4747.2020年5月11日(月) 明後日民主主義の根幹、三権分立が崩壊?

 明後日国会でとんでもない法案が通るかも知れない。国民にとってはものすごくマイナスの一方で、安倍首相周辺にとっては私的にえらい余得をかすめ取れる法案である。それは検察庁法改正案で、検察官の定年を65歳に引き上げ、政権が認めれば更に定年を超えても勤務できるようにする。この法改正案に対して昨今国民の間で猛烈な反対が持ち上がっている。昨日には、著名人を主にネットで反対意見を寄せたツィートは470万人にもなった。

 そもそも新型コロナウィルスで日本中が浮足立っている時期にこっそり法改正をやろうという魂胆が汚い。8日には与党側が強引にも衆議院内閣委員会で実質審議に入った。すでに今年定年を迎える黒川弘務・東京高検検事長の定年延長を閣議決定した。弁護士出身の森雅子法務大臣は、三権分立を冒す越権を屁とも思わない。近々稲田伸夫・検事総長が定年を迎える後釜に政権は法改正までしても定年を延長し、政権の言うことをよく聞き入れてくれる黒川氏を検事総長に昇格させたいのだ。安倍政権の腹の内はとうに見透かされている。

 ネットに挙げられたイラストによると、自民党安倍内閣に対して公明党と維新の会が賛成し野党は反対している。モリカケ問題や、桜を見る会に国の金を無駄遣いしていたとして逮捕されるべき首相が逮捕されないのは、黒川検事長に身を守られていたからだとイラストは説明している。それには、首相が黒川検事長に定年制度を変えて特別に検事総長にしてあげ、その代償として検事長が首相を逮捕されないよう守ってあげるという皮肉っぽいものである。ここまでしてもらっても首相には罪悪感も反省もないのだろうか。その一方で黒川検事長もこれだけ世間から非難されても検事総長になりたいのだろうか。一片の良心もないのだろうか。とても普通の神経ではない。日本弁護士連合会に所属する1,600名以上の弁護士も、検察官の政治的中立性や独立性が脅かされる危険があまりにも大きいとして猛反対である。黒川氏は検事総長を終えたら弁護士を開業する気持ちがあると思う。そうだとしたらこれほど未来の仲間たちから反対されている定年延長による検事総長就任にこれほど拘る必要があるのだろうか。

 それと同時になぜ自民党代議士たちは、三権分立を脅かし国民から反対の強い法改正に対して良識的な反対の声を誰ひとりとして挙げようとしないのだろうか、不思議でならない。

 著名な芸能人からもこの改悪案については厳しい非難の声が挙がっているが、意外だったのは元プロレスラー高田延彦氏のツイッターで、これほど強く法改正に反対だったとは失礼ながら思いもしなかった。それほど政治を国民のものだと考えている市民にとっては黙ってやり過ごすわけにはいかないのだ。高田さんは「検察庁法改正案に抗議します。絶対にあってはならない暴挙。摩訶不思議で理解不能。なんのために?誰のために?この大変な時期に姑息な事をやってんだい?何故に本人は辞退しないの?教えてよ!?」と厳しい。更にその後のツィッターで「権力の濫用を防止するための三権分立はどこへ行っちゃうんだい、先人が作り上げて守ってきた聖域を時の政権がご都合主義でいとも簡単に壊せるのかい?主権者は国民だぜ!選挙の時だけヘラヘラへーコラと国民を舐めちゃいけませんよ!絶対に三権分立を壊しちゃいかんぜ!」と訴えている。普通の国民の気持ちは同じだと思う。

 さあ、これほど国民の強い反対を押し切ってでも、安倍首相は自らの利のために、明後日本気で改悪法案を通過させようというのだろうか。率先して民主主義を壊そうというような人物は、もう総理大臣の資格はない。さっさと職を辞すべきである。

2020年5月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com