242.2008年1月11日(金) 政治家の怪しげな行動と登山家の潔い行動

 新テロ法と称される、補給支援特別措置法が衆議院を通過、成立した。参議院で否決された与党が伝家の宝刀である「3分の2以上の賛成」条項を使い、同法を衆議院で可決、成立させた。この条項を使って法案が成立したという記憶がどうしてもない。何と57年ぶりだそうである。何でも競艇か何かに関係する法案だったらしい。憲法に則っているとはいえ、政治家のやることは普通人の感覚とやっぱりずれている。法律、この場合は憲法であるが、認められているなら、試行するのに躊躇する必要はないとの見解のようだ。法律をその通り履行するだけだと大見得をきるなら、自分たちの都合を優先させることばかり考えずに、普段から徹底的に法律遵守を貫けと言いたい。驚いたことに、この重要な場に民主党党首の小沢一郎氏が採決直前に議場を退出していなかったのもふざけている。その理由が大阪府知事選の応援というのだから、救いようがない。やはり政治家の常識と判断力は少し狂っているし、その小沢氏の政治センスはてんでお話にならない。

 そんな折り、政治家たちの汚いパフォーマンスがまた炙り出された。3日前に政党各支部が国の補助金を受けた団体から政治献金を受けた非常識を非難したが、何と政党ばかりでなく、政治家個人、特に多くの閣僚が団体から怪しげな献金を受けていたことが判明した。呆れた連中である。16人の閣僚が甘い汁を吸っていたらしいが、これははっきり言って収賄ではないだろうか。懲りない彼らに鉄槌を浴びせる一番効果的な方法は、議員数を削減することだ。彼らの気持ちを背水の陣に追い込むことである。そして、徹底的に政治家の行動を監視することだ。それ以外に政治家につける薬はもうない。

 さて、エベレストへ初登頂したヒラリー卿が亡くなった。今朝のNHK「この人にトキメキ!」に今年5月世界最高齢でエベレスト登山を目指す、75歳のプロスキーヤー・三浦雄一郎氏が出演していた。その時点では、まだヒラリー卿の死を知らなかったようで、夕刊をみると、登頂後にヒラリー卿に挨拶することを楽しみにしていたので、落胆したと素直な気持ちを述べている。それにしてもこの人のチャレンジ精神には脱帽である。75歳にして自分の限界に挑む闘争心は、現場を知らない高級官僚や政治家には絶対見られないものである。現場の厳しさと価値を知っている人だけが、悟る現場から得る信念と行動である。

 先日絵画を購入したアルピニスト画家・芳野満彦さんから個展を麻布十番で開催しているとの案内状をいただいたので、六本木ヒルズ周辺を散策がてら妻と出かけた。芳野さんは数年前に脳梗塞で倒れたので、もう本格的な登山は諦めたようだが、相変わらず好々爺然として、気さくな感じの方である。このように達観された方も政治家にはいない。よく私のことを覚えていてくれて、先日購入した「マッターホルン快晴」と中川一政画伯のバラ画をわが居間の壁に並べて掛けた写真を差し上げたところ、喜んでいただいた。芳野さんも中川画伯を尊敬し、好きな画家だとのお話だった。ここでまた、ハガキ大のスケッチ原画を2枚買い求めた。これもそれぞれ気に入ったもので、2人の息子に宛ててメッセージを書いていただいた。こういうものに普段あまり興味を示さない2人の息子に上げようと思っている。

2008年1月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com