247.2008年1月16日(水) 人材不足で行き詰る日本社会

 昨年夏に起きたアメリカのサブ・プライム・ローンの破綻以来、アメリカ証券市場を中心に世界的な株安傾向が止まらない。日本の株式市場の下落も目を覆わんばかりである。今日の東京株式市場日経平均の終値は、対前日468.12円安で、4日連続して下がり、この4日間だけで1,000円を超える大幅の下落だった。昨年末以来でも日経平均は2,000円も下げている。日経平均がついに13,500円台になって、バブル経済崩壊期を思わせる勢いである。

 問題は、これだけ日本の株式市場が低迷して世界的に信用ががた落ちしている中で、政府首脳や、財務・金融当局は、相変わらず手を拱いているだけで、一向に新しい対策を打とうとしない。今年後半には株価は戻ると信じていると、保証のないおまじないを当てにしている馬鹿な大臣もいる。打開するには難しい局面であることは分かるが、このまま放置するだけでは国民の不安は解消しないし、金融当局には働く人は必要ないということになるのではないか。

 おりしも、オーストラリア近海で日本の捕鯨調査船が、NGOシー・シェパード船の追撃を受けて2人が強引に日本の調査船へ乗り込み、逆に取り抑えられたニュースがオーストラリアでは大きくマス・メディアに取り上げられ、スミス外相やギャレット環境相が日本を強く非難している。ギャレット環境相の如く、日本の主張はデタラメだと言うに至っては、いかに日豪首脳の間にコミュニケーションが欠けているかを如実に表している。これまで日本政府の外務省、農水省、環境省がいかに無能であったか、彼らは自分たちの任務、職務を何もやっていなかったのではないか。

 いまや政府職員の養成には、アメリカの大学、それもHYPS(ハーバード、イェール、プリンストン、スタンフォード)に派遣させて外交術、交渉術を学ばせることが、対外交渉上不可欠だと言われるようになっている。中国では年間8,000人をアメリカの大学へ留学させる計画だというが、日本では現状で80人だそうだから、いずれ中国あたりとマン・ツー・マンの交渉では勝負にならなくなってくる。こうして、日本は役人が海外のエリートに打ちのめされ、政治家は発育不全の世襲議員ばかりになって、国際社会の中で相手にされず、漂流するようになるのではないか。

 早くまともで、外国人と議論できる人材を養成しないと日本の将来は、外国の言いなりになる。

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246.2008年1月15日(火) 酒のペンクラブ会合

 西新橋の「ひそか」で、酒好きの文士の集まり「酒のペンクラブ」の1月例会があった。以前に2回ほど参加したことがあるが、今回は先月号の機関紙「酒だより」に寄稿した縁もあって、11月の洞窟コンサートに参加した小中陽太郎さん、日経の西山貢さんからお誘いを受け出かけた「酒だより」も先月が第176号というから、随分長い歴史がある。酒だけを肴にして、いろいろ各地の酒、中にはキューバの地酒を持って来られた女性もいて、これほど酒を楽しみとして嗜む幸せな人たちの集まりは知らなかったが、文章作りのプロが集まって、持ち込んだ酒を飲みながら他愛なく楽しんでいる姿は、これまで知らなかった世界だけに面白い。これまで勤めていた会社と違って、思い思いに感じたことを他に気兼ねなく発言しているようで斬新な感じがする。新しい発想が生まれてきそうな気もする。

 終わって帰りに東横線沿線仲間の小中さんと大倉山の岡敬三さんとともに、小中さん馴染みの都立大学駅前のバーに立ち寄り、いろいろお話を伺った。

 今日新風舎から拙著の引き取りについて社長名の書状を受け取った。この件について小中さんや岡さんからご意見を伺ったが、今後どうするか、次の出版も含め熟慮しないといけない。拙著については放っておいてもよいが、岡さんの経験に照らせば、新風舎に対して主張すべきは主張した方がよいようだ。

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245.2008年1月14日(月) 父の七回忌に想う。

 父の七回忌を菩提寺・宝仙寺の太子堂で行った。改めて月日の経つのは早いものだと実感する。存命なら6月の誕生日で満百歳になるところである。昨日から二男が新潟から来ていて、長男は家族5人で大挙やってきた。晴れてはいるが外は格別に寒い。東京地方は最高気温が5.6℃で今年最低だそうである。

 施主の兄・紀男夫婦以下子ども夫婦、孫、ひ孫合わせて19人が参列した。当初は親戚にもお声をかけようとの気持ちがあったが、この寒い中をわざわざご年配の方々に遠路お越しいただくのが憚られたので、結局直系の親族だけで内々に済ませることにした。

 聞くところによれば、近年は家族だけでささやかに法事を行うことが多いという。亡くなった父も、いまは処分してしまった鵠沼の広い実家でひとり晩年を過ごした。母が割合早く他界したので、母が亡くなった直後は少々ショックを受け、取り乱したりしていたが、そのうちに立ち直って良い自然環境の中で、地域社会とも円満にお付き合いしながら静かで自由な生活を送っていた。近くに住む弟や妹がよく面倒を見てくれたお陰で、私には介護や世話の面で煩わしいと感じるようなことはなかった。生前の父は割合わがままだったが、明治生まれの男は昔気質の人が多く、それだけに生きていくうえで、戦争等により人知れず辛酸を嘗めたこともあったと思う。軍隊で北朝鮮の平城にも行ったし、会社では転勤も多く、母も大変だったと思う。

 私自身は性格的に父とあまり合う方ではなかったと思うが、何かにつけ困った時には、やはり一番頼りになる身近な人間として、相談することも多かった。

 一番印象に残っているのは、2年間も浪人して大学入試を前に、ダメだったらあと1年浪人したいと言った時、これ以上社会に出るのが遅れると取り返すのが大変だから、浪人は2年まででどこかに決めろと言われたことと、父の紹介で入社試験を受けていながら、面接試験で面接官が戸惑うような発言をした挙句に失敗して、自業自得のことをやったのだからもう面倒はみない。自分で就職先を探せと言われたことである。

 いずれも当然と言えば当然のことで、その後自分が何かを決断する時に、ふっと思い出すことがある。父も戦前戦後を通じて会社勤めも忙しかった中で5人の子どもを育てたので、現在と違って一人ひとりに過保護な育て方は出来なかったが、この年になってみると、やはり厳しさと愛情を持って接してくれたなあと感謝の気持ちが湧いてくる。心より父の冥福を祈っている。  合掌

 

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244.2008年1月13日(日) 日本の実力は本当に下ったか?

 台湾の立法院選挙で与党民進党が大敗し、党首であり国家総統・陳水扁氏が党首の座を降りることになった。台湾は一院制であるが、全113議席のうち野党国民党が2/3を超える81議席を獲得し、与党は1/3をも下回る、僅か27議席に留まった。民進党が主張していた台湾独立構想は頓挫するだろうし、次の総統選には現職・陳水扁氏はもう立たないだろう。

 日本でも福田内閣の人気が低迷し、薬害肝炎被害者一律救済以外の法律は一切通過していない。政治が機能しなくなっている。情けないことに、支持率は高々30%台前半である。アメリカでもブッシュ政権の人気が低下する一方で、お隣の韓国では、昨年12月に野党の李明博氏が次期大統領に選出された。それにしても今年はかなりの国で政権交代が実現するかも知れない。相変わらず権力基盤が磐石なのは、ロシアのプーチンぐらいのものだろう。

 今朝テレビで政治討論を見ていたら、日本の経済力が一人当たりGDPで比較すると、10年前の世界2位からいまや18位にまで低下している。実際国民は感覚的にその通りに感じていると思う。だが、人々が感ずる気持ちはともかく、現実には新たな発明、開発があり、産業界は収益性が高いし、かなりインフラ整備も進んでいる。GDPによる比較論が正しいのか、また、対ドル円高、対ユーロ円安という一言で言えない原因もあったと思う。その中でやはり問題は、低金利政策が景気回復の足を引きずっているというのが衆目の一致するところだ。海外の投資家は日本の低金利に嫌気がさして、資金を引き上げるばかりである。全般的な原因として、何人かの識者が指摘しているように、結局日本はリーダー不在が国全体をリードしていくうえで、発展の障害になっている。これは、深遠には政治と教育に問題があると思う。さらに付け加えれば、日本の社会構造が足を引っ張っていると思っている。ただし、リーダー不在というのはその通りで、程度の低い全政治家にその最大の責任がある。政治家の動き方を見ていると、実に頼りない。制度と権威と慣例ですべてことを運び、一部の政治家を除いては専門的に勉強し、国の発展のため、国民の生活向上のために努力しようという政治家が見当たらない。政局の中の遊泳術ばかり巧みで、日本の政治の骨格を作り上げる気持ちがまるでない。対外的に日本の実力評価はどんどん下がっている。早く現在の国会議員を削減して、質の高い議員を国民が送り出すようにしないと日本は崩壊してしまう。

 今日は今冬で一番寒い一日となった。

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243.2008年1月12日(土) 山崎洋さんの話を聞く。

 セルビアのベオグラードで活動している友人、山崎洋さんが一時帰国した。駐日セルビア大使館で開かれた、近訳書「ブランコ・ヴケリッチ 日本からの手紙」の出版記念会に出席するためである。その出版記念会に合せて、渋谷のNPO「歴史文化交流フォーラム」が定例セミナーの一環として、今日山崎さんと元朝日新聞記者砂山清氏を招き、講演会を催した。数日前に山崎さんから、その企画について手紙で連絡があり、ゼミにも声をかけたところ須藤晃くんが参加してくれた。

 大体4~50人ぐらいの人たちが出席したが、ジャーナリスト、大学教授、海外留学者、海外生活者、旧東欧圏文化に関心のある人等々、真面目でインテリの人がほとんどだった。実際現地へ行った人もかなりおられた。代表者は法政大学国際文化学部・南塚信吾教授で、やはり東欧方面の研究者だった。

 山崎さんはジャーナリストとしての父親について、父上が残された多くの記事を通して得た情報を要約して話されたが、中々話が上手で1時間少々よどみなくポイントをついて飽きさせず、時にはジョークを交えて話された。あんな追い詰められた時代だったが、日本人と違って外国人特派員は、精神的に余裕のある取材をしていたことや、日本人記者が得られない情報を持っていたことが訳書からもよく覗える。父上の送信原稿には、日本の社会状況とか、日本人の実生活、日本の文化や伝統、日本人が野球好きだという話等をユーモアたっぷりに書いている。初めて山崎さんの話を聞いて、話の論点を整理してうまくまとめて話す人だということがよく分かった。最近になって父上の遺骨を預かってくれた神父のトレースを追って行った結果、遺骨が戦火に遭って消失した場所が判明したので、偶々明日13日が父上の命日に当たることでもあり、明日その地を訪れ追悼するつもりだと話していた。場所は三軒茶屋だそうである。

 一番驚いたのは、その後の立食パーティで佐々木(平井)和子さんという女性にお会いしたことだ。佐々木さんは60年安保闘争にも参加して、その後チェコ・プラハのカレル大学へ留学したが、それよりも早大生だったころ檄を飛ばしに度々早大キャンパスへやって来た全学連書記長だった清水丈夫さんをよく知っているとの話には本当にびっくりした。清水さんの奥さんも早大生で友人だったと聞いて、意外な縁を感じる。元同志のスタンフォード大・青木昌彦名誉教授の「私の履歴書」の内容もよくご存知で、青木氏の性格、行動についても批判的だった。参加された皆さんは、真面目な方ばかりでNPO組織でポジティブに勉強に励んでいる。向上心に富んだ方々ばかりで、良い出会いだった。

 今日午後、雨の中を国立競技場で大学ラグビー決勝戦が行われた。出かける時間の関係で前半戦しか見られなかったが、久しぶりに決勝戦へ進出した慶応は、やはり好敵手・早稲田に及ばず、後半ミスが出てノートライのまま26-6で敗れ、残念ながら8年ぶりの優勝は成らなかった。

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242.2008年1月11日(金) 政治家の怪しげな行動と登山家の潔い行動

 新テロ法と称される、補給支援特別措置法が衆議院を通過、成立した。参議院で否決された与党が伝家の宝刀である「3分の2以上の賛成」条項を使い、同法を衆議院で可決、成立させた。この条項を使って法案が成立したという記憶がどうしてもない。何と57年ぶりだそうである。何でも競艇か何かに関係する法案だったらしい。憲法に則っているとはいえ、政治家のやることは普通人の感覚とやっぱりずれている。法律、この場合は憲法であるが、認められているなら、試行するのに躊躇する必要はないとの見解のようだ。法律をその通り履行するだけだと大見得をきるなら、自分たちの都合を優先させることばかり考えずに、普段から徹底的に法律遵守を貫けと言いたい。驚いたことに、この重要な場に民主党党首の小沢一郎氏が採決直前に議場を退出していなかったのもふざけている。その理由が大阪府知事選の応援というのだから、救いようがない。やはり政治家の常識と判断力は少し狂っているし、その小沢氏の政治センスはてんでお話にならない。

 そんな折り、政治家たちの汚いパフォーマンスがまた炙り出された。3日前に政党各支部が国の補助金を受けた団体から政治献金を受けた非常識を非難したが、何と政党ばかりでなく、政治家個人、特に多くの閣僚が団体から怪しげな献金を受けていたことが判明した。呆れた連中である。16人の閣僚が甘い汁を吸っていたらしいが、これははっきり言って収賄ではないだろうか。懲りない彼らに鉄槌を浴びせる一番効果的な方法は、議員数を削減することだ。彼らの気持ちを背水の陣に追い込むことである。そして、徹底的に政治家の行動を監視することだ。それ以外に政治家につける薬はもうない。

 さて、エベレストへ初登頂したヒラリー卿が亡くなった。今朝のNHK「この人にトキメキ!」に今年5月世界最高齢でエベレスト登山を目指す、75歳のプロスキーヤー・三浦雄一郎氏が出演していた。その時点では、まだヒラリー卿の死を知らなかったようで、夕刊をみると、登頂後にヒラリー卿に挨拶することを楽しみにしていたので、落胆したと素直な気持ちを述べている。それにしてもこの人のチャレンジ精神には脱帽である。75歳にして自分の限界に挑む闘争心は、現場を知らない高級官僚や政治家には絶対見られないものである。現場の厳しさと価値を知っている人だけが、悟る現場から得る信念と行動である。

 先日絵画を購入したアルピニスト画家・芳野満彦さんから個展を麻布十番で開催しているとの案内状をいただいたので、六本木ヒルズ周辺を散策がてら妻と出かけた。芳野さんは数年前に脳梗塞で倒れたので、もう本格的な登山は諦めたようだが、相変わらず好々爺然として、気さくな感じの方である。このように達観された方も政治家にはいない。よく私のことを覚えていてくれて、先日購入した「マッターホルン快晴」と中川一政画伯のバラ画をわが居間の壁に並べて掛けた写真を差し上げたところ、喜んでいただいた。芳野さんも中川画伯を尊敬し、好きな画家だとのお話だった。ここでまた、ハガキ大のスケッチ原画を2枚買い求めた。これもそれぞれ気に入ったもので、2人の息子に宛ててメッセージを書いていただいた。こういうものに普段あまり興味を示さない2人の息子に上げようと思っている。

2008年1月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

241.2008年1月10日(木) 出版社のレベルダウンは必至

 昨日のテレビ、今朝の新聞で中堅出版社「草思社」が民事再生法の適用を申請したと伝えた。一昨日の新風舎に次ぐ出版社の倒産である。草思社の場合はかなり知られたヒット作品を世に送ったので、やや意外な感じがした。しかし、良い作品やヒット商品をいくら販売しても、所詮後が続かないとなると、当然のことながら経営的には苦しくなる。その点で経営者が中長期的な経営計画をきちんと立て、会社と社員が一体となって事業展開を図り、読者の信頼を得て永続的に事業を続けていく志と強固な体制を構築していけるかどうかという点で、いまの出版業界には危機感があまり感じられない。

 これまで、報道内容や、発行書籍の大きな表現上の間違いについて、世間に誤解を与えたり、惑わしてきたマス・メディアは数知れない。個人的にもこれまで「ワールド企画」「NHK」「講談社」「選択出版」に対して、事実誤認や表現の誤りを指摘し、確認し訂正する約束を取り付けてきたが、この内「ワールド企画」は間違いを認めた後、まもなくして倒産した。「NHK」は当方の主張する主旨と表現上の間違いを認め、一旦は訂正し正しい表現を採用した。にも関わらず、内部の頑固な「間違い至上主義者」の声に押されたのか、性懲りもなく元の木阿弥となり、現在では各地のNHKアナウンサーは、再び間違った表現、言葉遣いのまま国民に話しかけている。これなんか典型的なNHKの老醜というべきか、視聴者を舐めきり国民の先頭に立って日本語を乱し、日本の国語教育をミスリードしているのである。「講談社」も伝統企業としてのプライドばかり高く、断固自社の間違いを認めなかった。しかし、論理的に正論を突いたらあっけなく間違いを認め、訂正すると約束した。昨夏のことである。しかし、いまだに約束した「訂正公表」は実行されていない。マス・メディアなんて所詮変幻自在の軽業師のようなもので、その場の風当たりをどう避けるかという一点だけを気にして、顧客とか消費者に対して心から悔い改めるなんてことは露ほども考えていない。

 さて、旧蝋月刊誌「選択」を出版する「選択出版」社と、同誌12月号が犯した大失態について話し合った。あろうことか、いま話題の主、ロシアの次期大統領と目されているメドベージェフ氏のブロマイド写真を他人と取り違える大チョンボをやったのである。こういうお粗末を仕出かしておいて、まったく反省も謙虚さもなく、世間に対して頬かむりしようとしている。

 昨暮当方が指摘した通り、メドベージェフ氏の写真は「取り違えたので訂正する」とのお詫びを1月号に公告すると文書による回答があった。しかるに、訂正文は発行された1月号のどこを探しても見当たらないのである。何のことはない。誤字で結んだ回答文書は、意図的な大言壮語の欺瞞だったのである。その回答文書には言い訳とともに、「購読者の方々のご意見は編集部一同真摯に取り組ませていただいております」との白々しいメッセージまで添えられていた。真っ赤な大嘘である。よくもまあこんな嘘っぱちを、誤りを指摘した顧客に言えるものだなあと開いた口が塞がらない。重大ミスをしゃあしゃあと見過ごし、大失態は世間に黙って隠してしまおうというのである。これでは、次期大統領にもなろうとするメドベージェフ氏に対しても失礼ではないか。もはやメドベージェフ氏に関するコメントや、評論は今後同誌上には書けまい。

 マス・メディアには、自分たちが世論を形成しているとの思い上がりやうぬぼれが強い。もううんざりである。こんな気持ちだから、顧客である購読者や、常識人の意見や指摘に対して謙虚で誠実な対応も取れない。加えて、スタッフはインテリが多いと一般的に信じられているが、どうしてどうして、知的レベルも彼らが意気込んで自慢するほどのことはない。文面を見ても手紙の書き方のイロハが分かっていなかったり、誤字が多く、これでは日本のマス・メディアも衰退するのではないかと他人事ながらいささか気になるほどである。

 「新しい情報誌を創るんだという心意気が編集部から失われています」とは、「選択」1月号編集員氏の嘆きであるが、これではまるで他人事ではないか。自分たちの知的レベルが急ピッチで地盤沈下していることに全然気づいていない。これが現実の出版業界の知的レベルと常識である。

2008年1月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

240.2008年1月9日(水) あれっ!韓国の大火災事件はどうなった?

 一昨日夜韓国のソウル近郊利川?で倉庫が火災を起こし、有毒ガスが発生して30人が死亡し、倉庫内に閉じ込められている人が10人、行方不明者が10人という、大惨事が発生した。最終的に死者は50人を超えそうだ。テレビは興奮した現場実況により大々的に、吹き上げる猛火と巻き上がる煙、慌しい消防団員の動きを映し出していた。テレビでこれだけ生々しい大惨事を放映し、かつて50人以上の死者を出した地下鉄駅構内火災に匹敵する大事故と報道していた。行方不明者はどうなっただろうと心配していたが、不思議なことに一夜明けて昨日のマス・メディア、つまり新聞とテレビニュースでは、一切その後の経過、被害は報道されなかった。そして、今日どこのテレビ局からも、このニュースの続報はまったく伝えられていない。

 一方同じころ国内では、北九州市で水道工事中に3人が酸欠により死亡したことを大きく伝えていた。

 今夜11時過ぎになってやっとTBSが、爆発した火災現場で取材していた記者のPCから、煙が噴出し慌てて外へ持ち出したら、電気系統から火を出し爆発した。関連性があるのかどうか、これも不思議な事件である。そしてPC爆発事件の映像も映し出された。

 事故発生当初あれだけ派手に報道し、相当の死者を出した大火災のニュース報道を、マスコミ各社はぷっつんと絶ったのだ。世にも不思議な物語である。火災が実際に起きたことは、あの混乱した現場と仰々しいニュースの伝え方を見れば隠しようがない。それが、世上から消えてしまったかのようなのである。まったく雲をつかむような話である。しかも今日火災現場近くのPC爆発だけが断片的なニュースとして伝わってきた。何かしら背後に意図的なものを感じる。とても尋常ではない。燃え出した火災がなくなってしまったのである。いや、事件が隠されている可能性が高い。死者は闇の中で処理されているのかも知れない。あれだけ世界中のマス・メディアが追っていた大火災が、ある時を境にまったく何事もなかったかのごときフォローなのである。亡くなった人たちはどうなったのだろう。現場では大騒ぎになっているはずである。

 どうも日本のマス・メディアが揃いも揃ってこの奇怪な事件を追及し、報道しようとしない姿勢もおかしい。各社とも取材活動を止めてしまったらしいのは、特別な理由があるに違いない。ことによると韓国公安当局による厳しい報道管制があったのではないのだろうか。それにしても仮に韓国政府から圧力や規制を受けたにしても、事実を正確に伝えなければならないマス・メディアが自ら矛を収め、その権利と義務を放棄してしまうのでは話にならない。ジャーナリズムが報道の自由と、公正に伝える権利を放棄したことになる。日本国内の事件ではないので、よく分からないが、それにしても不可解である。マス・メディアが一斉に取材から手を引いたように見えるのは、まず国家がらみの機密に関する不幸な事件であると考えざるを得ない。韓国政府にとって都合の悪い、機密に触れるようなアイテムだと思う。いずれ何らかの形で実情は暴露されると思うが、それにしても大火災発生と隠蔽事件は、予測出来ない怪しげな展開になってきた。

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239.2008年1月8日(火) 法の目をかいくぐる政治家の錬金術

 長い間お世話になった方がまた亡くなられた。北九州市小倉にお住まいの折田夫實子さまのご遺族から、昨年12月にお亡くなりになったとのご挨拶状をいただいた。旧蝋いつも通りお歳暮をお贈りしたところ、折田さまからもお返しをいただいた。しかし、いつも手紙のやりとりがあったのに、今回はそれがなかった。それからまもなくして亡くなられたことになる。今年確か米寿ではないかと思う。このところややお疲れ気味で文通も途絶え、いただいた手紙の文面も乱れがちだったので、もしかしたらと健康状態を心配していた矢先だった。

 折田さまは日赤病院のご出身で、大東亜戦争下にビルマへ従軍看護婦として派遣され、厳しい戦地の体験をお持ちである。戦時中折田さまが勤務しておられた、ラングーンの元兵站病院(現ヤンゴン大学)、同じくモールメンの兵站病院跡へも戦没者の慰霊でご一緒したことがある。何度も一緒にビルマへ行ったが、もう慰霊巡拝の役目は充分果たしたのでこれ以上は結構というところで、お気持ちを切り替えられ欧米への観光旅行へ行かれるようになった。折田さまの海外旅行にはいつもご一緒させていただいた。多分20回ほどお供したと思う。国立東京第2病院(現国立東京医療センター)看護部長のころにも、顧客の救急関係でしばしば助けていただいて、ご恩は尽きない。存じ上げている方々が段々亡くなって寂しくなるが、いままた一番親しくしていただいた折田さまも他界されて、一段と寂しさがこみ上げてくる。折田さまのご冥福を心よりお祈り致したい。

 さて、国から補助金を受けた企業・団体が、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に巨額の献金をしている。どうしてこういうふざけたことが出来るのだろうか。政治家の腹黒さが見え見えではないか。勘ぐれば、自民党は企業にキックバック織り込み済みで関係省庁へ圧力をかけ補助金を出させ、一部を自らに還流させていることになる。

 政治資金規正法では、国から補助金交付決定通知を受けた法人が一年以内に政治献金することを「原則」禁止している。これは、献金は基本的に認めないということだ。政治家の悪賢いのは、これをどうやってカムフラージュしながら法律の網をかいくぐるかということに注力している。法律に「原則」条項を書き込み、原則外で法律をごまかそうとしている。さらに、「例外」規定を設け、常識的には当たり前のことを「例外」と見做そうとしている。もっと悪質なのは、期限付きのものに期限が過ぎたうえで運用しようとする巧妙な手口である。かくして、資金が枯渇すると与党自民党は、法律を作り、「原則」でごまかし、「例外」で処理し、「期限内」を期限外で運用して、法人経由で国民の税金を吸い取る。これに、政治家べったりの官僚が、規制を甘くして適法と言い、監督官庁の総務省は「例外の解釈が難しい」と逃げる。かくして、税金はどんどこどんどこ政治家へ還流されていく。

 これは何も与党自民党だけに留まらない。野党民主党だって12社から計1,039万円の献金を受けている。民主党は法律違反なら返金するなどとたわけたことを抜かしているが、所詮自民党と同じ穴のムジナであることを露呈したに過ぎない。どいつもこいつも根性が腐りきっている。

 6日付朝日朝刊によれば、抜け道はいくらでもあるようで、現金の献金に制約のあるJAのような団体のごときは、「寄付出来ないのでパーティ券を購入した」と広言している。06年には、補助金を受けた109の団体・企業から合計8億円近い献金があった。専門家は、強制力を持つ法整備やチェック機関の設置が必要とか、補助金を受けた企業は団体に対し、例外を設けず政治献金を禁止すべきだと述べているが、一の矢がダメなら二の矢を放つ、転んでもタダでは起きない政治家がこの程度の抵抗でおとなしくなるとも思えない。そもそも政治家なんて、もともと人間離れしているのだから。

2008年1月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

238.2008年1月7日(月) 新風舎民事再生法申請報道にギョッ!

 今朝の朝日を見てびっくりした。一面に4段抜きで「自費出版大手『新風舎』きょう再生法申請」とある。一瞬本当かな?との疑問が湧いた。しかし、日経夕刊でも、今日東京地裁に民事再生法の適用を申請したとある。確かに、昨夏「夕刊フジ」紙に自費出版した一部の著者が契約違反だとして新風舎を訴えて一部に波紋が広がった。信用を重視する出版業界にあって大きなイメージダウンである。にもかかわらず、その際も同社はきちんと訴訟の原因と経緯、そして経過を書面で連絡してくれた。対応は誠実で割合しっかりしていると思っていた。最大手とはいいながら、好い加減な対応しか出来ない講談社とは大違いである。実際、新風舎自体は、講談社を抑え2年続けて出版業界内で取扱高トップを維持し、評論家・江川詔子氏らはあまり問題視していなかった。強いて原因を探れば、この新興出版社の社長は作家であるだけに、あるいは経営全般を見る目に欠けていたか、目に見えないところで経理面にずさんな点があったのだろうか。負債総額は関連会社分を合せて25億円だそうだ。私自身は担当者とのコンタクトは切らさず、彼らもいろいろ情報を流してくれた。よいコミュニケーションを築いていたのに残念である。気になり午後になって新風舎へ電話したところ、明日債権者宛に説明会の案内状を郵送する手はずになっているとのことであった。ここはぜひ説明を聞いてみたいものである。

 それより何より、いま書き続けている「停年オヤジの海外武者修行」もまもなく脱稿して、近々前著「現代・海外武者修行のすすめ」に続いて、新風舎から上梓しようと思っていただけにショックだ。こればかりは、前著が正編、次回作品が続編となったセット書であり同一出版社でないと宣伝上もメリットが減殺される。幸い、印刷会社2社から支援を得たようでもあり、再生法は受理されるだろう。しかし、倒産企業と受け取られかねない民事再生法を申請したので、世間一般のイメージはあまり良くないと思う。すでに、今年上梓を予定している拙著の推薦文は旅行業界の大物氏にお願いしてご快諾をいただいている。知人の紹介で新風舎へ接触するようになったが、すっきりするためにも、ここは次の手を考えた方がよいのかも知れない。暫時思案のしどころである。

2008年1月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com