午後月例の「JAPAN NOW観光情報協会」の観光セミナーで、前スイス政府観光局の鈴木光子氏の講演を伺った。生憎ご持参のパワーポイントが起動せず、いろいろ手を尽くしたが使用出来なかった。他人様の機器を使用する時は、よほど慎重に準備しないとこういうことも起こりうる。
内容的には観光局内部で働いた人でないと分かないことや、気がつかない点について分かりやすく説明された。スイス人気質についても話されたが、中で感銘を受けたことは、何事においても国の政策はすべて住民投票の結果に基づいて動いているという点だった。
私も2点質問した。ひとつは、トラックの高速道路料金がべらぼうに高いのは、EU発足時に外国籍の物流トラックがスイスを通り過ぎるだけで、スイス国内には公害を撒き散らしながらスイスに何の経済効果ももたらさないと、国民からも批判の声が上っていた。トラックの高い高速道路料金はそれを阻止するために、設定されたのではないかということである。
もう一点は、スイス・モビリティ活動で、スイス国内に自動車道路以外にハイキング、サイクリング、マウンテン・バイク、ローラースケート、カヌーのルート作り、総延長16,400kmの計画があるとのことだったので、少し距離が多すぎるのではないかと質問した。結局スイス人にとってはそんなに長い距離ではないし、実現真近であると聞いて、スイス人の考え方と計画性に感心した次第である。
夜は、「酒のペンクラブ」2月会合が溜池の「酒菜・おかず」で開かれた。最近会員になったばかりなので、初めて出席した先月に続いて参加した。この会には独特の雰囲気と持ち味があるようだ。立派な月刊紙「酒だより」も発行している。すでに創立以来30年になるという。一昔前の風流や典雅を愛する人たちが集まっている風情も感じられる反面、酔っ払って道路上に大の字になって仰向けに寝込んだり、立ちしょんべんしたり、今どき珍しく酒道における豪の者が多い。会の名前の通り文人が多いようで、出版社勤務の人、書店経営者、新聞記者、それに会社勤めの人、リタイアした人、揃ってお酒大好き、話大好き、人間好きな人たちが1ヶ月に一度東京のど真ん中で、会合と称して飲み比べ、味比べをやっているようである。言うならば無礼講である。溜池界隈の一寸気のきいたお店で、安い会費、持ち込み自由というのだから、今どき珍しい。全国の日本酒、焼酎、ウィスキーを偶々用立てることが出来た会員が持ち寄り、他の会員がこれをご馳走になるという趣向だ。前回は、キューバ産の蒸留酒を持参した女性もいた。それでいて飲みたい人はビールもやって会費が高々4,500円だから、時勢柄こういうお店を探す幹事さんも大変だなあと新人会員は率直に思う。中々ユニークな人が多くて話は楽しいし、安い銘酒は飲めるし、飲み場所を知らない、貧乏呑ん兵衛にはこんな有難い会はない。よろしかったらぜひ会員になることをお勧めしたい。