988.2010年1月26日(火) インドの嘘つき学者が世界を惑わす。

 「ウソ」も方便というが、常識的に考えて許される「ウソ」と、とても許し難い悪意に満ちた「ウソ」は余程TPOを考えないと周囲が甚大な迷惑を蒙る。小沢一郎・民主党幹事長の資金疑惑問題も岐阜の水谷建設の関係者は、小沢氏側へ資金を手渡したと改めて証言したようだ。一連の疑惑にどれほど真実があり、どれほどウソが隠されているのか、まだ捜査中の現段階でははっきり分からないが、納得出来る解決の仕方をして欲しいものである。

 政界の怪しい疑惑に対して、一般的にあまり疑念なぞないと考えられていた世界の気候に関する情報が「ウソ」で固められていたのには呆れかえった。

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書に、科学的立証がないのに「ヒマラヤの氷河が2035年までに消失する可能性が非常に高い」と「ウソ」の記述をした愚か者がいた。この報告書を書いたのは、インド人研究者で「この部分を強調出来れば政策決定者や政治家に衝撃を与え、しっかりした対応を取るよう働きかけることになると考えた」と発言している。政治的な影響よりも自分が所属している気象学会にもより以上の不名誉と不信感を与えたことに気がつかない馬鹿者である。世界の気象を政治的な力により恣意的に変えようとしたもので、学者も信用されていることを逆手に取って、ここまでやるかと思うとうんざりである。

 実際地球温暖化の影響でヒマラヤの氷河も後退しつつあるが、2035年までに消失するなんてことは、余程のことでもない限り考えられないらしい。

 政治家もおかしいが、学者や文化人も地球温暖化の影響?で頭の中のボルトが弛み、少し頭がおかしくなっているのではないか。

 さて、2008年9月に観光庁が発足して、国は観光行政に本腰を入れ出したが、このところの不景気の影響を受けて訪日外国人数が急激に減少している。昨年の訪日観光客は前年より18.7%も下がり、本年中に1,000万人を見込んでいた観光客が昨年は679万人にしか達せず、2005年の水準に逆戻りした。元来観光は平和産業であり、世界の騒乱を考えると観光客が遠い外国へ行くのに二の足を踏むのも分かる。加えて昨年は不景気、円高、新型インフルエンザも影響を与えた。いくら努力しても外的条件に左右される観光産業は、ある意味で極めて不安定であるとも言える。長期的に見れば、観光産業は徐々に回復し、将来的には観光立国と呼べるに相応しい観光客の受け入れが期待されると思う。

 今書こうと考えている「観光事典」観光編では、このアップダウンの激しい観光業の本質というものについて、突っ込んで書いてみようかと考えている。

 夕刊を開いてびっくりである。有楽町の西武が本年内に閉店するという。百貨店業界が低迷しているが、銀座に近く、JR有楽町駅に近い絶好の地にありながら、逆風に抗しきれないということだろうか。

 もうひとつのニュースは、わが家の近くでも店舗展開をしている高級スーパー「紀ノ国屋」が、全株式をJR東日本に売却してJR傘下に入る。「紀ノ国屋」は西武同様に立地も良く、ブランドを考えると惜しい気もするが、これも時代の流れだろうか。

 経済回復の兆しも見えない中で、今日から労使の交渉が始まった。経団連と連合、それぞれに自分たちの立場を主張しているが、今年の春闘では最初からベースアップは諦め、定期昇給に的を絞った攻防戦になっている。早く景気が回復しないかなぁ。

2010年1月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

987.2010年1月25日(月) 普天間米軍基地移設問題はどうなるのか。

 沖縄・普天間米軍基地移設問題がもたもたしている間に、昨日普天間の移転先と考えられている辺野古海岸のある名護市の市長選挙が行われ、辺野古移転受け入れ反対派の稲嶺進氏が、激戦の末受け入れ容認派の島袋吉和・現市長を破って当選した。獲得シェアは52対48の際どい勝利だった。

 選挙の結果は、名護市に対してのみならず、全沖縄と日本中にも厳しい宿題を課した。日米合意で辺野古移転が決まってから、今回の市長選で名護市民の民意は初めて受け入れ反対、県外移設を示した。この時期に市民が下した「反対」の結果は重いものと受け止めざるを得ない。実は民主党が稲嶺氏を支援したことも、党の今後にとって悩ましいジレンマに陥れている。民主党は当初からマニフェストで海外、または県外移設を主張していた。いうなれば稲嶺氏、名護市民、民主党のそれぞれが、思惑と意見において一致したことになる。

 しかし、問題解決は複雑な様相を呈しつつある。仲井真弘多・沖縄県知事は移設容認派と見られているが、基地問題は200%政府の所管事項であるとして県知事としての行動に一定の距離を置いている。

 問題は民主党が県外移設を謳ったわりには、その線で動いていなかったからである。県外の予定候補地を真剣に探している様子が見えなかったうえに、移設を主張するアメリカ政府と沖縄駐留アメリカ軍から民主党政府に対して、日米合意案(辺野古移設)は譲れないと釘を刺されていたからである。民主党政権は5月までに候補地を決定すると言明しただけに難しい立場に追い込まれた。ひとり連立政権を組む社民党だけが、最初から県外移設を主張していたので、ニコニコ顔である。しかし、普天間問題が解決されたわけではないのに、パートナーである民主党の苦悩を嘲うかの如き笑顔はいただけない。

 それにしても鳩山政権は普天間基地移設について、どう決着をつけるつもりなのか。以前から地元民の意見を汲み取ることは当然と言っていたが、本当にそう思っているのか。それが本心なら沖縄住民の気持ちが分かっているはずだから、政権獲得後直ちに次の基地予定地を探す努力をすべきではなかったのか。こんな状態では5月末までの短期間に米軍も納得出来る候補地を探すことが出来るだろうか。

 決断力がない印象を与えている鳩山首相は、これまでのようにブレてばかりいないで、バサッと一刀両断に決める覚悟を固めるべきだ。さもないと時間が足りなくなるのではないか。

 小沢幹事長資金疑惑問題を抱えている上に、また民主党に難問が降ってわいた。

 今日遅ればせながら新型インフルエンザの予防注射を打ってもらった。保険で一部負担してもらっているからよいが、その全額を支払えば代金は36,000円だから、少々高額過ぎる。

2010年1月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

986.2010年1月24日(日) 東大寺には管長の上に長老がいる。

 昨日小沢一郎・民主党幹事長に対する任意の事情聴取がなされた。昨晩小沢氏は記者会見を行ったが、終始マス・メディアに追い回され、今朝も新聞・テレビはその件で大分ヒートアップしていた。

 しかし、やはりわれわれ一般人には「なぜだ?」と分からないことばかりである。大体任意とは言え、東京地検の建物内ではなく、どうしてわざわざ四谷のデラックスなホテル・ニューオータニの個室で検察側2人と小沢氏の3人だけで事情聴取をするようなことになったのか。前代未聞ではないだろうか。いくら民主党の大物国会議員にしろ、高級ホテルを借り切って長時間に亘り、たった3人だけで秘密めいた話をする。そのこと自体少々異常である。その後の小沢氏の記者会見にしてもご本人は意を尽くして説明したつもりかも知れないが、一向に疑念が解明されない。小沢氏本人、建設会社役員、秘書ら関係者の話の辻褄がどうしても合わない。逮捕された国会議員や元秘書の供述、ダム工事に絡んだ建設会社役員の説明でも資金のやりとりがあったことがはっきりしている。捜査は今後に待つしかないが、小沢氏の周囲は疑念だらけである。これでは政治改革以前の話で、いつになったら本来の政治を進めることが出来るのか。

 さて、偉いお坊さんが亡くなった。筒井寛秀さんと仰る88歳の奈良・東大寺長老である。東大寺で一番偉いのは管長だと承知していたが、この筒井さんは17年前に長老となったが、その前に管長だった。更にその前は東大寺執事長だった。今年は平城京遷都1300年祭が奈良周辺を中心に開催される予定であり、奈良の各寺院も大分力が入っていた矢先だった。

 筒井長老は、祖父、父に続いて1990年に東大寺別当・華厳宗管長に就任したが、それが何と212世だというから、その長い歴史には驚く。

 私自身いずれ遠からずお迎えが来るのに、恥ずかしながら宗教心がやや薄いせいだろうか、あまり宗教行事に関心を抱くことが少ないが、それでも時折珍しい宗教行事があったり、お寺を訪れる機会があると殊勝に拝礼して願いごとをすることもある。昨年インドを旅行した時には、ヒンドゥー教に興味を抱いていたが、短い滞在ではそれほど驚くようなイベントにも会わず、インドの宗教に触れず仕舞いだった。

 ビルマをよく訪れていたころは、仏塔パゴダへお参りすることが多くビルマ人の信仰心というものを感じさせられ、「ビルマの竪琴」についても深く考えることがあった。近年ビルマへ行く機会がなくなり、そんなこともなくなってしまった。

 しかし、まったく宗教への関心がないわけではなく、まだ訪れていないネパールへは近い将来に一度訪れてみたいと思っている。チベットでラマ教と呼ばれるチベット仏教に触れる機会があったが、その時ラマ教がネパールでもかなり普及していると聞いた。ネパールでは大半の90%の人びとがヒンドゥー教を信仰しているというから、ラマ教とヒンドゥー教との関係はどうなのか興味がある。

2010年1月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

985.2010年1月23日(土) WHOがアルコール規制

 不透明な資金で土地を購入したとされ、先日来東京地検から再三任意出頭を求められていた民主党・小沢一郎幹事長が漸く地検へ出頭して資金の出所を説明したようだ。東京地検に対してどこまで納得出来る説明をしたのか外部にははっきり伝えられていないが、いずれもう少しすれば、はっきりするだろう。しかし、どうして普通の人間にはおかしいと思える錬金術や資金の管理方法が、政治家にはおかしいと感じられないのか。まったく不思議な話だし、まったく不思議な人種である。

 さて、これまで知らなかったが、現在世界保健機構(WHO)ではアルコール規制について具体的な試案を検討中なのだそうである。従来喫煙による健康被害については各国でも真剣に取り組み、国によっては喫煙追放運動をやっている。禁煙の動きは野火の如く広がり、公共の場所ではタバコは今では吸いにくい空気になってきた。実際アメリカ国内では喫煙場所を探すことが難しいくらいである。日本国内でも禁煙運動が徐々に浸透し、日本タバコ産業では販売量の伸び悩み、また減少に危機感を抱き、イメージの悪い「タバコ」という名前を社名から隠すために通称で「JT」と呼んでいる。

 ところがアルコール類については、その飲み過ぎの弊害は叫ばれても注意を喚起しあって飲み過ぎに注意するとか、場所を弁えるという啓蒙活動が進んでいるような気がする。

 先年ロシアを訪れた時、気になったことのひとつにロシア人男性の平均寿命が図抜けて短いことだった。何せ58.6歳である。女性は世界的にみてもそれほど低いわけではない。男の若死にの4大要因として、麻薬、アルコール中毒、交通事故、自殺が挙げられている。寒い国でアルコール度数の強いウォツカなどを飲んで酔いつぶれ、そのまま路上に寝込んで凍死するケースが多いらしい。

 WHOでは、アルコールの販売や広告の規制を求める指針案が執行理事会で採択された。これまでの飲酒に対する健康面の影響だけでなく、社会への「害」として捉え、各国の自主規制で減らすことを目指すという。

 問題はお酒に甘い日本人の倫理観を考えると果たしてすんなりと受け入れることが出来るか。国内ではメーカーや、業界団体がすでに自主規制で自動販売機の撤去などを進めてきた。だが、タバコ税の値上げと同じように酒税値上げとまではいくだろうか。

 ワインが文化とまで思い込んでいるヨーロッパでは、果たしてどこまで自主規制が徹底出来るか。かつて、フランスでディズニーランドがオープンした時、園内レストランでワインを飲めないのでは行かないという意見が多く、ディズニーランドと対立して結局ワイン販売を認めさせたお国柄だけにワインの本場であるフランスあたりがどのように対応するだろうか。注視してみたい。

2010年1月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

984.2010年1月22日(金) 日本は世界一の借金大国になった。

 かねてから懸念されていたわが国の借金財政の実態が経済開発協力機構(OECD)から発表された。国内総生産(GDP)に対する純債務比率が今年先進国の中で最悪の水準になると見通されている。総債務残高から資産を差し引いた純債務のGDP比率が、2010年に初めて大台の104.6%に乗ることになる。

 そもそも日本の「総債務残高」のGDP比率が先進国で最悪になって借金財政が話題になったのは、20世紀末のことである。ただ、当時はイタリアの「純債務残高」のGDP比率が100%台だったのに対して、日本は50%台で他の先進諸国とほぼ同水準だった。しかし、欧米が同じ水準で推移する一方で、日本の比率は右肩上がりに拡大していった。その結果ついに日本の財政は世界でも稀なほどアンバランスな状態に追い込まれてしまった。

 これでいよいよわが国財政の借金漬け体質が国際的にも明らかにされた。今のところ逼迫した財政問題を解決するメドは立っていない。当面民主党政権には消費税増税を真剣に論議する気はないようだ。かつて、橋本政権、小泉政権時代に行財政改革を志したが、政権交代によりその目標も頓挫してしまった。今日わが国経済は不況の真っ只中にあり、二番底景気も襲ってくるやも知れず、むしろ財政出動を期待される板ばさみの厳しい状況にある。

 何と言っても最大のガンは、現政権の経済政策が将来展望を欠いて、常に目先の対策に追われていることである。ぐずぐずせずに政府、民主党は借金を減らすための基本政策を検討し、場合によっては消費税問題を真正面から捉えて真剣に議論して国民の理解を得ることが重要ではないかと思う。

 さて、先日「知的生産の技術研究会」(知研)八木哲郎会長からコンサルタントで矢矧経営研究所を経営しておられる矢矧晴一郎氏と会食するので一緒にどうかとお誘いをいただいた。他に知研監事の杉沢達也さんも同席されるということだったので、喜んで新宿の会食に加わらせていただいた。

 杉沢さんは高校の3年先輩でラグビー部の先輩、水野勇右さんと同級生でもあり、以前から親しく話をさせていただいたが、意外だったのは矢矧氏が慶応大経済学部の先輩だったことである。千種義人教授のゼミで学び、富士銀行に入行し支店勤務を経た後、岩佐凱実頭取の下でひとり特命的な業務をやっておられたという。独立されてから多忙な時期には、1年に120回ほど講演をされていた。著書も200冊以上書かれて、販売価格4万円の大著を2,000冊も販売したこともあると伺いびっくりである。現在80歳というが、とてもそうは見えない。しかも歯はすべて自分の歯で、入れ歯はなく、老眼鏡も必要としない。背筋はぴんと伸びて、威風堂々として恐らく180㎝は充分ある偉丈夫である。すべてにおいてつくづく凄い方だと思う。話の内容は一般的な世間話だったが、とにかく面白かった。偶々矢矧氏の講義を杉沢さんが聴講したことがあって、その時ひとりの若者が矢矧氏のお説に反論するような質問があったが、悠然と応答され、その内に会場内から講師に賛同する声が上がったというから、よほど説得力があったのだろう。

 それにしても場を作ってくれた八木会長の幅広い人脈、向上心と好奇心には頭が下がる。喜寿にしてこのバイタリティには、一昨年やっと古希を迎えたばかりの私などはとても及びもつかない。

2010年1月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

983.2010年1月21日(木) 旅行業界への風向きは良くなったか。

 日本航空が破綻したことは一航空会社のつまづきであるばかりでなく、日本経済全体に暗い影を落とした。関係が深い旅行業界からもご他聞に洩れず、あまり良いニュースが聞かれなかったが、それでも日本旅行業協会(JATA)の発表に依れば、2009年の大手旅行会社7社が取り扱った海外パッケージツアー参加者数が、近年漸減傾向の中で久しぶりに対前年11.5%増を記録した。新聞広告で集客している阪急交通社も、出張手配でネット旅行販売の世界的大手エジェンシア社と業務受託契約を結んだ。大手に名乗りを挙げたHIS社も長崎県佐世保市にあるハウステンボスに出資して経営支援するという。ともかく元気を見せてきた。

 こういうニュースはかつて新聞には取り上げられなかった。旅行業界の地位が低かったからだ。それが、今では大学生の求職人気も向上し、旅行関連ニュースが大分取り上げられるようになった。変れば変わったものである。

 今年中に書き上げられるかどうか分からないが、今「士農工商エージェントと添乗員一代記」(仮称)というドキュメントを書いている。かつてはエージェントの地位がいかに低く見られていたかということを思い切って書こうと思っている。実際在職中は随分顧客にバカにされたり、舐められたりしたものだ。倒産した日本航空に比べれば、天と地の差があった。それが今ではエージェントを見る目が軽蔑から大分好意的になってきたし、旅行業界の若者たちは、もうかつてのひがみ根性は抱いていないのではないか。まあ長年禄を食んでいた業界だけに、陽が当たるようになったことは嬉しいことである。

 さて、最近気にかかるニュースとして、ハイチの大地震の被害がある。死者が5万人から20万人と随分幅のある数字であるが、都市がまるごとつぶれてしまったので、被災者数もまったく見当がつかないようだ。大統領府も倒壊して、首都全体が崩壊し、国家自体が機能不全に陥っている。敢えて言えば、国家沈没、国家壊滅と言えるだろう。

 昨日になって地震による死者は7万人と公式発表された。まだまだ増えそうだが、そのハイチから避難民が続々とアメリカへ向かい出した。アメリカでは不法入国は認めないと警告しているが、現在のようなないないづくしの被災状況と今後の生活不安に、住民は不安を募らせ母国から逃げ出そうとしている。悲劇である。元々世界最貧国だったハイチは1人当たりの年間所得額が6万円程度で、やはり貧しい隣国のドミニカ共和国の約40万円に比べてみても、その貧しさは推して知るべしである。

 日本の医療班を主とする救援隊もハイチへやって来た。いつもは対岸の火災視している中国が、今回はスタート・ダッシュが早く他国救援隊の機先を制したかに見えたが、ちょっと躓いてしまった。出足は良かったが、早々に救援活動の最中に事故で救援隊員を8人も失ってしまった。救援活動より自国の隊員の救助、本国送還に忙しく、亡くなった隊員に弔意を表し国葬級の取扱で本国で連日報道するものだから、何のための救援活動だったのかと他国から非難や中傷をされる有様である。こう言っては悪いが普段やり慣れないことをやると、どこかに無理が出る。

 まだ当分ハイチは落ち着かない。

2010年1月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

982.2010年1月20日(水) 日本航空、果たして再生なるか。

 会社破綻の危機に瀕していた日本航空は、法的整理により昨日東京地裁に会社更生法適用の申請を行った。再来年度には黒字を計上するという再建計画の下に低空飛行で離陸した。果たして思惑通り再生が可能だろうかと考えると、絶対可能とは言い切れない点がある。これまでの国土交通省による採算を度外視した政治的要求と政治家の介入が、日航経営の足を引っ張った大きな原因と指摘されている。役所ももう2度とこういう馬鹿なことはしないだろう。そうなると再生のためには、日航自体が自ら抱える悪しき病的体質を健康体質に変えていかなければならない。

 そのために日航がなすべきことは3点あると考えている。

 その第1は、現在8つもある労働組合を1本化することである。組合同士で相手を非難しあう不毛のバトルを繰り返しているようでは再生なんか覚束ない。この点に再生委員会が条件をつけて踏み込まなかったのは不可解である。

 第2に、現在所有している効率の悪い35機のジャンボ機を、中小機種に交代させるという。こんな経営上の問題点なんか当然分かりきっていたはずである。それに手をつけずに、これまで放置してきた経営陣の感度の鈍さは常識では図りきれない。ダメなものはダメと決断出来る経営判断が、果たして今後の経営陣に出来るだろうか。これもひとつの試金石だと思っている。

 第3には、甘い体質だった「親方日の丸」意識を全社員の頭から完全に払拭出来るかどうかである。また、人員削減を実行するというが、残る社員に経営悪化の原因を作った「親方日の丸」的な甘い体質が相変わらず残っているなら、以前とほとんど変わらないのではないかと懸念される。

 かつて世界中を飛び回っていたパンナムが1991年に倒産した。確か倒産したその年に、ステンレス業界団体の添乗員としてアメリカからブラジルへ周った時、アトランタでリオ行のフライトの再確認ができず、NYのパンナム本社、日本のパンナムへ度々電話したことがあった。しかし、それでも思うように予約をコンファーム出来ず、アトランタ空港へ早めにチェックインしたことを思い出す。その時アトランタ空港で驚いたのは、あったはずのパンナム専用のチェックイン・カウンターがなくなっていて、空港内を走りまわったことである。航空会社の倒産というのは、他には想像できないくらい大きな影響が出てくる。今日もテレビで専門家が、給油契約、機材の保守、着陸料現金払い、帰路の旅客の処遇等のさまざまな問題を孕んでいると解説していた。

 再生を目指す日航にとっては、これからが正念場である。散々利用させてもらった立場から、ぜひ立ち直って欲しいと祈るような気持ちである。

2010年1月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

981.2010年1月19日(火) 日米安保条約調印50周年

 半世紀前の1960年の今日、ホワイトハウスで岸信介首相とアイゼンハウワー大統領が現在の日米安保条約に署名調印した。そして6月15日新安保条約は国会で承認され発効された。私はこの時大学2年生で慶応日吉キャンパスに乱立するタテカンとチラシに取り囲まれ、スピーカーから流れるアジに当初は日1日と安保反対の機運が高まっていくのを不安気に感じていた程度だった。その内に福島出身の同級生・渡辺勉くんが高校ラグビー部の1年先輩だった清水丈夫さんのメッセージを伝えてくれた。東大生で当時全学連書記長として全国の学生運動の頂点にいた清水さんから慶応日吉キャンパスにオルグを作れという指令のようなことを伝えてくれたのだった。

 これがわが人生のひとつの節目となったかも知れない。2年間の浪人生活からやっと解放されて、のんびりと遊びたい時だった。かといってノンポリでは学生の権利と責任を主張し行使することにはならないとも考え、とりあえず安保反対闘争とは付かず離れず関心を持ち続けるというスタンスをとることにした。

 その後の自分自身の半生を振り返ってみると、特別な組織に参加することはなかったが、やはり60年安保闘争は自分の生き方に大きな影響を与えた。ベトナム反戦運動に手を染めたり、沖縄返還闘争に加わったのも、原点はこの安保反対闘争参加に遡ると言えると思う。

 あれから半世紀が経ったと思うとそぞろ感慨が湧いてくる。その間戦時下のベトナムや第3次中東戦争直後のアラブ諸国へひとりで出かけたのも、つまるところ安保闘争の残り火である。そして、それが結果的に終生旅行業に関わることになった。その意味では、60年安保闘争は間接的にわが人生を大きく左右するターニング・ポイントになったと言ってもいい。

 1960年6月には、国会における立法を巡り激しい論戦が展開され、国会周辺はデモ隊と警察との対立で危険な状態となった。15日には東大生・樺美智子さんが亡くなった。全国民が関心を抱き、熱くなった。私自身幾たびとなくデモにも参加した。

 大学内では連日デモが繰り出され、教室内でも安保条約は是か非かの熱いディベートが繰り返された。ライシャワー駐日大使、藤山愛一郎外務大臣、浅沼稲次郎社会党委員長、伊井弥四郎・共産党幹部らも次々とキャンパスを訪れ、安保改定に関して学生に自分たちの立場から、それぞれの考えを主張された。

 今にして思えば、あのような歴史に名を残した著名人の印象的なスピーチを目の前で直接耳にすることが出来たこと、そして国民的一大運動に身体を張って参加することが出来たことは、学生生活における素晴らしい宝になったと考えている。

 それにしても、今日まで日本の安全保障が維持されたのは、あの時安保条約が改定されて安全が担保されたからだと一方的に言われているが、それ以上に東西の対立崩壊が大きく影響していると見ている。当時われわれ学生が訴えた沖縄の米軍基地恒久化の懸念は、恐れていた通り今や現実となって沖縄県民を苦しめている。今日問題となっている普天間基地移設問題も別の意味で、今日50周年の節目を迎えた日米安保条約が日米間に横たわる大きな障害となっていることを忘れてはならない。

 これから新しい時代に入る日米安保条約が、今後も両国間に摩擦と障害を生まないことを、かつて60年安保反対闘争に参加したひとりとして心より願っている。

2010年1月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

980.2010年1月18日(月) 作家・山崎豊子の恥知らずな振る舞い

 昔お世話になった方の奥様から、数年前ご主人とご家族の経歴を記録として遺したいので自伝風に書いて欲しいと頼まれた。とてもその任に非ずと再三丁重に文書でお断りしたのだが、どうしても引き受けて欲しいと昨年暮れになって、大切な写真や家系図、謄本等の書類まで送ってこられたので、ご家族の希望するように書く自信はないが、そこまで仰られるなら自分なりにやってみましょうと、結局執筆することをお引き受けした。

 おっとり刀でお引き受けはしたが、例え長文でないにしても自費出版書ほどのボリュームはないので、手作業により製本屋へ持ち込む原稿を書き上げる必要がある。ところが、肝心の文章を納得いただけるまでに仕上げてから、組版、写真挿入、そしてその写真の説明まである程度形を作り上げるためには、私の現在のパソコン知識だけでは些か不充分で、思い切って先週久しぶりにパソコン技能について講義を受けた。今日もその後の調整のために受講したが、まだ形としては思うような原稿化とは行かず、これから文章を仕上げるに当って少々手間がかかりそうだ。

 しかし、そこそこの印刷物を期待されてしまったので、納得いただける体裁の書き物にしなければならない。少々忙しい時期ではあるが、気持ちを込めて仕上げたいと思う。

 さて、今朝の朝日新聞「文化」欄に直木賞受賞作家・山崎豊子の取材レポートが載っていた。現在85歳である。世に問題作を次々に問い、書く小説が悉く売れ、その作品がテレビ・映画化され、人気作家のひとりとして怖いもの知らずで、ご自分の思うところをズケズケ話している。

 昨年映画化された「沈まぬ太陽」は、今話題の日本航空が舞台であり、しかも偶々主人公が高校の先輩だったので、在職中一気に読んだ。中々迫力があって惹きこまれるようなストーリーである。確かによく業界事情を調査して精通していると感心するほどである。

 「白い巨塔」「華麗なる一族」「不毛地帯」「二つの祖国」等々の作品を書くに際して、当事者を取材し、ここまで調べるかと思うくらい専門家顔負けの精査をしてペンを揮った。愚息からも「白い巨塔」は面白いから、ぜひ読んだらいいと勧められた。だが、私はこの山崎豊子の作品はもう一切読まないことに決めている。その理由は、作家として一番軽蔑される「盗作」作品が多いからである。そのうえ反省の色もなく、倫理観の欠片も感じられない作家だからである。盗作された筆者の気持ちが分からないのか、この人は1度ならず、2度までも同じ罪を犯したのである。その2度までも表向きは反省したふりをしているが、物書きとして悪いことをしたとか、筆者や読者に迷惑をかけたとの反省がまったく感じられない。こうなると確信犯である。2度目にはそれまで好意を持って見ていた先輩推理作家の松本清張からこっぴどく叱り飛ばされ、流石に恥ずかしいと感じたのか表舞台から姿を隠した。

 しかし、その社会派作家・松本清張が亡くなるや、もう怖いものなしと開き直った心境になったのか、堂々執筆活動を再開し出したのである。そして、筋肉が痛む難病で車椅子の生活に甘んじるようになった昨今は、作品のテレビ、映画化を積極的に進めて、再び世間の脚光を浴びるようになった。

 自らに非がありながら山崎はよほど松本清張を恨んでいたのか、今日のレポートには「昔から女・清張と言われていましたが、それには不服でした。清張さんはかわいがってくださいましたが、私には、清張さんは国家観が希薄だったように思えます」とまで言っている。よくもまあ恥ずかしげもなくそんな失礼なことを言えると思う。山崎豊子という人間はいっぱしの作家ではあるが、社会常識と思いやり、そして人間性に欠ける「人間の屑」である。とてもこんな半端人間の言うことや書いた物を信用出来ない。こういう厚顔無恥にして、傲岸不遜な作家はそうざらにいるものではない。

 数年前やはり盗作を非難され、自らの非を悟り、連載中の朝日の新聞小説を中途で止め、反省を込めて筆を折ると自ら表舞台から去っていった池宮彰一郎氏の潔さに比べて、何たる恥知らずか。池宮氏は71歳にして文壇にデビューした遅れて来た作家だった。しかし、それだけに期待もされ、読者の心を打つ作品を書いた。その池宮氏が筆を絶った。作家たるもの、それが分別というものであろう。しかるに山崎豊子のパフォーマンスは何だ? マス・メディアがこんなモラルの欠けた、恥知らずの作家をちやほやするから、文学界全体が地盤沈下するのではないだろうか。

2010年1月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

979.2010年1月17日(日) ハイチ大地震救援に日本と中国の対応差

 早いもので阪神・淡路大震災から今日で15年になる。あの朝テレビを観た時の驚きは、今もはっきり覚えている。最近しきりに市民生活における防災対策が話題として取り上げられる。その点で以前に比べれば、国民の防災意識はかなり高まってきたと思う。

 火災に関する注意や警戒の呼びかけも向上して、来年は家庭でも部屋ごとに火災報知機を取り付けることが法制化されるので、わが家でも昨日業者に火災報知器設置を依頼したところである。自宅では階段部分を入れると6箇所に設置することが義務付けられる。まあ安全対策に関する法律だからある程度の出費は止むを得ないのではないかと考えている。

 さて、13日に発生したハイチの大地震は、国家が崩壊するほどのダメージを与えたようだ。人口850万人の国民のうち、一説に依れば死者が20万人とも言われている。大統領官邸を始め多くの建物が崩壊して、首都機能が失われたために、指揮系統が隅々まで徹底せず、個人がばらばらに救援や、後片付けを行っているらしく、復旧作業はほとんど進んでいない。支援物資が届いても人びとが闇雲に群がり、食料を奪い合う状態で、折角食料を運んできたトラックが被災民に襲われそのまま逃げ出すような有様で、今まであまり見られなかった光景である。

 各国の救援隊が現場にやってきても、どう手をつけたら良いのか呆然と立ちすくんでいる情景がカメラに映し出されている。この混乱状態の中で、思いがけず中国政府が地震発生後13時間内に救援隊派遣を表明した。翌日には約70人の救援隊が救助犬3頭とともに現地へ到着した。救援物資もまもなく到着する。こう言っては悪いが、前例のない中国の素早い対応には戸惑うくらいだ。だが、その真意はこの災害をきっかけにハイチを取り込む意図があると憶測されている。その理由として考えられているのが、これまで中米諸国は北京の中国政府ではなく台湾と外交関係を結ぶ国が多く、ハイチもその例外ではない。この機会に中国政府がハイチとの蜜月を期待したと考えても不思議ではない。

 もうひとつの理由として、カリブ海に浮かぶハイチはアメリカの裏庭であり、今後アメリカとの深いつきあいを考えるとそれなりに外交の橋頭堡を築いておくことが肝要だと判断したものと考えられる。

 一方、このような自然災害にノウハウを持つ日本が、直ぐ救援隊を派遣するかと思いきや、初動の対応が遅れて後手後手に回り、派遣を決めたのは発生から1日以上経過してからである。現場が混乱し過ぎているのでもう少し状況を把握してからだと考えたにしても、諸外国が抱く災害救援に積極的な国という好印象が低下する恐れがある。金融危機で混乱し、一時国家の破綻も噂されたアイスランドでさえ、「われわれは日本と同じ地震国で経験がある。財政が厳しくても、助けを求める声に応えるのは当たり前だ」と言い、直ちに他国に先駆けて捜索救助隊を派遣して一番乗りで住民を救助している。

 民主党政権は「コンクリートから人へ」と総選挙で声高に叫んでいた割には、敏捷な実行力が伴わない。もっとも政府・民主党のここ数日の内情をみていると、初めての通常国会開会を控えたこの時期に、小沢金権問題を抱え込み、カリブ海の小さな国の救援など構っていられないというのが本音ではないのか。

2010年1月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com