不透明な資金で土地を購入したとされ、先日来東京地検から再三任意出頭を求められていた民主党・小沢一郎幹事長が漸く地検へ出頭して資金の出所を説明したようだ。東京地検に対してどこまで納得出来る説明をしたのか外部にははっきり伝えられていないが、いずれもう少しすれば、はっきりするだろう。しかし、どうして普通の人間にはおかしいと思える錬金術や資金の管理方法が、政治家にはおかしいと感じられないのか。まったく不思議な話だし、まったく不思議な人種である。
さて、これまで知らなかったが、現在世界保健機構(WHO)ではアルコール規制について具体的な試案を検討中なのだそうである。従来喫煙による健康被害については各国でも真剣に取り組み、国によっては喫煙追放運動をやっている。禁煙の動きは野火の如く広がり、公共の場所ではタバコは今では吸いにくい空気になってきた。実際アメリカ国内では喫煙場所を探すことが難しいくらいである。日本国内でも禁煙運動が徐々に浸透し、日本タバコ産業では販売量の伸び悩み、また減少に危機感を抱き、イメージの悪い「タバコ」という名前を社名から隠すために通称で「JT」と呼んでいる。
ところがアルコール類については、その飲み過ぎの弊害は叫ばれても注意を喚起しあって飲み過ぎに注意するとか、場所を弁えるという啓蒙活動が進んでいるような気がする。
先年ロシアを訪れた時、気になったことのひとつにロシア人男性の平均寿命が図抜けて短いことだった。何せ58.6歳である。女性は世界的にみてもそれほど低いわけではない。男の若死にの4大要因として、麻薬、アルコール中毒、交通事故、自殺が挙げられている。寒い国でアルコール度数の強いウォツカなどを飲んで酔いつぶれ、そのまま路上に寝込んで凍死するケースが多いらしい。
WHOでは、アルコールの販売や広告の規制を求める指針案が執行理事会で採択された。これまでの飲酒に対する健康面の影響だけでなく、社会への「害」として捉え、各国の自主規制で減らすことを目指すという。
問題はお酒に甘い日本人の倫理観を考えると果たしてすんなりと受け入れることが出来るか。国内ではメーカーや、業界団体がすでに自主規制で自動販売機の撤去などを進めてきた。だが、タバコ税の値上げと同じように酒税値上げとまではいくだろうか。
ワインが文化とまで思い込んでいるヨーロッパでは、果たしてどこまで自主規制が徹底出来るか。かつて、フランスでディズニーランドがオープンした時、園内レストランでワインを飲めないのでは行かないという意見が多く、ディズニーランドと対立して結局ワイン販売を認めさせたお国柄だけにワインの本場であるフランスあたりがどのように対応するだろうか。注視してみたい。