んだ大型台風10号は、北上して朝鮮半島へ去っていった。韓国、北朝鮮でもかなりの被害が出るのではないかと気になる。この台風は、度々の警戒警報により事前に避難した人たちが多かったせいか、幸いそれほど人的被害はなかった。しかし、雨と風が厳しく今日も広範囲の地域に影響を及ぼし、各地に大雨警報が出されている。

 さて、数々の汚職疑惑を持たれたまま金融商品取引法違反と特別背任罪で起訴、収監されていた日産自動車のカルロス・ゴーン元会長が、昨年12月保釈期間中に日本から逃亡し、ベイルートで悠々生活しているような不祥事を犯した日産自動車の今年度の業績は、6,700億円の純損失と2年連続の赤字の見通しである。その日産が驚いたことに日本政策投資銀行から、実に1,800億円の融資を引き出し、その内1,300億円に政府保証がついているということである。つまり、1民間企業の経営不振に対して政府機関を通じて貸付けて、最悪のケースで企業が倒産した場合、税金が注ぎ込まれるという危ない手を打ったのである。日産は日本経済をリードする大企業として政府としては倒産するのを見ておれないということだろうが、その貸付金の出どころは国民の懐である。債権者である国民の声を聞かずに、また国民に何の説明もなく多額の資金貸付の保証を与えるのは、あまりにも無責任ではないだろうか。

 過去においてリーマンショック直後に日本航空へ470億円の保証付き融資を行ったが、その後日航が倒産して国民にツケが回ったことがあった。日産の例が今後悪い先例とならなければ好いが、このところ長らく財務省のトップが、財務にあまり精通しておらず、漫画本ばかり読みふけって威張りちらしている麻生太郎大臣では、これから先も心配でならない。

 今朝の新聞訃報欄を見て、アッと驚いた。あの方がとうとうお亡くなりになってしまった。上智大学名誉教授のドイツ人アルフォンス・デーケンさんである。死とどう向き合うかなど「死生学」がご専門のようであるが、長らくカトリック・イエズス会司祭を務めておられた。デーケンさんとは日本ペンクラブのパーティで出会って以来、いつも「やぁ!コンドーさん!お元気ですか?」と気さくにお声をかけて下さり、楽しくお話しをした。3~4年前ぐらいからお姿が見えず、またこの3年間は年賀状もいただけず、どうされているか、気になっていた。享年88歳だった。またひとり存じ上げている方が亡くなり、世の習いとは言え一抹の寂しさを感じている。心よりご冥福をお祈りしたい。

2020年9月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4864.2020年9月6日(日) 童心に帰って「ガリバー旅行記」を楽しむ。

 6月から毎週金曜の朝日夕刊全1頁に「ガリバー旅行記」が連載されている。小学生のころに児童書で読んだので、あらすじは承知しているが、これまで原書の翻訳文を読んだことはない。その意味では柴田元幸翻訳で世界的なベストセラーを改めて読むことになった。幸い知らなかったことを改めて知ることにもなりストーリーも結構面白いと思っている。

 作者のジョナサン・スウィフトは17~18世紀のアイルランド出身の作家であるが、政治的な活動に関わっていたこともあり、文中に当時の皇帝や政治家に対する刺激的な表現が現れることがあると言われている。私自身子どものころの記憶でもあるので、やはりストーリーの細部についてはほとんど知らなかったと言っても好い。恥ずかしながら船が難波して漂着した小人の国が、「リリパット」という国名であることさえ知らなかった。そういう意味では、新しい外国文学作品を読んでいるのと同じである。

 一昨日の文章で火事に遭った宮殿の消火に駆け付け、前日呑み過ぎたワインのせいでもよおした小便をかけて幸いにも消火することが出来たが、皇后から敬遠されるに至った話がある。あの時代にしても品の良い話ではなかったので、19世紀になって現場にある筈がない大きな桶で水をかけて消火したことにされたという。更に女性は字をまっすぐに書けないとやや女性蔑視の表現や、死者は頭から真っすぐ下にして埋葬すれば、ほぼ30年後には死者は蘇り、その時地上はひっくり返っているので頭から地上に出て来られると信じられていたというようなユニークなエピソードが目白押しで、今日でもそれなりに興味をそそる話である。

 スウィフトが生まれたアイルランドは、イングランドとは言語的、宗教的にも一線を画している。スウィフトには、他のアイルランド人同様に大英帝国王を戴くイングランドや王室への複雑な気持ちがあったのかも知れない。

 1992年旧文部省教員海外研修団でアイルランドの首都ダブリンの郊外ダン・レアラで学校など教育施設を訪れた時、現地の教育関係者から、イギリスと異なる点や、スウィフトについても随分話を聞かされた。

 ともかくこの「ガリバー旅行記」は、私自身これまで知らなかったことを改めて教えてもらっていると思っている。まだ序章でもあり、この後ストーリーは原書に沿ってどんな波瀾万丈の展開を見せてくれるのか大いに楽しみである。

 さて、ここ数日南方洋上で発生して九州方面へ北上している近年稀なほど大型の台風10号が、沖縄、奄美諸島を通過して今夜8時には九州全県が暴風圏内に入った。テレビ各局は朝から現地情報を交えて台風警戒報道で持ち切りである。JR九州新幹線が今日午后から明日終日運休、またJR山陽新幹線も明日は広島~福岡間で運休し、航空便も多くが欠航を決めている。そのせいで14日実施予定の自民党新総裁選挙はおろか、立憲民主党と国民民主党が合流して結党し、10日に予定している新党の代表選挙もすっかり影が薄くなっている。

2020年9月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4863.2020年9月5日(土) 「筑波山ガマの油売り」口上名人亡くなる。

 今日の朝日夕刊「惜別」欄に去る7月に73歳で亡くなった歌手弘田三枝子さんが紹介されていた。「人形の家」などのヒット曲があるが、それより中々パンチのある「アスパラ」のCMソングがテレビから流れてきたのをよく覚えている。注目したのは、その隣に筑波山のガマの油売り口上で知られた吉岡久子さんの訃報である。やはり7月に96歳で亡くなられた。

 実は、吉岡さんのガマ口上は、2004年12月4日に吉岡さんが大女将をしていた「筑波山江戸屋」に、茨城県教員海外視察団団員が24回目の同窓会に集まり、「1枚が2枚、2枚が4枚~」と懇親会で熱演してもらってじっくり鑑賞させてもらい強い印象を受けたことをよく覚えている。その時すでに80歳だった吉岡さんが、日本刀を抜いた迫力ある実演にはほれぼれした記憶がある。記事によると私たちが鑑賞した時は、筑波山ガマの油売り口上第19代名人「永井兵助」を名乗っておられた。確かにおぼろげながらそんな記憶がある。女性がガマの口上をするとは、筑波山でも珍しかったようだが、保存会事務局長も声と手の動きはしなやかで鮮やかだったと思い出を語っている。

 それは想い出せばキリがないほど鮮烈な思い出の多い視察団だった。1980年12月茨城県教育庁課長を団長に、小中高の先生方と旧文部省係長を加えた計18名の教育関係者を案内して16日間、フランスのマルセイユとローマで小中高など教育施設を訪問した他に、マドリードとパリを観光した。ところが、その最中に世界中にショックを与える事件が起きて皆驚いた。12月8日深夜、あのビートルズのジョン・レノンがニューヨークのアパートを出た瞬間に、突然若者に拳銃で撃たれ、ほぼ即死状態だった。ちょうとその時我々はマルセイユにいたが、9日の早暁ジョンは亡くなった。マルセイユではジョン・レノン急逝は号外となって大きな騒ぎになっていた。レノン殺害事件はその後も何かとこの視察団でも話題となった。あれから早や40年が経った。

 マルセイユについては、視察団の折団長、班長の先生とともに日本総領事館を表敬訪問して、総領事から市の様子もうかがった。また、愛読書のひとつ、デュマの「モンテ・クリスト」にナポレオン時代のフランスの街の雰囲気が伝えられており、その後2度訪れたが、その都度市内を歩いては主人公モンテ・クリスト伯への思い入れを重ね合わせたものだ。港から見える巌窟王の島・モンテ・クリスト島へも行ってみたいと思いながら望みは果たせていない。丘の上の眺望の素晴らしいノートルダム寺院も懐かしく想い出されてくる。

 今この視察団は団長をはじめとして半数以上の団員がすでに冥界へ旅立たれた。団長が亡くなるまで同窓会「チボリ会」は、団員の先生方が仲睦まじく続けられた。旅行で一緒だったことを縁と絆にして、いつまでもこれほど長く親しく団員同士が交流していたグループは珍しい。いくつかの衝撃的なメモリーとともに、愛おしい思い出が蘇ってくる。

 これまでに旧文部省海外教育視察団21団体のお供をしたが、それぞれに今も強く印象に残っている。すでに長い時間が経過したので、同窓会は今では1985年10月にご一緒した兵庫県視察団だけしか続けられていない。近年兵庫県の同窓会には出席していないが、そろそろ黄昏時になってきたので、この新型コロナウィルスの時勢下集まり難い環境にあるが、開催されるなら万難を排して久しぶりに懐かしい先生方のお顔を見に参加してみたいとの気持ちが強くなった。

2020年9月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4862.2020年9月4日(金) アメリカ人の人種差別感と日本人の男女感

 今日も朝から暑い。東京都内は35.1℃という猛暑日となった。こう暑いとノルマのように決めている駒澤公園へのウォーキングを試みる気持ちも萎えてしまう。九州、沖縄地方へは台風10号が近年にないほど強烈な勢いで北上し、明後日九州へ上陸するとして気象庁がしきりに最大級の警戒を呼び掛けている。

 さて、日本人には今世界中を騒がせているアメリカ人の人種差別感というものが、中々臨場感でも実情でも分かり難い。確かに黒人らが白人に暴力を浴びているシーンは、すぐ止めなければいけないとことくらい悪いことだと分る。だが、それではどうしてそれがアメリカ人には止められないのかと考えるとよく分からない。悪いことは止めるべきだと誰も言い、止めようとするものだが、白人にとって黒人に暴力を振るうことが悪いことだと意識しない間に白人はいつのまにか忘れてしまうらしい。

 このところアメリカ国内で黒人への暴力事件が3件も大きな問題を引き起きている。フロリダ州で黒人が警察官の暴力によって殺害され、1週間前にはウィスコンシン州で黒人が子どもも乗っている車で背後から警察官に銃撃され、身体麻痺の状態となった。その男性は入院先で手錠をはめられていたことまで暴露された。そして、3月に遡ってニューヨーク州で黒人男性が警察官に頭部を痛みつけられ殺害された事件も明るみに出た。今全米中で人種差別反対の抗議デモが行われている。人種差別は許されないとキング牧師の努力もあってアメリカ国民が一時納得した筈だったが、意図的にか無意識にか忘れられてしまったらしい。。

 黒人や非白人を差別する白人アメリカ人の本音が、アメリカ国内に充満していて普段は表に現れず、何かのきっかけで表面化する。しかし、大統領自ら差別発言をするようでは、残念ながらアメリカからこのまま永久に人種差別はなくならないだろう。

 人種差別ほど悪質ではないが、男女差別にも同じようなことが言える。但し、黒人差別の激しいアメリカで男女差別は表面上あまり見られない。それでも独立以来ほぼ250年が経過するのに、未だに女性大統領が輩出しないのには、それなりにアメリカ人の特異な事情があるのだろう。国会議員の女性比率から見ても今年1月時点でアメリカは23.4%で193カ国中82位である。意外に低い。アメリカという国は、民主主義の模範国と自画自賛している割に、中国にすら後塵を拝しているのだ。ただ、それでも日本より大分良い。日本のそれは、僅か10.2%でしかなく193カ国中144位で、G20 の国々の中で最下位である。

 どんな国に男女差がないのかというと、1位ルワンダ61.3%、2位キューバ53.2%、3位ボリビア53.1%、4位アラブ首長国連邦50.0%、5位メキシコ48.2%である。いわゆるアフリカ、中東、中南米などの途上国がベスト5を占め、その後をヨーロッパ諸国が追っている状態である。

 その体質の一例が、今度の自民党総裁選にも表れた。総裁選立候補に女性は誰ひとり立たなかった。意欲を見せた議員に、稲田朋美幹事長代行と野田聖子元総務相がいる。それでも男性優位の政界自浄事情により立候補出来なかった。稲田氏は早くから総裁選に出る気持ちが強かった。だが、政界入りの道を開いてくれた安倍首相に相談したところ、仲間作りが大事だと言われた。そしてその直後に所属する細田派が、早々に菅官房長官推薦を決定した。他方、野田氏には推薦人20名が集まらなかった。酒を酌み交わす仲間との会食が少ないということも一因らしい。つまり、意欲、政策、首相哲学、実行力などではなく、調子よく立ち回りお付き合いする日頃からのそつのない仲間、同志との関係がないと難しいということのようだ。男女の平等は日本の政治の世界では前途遼遠である。日本の政界に、今回各派閥が揃って菅氏支援を決めたように派閥が蔓延るわけだ。

2020年9月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4861.2020年9月3日(木) 台風10号接近と喉の検査

 午前中2度も激しいにわか雨に襲われた。それでもすぐ青空が見えた。暑さも相変わらずの厳しさで、今日新潟県三条市では40.4℃となり9月としては観測史上国内最高気温を記録した。一方、日本の南海上に大型台風が発生し、沖縄、九州方面から朝鮮半島を襲うと予想されている。気象庁は珍しく3日前に避難警報を発令している。3日後には中心の気圧は915hPa(ヘストパスカル)と猛烈な勢力となり瞬間風速は80mになると予想されている。

 その間隙を縫うようにこのところ声が嗄れて気になっていた咽喉を診てもらいに、都立大学駅近くの耳鼻咽喉科医院へ出かけた。一昨日松本整形外科医に春以来声が嗄れたので気になって様子を話したところ、早く専門医に診てもらった方が良いからと「いの耳鼻咽喉科」を紹介していただいた。問診の後で喉の中を診てもらい、腫れも傷もなく異常はないと言っていただきホッとした。やはり年齢的なこともあるようだ。実は昨晩自民党総裁選で派閥竹下派の竹下亘会長がコメントを述べていたが、あまりにも声が嗄れて苦しそうに発言していたので、少々聞き苦しく、こうなってはまずいと思っていた。幸いそれは杞憂に終わってやれやれと言う気持ちである。

 さて、何かと政治的、経済的、軍事的存在が大きく目立つ昨今の中国であるが、チェコのピストルチル上院議長が、国交のない台湾を訪れたことに対して中国が猛反発している。元々東欧国だったチェコは、スロバキアと分離する以前から中国とは友好関係にあった。それがどうして中国がチェコを強く非難するような事態になってしまったのだろうか。

 先月30日に国会議員ら90人を率いて台湾を訪れたピストルチル・チェコ上院議長は、一昨日台湾立法院で演説し、「私は台湾人です」と述べて喝さいを博した。かつてケネディ大統領が冷戦下に西ベルリンを訪れ「私はベルリン市民だ」と言って、旧ソ連から圧力を受けていた当時の西ベルリン市民へ連帯を表明したのにあやかったようだ。中国が巨大経済圏構想の「一帯一路」で主に途上国を経済的に取り込み友好関係強化を図る外交政策に少しずつ無理が生じてきている。今では投資事業が予定通り進まず、被投資国には失望感が生まれている。友好関係見直しの動きも少しずつ表面化している。それに対して中国政府が圧力と脅しをかけているようだ。チェコは国家として、また首都プラハも首都北京との友好関係を犠牲にして台北市と友好関係を結ぶ動きが窺える。

 現在台湾と直接外交関係を締結している国は少なくなってしまった。近年徐々に台湾と手を切って、中国との外交に移り変わっている。各国とも中国の経済的支援を期待して中国の顔色を見ているからである。その中で今以て台湾と外交関係を結んでいる国は15カ国で、マーシャル共和国やパラオ共和国のような中部・南太平洋諸島や、グアテマラ、ホンジュラス、ハイチ、パラグアイ、ニカラグアのように中南米に多い。

 あまりにも押しつけがましい中国の外交政策がそろそろ限界に達して飽きられ、一歩距離を置こうとされているのではないだろうか。軍事的にも覇権国家の勢いで南シナ海や東シナ海公海を自国領海にしてしまう強引さは、国際社会からも非難を浴びている。力づくで強引なやり方を続けて世界に存在感を見せつけてきた中国もそろそろ考え直す時がやって来たのではないだろうか。

2020年9月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4860.2020年9月2日(水) 海外で気になる2つのニュース

 75年前の今日戦艦ミズーリ号上で日本は降伏文書に調印して、世界に対して公式に敗戦を認めた。その日本は、今では経済的に復興を遂げ世界で3番目の経済大国となった。そんな過去の厳しい史実を振り返ることもなく、今国内では次期自民党総裁、つまり次の総理大臣を選ぶ総裁選でメディアの話題が持ち切りである。その熱くなった頭を冷やすかのように今日午後都内で局地的なゲリラ豪雨があり、我が家の周辺も2時過ぎに激しい雨と同時に雷が鳴った。しばらくすると周囲は明るくなってきた。

 海外では11月に予定されているアメリカ大統領選の立候補者、トランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領が、黒人銃殺を巡り相手を罵倒するような激しい選挙戦を続けている。アメリカ大統領選史上稀に見る次元の低い争いは投票日まで続けられることだろう。

 今朝の新聞を見て驚いた海外の話題が2つある。ひとつは、混乱の最中にある香港のトップである林鄭月娥行政長官が、昨日香港には3権分立がないと発言したことである。つまり行政長官は、中国政府の意向を踏まえて香港政府の行政権が、司法や立法権に優先されるとの立場を示唆したのだ。かつては中国政府の権限が香港の3権よりも上にあると語った中国高官がいる。これでは従来から当然と受け取られている「1国2制度」が疑問に思えるではないか。同時にやはりそうなのかと中国政府の腹が分ったような気がした。それではなぜ香港市民でもある林鄭月娥長官は、このような香港市民にとって極めて不利な発言を軽々にしたのだろうか。

 そもそも香港の行政長官は、香港内で行われた選挙によって選ばれたとは言え、実質的には中国政府によって恣意的に選任されたようなものだ。2017年の行政長官選に遡る14年に、中国全人代が行政長官選への立候補者は、親中派の香港指名委員会の過半数の支持が必要で2~3人に限定すると決定された。しかも市民による自由投票ではなく、僅か1,200人の中国びいきの選挙委員によって決まる。その後に中国国務院の任命が必要とされている。他にもいくつか非民主的な条件がある。こうした中国政府の関門を潜り抜けて行政長官になった人物は、当然の如く完全無欠の親中派長官である。それが林鄭月娥行政長官である。しかし、地元民の行政長官がここまで地元市民の自由、民主化を否定する発言の必要があるのだろうか。それは有無を言わさず中国政府に言わされているからである。

 もうひとつ驚いたニュースは、南太平洋の小さな島国バヌアツが国として自国の国籍を外国人に売却しているという、これまで聞いたこともないような情報である。バヌアツは人口も高々30万人程度で、岩手県盛岡市や福岡県久留米市と同規模である。観光業、漁業以外にこれという収入がない。80ほどの小島から成り、透明な海でスキューバ・ダイヴィングを楽しむために外国から多くの若者が訪れる。国籍購入者の多くは、近年港湾施設などの大型インフラ施設の建設支援を通じて存在感と影響力を増している中国人である。1人約1,400万円の申請料を支払えば、犯罪歴などをチェックした後バヌアツ国籍が付与される。同国に居住する義務もないというが、住民税他の公的負担費用はどうなるのだろう。この制度によって昨年は、当初の予算額の1.9倍に当たる115億円の財政収入があった。しかし、こんないびつな方法で国家財政を豊かにしたところで問題がないのだろうか。国家が外国人に金銭で国籍を与えて将来的に彼らが国の指導者になった場合に禍根を残すことはないのだろうか。「庇を貸して母屋を取られる」の悪い前例にならなければ良いがと少々気になるニュースである。

2020年9月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4859.2020年9月1日(火) 「防災の日」で本来なら「2学期最初の日」

 97年前の今日関東大震災が発生した。死者、行方不明者合わせて10万5千人もの犠牲者を生んだ大惨事だった。それを忘れないために今日は「防災の日」と呼ばれ、官民ともに防災に備えて訓練が行われる。ところが、今日はその種のニュースが伝えられず、もっぱら自民党総裁選の噂ばかりである。

 75年前の今日は、戦後最初の2学期開始の日である。幼い子どもには、「終戦」という強い記憶と印象はないが、それでもひとつだけ今以て忘れられない辛く悲しい記憶が残っている。国民学校入学直前に父が千葉市へ転勤になったので、疎開を兼ねて内房総の勝山町(現鋸南町)へ引っ越した。勝山国民学校へ入学し近所の長屋に住んでいた金田くんという朝鮮人の友だちと毎日一緒に通学し、学校から帰ると仲良く遊んだ。2学期の最初の日に、担任の青木先生から「皆さんのお友だちの金田さんが、お父さんの故郷の朝鮮へ帰りました。皆さんによろしくと言っていました」と突然言われた時は、大きなショックだった。あれだけ毎日一緒に遊んでいたのに「さよなら」も言わないまま別れてしまったことが子ども心にも辛かった。この悲しい別れについては、近々上梓予定の拙著「八十冒険爺の言いたい放題」にさらっと書いた。戦争が終わって一番印象に残っている出来事だった。

 今日松本整形外科医院へ向かう途上目黒区立宮前小学校傍を通ったが、校庭には誰ひとり生徒はおらず閑散としていた。目黒区は小中学校の夏休みを短縮してすでに学校は始まっている筈だが、残念ながら終戦後の子どものころの記憶の面影を追おうとしても、2学期が開始されたフレッシュな雰囲気は窺えなかった。

 さて、自民党総裁選出に当たっては、広く全国党員の声を聞くべしと一部議員、党員から強い要望があったが、自民党大会は開催されず、来る14日に自民党議員総会の開催が決まった。これについては過去に同じようなことがあった。

 2011年旧民主党は菅直人首相が辞任して、同じように党員、サポーターを参加させずに国会議員だけで野田佳彦次期代表が選出されたことがあった。この時菅氏はブログでこんな身勝手なことを書いていた。「与党の代表を選ぶことは、日本の総理を決めること。候補者が自らの考え、政策を広く国民に示し、議論を深めるべき」と民主党の選出方法を批判していた。その方式を批判した菅官房長官がよくぞ同じようなことを実施出来るものだ。今度は回りまわって自分が、その当事者になる。恥ずかしいとは思わないのか。この点を昨日の記者会見で問われた菅氏は、「政府としての立場でのコメントになるので、そこは控えたい」とノーコメントだった。追い詰められても切り抜け方がうまい菅氏の面目躍如である。余計なことは言わないが、正論も語ろうとしない菅流対応術は「その批判は当たらない、個別の案件には答えない、仮定の話には答えない、適切に処理している、と思っている」といつもと同じように通り一遍の答え方をしているだけである。本音を隠して上手に誤魔化す薄ぺらで、つまらない首相が誕生しそうだ。

2020年9月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4858.2020年8月31日(月) 自民党新総裁選出の裏舞台と派閥力学

 次期首相選びが始まった。その前にいつもの通り自民党新総裁選びに「ぬえ」のような妖怪が現れた。誰が立候補するのか、まだ判然とはしないが、岸田政調会長と石破元幹事長が意欲を示しているのに対して、闇の中の妖怪・二階幹事長と不明瞭な取り決めをして菅官房長官が出馬することに決まったようだ。

 394名の国会議員に全国の党員などの394票を加えた788票で決める通常の党大会を開かず、国会議員394人と都道府県連の代表各3人による141票を合わせた535票によって開かれる両院議員総会でほぼ決まりそうな雲行きになって来た。これは地方で人気のある石破氏の勢いをそぐ狙いがあると見られている。

 どうも不自然なのは、あれほど首相を目指す気はないとメディアで広言していた菅官房長官が、一昨日二階氏と闇取引をしたのか、その直後に態度を翻し総裁選に出る意思を示したことである。菅氏は、目の前に転がり込んできた美味しそうな餌には、例え人を裏切ってでも欲に駆られるほど旨い話には目がない人なのである。そういう人物が無難に8年近くも安倍政治を手伝ってきたという蔭の実績にかどわかされて自民党の幹部連が、目くらましをかまされているのである。

 2つ目の疑問は、党大会で総裁を決めるには、時間がかかり過ぎて政治の空白が生まれ難しいと簡単に両院議員総会で選任しようと決めようとしていることである。しかし、6月17日に第201回通常国会が閉会してから国会議員は長い夏休み中で、新型コロナウィルス対策の対応などもあり野党から臨時国会開催を求められながら、大した議案がないとして応じようとしなかった。実は、今日まで国会議員は本業がなく暇だったのである。今日のツィッターで日本共産党の小池晃書記局長が、「2か月以上国会開かず、空白作ってきた張本人たちが、なにをいまさら」と呆れている。

 今日のエンタメ番組で政治評論家諸氏の大方の予想は、人気で圧倒している石破氏が自民党内の派閥抗争でほとんどの議員を菅グループへ奪われ、すでに菅氏が過半数を得ていた。前言を翻し、派閥間の争いで票を勝ち取る、昔ながらの自民党流の菅氏のやり方には呆れるばかりである。いつまで旧態依然とした非民主的な選挙をやっているのだろうか。こんな新総裁の決め方で就任した新首相が、果たしてクリーンで責任感の強い首相として国民を引っ張っていけるのだろうか。

 仮に菅官房長官が次期首相に選任されたとするなら、また裏の政治というものが蔓延るのではないだろうか。暗然とせざるを得ない。

2020年8月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4857.2020年8月30日(日) 自民党新総裁は、いつ、どうやって決まるか。

 安倍首相が辞任を表明してから、次期首相の候補者として自民党内では自薦他薦を含めて現時点で岸田政調会長、石破元幹事長、そして執拗に官邸政治を行ってきた安倍首相を傍で支えてきた菅官房長官の3人が有力視されている。しかし、菅官房長官は先日テレビ出演の際薦められても総裁選に出る考えはないときっぱり言い、メディアの質問にも同じように応えていた。

 そもそも菅官房長官が次の首相候補に挙がること自体おかしい。安倍体制の実情をよく知り、それを支えてきたからこれまでの安倍政権を踏襲するには適任との声が強いようだが、その反面安倍首相への疑念と不信を最もよく知り、外部からの反論を盾となって守ってきたのが官房長官である。安倍首相への疑念と不信は、官房長官への不信でもある。特に、安倍首相が「森友学園国有地払い下げ」、「加計学園特別区学部新設問題」、「桜を見る会」など不審を抱かれた問題をうやむやにし、公文書改ざん及び廃棄を隠蔽した「闇」の裏には、菅官房長官が手を貸していたことは間違いない。それらの疑惑は、官房長官も当然負うべきであり、他人事のような顔をして次の総裁選に出馬を考えるなぞおこがましいと言わざるを得ない。

 それが周囲のおだてと忖度に浮かれて、本人もまんざらではなくなり自分を見失ったようで、昨日二階自民党幹事長との会談の後に自民党後継総裁選に出馬する意向を固めたとのニュースが伝えられた。また、党内の派閥関係によって決められるような気がしている。

 総裁選出に当たっては、地方の全党員の投票は時間的な問題もあり、国会議員と各都道府県支部からそれぞれ3名の代表によって投票を行う案が優勢だというが、実際には地方の党員の間に人気のある石破元幹事長を不利にする意向が自民党幹部や、菅官房長官の中にあるからだと見られている。一応9月15日までに新自民党総裁を決定して、その後の臨時国会で新首相を指名決定するスケジュールが考えられているようだ。

 新型コロナウィルス感染拡大の下で、内外に問題が山積しているが、次期首相にはウソをつかない、疑念に誠実に応え、責任を痛感するような事態が起きたら説明責任を果たす誠実な人物が求められる。

 首相が辞任の意向を表明した時、中国外務省報道官は日本国内の問題についてことさらコメントはないと突き放していたが、今日の中国共産党系「環球時報」には、「アメリカが対中包囲網を全面的に展開して中国を追い詰めようとしている今、中国は日本を味方に引き入れなければならない」、「日本に日中共通の利害を強く認識させる」とコメントしている。日米の絆を切り崩し、日本を中国の同盟圏へ巻き込もうとの意図が感じられる。

 また、テレビ局CCTVでは、「日本の本来の狙いは憲法改正と東アジア地域における安全保障の強化である」「中国が最も警戒しているのは、中距離弾道ミサイルの日本配備だ」「習近平国家主席の国賓としての招待を中止すべきである」として、今年コロナで延期になった招待の取り消しを求めている。

 中国は、新首相に対してもこれからいろいろ注文をつけてくることだろう。新首相にはこれらの難しい問題にも堂々乗り切っていける人物を期待している。

2020年8月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com