652.2009年2月24日(火) 日本酒造り四方山話

 株価の下落が止まらない。今日で東証は3日連続の値下げである。その前提であるニューヨークのダウ平均も下がりっぱなしである。いつになったら上向きになるのだろうか。

 今月は「酒のペンクラブ」例会が新橋の「酒坊いそむら」で行われた。場所が分りにくく近くまで辿り着いていながら、犬のように界隈をぐるぐる回っていたというお粗末。

  皆さんが話されるのはやはり先日の佐賀の旅である。みんな良かったと好評である。酒蔵を初めて訪れた経験から感じたことは、地場の産業である日本酒は、あまり手広くしないで、ましてや全国展開などは考えない方がいいと申し上げた。日本酒製造の振興は、地域の活性化につながる。安定した経営を目指し地元と協力しながら地域、そしてその周辺だけで販路を確保しておけばよいのではないか、と僭越だが個人的な考えを申し上げた。全国展開を試みようとの気持にも尊いものがあるが、下手に広告費や物流に多額のコストをかけることにより出費がかさんで経営が立ち行かなくなる。まあそんなことをお話した。

  今日は多くの差し入れがあり、特に会員のひとりが佐賀から送らせた小松酒造の特別純米酒「万齢」、同じ佐賀組が持ち込んだ井手酒造の「虎の児」を始め、他にも5種類ほどの原酒、生酒の持ち込みがあった。あれこれ飲み回っているうちに些か酩酊気味となり、寒いそぼ降る雨の中を遅からず、早からず帰宅と相成った。

2009年2月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

651.2009年2月23日(月) 昨今の就職事情

 不況のせいで学生の就職活動も例年になく厳しいようだ。今朝の日経就職特集を見ていると社会の動きや時代性を感じ取ることができる。半世紀近く前のわれわれの就職戦線はあまり深刻に悩むこともなく、4年生の夏になってから決めることが出来た。景気は悪くもなく周囲もあまりガツガツした感じはなかった。まあ好い時代だったと言えるかも知れない。

 今年の就職戦線を見て気づくのは、人気企業ベスト10内に運輸観光業企業が4社もランクアップされていることである。こんなことはかつてなかった。このほかに銀行が4行で、後は我々の時代と同じ東京海上がトップを占めている。昨年は3位だったトヨタが最近のイメージダウンで46位にまで落ちている。

 士・農・工・商・犬・猫・エージェントと自虐的に考えていた観光業が上位に上がってきたのには昔日の感があるが、それにはそれなりの理由があるようだ。近年学生の間には全般的にサービス業志向が強く就職希望者が多い。具体的には、仕事が面白そうというのが企業選びの重要視点になっている。観光業に永年携わってきた立場から率直に言うなら、「実情がまるで分っていない」。表面だけしか見ていない。楽しそうだとの気楽な視点からしか見ていない。どの仕事でもそうだが、内情はそうは簡単には分らないものだ。中でも旅行業なんか、内部の仕事がどれだけ苦労が多いかという点では、ほとんど学生には理解されていないのではないか。

 例えば、「苦情処理」「相手のプライドを傷つけないで説得する」「長い時間お年寄りの話し相手になってあげる」等々にどれだけ対応する気持があるか。そのうえ忍耐、体力、清潔感、誠実さ、明るい性格等が求められる。特に、旅行は商品としての形が見えないだけに苦情に対して論理で対応することが難しい面がある。

 果たして観光業志望の学生が苦情処理や、裏方的な仕事についてどんな考えを持っているのだろうか。それでもなお好きな仕事だからと初志貫徹することが出来るか、試練が待っている筈である。

 それにしても自分自身の就職活動からもう半世紀近くなる。

 今夜10時からNHKスペシャルで「菜の花畑の笑顔と青春」と題して、昨年アフガニスタンでタリバンに殺害されたNGOスタッフ、伊藤和也さんのドキュメントが放映され、深い感銘を受けた。最近刊の拙著「停年オヤジの海外武者修行」186頁に「2008年8月NGO活動中の若き日本人農業技術者が誘拐され殺害された」とのくだりで触れているが、それがまさにこの伊藤さんである。ここまでアフガニスタンに溶け込み、献身的な農業指導により地元民の強い信頼を勝ち得た姿を見せられ、こういう地道で有意義な活動をしている日本人には頭が下がる思いである。嫌なことの多い昨今、世間ではあまり騒がれないながらもひたすら利他的な活動に従事する人たちのドキュメントに爽やかさを感じる。

2009年2月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

650.2009年2月22日(日) 日本に二大政党制は根付くか。

 今朝の日経紙「風見鶏」欄に「『両雄』は並び立つか」というテーマが取り上げられている。

 格差社会及び対立社会でないと対立軸が見出せないので、日本では2大政党制は成り立ちにくいと、アメリカ社会の例を挙げて興味深く検証している。アメリカ社会には、北部と南部、金持ちと低所得層、白人と非白人の対立というより異なったジャンルの人々が存在し、そこに2大政党が存立する基盤があるとエズラ・ボーゲル・ハーバード大学教授は指摘する。そうだとするなら、都市と地方、失業による格差の広がり等が拡大している現在の日本社会には均質性を失わせ、2大政党成立の条件を満たしていると言えるのだろうか。

 エズラ・ボーゲル教授は日本には本質的に人種や所得水準が均質化しているために対立軸を提示できる余地が少なく、そのことが2大政党制が日本で根付かない原因だと分析している。しかし、私は元来日本人の精神的な根底に論争を好まない温和な性格があるので、必ずしも外的な均質性のゆえに2大政党制が生育しないとの説が的を射ているとは思わない。アメリカ人の間では対立軸があまり露骨に見られない日本社会の特徴から言えば、一般に日本には2大政党は育ちにくいと見られがちなのであろう。

 このテーマの背景には、民主党の岡田克也副代表が昨年12月アメリカの有力シンクタンクの関係者と会食した時に、アメリカの対日政策について苦言を呈したことがきっかけとなっている。アメリカでは日本の政治体制の下では、同根の政党が入れ替わって政権を握ろうとも日本の外交政策は不変であると考えている人が多い。次の総選挙で仮に民主党が政権をとっても、アメリカは日本政府が従来の自民党政権の考え方をそのまま踏襲すると考えている。それは、アメリカ人は小泉純一郎元首相が「アメリカについて行けば間違いはない」と発言したことを信じきっていることにある。これに岡田副代表は、小泉発言は宰相の言葉としては(哲学も、理念もなく)恥ずかしいと異を唱えた。そして岡田副代表は更に「アジアのことでは日本をもっと信頼して任せてほしい。例えば、アメリカは東アジア共同体にアメリカも加えるように求めてくるが、同盟国の日本を信頼してもらいたい」とはっきり意見を述べた。

 それにしてもアメリカに対してはっきりものを言った日本人政治家を久しぶりに見た思いである。

2009年2月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

649.2009年2月21日(土) 中川前財務相の馬鹿さ加減と神谷不二氏の死

 辞めた大臣に追い討ちをかけるのは少々酷だが、それにしても低俗極まりない中川昭一・前財務大臣のパフォーマンスは少々度が過ぎていた。その中川氏の行動に、別の無作法なパフォーマンスがあったことがまた暴露された。あの国辱的な記者会見の後、帰国便出発までのごく限られた時間に閉館時間を過ぎたバチカン博物館を見学した。普通に見学していれば何の問題もなかったが、酔っ払った勢いで触れてはいけない美術品に、柵まで乗り越え触って警報ベルまで鳴らしてしまった。

 どうしてこういう無作法な人物が、権威を揮えるポジションに座ったのだろうか。こういう人物は普段から行動が可笑しい筈であるし、普通なら問題ばかり起こして高い地位にはつけないと思う。中川氏の行動はどう見ても常識から大きく外れている。やはり、政治、それも世襲政治家の家柄という特殊な世界にだけ許される非常識な王道にあるのではないだろうか。

 バチカンの日本大使にしろ、中川氏に付き添った玉木外務省国際局長にしろ、しきりに中川氏を庇った発言で弁明し、自分たちはその時は目を離していたとか、離れた場所にいたとか、どうしてこれで大臣の案内役が務まるのか不思議でならない。周囲が中川氏の傍若無人の振る舞いを放って、酔っ払いのなすがままだったということになる。注目される場における、注目される人物の言動、所作に対して、周囲があまりにも無為無策、無神経だったのではないか。

 中川氏の破廉恥な行動を伝える記事の脇に神谷不二氏の死亡公告が載っていた。一瞬目を奪われた。

 久しく表舞台から姿を消していた。享年83歳というのだが、われわれの学生時代には日米問題の専門家、国際政治学の権威として華やかに活動していた。決して共鳴するものではなかったが、大阪市立大学教授として「中央公論」や「文藝春秋」にもしばしば鋭く提言したり、斬新な論考を発表していた。右派の論客といっても良かった。

 大阪市立大から慶応大法学部教授へ転じて、しばらくは健筆を揮っていたが次第に表舞台で活躍する機会が減っていった。英哲な人ではあったが、やや才走り過ぎた感があり、保守的な思考が必ずしも右寄りの実務的な人々から受け入れられなかったことが、活動の場を減らしていった大きな原因だったのではないかと考えている。ある意味では一世を風靡した人であるが、一時は華やかな舞台に立った論客だっただけに一抹の寂しさを禁じえない。

2009年2月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

648.2009年2月20日(金) 少数民族の言語は消え去るのみ

 景気が悪いと心配していたが、昨日のNYのダウ平均株価は6年4ヶ月ぶり、今日の日経平均株価も一時7,400円を割り、バブル後最安値となった。東証全33業種中31業種が下落した。月曜日に内閣府が発表した今年度第3/4半期のGDPは、マイナス12.7%の落ち込みで、実に35年ぶりだという。政府も追加経済対策を検討している。 

 しかし、ふらつきよろめき視界不良の今の政府が、来年度の第1次予算案すら通せず、政治空白の現状で、果たして追加経済対策まで頭が回転するだろうか。マス・メディアが報道しているように、今の麻生政権はまったく何も出来ない政府である。死に体と言ってもいい。だが、可及的速やかな手を打てないのは、やはり政治家の質、能力のレベルが一般人と比べて格段に低いことが原因だと見ている。突き詰めれば、現在の政治家の輩出システムに問題があると思う。結論ははっきりしている。一日も早く政治家の世襲制度に何らかのメスを入れる必要がある。問題が起きているのは、みんな世襲政治家の周辺である。ここから目を逸らせてはならない。

 さて、世界に言語は約6,000あるという。そのうち程度の差こそあれ、消滅の危機に瀕している言語が約2,500あると言う。旧約聖書によって紹介されたノアの洪水により増えた言語が、今度は逆に衰退の道を辿るとは何とも皮肉で寂しい感じがする。日本でもアイヌ語が最も危険な状態にある言語だそうである。今や話す人が少なくなり、アイヌ文化も絶滅の瀬戸際にある。

 国立民族学博物館の崎山理・名誉教授によれば、話し手が固有の文化を持っていれば独立した言語であると捉えている。アイヌ語が危機に瀕しているのは、一義的には話し手が最早15人に減ってしまったことによる。千島列島やサハリンで伝承されていたアイヌ文化が、その場を失ったことにより言語も失ってしまったからである。そういえば、かつてサハリンの博物館を訪れた時に陳列品の中にアイヌ民族関係の展示物が多かったことが強く印象に残っていたが、ソ連に島を召し上げられてからアイヌ民族もアイヌ文化も風前の灯となってしまった。

2009年2月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

647.2009年2月19日(木) 経済も政治もダメの日本をどう立て直すのか。

 今日本経済は最悪の事態に追い込まれているが、そもそもの経済不況の発信地であるアメリカ経済もどうしたらよいのか、彷徨い出している。本当のところはオバマ大統領もとんと見当がつかないと思う。

 アメリカは金融を別にして、製造業が国の経済を引っ張ってきた。その中でも自動車メーカーの役割は大きかった。その自動車メーカーがここへ来て完全に行き詰まっている。まだ、自動車メーカーが要請した追加支援が決定したわけではないが、すでに支給された分を含めると支援総額は実に9兆円に達する。破産法の適用すら検討され始めている。そこへ住宅対策として公的資金7兆円投入の計画が浮上してきた。ローン返済条件を緩和することによって最大で900万世帯を救済しようというものである。

 しかし、果たしてアメリカ連邦政府にそれだけの資金的余裕があるだろうか。アメリカにはいつも好い顔を見せる日本政府が、アメリカ政府に言い含められてアメリカ国債を持たされたままドルの価値が低下させて、資産価値が目減りするというお決まりの構図になるのではないかと少々心配でもある。

 日本では経済の元締めである財務省の国辱大臣が辞職して、後任となった与謝野馨大臣も3つの官庁を抱えることになり、あまり健康そうでない大臣の負担は並大抵ではない筈である。国内の経済対策は一向に進まず、ましてや外交問題はまったく手付かずの有様である。いずれアメリカから強要されるかも知れないのは、アフガニスタンへの支援である。就任前からオバマ大統領は、イラクから撤退して重点的にアフガンへ力を入れるとのコメントがあった。そして、現実に現在アフガンに駐留する外国軍は6万6千人であるが、アメリカ軍が増派されると8万3千人となる。当然日本にも、経済面での協力を求めてくる。アメリカが強い調子で協力を求めてくる、この難しい局面を日本はどうやって対処しようとするのだろうか。自衛隊は派遣出来ない。また、金で勘弁してもらうより仕方があるまい。だが、拠出できる資金があるだろうか。政局に千鳥足であたふたしているようでは政府をとても当てにはできない。

 これから日本はどうなるのだろうか。

2009年2月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

646.2009年2月18日(水) 麻生首相は何のためにサハリンへ行った?

 3年前56歳で亡くなったロシア語通訳の米原万理さんの著作「ロシアは今日も荒れ模様」が、ロシアの実情をよく伝えていて、ロシア関係のエッセイなどを書く際参考にさせてもらっている。今そのロシアのモスクワに小泉純一郎・元首相が滞在していて、一方で極東サハリンには麻生現首相が訪れている。その元首相が現首相をロシア国内で痛烈に批判している。元首相の郵政民営化は基本的には間違っていないと考えているので、気持は分らないでもないが、こういう鞘当てのような非難が、中川大臣会見の時のように外国メデォイアに歪んだ形で捉えられないか些か気になるところだ。

 元首相が国会開会中のこの大切な時期に、何の目的で出かけたのかはっきりしない。麻生首相にしても、ロシアのサハリン2プロジェクト完成祝いに訪問したとなっているが、原油の安定顧客としてロシア政府の招待による表敬訪問的な色合いが強い。互恵的な目的を目指して、北方領土問題解決の扉を叩く方策はないようだ。ほとんど実りのないと言ってもいい首脳会談が、日本の国会から離れたサハリンで持たれたのは、いかにも魚のいない池で釣りをしているようなものだ。正に「ロシアでも、日本でも今日は荒れ模様」の感じである。

 アメリカ自動車産業のどんづまりも行き着くところまで来てしまったようである。どうしようもない事態に立ち至っていて、下手をするとオバマ政権も鼎の軽重を問われかねない。今日GMとクライスラーがアメリカ連邦政府に追加支援を要請した。今後これを議会が承認するかどうかにより、両社の命運も決まる。

 しかし、両社併せて5万人のリストラを含む再建計画だけでは、支援取り付けは極めて厳しいようである。その理由として、人員削減以外の計画が不透明であり、今年1月の両社の販売実績が前年の半分という散々の結果だったことが、昨年12月に支援を受けた分をかなり食いつぶすことになってしまったからである。事態は刻一刻と悪化しているのである。

 ところが、今日再び支援要請した金額はGMが166億ドル(約約1兆5千億円)、クライスラーが50億ドル(約4千6百億円)というから開いた口が塞がらない。支援金額も雇用削減も桁外れである。これではアメリカ国民が怒るのは当然である。どこで折り合いをつけるのか、とても凡人には想像もつかない。

2009年2月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

645.2009年2月17日(火) 酔っ払い大臣辞職と丹治幹雄氏の暴論歴

 今日中川昭一財務・金融担当相が辞職した。あの破廉恥、というより国辱的な振舞いでは辞めるのは当たり前である。昨朝嬉野温泉の旅館でテレビニュースを観ていて「うぇっ!」と思った。ローマで行われたG7会議後の記者会見における発言や受け答えがあまりにもお粗末で酷かった。酔っ払いが何を言っているのか、テレビではその全容がよく分らず、その表情も上の空で、言葉もしどろもどろだった。こんな不健全な体調で世界が注目するマイクへ向かう神経が分らない。世界中へ日本の大臣の無作法と傲慢、幼稚さを曝け出す非常識さだった。

 元々アル中の中川氏がこれまで繰り返した無作法は、1つや2つではない。先日の国会演説でも「歳入」という言葉を「歳出」と間違えたり、予算数字を間違えたり、酷かったのは「渦中」を「うずなか」と読んで麻生首相と同じ国語力を露呈した。この演説の時も恐らく酔っ払っていたのではないか。こういう人を重要閣僚に任命した首相、こんな人物を党内有力者へ変革させた自民党、そして、この下品な口ぶりで威張りまくるだけの候補者を当選させる北海道の地元有権者、みんな悪い。しかし、やはり突き詰めればその原因は、日本人の体質にあるのではないか。つまり無作法を許してしまう国民すべてに責任がある。今までとかくの噂があった世襲議員・中川昭一を、マス・メディアを含めて国民がこれを許してきた。

 もうそろそろ、しどろもどろの酔っ払い国会議員を、飲酒運転と同じように減点制でも採用して、国会から一時退場、或いは永久追放をするくらいにしてはどうか。馬鹿な酔っ払い世襲議員はせめてそのくらいのお灸をすえないと、喉もと過ぎれば熱さを忘れる愚を繰り返すばかりではないか。

 経済が行き詰まっている現況と、それを打開するための最高責任者・中川大臣の一連の愚かなパフォーマンスを考えていると、ついため息が出てくる。

 さて、開業以来杜撰な融資で赤字経営を行い問題になっていた新銀行・東京の旧幹部に対して、新銀行は損害賠償請求を東京地裁に提訴した。約100億円の巨額だという。元の勤務先から訴えられた相手は旧経営陣で、仁司泰正・元代表と何と元代表補佐だった丹治幹雄氏である。丹治氏とは議論を戦わせたことがある。氏は「構想日本」の政策委員でコーディネーターなどを務める人だが、2005年9月「構想日本」HP上に年金制度の存在を否定するような粗っぽい提言を行った。こうまで言っていた。「制度としては他人に老後の所得を補償してもらう仕組みだ。自ら生存できなければ滅びるしかないのが自然界の鉄則だとすれば、このような制度が存在すること自体おかしいかもしれない」との暴論まで披瀝した。ご自身で「マイク丹治の暴言提言」などと思い切った発言を繰り返す方だったが、あまりの傲慢さに対して反論したところ、丹治氏は抽象的な氏の言い訳で応えられた。ご自分の言い分を頑なに主張し、正当化しようとする平行線のやりとりにうんざりして矛を収めたが、どうも納得できなかった印象がある。丹治氏の経歴はよく知らないが、あまり実社会の現場でご苦労された方ではないのではないかと思った。靖国問題に関してもどうも右翼が喜びそうな発言が多い。感情で行動する人ではないだろうか。もう一度丹治氏の主張とその裏づけを読み返して、氏の言い分が正しいのかどうか精査してみようと思う。

2009年2月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

644.2009年2月16日(月) 充実して実りの多い旅だった。

 昨夕宿泊した和多屋別荘は、嬉野温泉でも名湯で建物も一段と高く、ランドマーク的な存在で、一昨年には秋篠宮殿下が滞在されたというこの地の名門旅館で、設備、サービス面で行き届いている。ご自慢は美肌の宿と自称しているだけに、その湯を目当ての客も多いと聞く。肌がぬるぬるするのは、温泉の効用か、でも不覚にも湯船でひっくり返ったのもそのぬるぬるのせいである。滑りやすいので注意が必要だ。

 今日は個性的な日本酒醸造元、嬉野温泉の井手酒造と唐津市相知の小松酒造を見学した。前者は女社長の下で「虎の児」という銘酒を造っておられる。後者は「万齢」という酒を生産しておられる。特に感銘を受けたのは、小松酒造の小松大祐社長の説明だった。東京の文系大学を出てから6年間證券会社に勤めた後地元へ帰り、一旦は酒造会社を止めていたが、復活させた苦労話だった。蔵で具体的に、保温、木桶の使用、麹室、圧縮用船、等々について分りやすく説明してくれた。今人気があるからと安易に日本酒から焼酎生産へ切り替えることはしないと言っておられた。奥さんも酒造りに興味があって一緒になったというだけに、夫婦仲良く堅実な経営をしている姿が輝いて見えた。

 経営者の話を分析してみると、日本酒造りは家内製手工業で、愛情を込めて細やかな神経を払い、身の丈を考えて経営すれば、右肩下がりの酒造産業ではあるが、何とかやっていけるのではないかと思えたことである。やはりその基本は、人ではないかと思う。酒造りに情熱を注ぎ込み、根気良く、研究熱心ならばいずれ前途は開けるのではないかと感じた次第である。

 酒の他にも、今日は陶器の町・有田を訪れ、14世柿右衛門記念館を見学した。他方で有田について知らなかった一面を見せてもらった。有田が古く伝統的な町の佇まいを重要文化建築物として保存するために、簡単には増改築が許可されなくなった。風情のある有田の町を後世に残そうというのである。確かに町の中心道路に面した商店街は、このまま自由にリニューアルをやったのでは特徴は消え失せるだろう。

 有田の伝統を残そうという試みは、今日いただいた昼食などにも典型的に見られる。「有田まちづくり女性こんわ会」というボランティア団体が、町屋を借りて「小路庵」という食堂を経営している。毎日オープンしているわけではないとのことだった。さすがに土地に詳しい佐賀県の2人のスタッフがスケジュールを立ててくれ、この「小路庵」で食事をアレンジしてくれた。手書きのお品書きに、こんわ会が土地で取れる自然の食材を考えて、料理した「ひいなご膳」という定食は、ユニークで気持の篭ったものだった。素人っぽく、それでいてきめが細かく多彩な品は、大変珍しいものだった。こういう一般住民からの地域おこしの動きは、徐々に町全体を活性化させる起爆剤となるだろう。

 2日間に亘る酒のペンクラブの旅を終え、佐賀空港から羽田へ予定通り帰ってきたが、中々充実した旅行だった。普通では見ることが出来ない醸造元を数箇所も見せてもらい、佐賀の酒もたっぷり味わうことができた。醸造元のほかにも、有田焼の本家を訪れ、この古い有田の町の町おこしの息吹も感じた。値段的にも極めてリーズナブルだったし、土地の人間でなくては知りえない企画の妙を味わわせてもらった。佐賀県東京情報センターの西岡さん、下平さん、お世話になりました。ありがとうございます。

 みんなで納得!みんなが満足!

2009年2月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

643.2009年2月15日(日) 酒のペンクラブ佐賀旅行

 博多から佐賀へJRのL特急を利用した。ほんの35分で到着して駅前からタクシーで佐賀城本丸歴史館へやって来た。まだ酒のペンクラブの一行は到着していない。ボランティア・ガイドと本体到着まで気ままな話をしていた。以前佐賀城へ来た時は、外周りだけだったが、本体と一緒に本丸の中を見せてもらってガイドの説明を聞くと新しい歴史を知ることが出来る。

 酒のペンクラブの面々だけに、日本酒については興味も関心も普通以上に強い。参加者は、佐賀県東京情報センター所長・西岡剛志氏、副所長・下平幸男氏が案内役で、私を加えてちょうど10名である。今日は3軒の醸造元、窓の梅醸造㈱、天山酒造㈱、そして峰松酒造を訪問、見学した。いずれも江戸時代に始まる古い歴史を持つ醸造元であるが、ビール会社のような近代的なものと違って、建物は老朽化して最近の地震の影響もあって前者の蔵のように大きく傾いていたり、後者も古い建物を維持するために、瓦屋根の葺き替えだけで2千万円もかけたという話を聞くと苦悩が分る。

 地場の産業としてそれなりに経営しているようだが、内情は大変だなぁと思う。最近の傾向として日本酒より焼酎が伸びており、酒の方が多いとは言え、窓の梅で6:4、天山が9:1の割合というくらい焼酎の消費が伸びていると言っておられた。

 佐賀へ来たのは久しぶりだが、地方の特徴として車、人の数が極端に少ないように感じた。国道沿いでも現実に何軒もファミリーレストランが店仕舞いしている様子を見ると地方の苦しんでいる姿が察しられる。現状では厳しいようだが、若い人にとってあまり魅力のある土地と言えないのかも知れない。地方の疲弊ということが言われるが、地方に行く度にう~んそうかなぁと思う。地方には大きな働き場所が少ないことが大きな原因でもある。その意味でも地方ではその土地ならではの産業を発展させることが生き残りの大きな要因だろう。地酒は決して大企業とはいえないまでも、地方産業を支える大きなつっかえ棒である。

 今日の宿泊は嬉野温泉・和多屋別荘である。夕食宴会には、前東京所長だった山口和夫氏も参加された。

2009年2月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com