4740.2020年5月4日(月) 緊急事態宣言、今月末日まで延期

 明後日6日まで出されていた緊急事態宣言が今月末まで延期されることになったと今夕安倍首相が記者会見で述べた。10日後の14日に専門家が分析して状況が好転して感染拡大が収束に向かう傾向が見られるなら、月末前にも解除することもあり得るとも付け加えた。この決定に大方の中小商店主は、引き続き忍耐を強いられることに諦めながらもいたく失望していた。

 今月下旬開催予定だった大相撲夏場所は中止されると発表された。併せて7月に開催予定の名古屋場所を夏場所として東京・両国国技館で行われるとも発表された。

 偶々セルビアにいる友人、山崎洋さんからメールを受け取ったが、セルビアでは明後日非常事態終了を宣言するという。

 さて、昨日の憲法記念日に際して、憲法改正論者の安倍首相は、「日本会議」が主導する改憲団体「美しい日本の憲法をつくる国民の会」なんていう長たらしく意味不明の名前のオンライン会合にメッセージを送り、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて緊急事態の対応をめぐる憲法改正論議の前進を訴えた。不運なコロナウィルスをチャンスと捉えて憲法改正を試みようとする首相の手法には自民党内でも批判がある。

 中でもコロナ対応に自衛隊が当たっていることを引き合いに、「自衛隊は違憲いうおかしな議論に終止符を打つ」と9条に自衛隊を明記する必要性を述べたことは、論理を履き違えている。これまでも自衛隊の災害時における奮闘ぶりには、国民として誰もが感謝していると思う。しかし、だからと言ってそれと自衛隊が憲法第9条で認められていないから憲法を改正する考え方をセットにするのはおかしいと思う。憲法第9条は日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と堂々謳っている「陸海空軍その他の戦力」と自衛隊の存在とは憲法上明らかに矛盾している。それをコロナウィルスで活躍した憲法違反の自衛隊を憲法上で容認しろということは支離滅裂である。

 憲法を改正せずともコロナウィルスに取り組むことが出来るし、大騒ぎのコロナ対策をPRすることに依って憲法改正に結び付けようというのは、田舎芝居に等しい。首相の発言は「先に違法ありき」であり、それ自体おかしい。国家にとって一大事となれば、その違法を認めてしまおうという姑息な手法ではないか。本人が考えたのか、周囲の入れ知恵が知らないが、所詮国家国民のことを考えたアイディアとは思えない。

2020年5月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com