978.2010年1月16日(土) 逮捕者3人、小沢幹事長はどう説明するのか。

 昨夜遅くなってから小沢一郎・民主党幹事長のかつての秘書だった石川知裕・衆議院議員と同議員の秘書が、政治資金規正法違反の虚偽記載容疑により逮捕された。さらに今日になって小沢幹事長の資金管理団体「陸山会」の会計責任者だった大久保隆規秘書も同じ容疑で逮捕された。

 昨年暮れ以来東京地検は小沢氏へ任意で出頭を求めていたが、小沢氏側に一向に要請に応じる様子がなく、しびれを切らした検察が一斉に小沢氏側の外堀を埋める行動に出てきたものだ。

 それにしても民主党総裁である鳩山首相はもちろん、民主党内から小沢氏を説得したり、その行動を非難する動きがまったく出てこないのは不可解である。むしろ応援団になってけしかけているように見受けられる。小沢氏の土地購入代金の出所が、不透明で怪しいことは、これまで小沢氏本人が一切説明しないからだ。西松建設や鹿島から何がしかのキックバックをいただいたことについては、両社の関係者の証言がある。購入代金と銀行借り入れの時期の不整合、これら建設会社の証言との食い違いなどを考えても不自然である。然るに民主党内に誰ひとりとして猫の首に鈴をつける、良識ある議員が現れない。こんな状態が長く続けば、民主党のイメージダウンは免れないことが分かっているにも拘わらず、小沢氏を諌める者がいないのである。何のことはない。子どものように、実力者・小沢一郎をただ怖がって怯えているのである。小沢氏にしても火の粉を早く振り払った方がよいと思えるのに、忙しいの一言で地検の追及から逃げ回っている印象を受ける。

 今一番問題になっているのは、世田谷区深沢の土地約440㎡の購入代金、約4億円の入手経路である。わが家近くの呑川遊歩道沿いに歩いて行けば、辿り着ける割合近くの土地である。この購入資金4億円をどうやって入手したのか、小沢氏は未だに説明しようともしない。結果的に関係者3人が逮捕される事態になっている。

 折りも折り今日民主党政権発足後初めての民主党定期大会が開かれた。幹事長としてどんな発言をするのか注目が集まったが、「法令に反していない」「幹事長職をやりぬきたい」「日本の民主主義を守るためにも屈してはならない」「断固として戦うことを決意した」と発言して、反省の色なぞ微塵も感じられない。強気に検察と徹底的に対決するという。それを鳩山首相以下民主党幹部に加えて、鈴木宗男議員までが後押しするという、まるで野次馬連合結成である。中には官僚の最高組織・検察と対決し、戦争も辞さないとまでわめく馬鹿な女性議員がいる。果たして国会議員が胡散臭い土地購入代金問題などで、国政を放ったらかしにして済むと思っているのか。小沢氏はまずきちんと国民が納得のいく説明をするのが疑惑を持たれた政治家の責任ではないのか。

 まったく納得がいかない。民主党幹部は政治を弄び自分たちのオモチャと考えているのではないだろうか。

2010年1月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

977.2010 年1月15日(金) 中西準子さんが相変わらず頑張っている。

 2冊の出版広告が目についた。1冊は昨日の朝日に載っていた高校の同級生である中西準子さんが書いた「食のリスク学」であり、もう1冊は今朝の朝日に掲載された、「知の現場」で編集仲間が取材した山田真哉氏の「目のつけどころ」で、発売1週間にして4万部が売れたという。

 2冊のうち、中西さんの著書は日本評論社から出されたものだが、この道の専門家らしい紹介のされ方である。「食の安全問題を中西リスク論がさばく!」と推薦文にある。彼女の持論も確たる定説になりつつあるようだ。地味な分野ではあるが、彼女は今や食品衛生問題で世間に警鐘を鳴らし一目置かれる存在になっている。高校入学早々同じクラスだったが、丸々として元気のいい女生徒で成績も良かった。最初の頃生物担当の若い新人男性教師から何人かの生徒に、授業中に好きな歌を余興に唄えと言われたことがあり、私も指名されお馬鹿さん丸出しで津村謙の「上海帰りのリル」を唄ったのに対して、彼女はその当時私がまったく知らなかった「インターナショナルの歌」を力強く独唱したのには度肝を抜かれ、クラスメートがみんな彼女の迫力に圧倒されたことが強く印象に残り、今でも忘れられない。今にして思うと、日本共産党員で、参議院議員だった父・中西功氏のDNAを受け継ぎ、多少左翼がかった傾向があったものと思う。その後横浜国立大学工学部へ進学して、母校と東京工業大学で教授を務め、数年前には国から勲章まで戴いている。その優秀な頭脳と実績には及びもつかず、とても太刀打ちなど出来ない。とにかくその当時から優秀だった。肩書きに「独立行政法人・産業技術総合研究所安全科学研究部門長」という長たらしい職名がついていた。

 それにしてもそろそろ鬼籍に入る同級生も出てきた昨今であるが、こうして溌剌として活躍している友人の近況を仄聞するのも心強く嬉しいものである。

 ニューヨークの9.11テロ以来続けられていたインド洋上における海上自衛隊の給油活動が、今日で活動期限を迎え海上自衛艦は撤収されることになった。すったもんだの末、自民党政府は憲法に抵触する可能性を孕みながら、テロ活動を阻止するためとの大義の下に、8年間に亘ってアメリカの要望に協力してきた。民主党政権発足後、普天間基地移設問題がこじれ、日米同盟がぎくしゃくしている最中に、この給油活動の中止は、また日米間の新たな火種となりかねない。実際ジョン・ルース駐日米大使は、これに代わる国際貢献をどうやってくれるのかと日本政府に強く代償を迫った。確かにアメリカとしては日本がテロ対策のPKO活動から手を引き、アメリカ政府にとっては思い通りにことが進まないことに焦りもあり、約束違反とか、信義に悖るとか、不満たらたらである。

 一方日本サイドでも日米の信頼関係を壊して、今後どうやって日米の絆を再構築出来るのかとの悲観的な論調をアメリカの視点から指摘する声も多い。

 しかし、昨日の朝日朝刊にアメリカのシンクタンク「ニュー・アメリカ・ファンデーション」副代表・スティーブン・クレモンス氏が米外交政策に関する「オバマに離反する同盟国」の中で主張しているように、アメリカの外交政策自体が東西冷戦化時代のままで、世界全体の動向に充分目が配られていないと指摘している。近年になって、かつて世界最強国だった時代に面倒を見てきたとの驕りと感覚から抜け切れず、同盟国である、ドイツ、サウジアラビア、さらに絶対的なシンパだったイスラエルからも反旗を翻えさせられている。日本の民主党には自民党とは別の価値観があり、民主党が明確に過去の対米政策を再検討しているにも拘わらず、アメリカはいつまでも日本はアメリカに従うべきだと考えて、日本の立場に気づいていないと手厳しい。

 クレモンス氏の提言は極めてフェアだと思う。それを読んで思うことは、アメリカには例え政治が行き詰まっても、民主主義の理念とバランス感覚は崩壊していないということである。わが国でも、もう少し民主党の意見を活かしたニュートラルで、公平な見方や考え方がマス・メディアに取り入れられるべきだと思うが、その辺がどうも今ひとつ甘いような気がする。

2010年1月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

976.2010年1月14日(木) ハイチで大地震が発生、大災害か?

 一昨日カリブ海のハイチで起きた大地震は予想以上に激しいものだったようだ。家屋の倒壊により多くの被害者を出している。被害規模も推定に過ぎないが、死者は数万人規模という報道がある一方で、数十万人もの死者が出たとのニュースもある。救助もままならないようで、最終的にどれだけの被害者が出たのか気になるところである。わが国でもまもなく阪神・淡路大震災から15年目がやってくる。

 近年になって地震被害は大きくなっている。明らかに都市の過密化がその大きな原因である。大都市化は利便性を生んだ反面、一旦災害が生じると住宅の過密化で混乱が広がり、被害は大きくなるばかりである。新しいところでは、2004年12月のスマトラ沖地震が大津波を誘引して、28万人以上の死者が出た。2005年10月にはパキスタンで、そして北京オリンピックの前には中国四川で大地震があった。

 今回の大地震に関して、欧米はすぐ救援隊を送るだろう。遅れて日本も続くだろう。こう言っては悪いが、他国で自然災害が起きた時に、経済成長著しい中国が自ら進んで救援隊を送ったと言うニュースはこれまであまり聞いたことがない。一昨年の四川大地震の折に世界中から官民ボランティアが住民救援に協力した。自分たちは被害者だったので、被害者の気持ちは痛いほど分かるはずである。いつも自分の都合だけで物申す中国に、この際率先してハイチ支援隊を派遣して欲しいものである。そうすれば、少しは他の国々も中国を見直すと思う。

 今インターネット・ウェブサイトのGoogleが中国国内で展開しているネット通信に中国政府の検閲が厳しく、市場を侵食しつつあったマーケットであるが、これ以上の締め付けがあれば中国市場からの撤退も視野にある。クリントン国務長官もグーグルが受けたサイバー攻撃に懸念を示している。どうやら政治問題に発展する恐れもある。

 しかし、中国政府は世論への影響力が強いネットへの規制を強化する方向であり、実際今夜のNHKニュースによれば、むしろ今の状態を徹底するとの方針を表明した。民主的権利を抑圧し、自由を奪い、他からのアドバイスに耳を貸さない。こういう傲慢なやり方はいつごろから中国の本質になってしまったのだろうか。わが国にとって中国は、歴史的にもつながりが深く、地勢的にも近くの国だけにこのまま中国が、わが道を往くの姿勢を貫かれては日本にとっても困るし、周囲の国々が迷惑を蒙るのははっきりしている。

 中国は人権の抑圧や金儲けばかり考えず、もう少し中国本来の「大人」ぶりを発揮して、ゆっくり、どっしり構えてもらえないだろうか。

2010年1月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

975.2010年1月13日(水) 観光共著書編集委員会に出席

 日本航空の法的整理が決まり、いくつかの再建条件が公になるにつれ、株式市場でもメッキが剥げた日航株は、一昨日の67円から、昨日はストップ安の37円となり、今日もストップ安の僅か7円となった。トップのCEOには、最近健康問題で辞任した前財務大臣の藤井裕久氏と同じ77歳の京セラ名誉会長・稲盛和夫氏が就任すると見られている。稲盛氏は会社再建に自信があるようだが、難しい航空業界ではまったくの素人だけに、そう思い通りに行くかどうか。これから、人員削減、関係会社整理、路線縮小、支店閉鎖等々の厳しいリストラが、再建を託された社員の肩に重くのしかかってくる。

 デッドロックに乗り上げていた企業年金の支払い額削減について、社員・OBの2/3以上の賛成が得られなければ、そもそも企業年金基金は解散される。そうなれば、給付額はさらに低減される。不利な条件をちらつかされたのが、効いたのか反対者の多かったOBも土壇場で折れ、雪崩を打ったように年金減額を受け入れることに同意した。これによって期限ぎりぎりの昨日になって漸く社員・OBの2/3以上の賛成が得られた。

 それにしてもこれだけ大きな企業だけに再建の道は、これからが大変だと思う。CEOに名前の挙がった稲盛氏は、リストラを徹底的にやって平成23年度には黒字にしたいと話していたが、役員は変われども実質的に仕事をするのは、会社をダメにした同じ社員だから、そう簡単にことがうまく運ぶだろうか。日航にとっては当分茨の道が続く。

 さて、今日の午後JAPAN NOW観光情報協会編纂「観光・都市・環境の情報事典」の編集委員会が海事センターで開かれた。中心人物である須田寛・JR東海相談役は来られなかったが、松尾道彦・JN協会理事長、白澤照雄JN協会事務局長、JTB出身の北村嵩・松陰大准教授、JN協会首藤秀敏氏、それに私の5人が寄り集まった。

 白澤氏がほぼ全体の構想を固めていたが、試案に対して北村氏同様に私にも疑問と意見があった。そのひとつは、「事典」という書名が、堅苦し過ぎて、読者が手に取ってみようという気にならないのではないかということである。第2に観光専門書の視点を変えて書いただけでは、読者に観光についての情報を与えることにならないのではないかという危惧である。

 白澤氏はもうすでに自分の考えを書き始めていて持論を譲らないので、ある程度意見は聞き入れられたが、基本的にはこちらの希望通りには進まない。せめて書名とされたタイトルを副題とすることによって、書名には新たにもっとくだけたネーミングをつけた方がよいと主張したことについては、今後検討するということになった。 私は「観光」を担当することになっているが、一応自分なりに思うところを書いてみようと思っている。「知の現場」の時もそうだったが、やはり共著というのは共著者の考え方がそれぞれに異なるので、意見を統一するのは中々難しい。

 とにかく7月末日までに原稿を書き上げるということになった。現在少々忙しいので、春になり「図解塾」講師の見通しがつくようになった時点で、執筆に拍車をかけたいと考えている。

 今日大相撲の関脇・千代大海が引退を発表した。ある程度予想されていたことではある。大関在位は66場所で、最高在位場所数である。しかし、大関陥落の瀬戸際に追い詰められたことが過去に12場所もあり、その点で3度の優勝を飾ったが、強い大関という印象はない。先場所大関から陥落して今場所10勝以上の勝ち星を挙げれば、大関復帰は可能だったが、初日から3連敗で自ら見切りをつけ4日目の今日引退発表となった。昨日は、大関・魁皇が通産808勝を挙げ、歴代トップの勝利数で気勢を上げていたが、魁皇と千代大海、2人のベテラン力士が明暗を分けた。いずれにせよベテランが頑張っていると応援したい気持ちにさせられるし、引退にまで追い込まれるとつい哀れみを覚える。これもスポーツ界のみならず、一般社会の現実だろうか。

 それにしても、今日の寒さは格別だ。南国・鹿児島市内にも降雪があったし、高知桂浜の坂本竜馬像と鹿児島市内の西郷隆盛像にも雪が積もった。わが国の景気も底冷えだ。

2010年1月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

974.2010年1月12日(火) 日航挫折が観光業の停滞を招かなければ良いが・・・。

 遂に日本航空が法的整理により、会社更生法の適用申請を行うことがはっきりした。巨星墜つとまでは言わないが、仄聞するニュースを見聞する都度、日本の経済力を世界に示威していた天下の日本航空が、こんな醜態を曝け出さなければならないのかと思うと少々寂しく残念な気がする。ここに至るまでには、それなりの原因があったわけで、当事者にとっては身を削られるような思いであろう。

 しかし、現在の経営状態をこのまま先延ばしするともっと傷口を拡げる危険性があり、つい感傷的になるが、この倒産も止むを得ないのかも知れない。

 それにしても、日本を代表する日本航空が倒産するとは想像すら出来なかった。私なりにある程度今日日航が行き詰まるに至った背景と原因を理解することは出来るが、それにしても惜しい。航空会社は外から見れば、華やかなイメージがあるが、経営的な実情はそれほど気楽なものではない。観光業界に奉仕していた立場から言えば、旅行商品を作るうえで重要なハード部分を担う航空会社が、低空飛行を続けると旅行のイメージも損なわれる。日航の頓挫が、観光業界全体の足を引っ張らないことを願いたい。

 偶々昨日の日経新聞フロント・ページにあまりにもタイミングを見計らったようなマイナス・イメージの記事があった。

 見出しに「店舗2割50店近ツー閉鎖へ」とある。近ツーとは、言わずと知れた旅行業界2位の大手エージェントである近畿日本ツーリスト㈱のことだ。同社は店頭販売の採算が悪化したので、店舗の統廃合によりコストの削減を図り、ネット事業を強化する方針だそうだ。業界首位のJTBも11年度末までには、2割の店舗を閉鎖する方針だという。

 このニュースを察するに旅行会社も安定的な経営に固執するあまり、メーカーと同じ発想で無駄な部分をどんどんカットする方向に進んでいる。

 しかし、旅行会社というのはメーカーの商品とは違って形のない商品を生産する会社である。目に見えない土地を説明し、感動、感激を顧客に味わってもらうために臨場感のある、情報提供と解説によって、顧客に夢を描いてもらい、訪れたことのない土地の文化に触れ、未知の人びとと交流して国際人となる機会を提供するものである。だからこそ、旅行を決める前にマン・ツー・マンでじっくり顧客と話をして、一緒に旅を作るぐらいの気持ちがないと決して良い旅行が出来るとは思えない。だから、店舗がなくなるということは、そういうコンサルタントとしての場所を失うことであり、エージェントもそうなら、旅行者にとっても気軽に相談出来ないということであり、お互いに不幸なことである。

 ソフト部分をどんどんそぎ落として行った末に、旅行者に対して臨場感に溢れた知識と感動を与える人と場がなくなってしまうのではないか。はっきり言って、これでは旅行会社ではないと思うのだが・・・・・。

2010年1月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

973.2010年1月11日(月) 新成人は精神的に自立せよ!

 今日は成人の日であるが、残念なことに最近各地でアホな若者がわけもなく暴れ回る光景が見られる。沖縄や広島辺りでは、マイナス・イメージの風物詩の趣さえある。20歳にもなって他人に迷惑をかけることでしか、自分の存在を示せない欠陥成人が新たに生まれるとは嘆かわしいことだ。こういう若者は大体無職である。仕事にも就かず、世間の顰蹙を買うことでしか世間から省みられない。情けない奴らだ。

 さて、予め連絡をもらっていたが、今朝の産経新聞に「知の現場」の出版記念パーティ開催が告知されていた。これを見てパーティに参加する読者もいるのではないかと思う。幸い大分話題になりそうな気がする。私にとってもこういう書を仲間とともに世に出すことが出来たということは誇らしい気分である。

 その産経新聞に社会学者の加藤秀俊先生が、最近の若者について感じたことを「正論」というコラムに寄稿しておられる。加藤先生は京都大学教授でもあったので、久しぶりに京大を訪れて感じたことを率直に書いておられる。キャンパスが小奇麗になってタテカンが無くなったことに些か複雑な心境でおられる。先生がおられた時代は、まさに学生運動が活発だったころである。実際60年安保闘争を闘ったわれわれの学生時代は、キャンパス内にタテカンはもちろん、ビラ、スピーカーの嬌声が煩く、大学とはアカデミックな場所ではなく、戦場ではないかと思ったほどである。

 タイトルが加藤先生らしくて良い。「精神が朽ちている若者では困る」というものである。論旨にはまったく同感である。「学生に限らず、いつの時代でも若い世代というのは既成の価値や制度にもっとも敏感に反応し、批判し、ときには攻撃的になるものだ。それは若者にとって本能にちかいものであり、またそうした元気を社会はひそかに期待してきた」と言っておられる。

 一昨年加藤先生のお話を伺った後で、まもなく上梓した拙著「停年オヤジの海外武者修行」の「あとがき」に先生が仰った「知的道楽」という言葉を使用しても良いでしょうかとお伺いを立てたら、「ふとつぶやいたことばに『知的所有権』などあるはずもなく、どうぞご自由にお使い下さい」とユーモア溢れるお手紙をいただいたのには恐縮した。

 それにしても「近頃の若者は」とでも言おうものなら、古いなぁ、或いは時代錯誤と笑われてしまいそうだが、それでも私の知る若者の中にもおかしな青年が何人かいる。一人前のことを言っておきながら、礼儀を知らないというか、手紙を書いたり、拙著を送っても受け取ったとの連絡すらくれないような非常識な豪傑?もいる。

 先般「知の現場」で、評伝作家・北康利氏にインタビューした時、北氏は若者にもっとチャンスを与え、育てないといけない。彼らは良いものを持っていると言っておられた。それはそうだ。しかし、その話の後に、現在の高年者は若者に借金を残したまま世の中から消える前に、自分たちがこれまでに得たものを若者に伝承して欲しいと言われた。短い時間の中であり本意は分かりにくいが、若者は希望に溢れ、高年者は消え去るものと考えておられるような印象を受けた。

 初対面の時から、この北氏はエリート意識が強すぎ、自意識過剰で変わった人だという印象があったが、やはり少し若者に甘すぎ、高年者に失礼ではないかと感じた。こういう若者を迎合するような空気が彼らの自立を邪魔している一面もあるのではないかと思う。

2010年1月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

972.2010年1月10日(日) 戦没者遺骨収集について

 今朝の産経新聞に戦没者遺骨収集に関するトピックスが載っていた。私自身20年近くに亘って旧厚生省の同事業のお手伝いをしていただけに、関心の高い話題であり、じっくり目を通した。先日テレビ・ニュースがフィリッピンにおける同事業について、現地では必ずしも歓迎されない事態も起きていると報道していたが、私が関わっていた当時の状況に照らしてみても、事業そのものに対する取り組みが日本サイドはもとより、相手国でも変わりつつあるように思う。

 その中で一番理解できないのは、かつての戦地における日本人戦没者の遺骨収集を目的とする日本人の民間組織が存在するということである。国家事業として始まった遺骨収集であり、国家が予算の手当てをして実施するのが筋であり、また、相手国との間には諸々複雑な問題もある。そんな事情で以前はすべて日本政府ベースで行われていた。民間協力団体も旧厚生省の指揮下のもとで収集作業を行っていた。

 それが、今ではフィリッピンで「空援隊」という日本のNPO団体がご遺骨の収集のために活動しているという。以前日本政府は民間人による遺骨収集を禁じていた。それは相手国との間に民間人では対応出来ないことが頻発したからである。それが、いつの間にか民間人が「異国に残されたままになっている多くの戦士が祖国へ帰れるように」という崇高な気持ちだけで、民間団体として認められ、実際に遺骨収集事業で活動している。随分変わったものである。

 しかし、その純粋な気持ちだけで、思いや目的はスムーズに叶っているのだろうかとつい気になった。昨年1年間だけで、「空援隊」がフィリッピン各地で収集した遺骨は実に8,675体に上るという。率直に言って、そんなに多くのご遺骨をたった1年間で収集出来るのだろうかという疑問が実感としてある。昭和27年から始められた遺骨収集事業で毎年ほそぼそと遺骨収集を実施して、海外戦没者概数240万柱の内、まだ半分の125万柱しか奉還していない。フィリッピンでは、約50万人の方々が亡くなられて、山地が深く思うように収骨出来ない点から推察して、産経の記事による、1年間で1万人近い戦没者のご遺骨を収集したというのは、いささか戸惑い疑問に思う数字である。こういう言い方は顰蹙を買うかも知れないが、1年間に8,675人というその数字がどうも腑に落ちないのである。収骨したご遺骨のカウントのし方が従来の政府のそれとは微妙に違うのではないかと考えられないこともない。民間組織が参加したことにより、作業は効率的に進んでいるということになる。ご遺族が納得出来るならは、それはそれで良いのかも知れないが、どうも素直に受け入れられない。

 ご遺骨収集数の問題はともかく、より問題なのは現地で住民との間にトラブルが発生していないかということである。それが、3日夜NHKニュースで報道された日本政府とフィリッピン政府との間で遺骨収集に関するガイドラインを取り交わすという問題に突き当たる。産経紙によれば、昨年末には持ち帰る予定だった遺骨4千体以上が、直前になって書類の不備という理由で足止めを食った。中々難しい問題を孕んでいるのだ。

 私が長年関わった中部太平洋地区では住民感情は頗る良かったが、収集作業は年々難しくなっていった。それは、ご遺骨が人目につく場所にはほとんど見られなくなって、私有地や岩山などの危険な場所でしか発見出来なくなったからである。ガダルカナルなどでは、住民が私有地に入るに際して、条件を出してきたこともある。

 日本人の民間団体の善意と崇高な気持ちだけでは、必ず壁に突き当たる。その際果たしてNPOのような民間組織の力だけで英霊を母国へ迎える尊い事業が貫徹できるだろうか。

 日本国内には、日本人が決して言ってはならない「戦後60年以上も経って、いまさら遺骨収集もないだろう」のような無神経で否定的な声も一部には聞かれる。すべての戦没者のご遺骨を持ち帰ることは確かに難しい。しかし、可能性があるなら、やはり国を挙げて祖国へご遺骨を奉還するというのが、戦没者に対する尊崇であり、また、生き残った日本人にとっての責務であり、日本人としての真心ではないだろうか。ことさら関わっていた事業だけに行く末が今も気にかかる。

2010年1月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

971.2010年1月9日(土) 「遠野物語」の評価と功績

 今まであまり気がつかなかったが、今朝の日経「春秋」と朝日の「天声人語」の話題が同じなのには不思議な思いがした。新聞記事が重なったり、同じ話題を取り上げるということはニュースなどではよくあることだが、今日の小欄は時間的に制約のある社会ニュースや時事ニュースではなく、時間を超越した柳田国男の民話の世界にスポットを当てたものだったから余計に気になった。取り上げられた話題は、昨年10月に火事で消失した「座敷わらし」が現れると噂になっていた、岩手県二戸市金田一温泉郷の旅館「緑風荘」と、発刊100年の柳田国男著「遠野物語」に関することである。偶然にしては、あまりにもタイミングが良すぎる。少しはライターの間で話し合いがあったのだろうかと想像する。

 恥ずかしながら「遠野物語」は読んだことはないが、柳田国男が地方に口承で伝えられていた民話や物語を文章にして書き残し、後世に伝承したという点において高い評価を得ていることは言うまでもない。

 京都や江戸から遠い地方にも豊かな文化がいくつも息づいていた。伝承は各地にあるものを誰かが書き残さねば、いずれは口と耳の間にこぼれ、消えていく。その意味で柳田が書き残した功績は傑出したものであり、他に比類がない。あの三島由紀夫をして「遠野物語」を、「文学として読んできた」「これ以上はないほど簡潔に、真実の刃物が無造作に抜き身で置かれている」と絶賛せしめた。

 さて、新年になって多少株価が上がっているが、今後どうなるかはまったく見通しが立たない。そんな折りも折り、今週初め藤井裕久・財務大臣が辞任した。難産の末漸く来年度予算案を策定したばかりだったが、体調不良を理由に首相に辞意を申し出て受理された。財務相辞任の真相は、いろいろな憶測が流れているが、77歳という高齢を考えれば、一番の理由はやはり健康問題だと思う。

 昨年引退を決意していた藤井氏を、敢えて首相は比例代表区に立候補させ、当選となるや組閣において官僚のトップ省庁である財務省を任すことになった。そして直ぐに予算編成である。財源不足の中でマニフェストとの整合性が注目され、例年以上のプレッシャーがあったものと思う。

 そして後任の菅直人・副総理が早々と勇み足をやってしまった。円安を誘導するような発言をしてしまったのである。歴代の財務大臣が決して触れることのなかった聖域である。しかもかなり具体的に1$=90円台半ばが好ましいとまでしゃべった。途端に外為相場は円安へ振れ、担当大臣の恣意的な発言によって外為相場が簡単に動くということがはっきり証明された。

 それにしても、鳩山首相は政治資金問題でふらふらし、小沢一郎・民主党幹事長の土地購入代金の不透明さにも黒い霧が立ち込めている。菅大臣もその発言は軽率だった。すぐ陳謝したが、副総理がこんな軽い気持ちで大臣職を務めているとは、前途に普天間基地問題等の難問を抱えているだけに鳩山内閣もそう長くは持たないのではないかと心配である。

2010年1月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

970.2010年1月8日(金) 日本航空の再建は可能か?

 日本航空の再建問題がいよいよ節目を迎えている。予想以上に債務が嵩んでいて完全に債務超過の状態である。昨年来再建問題が政府、主力取引銀行、企業再生支援機構、日航の間で協議されたが、これという決定的な再建案が決められずに、今日までずるずる来てしまったというのが現実である。投入されると予想される公的資金は、とりあえず8,000億円と言われている。

 今日政府は法的整理の活用を前提に、企業再生支援機構が支援する方式を採用することにほぼ腹を固めたようだ。段取りとしては、日航が東京地裁に会社更生法の適用を申請し、その後に再生機構が支援を決定するスキームである。つまり体のいい「隠れ倒産」である。主力取引銀行と日航自体が、会社更生法適用はイメージダウンにつながり、旅客離れを招くと強く抵抗してきたにも拘わらず、このスキームを渋々受け入れたのは、ぬかるみのように日に日に増え続ける債務金額と、企業年金減額に対する日航OBの強い抵抗に遭って進むに進めず、まともに政府保証を取り付けることが難しくなったことと、法的整理を全面に打ち出されて、最早手の打ちようがなくなったからではないだろうか。

 12日にOBの企業年金減額の諾否の回答期限が来る。この回答次第では一気に事態は動く。日航とは現役時代にともに随分仕事をやった。当時も日航の親方日の丸的な仕事ぶりには、全面的に納得しているわけではなかったが、お世話になったことは事実であり、今日の事態を考えるとかつてのパートナーとしては残念であり、あの威勢の良かった当時を思うと昔日の感を禁じ得ない。

 とりわけ印象深いのは、長年協力しあった旧厚生省・援護局の大東亜戦争戦没者遺骨収集事業である。特に、中部太平洋地区では必ず日本航空を利用し、毎年便宜を図ってもらった。その当時はサイパンから日本への直行便がなく、収骨したご遺骨をミクロネシア航空機でサイパンから護持してきたが、経由地のグアムで日航機の接続便がないために、いつもまる1日間グアム空港内の日航特別施設に預かってもらったことなどがその最たるものだ。

 ほかにも日本航空との思い出は尽きない。セールススタッフとの業務上、業務外のお付き合いも忘れられないものが多い。

 政府は航空機を飛ばしながら、会社の再建を図ることを目指している。そのためには、日航にまだ大きな試練が待っている。社員1万人の削減である。どこまでも厳しいが、税金で支援してもらっているのだから、日航自体にもうひと頑張りしてもらいたいと思う。

2010年1月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

969.2010 年1月7日(木) 確定申告準備始める。

 今年も確定申告の時期が近づいてきた。申告期限は3月だが、きちんと準備をしないと間に合わなくなってしまうので、些か気になっている。昨日から漸く個人事業主としての申告書類作成の作業に取り掛かった。

 最近もの忘れがやや進んできたことと、しまった物をどこへ整理したのか、すっかり忘れていることに愕然とすることがある。ある程度は年齢を考えれば許容範囲かも知れないが、それにしてもつい先ほどまで覚えていたことを思い出せない。何とも情けなくてうんざりである。

 今年の申告に当っては、昨年青色申告書の記入を済ませ、初めて税務署へ提出してほっとした時に、次は絶対PCで申告しようと殊勝に考えたが、ついそのままにして今また申告の時期が近づいてきてしまった。今更PC申請しようにも準備が間に合わない。今年も昨年同様に手書きによる申告書類の書き込みとならざるを得ない。

 ところが金銭出納簿と総勘定元帳にゴム印を押印していた、そのゴム印を箱ごとどこへしまってしまったのか分からない。家捜しをしたが、遂に発見出来ずに困っている。こんなことなら、やはりPCによる申請の準備をすべきだったと思ってももう後の祭りである。

 一昨日近所の文房具店でいくつか使用頻度の高いゴム印を探しに行ったら、「あなたの探しているゴム印があるかどうか分からないが、ゴム印はもう処分しようと思っていたので、よかったら持って行っていいよ」と言われ、20個ほどタダで頂いてきた。もう古いゴム印なんて商売にならないようだ。今どき個人が手書きで青色申告をやっている人も、ほとんど居ないらしい。仕事量が多ければ税理士に頼んでいるようだし、そうでなければみんなPC、つまりe-Tax申請のようだ。

 とにかくこの期に及んでは今年も手書きで申請書類を書き上げるより方法がない。案外細かい書き込みが多いので、コツコツやっていけばよいのだが、情けないことに1年前必死になって憶えた書類の書き込み方法をかなり忘れてしまっている。昨年同様今年もこれから苦戦しそうである。

 さて、このところ血圧が上昇気味で森内科で、2週間前に従来の降圧剤プロブレス錠8に加えて、別の降圧剤ノルバスク錠2.5mgを服用した。しかし、あまり効果が表れないので、今日の診断の結果この錠剤に替えてやや強いアムロジンCD錠5mgを服用することになった。とりあえず冬の間だけでもこれによって様子を見ようということになった。

 その後松本整形医院でも先生から、仕事量をもう少しペースダウンしなさいと昨年と同じことを言われてしまった。できるかなぁ。

 高校ラグビー決勝戦が花園ラグビー場で行われ、東福岡高が桐蔭学園を31-5で破り2年ぶりの優勝を飾った。桐蔭は4年前と同じ準優勝だ。神奈川勢としては残念なことだ。内容的には、高校日本代表7人を含めた東福岡が終始優位に試合を進め、桐蔭を圧倒した。それにしても選手の体格は年々向上してがっしりとして、それていてスピードがあるのには感心した。今年の各チームの特徴としては、かなり1、2年生が活躍したことである。

 ゲームを観ていてやはりサッカーとは面白さが全然違う。本質的にラグビーの面白さはサッカーのそれを遥かに上回ると確認出来たし、ラグビーファンとしては大いに力づけられた。

2010年1月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com