277.2008年2月15日(金) 市川昆監督作品・映画「ビルマの竪琴」

 映画監督の市川昆氏が亡くなった。大変話題の多い監督だった。ヘビースモーカーとしても知られていた。監督をされた東京オリンピックの記録映画が、芸術か記録かと論議を呼んだことが懐かしい。凝り性の市川監督は、随分多くの名画を撮ったが、本人が納得しないともう一度同じ映画をリメイクして撮った。私自身どちらかというとあまり映画は観る方ではないが、市川監督が撮った2つの「ビルマの竪琴」だけは、いずれも観た。第1作はモノクロで安井昌二が水島上等兵を演じた。第2作はカラー映画で中井貴一が主演した。なぜ監督はこの映画を2度も撮ったのか。今朝の日経「春秋」によれば、「赤い土の色、僧侶たちの黄色い衣、金色に輝くパゴダをカラーで撮りたい」渇望を忘れられなかったからだそうだ。確かに赤、黄色、金色はビルマを象徴するカラーと言えば言える。しかし、監督が惚れこむほどビルマを表すのにカラーに魅力は感じない。私は、第1作のモノクロ映画の方が、ビルマの落ち着いた雰囲気をよく表していると思っている。

 映画は現地ロケを敢行したが、ビルマにおいては非現実的なシーンをいくつか撮っている。私自身かつてビルマへしばしば行っていた頃に、2つの点でビルマの人たちから教えられたことがあった。ひとつは、第1作で日本兵が土足のまま、ラングーンの象徴、シェ・タ・ゴン・パゴダ内を走り回るシーンで、あの光景はあり得ない。確かにあそこでは靴を脱がなければ、上へは上がれない。2つ目は、お坊さんが楽器を奏でることは絶対ないということだった。修行する僧侶が悦楽のための楽器なんか絶対に弾くことはないと強く言われた。小説の内容は、なかなか日本人の琴線に触れるストーリーで、戦後まもなく出版されたこともあり、戦地に残る日本兵のことを考えると身に詰まらせられて、つい涙もろくなった時代性が背景にあった。原作者の竹山道郎氏は元一高の教授だったが、残念ながらビルマへ行ったことがなかった。それが、細かい点で整合性を欠く結果になってしまった。

 まあしかし、小説も映画も良かった。市川監督のご逝去でついビルマに話が行ってしまったが、国情が落ち着いたら再び行ってみたいと思っている。国民性が素晴らしく、懐かしい国である。

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276.2008年2月14日(木) 悲しいかな、南大門消失

 3日前の夜、韓国ソウル市内の中心にある韓国歴史建造物の象徴的存在だった南大門が放火により焼失した。南大門は韓国国宝第1号で、消火作業の近くで心配そうに見つめる韓国人が焼け落ちた瞬間、泣き崩れるシーンが放映され、身につまされた。その前を何度か通ったことがあり、また韓国人のプライドでもあることを知っていただけに彼らの気持ちが痛いほどよく分かる。

 600年前に建造されたこの木造建築物は、いまも韓国の人々にとっては大切な文化財であり、国民の心のよりどころであっただけに惜しみても余りある。1950年に日本でも同じように、金閣寺が修行僧の放火によって焼失した。いずれも同時代の貴重な建造物だった。ただ、どうも解せないのは、これだけ大切なものがどうしてこんなに警備の手が薄く、簡単にホームレスが入り込み、放火されてしまうのか。なぜ防火用のスプリンクラーも設置されていなかったのか分からない。それに、消防と文化財保護担当者との縄張り争いのような両者の間に齟齬を来たしていたような憶測もあり、消火活動がスムーズに出来なかった点も指摘されている。それにしてもやはり管理が甘かったとしか言いようがない。消防士も悔し涙を流しながら、消火出来なかったことも悔しいが、国宝を失ったことがもっと悔しいと話していた。元ソウル市長で、次期韓国大統領の李明博氏も早速現地を訪れた。再建されるとのことだが、所詮本物ではない。同じところに同じ形をした、同じデザインの建物が建ってもそれは、はっきり言って偽物である。一旦失ったものは大きい。そして、永久に帰ってこない。国宝や重要文化財を管理する人は、こういうことも念頭に本腰を入れて防止策を講じて欲しいと思う。

 さて、昨日検察長官会同において、鳩山邦夫法相がまた呆れた発言をした。昨年鹿児島県警の捜査手法が冤罪だったとの決着がついていた事案を、蒸し返して冤罪と呼ぶべきではないと考えているというような発言をして、当事者、常識人を怒らせ、世間を呆れさせている。これほど失言・放言を繰り返す大臣、しかも法の番人である法務大臣はそう滅多にいない。大臣としてのセンス、資格がないし、本来大臣になってはいけない人だったのだ。つい最近も友人の友人はアルカイダだどととぼけた発言をして世間の顰蹙を買ったばかりである。

 現行の死刑制度についても、刑が確定したら自動的に刑を執行出来ないかと不謹慎な発言もしている。この人は苦労をまったく知らず、世の中のことが全然分かっていない。こういう人がトップにいる法務官僚もたまったものではない。もっと頭にきているのは、国民である。親から「選挙で当選する印籠」を世襲しただけの世襲議員はこれだから困る。いつも騒ぎを起すのは、世襲議員ばかりではないか。こんな放言・失言癖のある人は、また近いうちに放言をやりかねない。安倍首相に任命されたからといって、そのまま引き継いだ福田首相の任命権者としての責任が問われないわけではない。福田首相は一日も早く鳩山法相を罷免すべきである。

2008年2月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

275.2008年2月13日(水) やっと判ったソウル市郊外倉庫大爆発事故

 今日も昼と夜に予定があった。昼は、「JAPAN NOW観光情報協会」の企画会議で、5月開催の同協会総会提案議題について検討するための会議である。総会の準備のための準備のような会議で、昨年亡くなった橋元副理事長の後任推薦、新理事の紹介があった。

 夜は、新宿「隋園」で「知的生産の技術研究会」八木会長と杉沢幹事の決算書類の確認に秋田事務局長とともに立ち会う。高校の先輩である杉沢さんは、以前から親しくご交誼いただいているので、その後の八木会長主催の食事でも4人で気さくに話し合いながら楽しいひとときを過ごすことが出来た。秋田さんも知研女性事務局長として、平素より万般に亘り会長を助けて会の運営に尽力してくれている。献身的なボランティア活動で、会にとっては大変ありがたいことである。

 さて、先日来気になっていた韓国ソウル市郊外利川の倉庫大爆発事故について、元朝日記者のお2人に尋ねてみたところ、ご存じなかった。事故発生の1月7日夜のテレビニュースを見ていなかったなら知らないのは当然であるが、ニュースの内容を話したらお2人とも信じられないというのが第一声だった。実際一旦テレビで報道されたニュースが、ある時を境にぷっつんと遮断され、以後まったく伝えられないなんてことは、通信網が発達している今日、誰が聞いても信じられない話である。「JAPAN NOW観光情報協会」の事務所で、インターネットで検索したところ、「あった!」。記事が見つかった。朝鮮日報紙で報道されていた。すでに、50人が亡くなっていた。被害者への補償がこじれているとも書かれていた。そのWEBサイトの大事故に関して1月9日付本稿「ご意見番の意見」が掲載されていた。丁度おかしいと思った気持ちを書いたブログである。ご意見番も格が上がったものである。事実は事実として、事故は実際に発生していたのである。かつてNHK「私の秘密」で「事実は小説より奇なり」と高橋圭三アナが口を切って始まった番組があったが、まさに「事実は小説より奇なり」である。

 では、どうして韓国では報道されていることが日本国内では報道管制が敷かれてと言ってもよい状態なのだろうか。何か隠された秘密があるような気がしてならない。なぜ日本のマス・メディアは追求しないのだろう。

 一昨日疑問が氷解しないままこの疑問について、朝日新聞「声」欄に投稿した。取り上げてくれるかどうか判らないが、マス・メディアとしては当然追求すべき問題だと思っている。

 話題を変えよう。昨日のアメリカ大統領選挙戦、民主党の候補者争いは、スーパー・チューズディ以降7つの州でオバマ候補がすべてクリントン候補を破り、ついに代議員獲得数でも逆転した。クリントン候補の1185票に対して、オバマ候補の獲得数は1208票となった。ここへ来てオバマ候補が一歩先んじた感がある。しかし、まだ予断を許さない。

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274.2008年2月12日(火) 酒好きの会「酒のペンクラブ」にご参加を

 午後月例の「JAPAN NOW観光情報協会」の観光セミナーで、前スイス政府観光局の鈴木光子氏の講演を伺った。生憎ご持参のパワーポイントが起動せず、いろいろ手を尽くしたが使用出来なかった。他人様の機器を使用する時は、よほど慎重に準備しないとこういうことも起こりうる。

 内容的には観光局内部で働いた人でないと分かないことや、気がつかない点について分かりやすく説明された。スイス人気質についても話されたが、中で感銘を受けたことは、何事においても国の政策はすべて住民投票の結果に基づいて動いているという点だった。

 私も2点質問した。ひとつは、トラックの高速道路料金がべらぼうに高いのは、EU発足時に外国籍の物流トラックがスイスを通り過ぎるだけで、スイス国内には公害を撒き散らしながらスイスに何の経済効果ももたらさないと、国民からも批判の声が上っていた。トラックの高い高速道路料金はそれを阻止するために、設定されたのではないかということである。

 もう一点は、スイス・モビリティ活動で、スイス国内に自動車道路以外にハイキング、サイクリング、マウンテン・バイク、ローラースケート、カヌーのルート作り、総延長16,400kmの計画があるとのことだったので、少し距離が多すぎるのではないかと質問した。結局スイス人にとってはそんなに長い距離ではないし、実現真近であると聞いて、スイス人の考え方と計画性に感心した次第である。

 夜は、「酒のペンクラブ」2月会合が溜池の「酒菜・おかず」で開かれた。最近会員になったばかりなので、初めて出席した先月に続いて参加した。この会には独特の雰囲気と持ち味があるようだ。立派な月刊紙「酒だより」も発行している。すでに創立以来30年になるという。一昔前の風流や典雅を愛する人たちが集まっている風情も感じられる反面、酔っ払って道路上に大の字になって仰向けに寝込んだり、立ちしょんべんしたり、今どき珍しく酒道における豪の者が多い。会の名前の通り文人が多いようで、出版社勤務の人、書店経営者、新聞記者、それに会社勤めの人、リタイアした人、揃ってお酒大好き、話大好き、人間好きな人たちが1ヶ月に一度東京のど真ん中で、会合と称して飲み比べ、味比べをやっているようである。言うならば無礼講である。溜池界隈の一寸気のきいたお店で、安い会費、持ち込み自由というのだから、今どき珍しい。全国の日本酒、焼酎、ウィスキーを偶々用立てることが出来た会員が持ち寄り、他の会員がこれをご馳走になるという趣向だ。前回は、キューバ産の蒸留酒を持参した女性もいた。それでいて飲みたい人はビールもやって会費が高々4,500円だから、時勢柄こういうお店を探す幹事さんも大変だなあと新人会員は率直に思う。中々ユニークな人が多くて話は楽しいし、安い銘酒は飲めるし、飲み場所を知らない、貧乏呑ん兵衛にはこんな有難い会はない。よろしかったらぜひ会員になることをお勧めしたい。

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273.2008年2月11日(月) 新岩国市長に米機動部隊受け入れ容認派

 昨日気になっていたビルマの民主化路線のポーズが、なぜこの時期に発表されたのかとの疑問に対して、早速今朝の朝日紙面に上智大学根本敬教授が「五輪を意識した中国の圧力」と説明している。北京五輪をスムーズに開催したい中国が、ビルマ軍政を支援しているとの国際的な非難の声を和らげる目的で、ビルマ軍事政権を説得し、譲歩を迫ったのではないかとの解説である。なるほどと頷ける。では、中国はもうひとつ批判を浴びている、スーダンのダルフールにおける虐殺事件はどう解決しようとしているのか。これには相変わらずだんまりを決め込んでいる。いま中国は、世界中で問題を起している。困ったことだ。

 昨日山口県岩国市長選挙が行われ、戦前の予想に反して岩国基地に米空母艦載機部隊を受け入れることを容認する新人、福田良彦・前代議士が、現職で反対派の井原勝介・現市長を破って当選した。これまで基地の街、岩国市は度々受け入れ容認か、反対かで揉めて、今回も移転問題の民意を問う、実に3回目の選挙である。選挙結果により、早晩機動部隊は受け入れられるだろう。

 しかし、この選挙の結果から今後の市政の難しさが予想される。全国的に高い関心を呼び、投票率も前回選挙(65.09%)を大幅に上回って76.26%に達したので、結果は民意に近いと思う。しかし、問題は獲得票が容認派(47,081票)、反対派(45,299票)、どちらへ転ぶか分からなかったくらい接近しており、市民の圧倒的な支持を得たわけではない。しかも、出口調査によれば新市長に投票した有権者のうち、移転容認は僅か3割だったようだ。市財政の困窮が補助金なしには、切り抜けられないことを知った市民が、已むに已まれず選択した苦しい決断だったのではないか。市民の意見は二分されたわけであり、今後市政運営は爆弾を抱えながら進めていくことになる。

 問題の根は深い。これまで圧倒的な勝利を治めてきた前市長としては、市民の支持を得られると多少楽観視していたかも知れない。だが、断は下された。「容認」と引き換えに新市長は、政府から止められていた補助金を受け取ることが出来るだろう。しかし、市を真っ二つに割った選挙結果により、市民から全面的な協力を得られるのか。今後新たに起こるであろう騒音問題は大丈夫か。また、どうやって市政を抜本的に建て直していくのか。着任早々重大な決断を迫られる。

 それより、今回のよろめき市政を仕掛けた張本人は、言うことを聞かない前市長に対して露骨に汚い術を使った日本政府である。アメとムチを目の前に見せて反対派を揺さぶる、政府の兵糧攻め手法である。補助金を機動部隊容認のご褒美に見せかけるなど、人の気持ちを秤にかける人非人的やり方である。是は是、非は非として、国家は一地方都市に対して、もう少し血の通った対応が考えられなかったものだろうか。

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272.2008年2月10日(日) 軍政ビルマがまた変なポーズを取っている。

 またまた始まったビルマ軍事政権のアドバルーンである。今年5月に国民投票を実施して憲法を制定し、2010年に複数政党による総選挙を実施すると国営テレビを通じて発表した。

 昨年秋の僧侶を含む一般市民の反政府デモで日本人ジャーナリストが殺害され、世間を大いに騒がせたが、デモを武力鎮圧した軍政は、その後まったく音なしの構えだった。強権政府が民主化運動を次々に弾圧してきたこれまでのやり方から推して、今回の思わせぶりのポーズは額面通りには受け取れない。実際1990年5月に行われた総選挙では、アウン・サン・スー・チー率いる国民民主連盟(NLD)が選挙で勝ったにも関わらず、言いがかりをつけ政権を民主化勢力に渡さず、逆に指導者のスー・チー女史を自宅に軟禁してしまったくらいである。

 海外のメディアも軍政のステートメントを懐疑的に見ている。基本的に民主化は一向に進められていないからである。それはニュース取材の方法でも分かる。ニュース・ソースは朝日、日経ともに現地特派員による取材であるが、いずれもラングーン(ヤンゴン)からではなく、バンコック駐在員からである。依然として軍政は、マス・メディアに入国査証を許可していない。そこにはどうしても政治的時差が生まれる。

 昨年暮れにニューヨーク在住でビルマ出身のマ・テン・チーさんから綿々と綴った手紙を受け取ったが、30年ぶりに帰国してがっかりしたと書いてあった。

 われわれビルマ・ファンにとっては、一刻も早く民主的な総選挙を実施して、民主国家・ビルマとして独り立ちして欲しい。

 一昨日左膝の痛みがひどくなり、かかりつけの整形外科で診てもらい一時的な痛みではないかということから、患部を湿布して温めないようにして2日間風呂にも入らなかった。実に不思議なことに昨日になって少し痛みが和らいできた。階段も片足で一歩一歩ゆっくり上っていたが、それも少しずつ回復し、片足を引きずりながらも左右を交互に上下出来るようになった。それが今日になってさらに具合が良くなり、大分痛みも消えて嬉しいことではあるが、なんだか変な感じである。随分単純だなとも思う。夕方になって痛みがほとんど消えた。しかし、どうもよく分からない。なぜこの一週間ばかり急に痛みが出て、先生に診てもらったとはいえ、患部に特別な処置を施したわけではない。湿布をしただけである。先生のお見立てでは、一時的な痛みというものがあるので、それかも知れないとは仰っていたが不思議だなあという感じである。でも、回復してきたのでほっとした。今夜は3日ぶりに風呂にも入った。年は取りたくないとつくづく思う。やれやれである。

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271.2008年2月9日(土)  前日本遺族会会長・中井澄子さんご逝去

 昨日の朝刊訃報欄を見ていて、また1人印象深く、お世話になった方が亡くなられたことを知った。前日本遺族会会長・中井澄子さんである。享年90歳だった。

 1970年代の半ば、太平洋戦争戦没者遺骨収集事業に関して、日本政府が中部太平洋地区でお世話になっていた、当時の国連信託統治領マリアナ諸島の高等弁務官アダ・ギルバート夫妻を当時の厚生省が日本に招待した時、日本遺族会の婦人部長を務めておられた方で、その後日本遺族会初の女性会長を務められた。なかなか頭脳明晰な方で一際目立って存在感のある女性だった。

 その当時、たびたび厚生省や、日本遺族会へ伺っては多くの幹部の方に懇意にしていただいたが、中部太平洋地区の遺骨収集事業を毎年ご下命いただいていた関係で、ギルバート夫妻の羽田到着から見送りまでの間、ずっとつきっきりで行動を共にすることになった。当時の厚生省援護局丸山課長ともども都内観光から、1泊2日の箱根観光までずっとお供した。帰国前日になって九段会館で晩餐会が開かれ、その折始めて当時の日本遺族会・村上会長、中井婦人部長に紹介され、その席で通訳まがいのお手伝いをしたことを懐かしく思い出す。中井さんからは、その場で「ご苦労さまです」と慰労の言葉をかけていただいた。その後、サイパン出張の折に高等弁務官事務所を訪れ、ギルバート高等弁務官に直接記念写真を手渡しして喜ばれたことも懐かしい想い出である。

 財団法人日本遺族会のネットワークは全国の隅々まで行き渡り、政治的、且つ社会的に強固な組織は九段会館内にある事務局を中心にして、その組織は中央集権制になっており、幹部、並びに職員はほぼ男性中心に構成されている。奈良県の中井さんのような地方出身の女性が、会長職まで務められるのは空前絶後で極めて異例である。それだけ中井さんのお人柄、能力と活躍ぶりは際立っていたのではないかと思う。言うべきことは毅然として主張される、大変芯の強い立派な方だった。お会いしたのはほんの数回であるが、いつも和服をお召しになっておられる素敵な女性だった。今でも印象に残っている女性のお一人である。心よりご冥福をお祈りしたい。        合掌

                                       

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270.2008年2月8日(金) 何と言っても健康が一番

 今日は健康に関する話題を3つ。

 両膝の炎症が回復途上で何とか良くなりつつあり、あと一息のところまできていながら先月の血液検査の結果は、炎症度数が再び悪化して松本先生ともどもがっくりして頭を痛めていた。

 しかし、自覚症状としては大分良くなり、一時は階段の昇降に往生していたのが、今ではほとんど心配がなくなっていた。ところが、2~3日前から左膝だけ痛み出し、昨日から大分きつくなり、今朝になって階段の上り下りにも不自由するようになった。これはまずいと通院中の松本整形外科へ駆け込んだ。X線で診てもらったが、骨には異常がないとのことで、多分一時的な痛みだろうと湿布することになり、しばらく様子を見ることになった。

 それにしても少々情けない。かつては健康優良児だったムッシュ・コンドーはどこへ行った?

 偶々今朝NHK番組でプロスキーヤー・三浦雄一郎さんが75歳にして、今年再び最高齢でエベレストに挑戦する話を再放送していたが、両足に鉛の錘をつけリュックにも錘を入れて毎日30分から2時間、町を歩いて歩行訓練しているという。三浦さんほどではないにしろ、もっと鍛えないと体力、健康面でどんどん後退、老化していくのではないかと心配になってくる。それにしても三浦さんのチャレンジャー精神には脱帽だ。

 夜のNHK「プレミアム10」では、甲状腺癌により手術を受けた韓国人テノール歌手ゼー・チェンチョルさんの歌手としての復活を賭ける苦闘を紹介していたが、歌手にとって致命的な喉の手術を再三に亘って受け、リハビリで再起を期す様子を、力づける日本人音楽プロデューサーの美談を織り交ぜながら、ドイツと日本を舞台にドラマ風に構成していた。何年に1人というくらいのテノール歌手の美声に魅せられた、日本人プロデューサーの涙ぐましいほどのバックアップぶりと、挫けそうになる歌手に対する家族ぐるみの愛情で前向きに進もうとする歌手の努力、そしてその2人の誠実な友情も興味をそそる。

 結局人生で一番大事なことは、何と言っても「健康」であるということを改めて思い知らされる。

2008年2月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

269.2008年2月7日(木) 寺島実郎氏出版記念講演会

 マス・メディアでもてもての寺島実郎・出版記念講演会の案内状をいただいたので、出かけた。会場の日本工業倶楽部ビルも、東京駅丸の内口前に建つ中々由緒のあるものらしく、鹿鳴館風で重厚な感じだ。こういう明治、大正期の建物はどんどん姿を消していく。銀座にある交詢社ビルだって、古めかしかったが中々趣のある雰囲気が気に入っていたが、いまは高層ビルに建て直されて単なるビルに変身してしまった。

 寺島氏は、単独で17冊目、共著も入れると25冊目というのだが、これだけ多忙を極めながら、いつも斬新な知識と資料を背に、新しい切り口でずばりと解説するところが小気味よく、それがマス・メディアに大受けするところだろう。私もいつも論理的に筋が通り、分析力に裏打ちされた寺島理論には感銘を受けているところである。講演に先立ち、3人のゲストがお祝いの挨拶をされた。最初は新著「脳力レッスンⅡ」の発行元・岩波書店山口社長、次いで朝日新聞社・箱島元社長、3人目がアジア開発銀行等で活躍されたアーサー・ミッチェル氏だった。それぞれ個性的な挨拶の中で、寺島氏の類稀な調査力に感心しておられた。山口社長が解説された「脳力とは、物事の本質を考える力」になるほどと思った。前著「脳力レッスン」は、情けないことに購入しておきながらまだ読んでいないが、寺島氏の話を聞くと、充分な資料を集め、分析し、現地を調査して、寺島流理論を生み出していることに頷ける。

 寺島氏の講義で、事前に配られたレジュメと実際の話を併せ考えても、新聞やテレビでは教えてくれない数字がいくらでも出てくる。その中でも「大ロシア主義」とか、中国本土だけではなく、香港、台湾、シンガポールを含めて中国人社会全体を構成する「大中華圏」の捉え方と分析には、目から鱗である。そして、氏が強調したのは、「現場主義・現場感覚」と「国内の知的基盤の劣化」だった。寺島氏は自ら産官学を実践しているという。産は三井物産で、学は早大客員教授として、官は日本総合研究所会長としてやっているが、元気な時にやらなければならないと思っているのは、この知的基盤の強化であり、それは官的な財団のシンクタンクではなく、さりとて野村総合研究所のような民のシンクタンクでもない。それらは限界があるという。氏の狙いは、本来目指すべき制約のない、成果が上がる中立のシンクタンクである。ひもつきではない、ブルッキングス研究所のような組織を立ち上げたいとつい本音を漏らした。

 終わって会場を変え懇親会に移ったが、顔見知りの人もいて、知研関係者では久恒理事長、さがみ信金の石川均氏、エーザイの浅尾悦子氏、それにふるさとTVの角広志氏にもお会いした。多摩大学名誉学長・野田一夫先生には以前にもお会いしているが、寛いだところで冗談半分に、寺島氏の理論と弁舌は素晴らしいがお話する時の態度が少々お行儀が悪いですねと話したところ、なるほどと言って直接本人に話してみたらと仰った。感想を率直に話したまででそんな気はないので、それでおしまいにしたが、野田先生もとても洒脱で愉快な人である。

 帰り際に軍事評論家・アナリストの小川和久氏にお会いして立ち話をした。小川氏は1月にトラベル懇話会で旅行業界のお歴々を相手にお話をしたということだった。私も現役のころ2度ほど講演をした会である。小川氏は旅行が好きで、出張でもすべて自分で旅程を組むと言っておられた。テレビで見る通り、とても感じのよい方だった。

2008年2月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

268.2008年2月6日(水) アメリカ大統領選の行方が気になる。

 国内では1週間前に発覚した中国冷凍食品の餃子中毒事件で、両国捜査当局も現場立ち入り調査やら対応で大童の様子である。

 一方アメリカでは大統領選へ向けて各州の民主・共和両党の予備選やら、党員集会が重なる昨日が、スーパー・チューズデイとして日米のマス・メディアの注目もヒートアップしている。時差の関係で日本時間では今朝辺りから少しずつ情報が入って、出だしは民主党ではオバマ候補が勢いづいていた。夜のニュースでは、22州のうち21州が決定してオバマ氏が13州、ヒラリー・クリントン氏が8州を抑えた。普通に考えるとオバマ氏が優勢と見られるところだが、如何せむ、このアメリカの大統領選出方法は、すっきりとは理解できない。代議員と称する本番で投票権を有する人の獲得数が決め手になる。代議員の獲得数だとヒラリー氏が若干リードしている。いつもならこのスーパー・チューズデイの結果で、ある程度勝敗の帰趨が決まるのだが、民主党の場合はまだ予断を許さない。日米の評論家諸氏がみんなそう言っているから、当分決着はつかないだろう。共和党は、マケイン氏が他の2人の有力候補者を圧倒してこのまま優位を保って8月の党大会までには決定しそうだが、まだ当分目を話せない。

 それにしても今日も株価が大幅に下がった。NY株式市場の下落の影響が大きいようだが、日経平均が700円近くも下がった。今日の終値はまたも13,000円割れ直前である。日経平均で5,000円分の下げは、政治と行政の責任だというのが、日経誌の意見である。にもかかわらず日本政府の首脳は何と暢気なことだろう。質問されてもいつも通りはぐらかし、福田首相に至っては、記者に逆質問して憂さを晴らしているありさまだ。説明もなく、対策もない。無能無策の政治家が、道路特定財源を死守する時だけ元気を出す。世界経済は荒れ模様であるが、皮肉を言えば、日本は静かで本当に平和な国である。

2008年2月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com