583.2008年12月17日(水) ついにアメリカもゼロ金利へ

 今日の赤羽紀元講師の授業をもって駒沢大の1年間の公開講座は一応幕引きである。1週間に3時限マス・メディア関係の講座に出席して、自分としても慌しかったが講義は中々面白かったし、アカデミックな雰囲気にも触れて良い経験になった。内容的にも興味のある講座を選択したし、講師もその分野の専門家だったので、あらゆる面で勉強になった。家から近く僅か5千円の受講料でこれだけリターンがあれば御の字である。

 それにしても、経済界の不況は止まるところを知らず、最近はメーカーの人員整理、それも期間労働者や、非正規社員に対する突然の首切り宣告は彼らに恐怖感を与えている。最近は国会質問でも雇用の問題が大きく取り上げられている。しかし、政府が対策を取るといっても限られた資金の支援を行う程度で、根本的な救済対策は出さず仕舞いである。肝心なのは産業界自体の逞しい自立であり、大きな雇用先である自動車産業、カメラメーカー、電気メーカー等が雇用を拡大しなければ所詮コップの中の嵐である。

 そこへアメリカの政策金利の利下げが発表された。「ビッグ」救済が議会で喧々諤々の議論の末ににっちもさっちも行かなくなった。その挙句、ついに連邦準備制度理事会(FRB)が利下げへ踏み切った。これまで日本のゼロ金利が長らく続き、低金利が当然のように思っていたが、アメリカは終始大体高利率を維持していた。1年半前には、日本の1%以下の金利に比べてアメリカの政策金利は5%台だった。梃子でも動かなかったアメリカの低金利への流れが、ついに堰を切って走り出した。こうなると心配なのは「円高=ドル安」の傾向に拍車がかかることだ。今日の東京外為市場はすぐ反応した。早くも1$=88円台にまで円高が亢進し、ニューヨーク外為市場では87円にまで高騰した。益々輸出関連企業は苦しくなり、株価は下がり、あっという間に不景気が蔓延する。まったく嫌になる。しかも、先行き明るい展望がまったく開けない。

 日経夕刊のコラム「あすへの話題」に作家・長部日出雄が鋭いことを書いている。「わが国の政治家の大半が、すっかり小粒になって、とても安心して国を任せられない状況になったのは、戦後のある時期からアメリカの属国の地位に甘んじて、自国を独立国として統治する経綸も矜持も必要とせずにやって来られたからである。国家の主権の正当な認識がなく、従ってそれを的確に行使する術に熟練する筈もなかった」とある。私も安保以降の日米関係を見ていてそう思う。イラクとアフガニスタンへの支援や、カンボジアのPKO派遣だって、それらの国家のためではなく、時の日本の政治家がアメリカに良く思われたいだけなのだ。コラムはけだし名言である。

 さて、昨日購入したプリンターだが、早速起動させてプリントすべく故障したデスクトップのPCを除いて、2つのノートパソコンにプリンターをつなげCDでインストールしようとしたが、ひとつはうまくインストールできたが、もう1つにはインストールできなかった。なぜだろう。これでは困るので何とかしないといけない。

2008年12月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

582.2008年12月16日(火) 共同通信本社見学と拙著重版

 昨日の原寿雄講師のセミナーを紹介してくれた片山正彦講師による駒沢大の公開講座も今日が最終回。講師がご出身の共同通信本社ビルを見学させていただけることになった。前もって見学させていただけることが分って楽しみにしていたところである。汐留サイトを訪れるのは、実は初めてであり、周辺環境がまったく分らない。しかし、随分想像したいたものとは変わっていた。かつての国鉄操車場跡の広い敷地に、大企業のテクノビルが集中して建ち並んでいる。外資系ホテル、日本テレビ、住友、資生堂等の近代的ビルが立ち並ぶ中にご自慢の共同通信ビルがある。小学生の頃に朝日新聞社を見学したことがあるが、報道の現場を見るのはそれ以来である。

 一口に言って新聞社の職場環境は大きく変わったと思う。埃、汚れ、煙、雑音らしきものが入り混じっていた仕事場は、1人ひとりが黙々と仕事をする場へ変わって行った。明るく清潔な感じである。少なくとも各家庭へニュースを配信する震源地なので、こういう清潔感のある場から送り出して欲しいものである。その点では、昔のマス・メディアに比較してすっきり気持ちの晴れる仕事の場である。建物内部の構造といい、照明効果といい、斬新である。この建物を地下から地上23階まで共同通信が使用している。建物内部の中央部が吹き抜けとなって階段があり上下フロアの仕切りがないのもよい。

 途中いわゆる社員食堂の個室で片山講師を交え9人で懇親食事会。「汽笛一声新橋を~」にあやかってレストランの名も「KITEKI」というが、中々気の利いたご接待に与ってしまった。セキュリティ上の配慮から社員の食事は「KITEKI」で食べるか、外出先、或いはここの出前に依頼しているという。時間的にも外信部のように24時間スタッフが業務を続けるために、個室の宿泊施設も完備されている。片山講師には施設の案内から、この食事のお世話まで随分甘えてしまった。完全に理解出来たわけではないが、現代のマス・メディアの司令塔の姿として、ある程度のイメージは想像することができた有意義な見学会だった。

 今日早稲田出版・大塚編集長から拙著「停年オヤジの海外武者修行」が在庫不足になったので、増刷することにしたと連絡があった。先月23日に初版発行以来まだ1ヶ月も経過していない段階で、この重版は嬉しい限りである。増刷に当って2,3の注文事項を伝えた。

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581.2008年12月15日(月) パソコンと周辺器材に翻弄される。

 今日はちぐはぐと感じ入った講義が入り混じった1日だった。

 とにかくプリンターが故障してしまったので、修理に出すつもりで自由が丘のヤマダ電機へ行ったが、年末でもあり修理期間が1ヶ月近くかかり、修理代も7,000円から9,000円もかかると言われ、それほど金と時間を使うならと買い換えた方がムダがないと考え、14,100円で新しいプリンターを買ってしまった。帰宅してデスクトップのPCに電源を入れると瞬間的に画像が映ったがすぐ消えてしまい、これも故障してしまったようだ。明日ソニーの案内センターへ電話で聞いてみるが、これも故障だとすると修理に若干かかり、心配なのは記憶装置にあるメモリーが消滅していないかということである。

 午後定期受講でPCを習いに行き、現在のHPを1頁分追加して「著書」欄を設けるつもりで忘れかけた画面の作り方を教えてもらう。HPを使ってもっともっと拙著をPRしていきたい。

 その後3回目となる「岩波市民セミナー」受講のため神保町の岩波アネックスビルへ向かう。この講座は、講師の原寿雄氏が素晴らしい。今日も2時間半に亘って83歳の原講師が自分の職業上の経験と考え方を熱心に話された。60年のジャーナリスト人生だが、順風満帆でもなかったようだ。しかし、ジャーナリストとして1本筋が通っておられるし、精神的に随分タフな方でもある。失敗談も語られた。靖国神社A級戦犯合祀問題で朝日新聞に出し抜かれたことが忘れられないと仰った。

 今日の講義の中で、特に印象に残っていることは、ジャーナリズムの内部的自由という点で日本はヨーロッパに比べて本当の自由は遅れているということと、毎日新聞は経営不振に陥ったが、自由な報道という点では、一番しっかりしていると述べられたことである。更にジャーナリズムは常に政治より上位にいなければいけないと仰ったことである。調査報道ということについても持論を述べられた。受講者は20名程度であるが、ほとんどがジャーナリストのようであり、原講師の話に熱心に耳を傾けていた。ジャーナリズムの真髄に触れるような講義だった。

 来週は最終回であり、質問を事前に提出して欲しいとの事務局の話だったので、イの一番に今年1月死者40名を出した韓国利川市内の冷凍倉庫爆発事件に対する日本側マス・メディアの対応と不審な隠蔽的取材について疑問を提出しておいた。原講師は何と答えられるだろうか。

 その席上駒沢大の同じ受講生仲間の方から、拙著を見せられ近くの書店で購入したと言っていたが、有難いことである。

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580.2008年12月14日(日) ソ連軍の占領と樺太の悲劇

 朝日新聞の毎月1回の特集「写真が語る戦争」シリーズで、昨日「樺太の戦争」を取り上げていた。1992年10月に旧厚生省の依頼を受けてシベリアとサハリンを訪れたが、その時滞在した州都ユジノサハリンスク(旧豊原)と、コルサコフ(旧大泊)、ホルムスク(旧真岡)の写真が懐かしさを呼び起こした。特に、大正14年に撮られた真岡市街の写真は実際に私が登った丘の上から撮影されたもので、途中の坂道や民家の集落を思い出す。ここから間宮海峡を越えて遥かにロシア大陸を眺めることができる。

 記事によれば、終戦の直前昭和20年8月8日に日本に対して参戦した当時のソ連は、日本がポツダム宣言受諾を内外に表明した15日以降に樺太へ上陸し、島内を悲惨な戦場と化した。特に真岡郵便局の9人の女性電話交換手が「ソ連軍が攻めて来ました。日本の皆さん、さようなら」と言い残して自決した悲劇は、後々まで言い伝えられ、その声を受信した稚内でも戦後大きな話題となり、今その記念碑が宗谷岬に建立されている。

 大泊では、市場で露天商を開いていたおばあさんに声をかけられ、「私は終戦直前に広島から家族とともにここへやって来た。終戦後日本人はみんな故国へ帰って行ったが、私たち朝鮮人は取り残された。日本人名は福原です。今まで働きづめで年をとり夫も仕事を辞めたが年金も充分ではない。だから、生活のためにこうして行商をしている」と日本語で語ってくれた疲れた表情を思い出す。ちょうどペレストロイカで旧社会主義の崩壊が始まり、それまでの社会保障制度が危うくなっていたころのことだ。記事を読むと同じように運命を翻弄されたか弱い朝鮮系日本人老人の話が紹介されている。

 それにしても終戦前後のソ連政府の強引で非情な占領政策、引き続くソ連軍の犯した日本人住民に対する残虐行為は卑劣極まるもので、その非人道的にして反社会的な行為は、いかに戦争とは言え、とても許しがたい。戦後の日本人殺害事件にソ連軍が国際法を無視してまでも加担していたことは国際的にも証明されている。ロシアだけを責めるつもりはないが、日露戦争から終戦後に至るソ連軍の犯した虐殺行為は到底許容できるものではない。今日でも北方四島返還が膠着状態なのは、ロシア人の覇権主義がもたらす拡大主義と、残虐なスラブ人気質がその大きな要因である。未だにロシアの勝利者意識と占領者意識は消えていない。はっきり言ってロシアと日本の信頼関係を構築するのは、至難の業である。せめてもの救いはロシアと陸路で国境が接していなくて良かったと思うことぐらいである。

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579.2008年12月13日(土) 経済はどん底か。

 景気の悪化は数字上に確実に表われている。朝日朝刊のトップ記事が「トヨタ、下期は赤字」である。円高は益々亢進して昨日ついに1$=88円にまで上がってしまった。日経平均株価は対前日で484円も下がった。実に13年ぶりのドル安円高である。こうなると輸出関連の企業は益々苦しくなる。海の向こうのアメリカ自動車産業大手3社の救済が米議会の反対で白紙に戻ってしまった。ビッグ3だけで実に54万人もの従業員を抱えている。景気減退に雇用不安が拍車をかける。この先景気と雇用はどうなるのだろう。

 わが国の経済も一向に先行きが見通せない。政府が政策を発表しても実現性に不信感があり、実体経済面の効果が疑問視されている。昨晩発表した麻生首相の景気対策も新聞報道等を見ると、あまり効果に期待感がないようである。与党税制改正大綱の中で11年度から消費税率引き上げを改めて表明しているが、この11年度内ということは、3年後ということで待ったなしである。あの決断がくるくる変わる麻生首相に断固として決断し、実行することができるだろうか。与党内では期限を決めることには異論があるようで、強情っぱりの首相は3年に拘っているが、さてどうなるか。

 今日で3日連続の忘年会にいささかバテ気味である。今日の飯田ゼミでは12名の有志が集まった。下北沢の生牡蠣レストランで、満員状況だった。世間では不景気風が吹いているが、繁華街のドンちゃん騒ぎはまったく別世界のような感じである。結局こういうレストランでは、生活苦に怯える人は寄ってこないのだろう。

 やや疲労が溜ったのだろうか、今朝トイレで用便中に突然鼻血がこぼれた。少し経ってから止血したが、夜再び用便中に出血した。最近血圧が上がり気味で森内科医の指示に従い、毎朝血圧を測り血圧降下剤を服用しているが、あまり効果がない。それには整形外科でいただいている薬の影響がある。この状態を続けるとなると、あまり疲労を重ねないよう気をつけなければいけない。

 新宿の小田急百貨店内の三省堂書店では先日山田相談役を通して御願いしていた拙著の販売が、文芸社の「新・現代海外武者修行のすすめ」と最近刊の早稲田出版「停年オヤジの海外武者修行」2冊がそれぞれ平積みとなって販売されていた。有難いことである。早く第2刷が出るよう祈りたい。

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578.2008年12月12日(金) 政府の景気対策は大丈夫か?

 景気対策という美名の下に政府は23兆円の資金供給を行うと発表した。生活防衛のための財政対策として10兆円、金融対策として13兆円である。このほかに韓国のウォン低下に対する支援もあり、相当な出費が予定されている。国民生活防衛と名がつけば、何でも許されると思っている麻生政権は、国家の金庫が空っぽになるのも意に介さず、大盤振る舞いを続けている。勘ぐれば、自分の余命も早や尽きたと悟って、この際とばかり自分の手柄を立て、国民が喜びそうなことばかり考え出した。

 このブログでも何度か指摘したが、1兆円という金は大金である。全国民が一人当たり1万円を拠出して初めて1兆円になる。23兆円というのはとても右から左へ移し変えられる金額ではない。しかし、1万円を稼ぎ出すことが大変な労苦であるということが実感として分らない政治家たちは、簡単に打ち出の小槌で現金を作り出せると思っている。平行して財政支出を抑えることも考えなければいけないのにこちらの方には手を打たない。その一つの方法として政治家の数や手当てを減らすこともそうだし、官僚の恵まれた待遇を下げることも選択肢として考える必要がある。

 先日公務員ボーナスの支給があったが、公務員ボーナスは必要ないとの持論を提唱する私からすれば、甘いと言わざるを得ない。一般の企業人がボーナスを受けられるのに反して、公務員だけにボーナスを支給しないのは気の毒、可哀相との情緒的な同情論があるが、それこそとんでもない考え違いである。公務員は国民の負託に応えて一年間堅実に責務を全うして、その報酬として毎月きちんと給料、手当てをもらっているではないか。それが不満なら公務員にならなければよい。盆暮れのボーナスは民間企業が予定外の営業利益を生んだ時に、企業が従業員にご褒美として臨時的に支払うものである。だから利益を生まなければ当然ボーナスは支給されない。公務員の働き方とは根本的に異なる。公務員は役人になる前から、その当然の約束ごとについては承知している筈である。つべこべ言わずに真面目に正確な仕事をして、国民の負託に応えて欲しい。社会保険庁職員の仕事ぶりや居酒屋タクシーを開業した財務省職員を見る限りでは、国民の期待を大きく裏切るばかりではないく国民を騙して自分たちだけが甘い汁を吸おうとしているとしか思えない。この際、役人数も大幅に削減して足りない職員を長期派遣職員で賄った方が財政面でも、モラル面でもずっと効率的であると思うがどうだろうか。

 脱線したが、国家の財政を考える際に短絡的にイージーな財政出動を考えがちであるが、政府の一方的な考えだけでやるのではなく、国会審議を尽くして、必ず財源の補填についてもしっかり裏づけを証明して欲しいものである。

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577.2008年12月11日(木) 今も通用するか。「海兵五省」

 慶応アルペンクラブの同期忘年会に9人の仲間が集まった。場所は最初から決めているわけではなく、新橋・第一ホテルに集合して誰が決めるともなく、銀座7丁目の蕎麦屋「よし田」へ行った。昔の山仲間が寄り集まってきたわけだが、話題は年金、健康、特に健康保険の支払額に関することである。地方にいる仲間は仕様がないが、連絡が取れなくなったのは大阪の宮田忠義くんだけだった。どこへ行ったのか、プッツンとなってしまった。学生時代には何度も一緒に山へ登ったのにこういう状況になったのも身の上に何かがあったのだろうか。結婚式にも招かれ大阪まで行ったほど親しく、よく知る山仲間だけに寂しい気もする。みんな同じ気持ちである。それでも久しぶりに旧交を温めるのはいいものだ。半年に一度集まろうとの声もあったが、どうだろうか。今日は偶々これだけ集まったが、半年に一度になるとこれだけ集まるとは思えない。楽しい会ではあるが、一年に一度がいいところだろう。

 今月4日の日経夕刊紙に「日本の近代遺産50選」の建物として、広島県江田島市の旧海軍兵学校が紹介されていた。その記事の片枠に「海兵五省」の説明があった。表現は古い感じがするが、中身からは今日も通用する精神が脈々と伝わってくる。

 「Ⅰ.至誠に悖(もと)るなかりしか。Ⅱ.言行に恥ずるなかりしか。Ⅲ.気力に欠くるなかりしか。Ⅳ.努力に憾(うら)みなかりしか。Ⅴ.不精に亘るなかりしか。」

 かつて戦地への慰霊団の折に何度となく聞いたことがある。軍国主義の牙城であった海兵であるが、その精神は必ずしも固い軍国調ではない。むしろ自らが毎日の生活の中で自分自身の行動を反省し、律したわけで、内容的には一本筋が通っていると思う。誤解を招くのは「至誠」が天皇制とか、忠君愛国へのまごころと取られかねないことぐらいであろう。普遍的な倫理観でユニバーサルなモットーであると思う。実際戦後江田島を訪れた米海軍幹部が感銘を受けたそうで、アメリカ・アナポリスの海軍兵学校ではこの英語版を掲げている。精神は通じているからだと思う。今日日本のあらゆる分野で活躍する人々も、その言わんとしていることに気づき取り上げて欲しいと思う「海兵五省」である。

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576.2008年12月10日(水) 労働者に厳しい不況の嵐

 自動車産業の景気が悪いとは聞いていた。昨日の酒のペンクラブ席上でも名古屋から参加した会員の話では、愛知県豊田市内はトヨタ自動車の不景気による影響を受けて市全体が沈んでいる。法人事業税の減収が市当局を慌てさせてもいる。トヨタ社員が市内で飲み食い、買い物をしないとも言っていた。その自動車産業に歩調を合わせるかの如く、ソニーが大幅の人員削減に踏み切ると公表した。世界中の事業所の正社員を含む16,000人を来年春までに解雇するという。

 一足早くトヨタが3,000人の削減を発表していた。日産が1,500人、マツダは1,300人、三菱1,100人、いすゞ1,400人という具合に自動車メーカーは軒並み人員削減に踏み切った。彼らはほとんどが期間従業員か、派遣従業員だが、ソニーは半数の8,000人が正社員だという。この傾向は止むことがないようだ。

 どうしたら良いのか。本当に金融不安から始まった全般的な不景気風の影響を受けたのだろうか。ソニーは大幅なコスト削減を行った結果、今年3月期の売上高と純利益は過去最高と胸を張って見せた。それが全体の8割に当る海外取引の重さが円高による直撃、株安で金融事業の利益減少、そして消費低迷で三重苦だという。恰も自分らに責任がないような言い方である。それにしてもソニーはここ10年の間に3度も大きな人員削減をやっている。これだけ激しいアップダウンを繰り返すのは、他人事のようなことを言っているが、実は会社の経営のあり方にも問題があるのではないだろうか。アメリカのビッグ3にせよ、日本の自動車メーカーやリーディング・カンパニーのソニーにせよ、世の中を少々甘く見ていたのではないだろうか。

 さて、今日駒沢大学で赤羽講師が通信社というものについて講義された。日本の同盟通信から分かれた共同通信と時事通信、世界の5大通信社、AP、UPI、ロイター、タス、AFPの成り立ち等について解説された。共同通信が株式会社ではなく、社団法人であることも初めて知った。5月から始まった駒沢大学公開講座も来週が最終講義である。通信社である共同通信社屋の見学が楽しみだ。

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575.2008年12月9日(火) 今年最後の酒のペンクラブ例会

 駒沢大学の講義を2つ聞いてから酒のペンクラブ12月例会へ出かける。駒沢大一時限目では菱山講師が先日贈呈した拙著のPRをやってくれたうえ、今日のテーマ「出版ジャーナリズム論」に関連づけて突然私に出版の苦労話をするよう指名されたので、僭越ではあったが、60年安保の時代から最近の上梓に至るまでの間文章を書くことについて考えていることを簡単に話した。2時限目の片山講師には岩波市民セミナーの原講師の講義内容について報告がてらお話した。良い話だったと感想を述べたら、納得されておられたようだった。

 17時50分に授業が終了してから、18時に始まる酒ペンへは時間的にタイトで毎度遅刻するが、今日は18時40分会場の麹町にある「ふくおか会館」に着いた。近況報告の際、山崎洋さんがセルビア語に翻訳され、出版された「古事記」を回覧して何語で書かれているか、クイズ形式で尋ねてみたら誰も分らなかった。無理もないと思う。やはりセルビア語は日本では馴染みのない特殊な言葉である。

 いつも安くて食べて飲んで楽しい会合だが、今日は長老の山中さんから懸案の佐賀旅行について触れられ、その後西岡・佐賀県東京事務所長から1泊2日のスケジュール「佐賀の酒と肴を巡る旅」案が示された。費用は48,000円程度とのことであったが、高いとか安いとか、2月中旬がよいとか下旬が好都合とか、ピーチクパーチクでまとまらず、もっと安くして2月中旬で見学酒蔵も減らし、序に2月例会も下旬にするという線が出された。これから西岡所長が悪戦苦闘することになる。

 散会して雨の中を小中陽太郎さんと歩いていると、小中さんの携帯に日経の西山さんから麹町にある佐賀の飲み屋「まつら」で待っているとのお誘いに、小中さんともども合流することになり、再び飲み始める。その席で小中さんが酒ペンの会報フロントの巻頭言執筆者のひとりとして私にも書くように中心人物である、山中保学さん、麻木正美さん、西山貢さんに持ちかけている。小中さんを含め、それぞれジャーナリズム界の大物がペンを取っていた重要なスペースで、書こうと思えば書けないことはないが、ちょっと荷が重い気がする。

 いずれにしても酒ペンは案外気楽な会合で皆さん好い人ばかりで中々楽しい雰囲気である。

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574.2008年12月8日(月) 共同通信・原寿雄氏と菅生事件

 28年前の今日ビートルズのジョン・レノンが殺された。文部省海外教員派遣団にお供してちょうどマルセイユにいた時、そのニュースを聞いた。もう30年近くも経ってしまったのかと思うと感慨無量である。大東亜戦争開戦記念日も今日である。この戦争にまつわる戦没者のための、遺骨収集事業や戦跡慰霊団のおかげで今の旅行ジャーナリストの立場もある程度固まったと考えるとこれも自分にとっては感慨を憶えるところである。 

 新聞各紙が世論調査で麻生政権の支持率というのを出している。朝日の内閣支持率は僅か22%で、麻生政権発足以来2ヶ月で急降下した。首相にはあの小沢一郎氏の方が適しているとの声が上回ったそうだから、その不人気ぶりが別の意味で興味を呼んでいる。スポーツ紙や夕刊紙などでも一面トップに、この「麻生人気急降下」という話題を取り上げている。わが国の最高責任者がこの不人気で、国民から信頼されていないのは嘆かわしいが、本人がノー天気だからどうしようもないか。

 今日はPCの講習を受けてから、先週に続いて岩波アネックスビルで岩波市民セミナーを受講した。前回の講義が質的に高く素晴らしい内容だったので、今日も楽しみに駆けつけた。

 途中渋谷の紀伊国屋書店を覗いてみたら、嬉しいことに拙著「停年オヤジの海外武者修行」が平積みされていた。

 セミナーの主題は「記者として学んだもの」だったが、主に戦後の官憲によるでっち上げ事件として長らく話題になっていた「菅生事件」を取り上げられた。原講師はこの奇怪な事件に深く関わっていた関係から、説明を聞いて事件の実態をかなり理解できた。事件としては、警察がスパイを使って菅生村交番に爆弾を仕掛けて当時広く活動していた共産党つぶしを企んだものと伝えられ、私自身もその程度の知識しか持ち合わせていなかった。その背景には、破防法(破壊活動防止法)を成立させたいという政治の思惑が絡んでいた。主犯と見られていた「戸高公徳」が偽名「市木春秋」を名乗った警察官だったということは初耳だった。

 事件発生は昭和27年だったが、主犯格の市木は姿を隠し、他に5人が逮捕され、昭和30年大分地裁で4人が懲役刑を、一人が執行猶予刑を受けた。32年になって謎の人物「市木」の素性が明らかになり本名・戸高公徳の追っかけが始まった。新宿の春風荘に潜伏中に、講師・原寿雄氏がバーへ連れ出して警察隊に囲まれた。事件は33年に戸高が有罪となり、最高裁へ上告したが、35年上告棄却により落着となった。

 こういう武勇伝を持った方だとは存じ上げなかったが、やはり話の内容も筋が通っており、説得力も充分で、素晴らしい講義だった。

 第1回で今仮に満州事変が起きたら、朝日は関東軍の謀略を暴露することができたか、と疑問を投げかけられたが、今日出席された朝日記者はできなかっただろうと言っておられたし、後になって朝日は転向するかとの問いに対してもありうると説明された。

 現場に足場を置かない現代のジャーナリストには真の情報がキャッチできないだろうし、どんどん現場に出て臨場感に触れるようでなくては報道ジャーナリストとは言えないと、僭越であるが自分自身のベトナム、中東、カイバル峠の体験談を交えて、原講師の見解を尋ねたところ、当然その点については分っておられた。ただ、メディアの苦しい立場も説明された。一般論としては私の質問は理解できるが、現実的な話としては会社、個人の異なる事情もあり現段階ではあまり突っ込まないで欲しいというのが、本音ではないだろうか。ニューヨーク同時テロの一ヶ月後、10月11日の朝日特集では2面もの大きなスペースを取って、テロへの取材活動に対する言い訳ばかりが書かれていたが、その点の朝日への追求に対して朝日記者からは何の応答もなかった。

 いずれにせよ、これほど充実したセミナーも珍しいと思う。あと2回を楽しみにしたい。

2008年12月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com