892.2009年10月22日(木) インド旅行への期待

 一昨日自動車免許証の更新手続きをして新しい免許証を受領した。その有効期限が向こう4年間とは中途半端な感じがしたので、確認のため世田谷警察署へ問い合わせてみた。

 それによると70歳までは5年間有効の免許証を更新手続きの都度受け取れるが、71歳以降は原則として更新ごとに有効期限は3年間だそうだ。しかし、優良ドライバー(ゴールドカード)の場合は、70歳を超えた最初の更新のみ、4年間有効になるということだった。これで4年間の意味が分かったが、シルバードライバーがあまり歓迎されていないということが何となく分かる。まあ運転技能が年々落ちるので、事故防止の見地からすれば、ある程度止むを得ないのかもしれない。私も4年後に、つまり75歳の時に書き換えて、その後3年間78歳までハンドルを握れれば善しとするか。80歳を超えては少々リスクが高まるかも知れない。

 さて、来月インドへ行くので、インド関係の書を読んでいるが、堀田善衛の名著「インドで考えたこと」を読んでみたくなり、八雲図書館を訪れたがそこになく、いろいろ調べてもらった。しかし、目黒区内の他の区立図書館にも在庫がなく、更に詳しく全集等を調べてもらった結果、筑摩書房の「堀田善衛全集Ⅱ」に納められていることが分かった。この全集には「後進国の未来像」「キューバ紀行」等も入っているが、これを他のインド関連書2冊とともに借りてきた。

 洛陽の紙価を高めた岩波新書「インドで考えたこと」は、1957年に月刊誌「世界」に連載され好評を博して、その年に新書版として出版されたもので、当時のインドに関する書としては質的にかなりの水準のもので、インドへ行く人がバイブルのように貪って読んだものだ。生憎まだ読んでいなかったので、この機会にさらっと目を通してみようと思っている。同書が世に出てから早や半世紀余りが経過して、インドの情勢は大分変化しており、名著と言えども、その内容や視点は必ずしも現代のインドにフィットしているわけではなく、少々ずれがあるかもしれない。実際今読んでいる中島岳史氏の「インドの時代」なんか、あまりにも現代的な側面を描き過ぎており、少々ギャップを感じるし、受け止めるにも違和感がある。昔の目線で見ると思わぬ陥穽にたじろぐことになるかもしれない。

 今度訪れる発展著しいデリーや、アグラ、ジャイプールは初めてなので、観光施設や商業施設を訪れることは大きな楽しみであるが、アグラ近郊では昨日急行列車同士が衝突して22人が死んだばかりだ。IT産業の進化、或いは新興開発地等が発展する一方で、取り残される地域や遅れた側面もあり、またヒンドゥ教から離れて行く信者がいる一方で、ヒンドゥ・ナショナリズムが力をつけてきているらしい。経済的に急速な進歩を遂げている中で、種々の難しい問題が顕在化しているようだ。

2009年10月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

891.2009年10月21日(水) 郵政民営化見直しは、無策の策か?

 8月20日に行われたアフガニスタン大統領選挙の結果がまだ分からない。タリバンによる選挙妨害や、現職のカルザイ大統領側の不正投票疑惑やらで中々決着がつかない。残るも地獄・退くも地獄の渦中にあるアメリカやEUの働きかけもあり、現職カルザイ大統領の同意を得て、漸く決選投票によって現職と対抗馬であるアブドラ前外相との間で雌雄が決せられることになった大統領選である。

 それにしてもアフガンの大統領選挙は現代社会においてまったく奇妙な選挙である。すでに投票から2ヶ月を経過してなお政治空白が続いている。この間テロによる不安材料は増幅される一方である。1ヶ月前に発表された初回選挙の結果は、カルザイ氏が、54.6%の得票率だった。しかし、不正投票とみられた得票を除くと49.6%で過半数にぎりぎりで達しないことが判明して、政権選択は仕切り直しとなった。

 政治空白が長引くうえに、パシュトゥン民族出身のカルザイ氏とタジク民族のアブドラ氏の再対決となり、下手をすると民族間の対立に発展する可能性もある。今タリバンによるテロ攻撃に怯えている国民の間に、新たな国内分裂の火種を抱えることになりかねない。

 それにしても1日も早く政治体制の確立をしないと、別の社会混乱の芽が表れてくるのではないかと気がかりである。

 アフガンばかりでなく、日本国内にも政治的にちょっと首を傾げる事件が起きている。常々郵政民営化の見直しを叫んでいた民主党が勝利を得た勢いで、これに反対して自民党を離れた国民新党代表の亀井静香郵政・金融担当大臣も同調して日本郵政㈱西川善文社長に有無を言わせず罷免すると広言していた。

 郵政民営化の見直し論については、どの部分をどのように見直すのかの中身の議論より、粗雑な感情論が先走って一刀両断に小泉改革の見直しという話になっているような気がする。今朝の朝日、日経両紙を読んでも、時計の針を逆に戻すようなことは慎むべきだとの慎重論が書かれている。さらに、ほぼ決まっていた政府が持っている株式放出を当面実行せず、上場化計画を先延ばしするという。

 よく分からないが、これによって政府にとって郵貯資金を自由に使える2つ目の財布が出来るのではないか。散々の悪評のうえに、かの大経済学者だった大内兵衛先生に2号の存在のようなものと酷評された「財政投融資」の復活にもつながるのではないかと、その無節操さと拙速ぶりにも驚かされる。

 加えて、西川社長の後任に西川氏より年配で「官僚の中の官僚」の元大蔵事務次官、斉藤次郎氏が就任するという、びっくり箱から飛び出すような話である。あれだけ天下りを容認しないと断言していた現政権が、天下りのチャンピョンシップのような舞台を演じている。もう無茶苦茶である。鳩山内閣にはもう少し筋を通して、国民から受け入れられる政治をやってもらいたい。鳩山首相の言動があまりにもぶれて、何を行おうとしているのか分からなくなった。それにしても亀井大臣の強引で、押しの強いやり方を見ていると、周囲への配慮がなく、とても一国の大臣のパフォーマンスとは思えない。あきれ返るばかりである。これでは民主党に愛想がつきて、再び自民党が盛り返すようなことになるのではないか。

2009年10月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

890.2009年10月20日(火) 新規国債発行額が50兆円だと?

 今朝の日経一面を見てびっくり仰天である。

 藤井裕久・財務大臣が今年度の税収の落ち込みを新規国債発行でカバーするとして、新規国債発行額は当初予定していた44兆円より6兆円も多い50兆円台になるとの考えを示唆した。本当かよというのが本音である。国際通貨基金(IMF)の予測では、日本は先進国の中で最も借金が多い国という、自慢にもならない冠をいただいている。

 1965年度に国債発行を再開して以来、来年度に初めて新規国債発行額が税収を上回って、これまで均衡予算主義を貫いてきた伝統も頓挫することになる。そして、もしそうなら一旦歯止めが取れたら2010年度以降も同じことを繰り返す心配がある。

 国債発行額は44兆円でも多すぎるとの声が聞かれるが、このまま支出ばかり増やしていったら、赤字財政は坂道を転げ落ちるように停まらなくなるのではないかと心配でならない。民主党も大盤振る舞いで八方美人ぶりを見せるばかりでなく、出来るだけ堅実な財政政策をやって欲しい。 

 今朝ドジをやってしまった。車の免許証の更新手続きで世田谷警察署へ出かけ、その前に近くの自動フォト撮影機でサイズを間違えて2度も撮り、それをムダにしてしまったのだ。更新に写真は必要なかった。更新手続き料に写真代が含まれており、自動機械で撮った2種類の写真は役立たずとなってしまった。案内ハガキを良く見てみれば、確かに申請書類として写真が必要だとは書かれていなかった。締めて1,400円が当面ムダな経費となってしまったことになる。

 それにしても次回の更新が4年後とは知らなかった。

 その足で、一昨日紹介された開高健の著書を買い求めようと渋谷の紀伊国屋書店へ出かけた。ところが購入しようと思っていた3冊の文庫本の内、「輝ける闇」しか書店にはなかった。「声の狩人」は、注文して取り寄せてもらうことにした。一番読んでみたかった佐野真一氏推薦の「人とこの世界」は、出版社の筑摩書房に照会してもらったが、そこにも在庫がないとのことだった。この4月に文庫本として再刊されたばかりだが、もう払底とはすごい売れ行きで羨ましい限りでもある。こうなると一層読んでみたい気になる。

 それはそれとして近年若者の読書離れが叫ばれているが、実態は大分酷いらしい。今朝の朝日新聞によれば、来年の国民読書年に向けて各地で読書傾向に関するイベントが計画されている。その一環である「読書実態調査アンケート」の中で、20~30歳代の若者の1/4が、月に1冊も本を読んでいないという惨憺たる結果だったという。読まない理由は「仕事、家事、勉強が忙しい」「読みたい本がない」「何を読んでいいか分からない」「読まなくても不便を感じない」だそうだが、何と向上心のないことかと情けなくなる。調査から子どものころの読書体験が読書量に大きな影響を与えていることが分かったらしく、幼いころ親に本を読んでもらったことが、成人になってから読書の習慣が身につくケースが多いらしい。

 義父が生前、本を読まない奴は信用出来ないと言っていたが、まあ2人の息子は割合本を読んでいるようなので、ほっとしている。

2009年10月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

889.2009年10月19日(月) 歳入不足で2010年度概算予算をどうなるのか?

 どうも新政権の来年度予算策定の取り組み方がおかしい。先日来各省から概算要求を上げさせて集計してみたら、95兆円超だという。今度の内閣の各大臣の政策実行力は、新政権の意を体して積極的に行動し、評判は頗るいい。ただ、欲張り過ぎたマニフェスト公約を実際にどう予算の中に組み込めるか、マニフェストに列記した約束をどう順序をつけて取り入れるか、ということについて党内のコンセンサスが成されていない。各大臣がそれぞれに自省の約束を実施するにしても、もともと充分な財源の裏づけがあるわけではない。その辺りの整合性を、鳩山首相の下できちんとつけるべく議論して、それを受けて予算化するというのが本来のあり方であると思う。

 現状は前年度の当初予算を上回り、その一方で当てにしていた財源のうち、税収が予想以上に少なく40兆円を下回りそうだ。今でさえ歳入は歳出の半分にも満たない。ついに菅直人副首相が今日「税収が40兆円以下なら赤字国債発行も止むを得ない」と発言し出した。新政権がどうも当てに出来ないのは、最初から予算の枠組を固めて、新しい公約も含めて政策の優先順位を決めて予算を決定するという手順を踏んでいないからである。一向にこのアンバランスが解決しない中で、支出ばかりが増えていく。それに対して、仙石由人・行政刷新担当大臣は、あと3兆円は削ると言っているが、数字合わせではなく、もっと基本方針を示してもらいたいものだ。

 昨日寺島実郎氏が、テレビ番組でマニフェストを全部実現するのが良いのかどうかも議論の対象だと言っていた。もちろん実現すべきであろう。だが、財源がない。その場合知恵者の知恵として、一律子ども手当てとして毎月26,000円援助することが、全体的に考えて妥当な話かどうか。高校生への支援費用も一律に補助することが、全体の福祉的観点から考えて筋の通ったものかどうか。他にもっと支援を必要とされる予算の使い方があるのではないか、そういう議論が一向に出てこない。

 決めたものは約束通り実行するというのは、至極理のあるところである。しかし、財源不足はムダの廃止によって生み出すという雲を掴むような話が、現実にはダメになった。それなら、次善の策として行うべきは何か。直ぐに鳩山首相以下政府が対策を講じて、具体案を提示するべきではないか。その場合、どうしても来年度内にマニフェストに盛った公約の実現性が薄いなら、苦しい事情を誠実に国民に説明して次年度以降に繰り越すことも検討して然るべきではないだろうか。

 現状はただおろおろして、手を拱いているように思えてならない。取り返しがつかなくなる前に、率直に国民に詫びて次善の策を提示するべきであろう。このままだと、麻生前政権とそれほど変わり映えのしない政権になる恐れもある。

2009年10月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

888.2009年10月18日(日) 没後20年、開高健作品について

 NHK・BSの堅実で長く続いている番組「週刊ブックレビュー」を時々気が向くと気楽に観ている。以前は読書家として知られる俳優・児玉清氏が進行役を務めていた番組だ。月刊「選択」10月号の「本に遭う」で朝日新聞の書評担当7年の河谷史夫氏が児玉氏をぼろくそにけなしている。やれ推薦書がつまらないだの、役者のくせに発音が不明確だと散々である。そのせいで児玉氏はこの番組を降りてしまったのだろうか。

 偶々今日放映されたのは、茅ヶ崎の開高記念館でトーク風に交わされた座談形式で、今年12月に没後20年を迎える「開高健」の作品を取り上げていた。昨年8月に「酒のペンクラブ」の会員とともに記念館を訪れたので、その時の雰囲気を思い出しながら話を聞いていた。

 中々面白かった。作家藤沢周氏が司会しながら、3人のゲストから開高作品の素晴らしいところと彼らが薦める一押しの作品を聞き出していた。

 作家角田光代さんの推奨作品は開高の3大「闇」作品のひとつで、朝日から派遣された従軍記者としての体験から描いた「ベトナム戦記」を母体に書かれた「輝ける闇」だった。写真家鬼海弘雄氏の一押し作品は「声の狩人」、ノンフィクション作家佐野真一氏は「人とこの世界」だった。3つの作品は、恥ずかしながらまだ読んでいないが、お三方の話を伺っていると読んでみたい気持ちにさせられる。

 開高はベ平連に深く関わり、私自身も開高と同じようにベトナム戦争中にベトナムを訪れたことがあり、かつて拙い作品を第1回開高健ノンフィクション賞に応募して最終審査まで残ったグラフィティもあるので、身近な人という印象を抱いている。

 1度も開高作品を読んだことのない人へのアドバイスとして、角田さんは「若い人は読みやすい本を読む傾向があるが、開高作品のような顎と頭を鍛える本を読まないと成長しない」と言っていた。至極ご尤もである。鬼海氏は「開高を読まないと人生で損をする」と読書をしない人にきつい1言を言い、佐野氏は「開高を読むと確実に自分が変わる。絶対1冊読めば1mmは変る」と強調していた。

 佐野氏が薦める「人とこの世界」(初版は河出書房新社刊行、現在ちくま文庫)は、開高にとって文士として大先輩にインタビューする形式をとっており、当時 30歳台だった開高も、大阪人特有の饒舌を抑えて、作家の心得をうまく聞き出している、読み逃せない好著だと太鼓判を押していた。何とか読んでみたいものだ。司会者・藤沢周氏は開高の遺作となった「珠玉」を薦めていた。

 番組では開高とベトナム戦でともに取材した朝日カメラマン・秋元啓一氏とベトナム戦争で従軍カメラマンとして活躍した石川文洋氏も登場して熾烈な戦線の光景、特に1965年2月14日に従軍部隊がベトコンの総攻撃を受けて、200人の米兵、ベトナム兵が襲われ生き残ったのは僅か17人で、秋元氏と開高はその奇跡的な生存者のひとりで、その後毎年2月14日には2人で酒を酌み交わしていた話などは、思い詰めさせられるものだった。

 角田光代さんが「開高の作品は全部読んでみたいが、まだ数冊読んでない作品がある。その理由は、読んでみたいがすべて読んでしまうともったいなくて、その後に開高を読みたくなった時に困る」と面白い言い方をしていた。

 開高は行動力があり、力強くて魅力的な作家である。改めて開高健に向かい合って開高作品をじっくり読んでみたいと思った次第である。

2009年10月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

887.2009年10月17日(土) 山崎洋さん、「KODIKI」で翻訳特別賞を受賞

 セルビアの首都ベオグラードに住む友人山崎洋さんから、嬉しい便りを受け取った。昨年セルビアで出版したセルビア語訳本「KODIKI」が、日本翻訳家協会から翻訳特別賞を授与されたと知らせてくれた。「KODIKI」は言うまでもなく、日本の「古事記」の翻訳書であり、ベオグラード大学で日本語を学ぶ大学院生らの協力を得て、彼が中心になってセルビア語に翻訳したものだ。変形のハードカバー判で脚注を加えて400頁近い立派な学術書である。表紙もわざわざ伊勢神宮の徴古館から許可を得て撮った神武天皇像である。

 昨年秋彼とともに富士霊園にあるブケリッチ家のお墓にご両親の墓参りをした際、発行されたばかりの「KODIKI」を戴き、苦労話を聞かせてもらった。その時「KODIKI」は、計画段階では日本の外務省から助成金をもらえる話だったが、完成した後になって屁理屈を言われ、その挙句に約束していた助成金をもらえなかったと言って、外務省のやり方に憤慨していたことを思い出す。でも、この受賞で翻訳の地道な苦労が少しは報われることになって良かった。今月27日に学士会館で行われる授賞式に、一時帰国して出席すると知らせてもらった。会いたいと言っているので、私も会って直接お祝いを言いたいと思っている。今回はペンクラブの常務理事で国際担当の堀武昭さんも、今度日本に帰って来たら是非会いたいと言っていたこともあり、彼にも知らせたいと思っている。

 さて、先日来国土交通省が頭を悩ませている、日本航空の再建問題について大臣直轄の作業部会タスクフォースが再建案を提出した。しかし、財務省とメーン・バンクの日本政策投資銀行が素案の受け入れに否定的である。

 その最大の理由は、政投銀ら銀行グループに対して3,000億円にものぼる債権放棄を求めて、債務超過を解消しようとのプランが受け入れ難いからである。数年前にも同じ手法で日航を緊急支援した経緯もあり、銀行としてはそう簡単には同じような支援プランを容認し難いのだと思う。日航自らが血を流す日航経営者側の①年金減額、②人員削減の提案が、OBや組合から反発を買い、話し合いが進まない日航側の都合優先が心情的にも認め難いのだろう。例えば、年金については年金債務額を3,300億円から1,000億円へ圧縮する方針の難航が予想され、人員削減でも日航経営陣が予定していた3年で6,800人削減計画が素案で大幅に増加され、9,000人~10,000人へ上積みされた。これには日航側から相当な抵抗が予想される。

 しかし、仮に会社倒産となったら身も蓋もない話になってしまう。このままの状態だと日航救済問題も解決の糸口が見つからず、デッドロックに乗り上げてしまいそうだ。

 問題は、この間にも日航の借入金については金利がかかっており、いくら前原国交相がいきり立っても日航救済の手立てが見つからず、中々双方にとってほど良い落しどころが見つからないことだ。

 ナショナルフラッグ・キャリアの日本航空もどうやら正念場を迎えつつあるようだ。昨日の株価は対前日で13円下がって終値は101円となった。ライバル社ANAは逆に13円上がって250円である。さあ日本航空、どうする?

2009年10月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

886.2009年10月16日(金) 高齢者の車免許証更新に新たなハードル

 今年から車の免許証更新の際、高齢者に新たなハードルが設けられた。70歳以上のドライバーが免許を更新するためには、従来の更新手続きの前に高齢者講習を受けなければならなくなった。これについては6月に東京都公安委員会から主旨を綴ったハガキを送ってきた。偶々医院へ寄った序に交番で尋ねたところ、巡査も詳しくは知らなかった。ことほど左様に今のところそれほど世間で知られているわけではない。巡査も本署へ電話で照会してくれて、漸くことの次第が分かったほどである。

 更新へひとつのハードルを設けることによって、出来るだけ事故発生率の高い高齢者に面倒だと思わせて、彼らから免許証の自主返上を求めようという魂胆ではないかとつい勘ぐりたくなる。

 先月末に受講予約をして今日やっと二子玉川のコヤマ・ドライビングスクールで3時間の講習を受けることが出来た。受講希望者が多くて、教習所もてんてこ舞いのようだ。受講者5人に対して講師が2人だから、講習料5,800円も高いとも言えないと思う。聞けば、毎回6人の受講者に対して1日3回高齢者講習を実施しているという。

 その講習だが、教室で視野測定検査と運転適性検査を済ませてから、車に乗って実技チェックが行われた。これで振るい落とされることはないので、気にすることもないのだが、他の4人は私より年長らしく普段はあまり運転することもないようだ。ある男性の如きは、運転が荒っぽくてこれでは路上を走ったら事故を起こすのではないかと心配になったほどである。3人の女性も月に1度程度しか運転しないと言っていたから、件の男性と運転能力は五十歩百歩だろう。この様子を見ていると、公安委員会が高齢者のドライブにあまり乗り気でない気持ちが分かる気がする。

 自慢話めくが、私自身テレビ画面による運転適性検査のシミュレーションでは、「状況の変化に対する反応の速さと正確さ」と「複数の作業を同時に行う能力」で平均点以上だったし、30歳台~50歳台の平均を上回ったので、まずまずクリア出来た。総合コメントでは、「機能は全般的にやや優れています。また、非高齢者と比較しても平均的です。しかし、その時の調子で操作がやや遅れたり、危険に気づくのが遅れることがあります」と書かれていた。停止線を超えて停止したことがばれてしまったのかもしれない。自戒しなければいけない。

 とりあえず、「高齢者講習終了証明書」というものを頂いてホッとした。

 その後二子玉川から駒沢大学へ寄り、2時限の講座を受講する。清田義昭講師の講義では前回同様にビデオを見せてもらい裁判について話を伺った。東海テレビが制作した「光と影―光市母子殺害事件弁護士の300日」で重苦しいドキュメントである。事件当時少年だった犯人の実名が明かされたことで発売前から話題になっている増田美智子著「福田君を殺して何になる」の内容紹介に併せて解説があった。事件発生とともに世間を震撼させた、この事件は山口地裁、広島高裁、最高裁、高裁差し戻し、そして今再び最高裁へ向かっている。現時点では高裁で「死刑」の判決が出ている。近いうちに最高裁の判決が出されると思うが、最終的にどういう判決になるのか関心のあるところである。原告の被害者遺族や犯人の言動より、むしろ21人の弁護士の苦労話に視点を向けた正義感の篭った力作である。内容は前回のビデオ同様深刻で、少々暗い話である。

 さて、国連総会の軍縮・安全保障委員会においてアメリカ代表が、「遅くとも2012年までにアメリカの核兵器保有量は、2001年の水準からほぼ半減する」と表明した。オバマ大統領が提唱する「核兵器なき世界」へ一歩踏み出したような感触を受けた。それが事実なら、今度はアメリカと並ぶ核保有大国のロシアが、具体的な削減計画を公表する番だ。

2009年10月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

885.2009年10月15日(木) 鳩山首相はもっと存在感を表に

 鳩山首相が来年度一般会計予算の概算要求の過程で、赤字国債増発を容認することを示唆した。来年度予算は今各省で策定中であるが、トータルでざっと90兆円を超えそうだと推測されている。冗談じゃない。今年度の当初予算が88兆円だったことを考えれば、この不景気の中で歳出削減は当然であり、本来歳出が増えること自体おかしいのではないか。

 もちろん民主党はマニフェストに新たな選挙公約を盛ったので、それらに掛る費用を考えれば場合によっては歳出が増えることは考えられる。だが、民主党は選挙前マス・メディアに対して財源不足を突かれた際、ムダを廃止して捻出すると言っていたのではなかったか。こんな好い加減な気持ちでは、財源捻出の根拠が甘かったと言われても仕方があるまい。もっと困るのは、財源不足だからと言って、いとも簡単に赤字国債を発行すると言及したことである。これでは、前々から言われている財政健全化が反対方向へ向かい、いつまで経っても解決しない。少し無責任ではないか。

 もうひとつ気になるのは、鳩山首相のリーダーシップ不足である。発足1ヶ月を迎えて新政権の滑り出しは、国際的には鳩山首相夫妻の存在感が抜群で、国内的には前原国交相と原口総務相、亀井金融担当相が目立った。しかし、その後国内における首相の言動は急激に影が薄くなり、最近ではその存在感さえ感じられなくなってきた。国家戦略室や、行政刷新会議も予算策定で活躍しているようだが、それは首相直属の組織である。にも関わらずそこでもあまり存在感が表に出ない。首相は、各大臣間の意見が合わなかった場合、調整役として出るべきであるのに、それでもお互いの大臣に任せっきりだからである。もう少しリーダーシップを発揮して民主党の顔として存在感を表さないと、民主党員の心が段々離れて、信頼感が薄れていくのではないか。そして民主党を低落傾向へ向かわせることになるのではないか。

2009年10月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

884.2009年10月14日(水) なぜインドは観光客にビザを要求するのか。

 来月インドへ旅行するので、昨日入国ビザを申請し、今日受領した。36年前にボンベイに行った当時は、ビザは要らなかった。それがどういうわけか何年か前から逆に入国ビザを求められるようになった。そのビザ申請手続きもインド大使館で取り扱うのではなく、麹町のインド大使館から大分離れた、地下鉄茗荷谷駅近くの春日通り沿いのビル1階にある、専門のインド・ビザ申請センターという組織が申請業務を取り扱っている。午前中に申請して、受領は翌日の17:30~18:00の僅かの時間帯に限られている。時間前は扉を閉ざして内部へ立ち入ることが出来ない。今日も時間前に行ったところ、入口から道路に沿ってビザを受領する人がずっと並んでいた。外で並んで順番を待つ光景の渦中に入ってしまったが、今どき珍しい体験だった。

 旅行を申し込んだ旅行社から、事前にビザ代金として代行料金を含めて12,400円を要求されたのには恐れ入った。実費はビザ代と手数料を併せて1,935円である。何だかやらずぶったくりの感じで高すぎるし、それほど面倒な手続きでもないので、時間的に無駄ではあるが、自分で申請することにした。並んでいる人たちを見ていると、どうやら高い取得代行料に呆れて自分で申請に来たものらしい。それにしてもインドはなぜ日本人観光客が増える中でビザ取得を要求するようになったのだろうか。昨年ボンベイ市内のタージ・マハールホテルでテロ事件があったとはいえ、それほど危険だという兆候はない。どうも理由があまりよく分からない。

 この他に国内にもあまりよく分からない話が2つある。ひとつは一昨日広島・長崎オリンピック共同開催を発表した秋葉広島市長に対する藤田広島県知事の大人気ない反応である。その第一声は「完全にフライングですな」である。事前に話がなかったことを皮肉って腹を立てているのだ。どうしてもう少し大きな目で見てやることが出来ないのだろうか。実際オリンピック開催の話はどうなるか分からないが、とりあえず素直に全面的に支援、協力すると言えないのだろうか。役人の一番悪い点だ。自分がオリンピックの権限を握っているとでも言わんばかりの、意地の悪い狭量な発言ではないだろうか。

 2つ目は、昨日前原国交相の羽田空港ハブ化発言に対して烈火の如く怒った、森田健作・千葉県知事が国交省へ乗り込み、大臣に直談判したが、会見後は打って変わって上機嫌だった。昨日あれだけ怒りを爆発させていたのに、会った途端に上機嫌というのは些か理解に苦しむ。知事に反して成田市長は納得するのだろうか。国政の変更により、地元自治体に不利益が降りかかる可能性の高い案件である。そんなに簡単に手打ち出来る筈がない。あのニコニコ顔の裏には一体何が隠されているのだろうか。パフォーマンス好きな森田知事の言動だけに、どうも怪しい。蛇の道は蛇と言われるが、お互いに騙しあっているのか、芝居を打っているのだろうか。どうも政治家というのは、よく分からない。

 それにしても、この羽田空港ハブ化構想については、マニフェストにも載せず、民主党政権になって立場を変えたわけだから、政府は国の政策としてきちんと国民の前に分かり易く説明するべきである。

2009年10月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

883.2009年10月13日(火) スピード感のある新政権の政策実行

 民主党政権になって新しい閣僚が所管の事業を精査して、検討したり見直したり、その行動にスピード感を持ってやっているような印象を受ける。その結果が、鳩山新内閣の支持率が70%を上回っている要因ではないかと思う。

 今日は前原誠司・国土交通大臣の大胆な発言が注目を浴びた。同時に北沢俊美・防衛大臣の発言も大きく取り上げられた。

 前原大臣の発言は、従来の国の航空行政を変革しようというものである。空港使用区分は成田空港工事前から直近の麻生政権まで、国際線は成田空港を、国内線は羽田空港を原則使用する「内際分離」政策の下に実施されてきた。それにも関わらず、前原大臣は、突然羽田空港を24時間使用可能な国際的なハブ空港に拡張し、仁川空港(韓国)及びチャンギー空港(シンガポール)に奪われているアジアのハブ空港の座を取り戻そうとの決意の下に思い切った提案をした。その背景には、昨日橋下徹・大阪府知事との会談の際関西新空港ハブ空港案を突き付けられ、早めに腹案を発表する必要があったのではないだろうか。

 昨日橋下知事は伊丹空港を廃止して、関西地区では関西新空港に一本化して関空を日本のハブ空港にしたいとのアイディアを提案した。しかし、前原大臣は国策としては、まず羽田の拡張工事を完成させて羽田を国際ハブ空港へ発展させていくという強い意向を表明していた。

 つれなくされた橋下知事の気持ちはどうにも収まらない。関空への負担金を他の費用に転用するなどと威嚇的な発言をしている。一方で「内際分離」政策により国際空港としての地位を得ている成田空港を抱える、地元も収まらない。成田空港が首都圏の国際空港として発足した歴史と経緯を理解して欲しいと訴えている千葉県知事と成田市長は、憤懣やる方ない記者会見を行った。これからどういう方向へ行くのか道筋は見えないが、いずれにせよ調整は手間取ることだろう。

 他方、北沢大臣は政府見解が「単純延期はしない」と強調していた海上自衛艦のインド洋における海上補給支援活動を派遣期間の切れる来年1月に停止して、自衛艦を撤収させると今日表明した。こちらはこれからアメリカ政府との間で、改めて話し合いが行われるだろう。北沢発言の直前に岡田外相のアフガン訪問による民生支援活動の確約が担保されていたことが、北沢大臣の明確な公式発表につながったのではないか。

 今後日米間と国内で突っ込んだ話し合いがなされるだろうが、これまでの自民党政権のやり方とは明らかに違う。プロセスも的を射ている。中々やるなぁというのが率直な感想である。しばらく目を離さずに、今日の2人の大臣の発言の方向性を見守りたい。

2009年10月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com