一昨日自動車免許証の更新手続きをして新しい免許証を受領した。その有効期限が向こう4年間とは中途半端な感じがしたので、確認のため世田谷警察署へ問い合わせてみた。
それによると70歳までは5年間有効の免許証を更新手続きの都度受け取れるが、71歳以降は原則として更新ごとに有効期限は3年間だそうだ。しかし、優良ドライバー(ゴールドカード)の場合は、70歳を超えた最初の更新のみ、4年間有効になるということだった。これで4年間の意味が分かったが、シルバードライバーがあまり歓迎されていないということが何となく分かる。まあ運転技能が年々落ちるので、事故防止の見地からすれば、ある程度止むを得ないのかもしれない。私も4年後に、つまり75歳の時に書き換えて、その後3年間78歳までハンドルを握れれば善しとするか。80歳を超えては少々リスクが高まるかも知れない。
さて、来月インドへ行くので、インド関係の書を読んでいるが、堀田善衛の名著「インドで考えたこと」を読んでみたくなり、八雲図書館を訪れたがそこになく、いろいろ調べてもらった。しかし、目黒区内の他の区立図書館にも在庫がなく、更に詳しく全集等を調べてもらった結果、筑摩書房の「堀田善衛全集Ⅱ」に納められていることが分かった。この全集には「後進国の未来像」「キューバ紀行」等も入っているが、これを他のインド関連書2冊とともに借りてきた。
洛陽の紙価を高めた岩波新書「インドで考えたこと」は、1957年に月刊誌「世界」に連載され好評を博して、その年に新書版として出版されたもので、当時のインドに関する書としては質的にかなりの水準のもので、インドへ行く人がバイブルのように貪って読んだものだ。生憎まだ読んでいなかったので、この機会にさらっと目を通してみようと思っている。同書が世に出てから早や半世紀余りが経過して、インドの情勢は大分変化しており、名著と言えども、その内容や視点は必ずしも現代のインドにフィットしているわけではなく、少々ずれがあるかもしれない。実際今読んでいる中島岳史氏の「インドの時代」なんか、あまりにも現代的な側面を描き過ぎており、少々ギャップを感じるし、受け止めるにも違和感がある。昔の目線で見ると思わぬ陥穽にたじろぐことになるかもしれない。
今度訪れる発展著しいデリーや、アグラ、ジャイプールは初めてなので、観光施設や商業施設を訪れることは大きな楽しみであるが、アグラ近郊では昨日急行列車同士が衝突して22人が死んだばかりだ。IT産業の進化、或いは新興開発地等が発展する一方で、取り残される地域や遅れた側面もあり、またヒンドゥ教から離れて行く信者がいる一方で、ヒンドゥ・ナショナリズムが力をつけてきているらしい。経済的に急速な進歩を遂げている中で、種々の難しい問題が顕在化しているようだ。