6107.2024年2月1日(木) 増える「読書時間ゼロ」の若者たち

 元旦に能登半島地震が発生して今日でちょうど1か月となった。地震に津波、火災に遭い石川県全県が大きな被害を被った。地元民は少しずつ震災の後片付けをしているが、災害の復興にどれほど時間がかかるか絶望的な気持ちの人たちも多い。今日も相変わらず余震が続き、気象庁では今後2~3週間は最大震度5弱以上の地震の恐れもあると警報を鳴らしている。

 そして、海外でも今日ミャンマーで軍部がクーデターを起こして民主派政権を倒してちょうど3年となった。昨年秋以降国内各地へ国軍と少数民族武装勢力の衝突が拡散し、治安が悪化している。政情不安により経済は低迷し、人権状況も悪化している。昨日で非常事態宣言は期限を迎えたが、国軍は更に半年間延長する。従って宣言解除から6か月以内に総選挙を実施することが憲法で決められているが、その期待も空しいものになる。半世紀以上も前に現地で知り合い健康だったミヤンマーの友人たちは今どうしているだろう。

 3年前ミヤンマーの軍事クーデターに対して国際社会より軍指導部は厳しく非難されたが、間もなくロシア軍のウクライナ侵攻が始まり、国際社会の目はウクライナへ向き、そして世界の目は今パレスチナへ向けられている。

 国際社会の大きな衝突の流れに対して、日本国内では自民党の裏金問題が党内に幅広く広がり、連日国会を含めて政界は非生産的な存在となっている。日本の政治のシステムと議員の質とレベルが大分劣化している。困ったものである。

 そんな時にかねがね気になっていた若者の読書ばなれについて「選択」2月号の「増え続ける『読書時間ゼロ』の若者」なる記事が興味を惹いた。近年若者が本を読まない傾向にあるということは承知していたが、東大社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所が共同で実施した調査によると、「1日の読書時間がゼロ」の小中高生が49%もいる。少年らのほぼ半数が、1日中1頁たりとも本を読まないなんてとても考えられない。受験勉強に時間を取られる高校3年生になると69.8%になるというから、高3生10人の内7人が本を読まないという。総務省の調査では、インターネットには195分、テレビは46分も噛り付いているそうだから、1日4時間もインターネットとテレビに夢中になりながらも本は読まないのである。この読書敬遠傾向により若者が論理的思考力を身に着ける機会を失い、ビジネスの現場でも文章による指示や状況説明の理解力が低い若年層が増えていると考えられている。

 私自身の経験上からももし少年時代から本を読まなかったら、その後世界へ出かけてもあまり事象を深く突っ込んで見るようなこともなく、おざなりに表面的な情景しか見ようとしなかったのではないかと思う。例えば、「モンテ・クリスト伯」を読んだ後に、マルセイユの街を歩くと街の姿や、作家デュマが描こうとした時代背景がよく分かるし、トルストイの「復活」を読んでからシベリア鉄道に乗って車窓から外を見ているとカチューシャを追っていくネフリュードフ公爵の姿がイメージとして浮かんでくる。若いころに出来るだけ本を読みこんだか否かにょって、かなり知性に差が出ると思う。やはり読書から遠のくのは、社会現象もあるが、家庭の教育が大きいという。実際本をまったく読まないようでは、人生が面白くないし、極端に言って生きていてもしようがないと思う。

2024年2月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6106.2024年1月31日(水) 身から出た錆、ワリエナ選手と麻生副総裁

 昨日のブログに名張毒ぶどう酒殺人事件と静岡市の一家4人殺害の袴田事件について、すでにいずれも半世紀を経過しているが、今以て最終的な決着は付いておらず、裁判が長過ぎるので、何とかもう少し早く決着出来ないものかと書いた。

 ところで、それらの残酷な殺人事件とは別に、スポーツの世界でも選手の活躍可能期間を考えれば、かなり長期間だったが、漸く決着が付いたケースがあった。

 それは2年前の北京冬季オリンピックで順位と表彰式が、未だ実施されていない女子フィギュア・スケートである。ロシアが女子フィギュア・スケート団体で、1位になったワリエナ選手のドーピング問題が大会中に発覚して処分はそのままになっていた。そこへ一昨日になって漸くスポーツ裁判所が、ワリエナ選手の失格と判断し、ロシア(ROC、ロシアではなくロシアオリンピック委員会)を1位から3位へ、2位のアメリカを1位、3位の日本を2位へ繰り上げることを決めた。すでに発覚してから2年が経過したが、その表彰式はいつ、どこで行われるのか現時点では不明である。ドーピングが発覚したワリエナ選手は、その日ショックのあまり、シングル女子で前日ショート・プログラムまで1位だったが、その後行われたフリーでは再三転倒してメダル圏外の4位に落ちてしまった。

 スポーツ仲裁裁判所は、同時にワリエナ選手に4年間の資格停止他の処分を科すと発表した。問題が発覚してからすでに2年が経過した。当時15歳だった少女は、今17歳になったが、まだ2年間の資格停止期間が残っている。普通の市民ならともかくスポーツ選手にとっては、目の前に他の選手と競い会える場を奪い取られてしまったのだ。何を目標に鍛錬するのか、目標を奪われた選手にとっては茫然としてしまうのではないだろうか。況してやフィギュア・スケートは20歳代前半で選手生命は終わってしまうケースが多い。ワリエナ選手は果たして残り2年間を耐え抜いて行けるだろうか。ドーピングとは彼女も随分安直な近道を通ったものであるが、傍で指導しているコーチらがその辺りは気が付かなかったのだろうか。

 さて、一昨日やはりこのブログで触れた麻生太郎自民党副総裁の軽はずみな上川外相を揶揄する発言が、メディアで大きく取り上げられた。それは、裏金問題により自民党内の派閥がほとんど解散となりつつある中で、断固派閥を政策集団として維持していくと語った派閥会長の発言だけに、余計注目を浴びた。各テレビ局のコメンテーターが批判的な発言が多い中で、当の上川外相は「どのような声も有難く受け止めています」と表面的には気にしない大人の対応を見せた。しかし、外相の発言に対して、どうして真向から抗議しないのか、とかそういう対応が相手をつけ上がらせるのだと、いろいろ厳しい指摘もある。

 麻生副総裁はこれまでにも傍若無人で相手の人間性を傷つけるような言動が多かった。その都度批判は受けるが、いつもそれは一過性のものとなった。テレビ朝日のコメンテーター玉川徹氏は、会社内ではこういうことを言われても上司に仕返しすることは難しいが、政治家の場合は選挙で落選させることが出来る。選挙民がどう対応するかだというようなことを述べていたが、確かにその通りである。ただ、大都市圏ではともかく、地方では伝統的に選挙の現場では昔から土地の顔役が当選すれば、よほどのことがない限り再選される構図になっている。国民が成長しないとまだまだ第2の麻生、第3の麻生がしゃしゃり出て来る可能性は充分あり得る。

 厳しいようだが、15歳でドーピングを犯したワリエナ選手、そして軽薄な麻生副総裁には、身から出た錆だと言ってやりたい。

2024年1月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6105.2024年1月30日(火) 犯罪の陰で犯人を支える肉親の愛情

 昨日は丸の内の三菱重工ビルを始め連続企業爆破事件を起こした犯人「桐島聡」が半世紀も逃げ通した末に、警視庁公安部が「桐島聡」本人であることを確認出来ない間に、哀れにも末期がんにより鎌倉市内の病院で亡くなったとのニュースがメディアを騒がせた。

 そして今日は、それより10年ほど前の1961年に三重県名張市で毒ぶどう酒を飲ませて妻を含む5人の女性を殺害し、当時世間に大きなショックを与えた事件の死刑囚犯人の10度目の再審請求に対して最高裁判所が、再審を認めない決定をした。

 多くの人が殺害された事件でもあり、事件発生当時は生々しく気持ちとしては避けていた。事件から63年間よくぞ根気よく犯人の妹が再審を訴えてきたものだと兄を思う気持ちに同情を覚える。すでに犯人は獄中で亡くなり、それでも再審を請求して兄の罪を晴らしたいとの妹の兄を思う気持ちには感銘すら覚える。その妹もすでに94歳というから、そういつまでも再審に関わってはいられないだろう。

 この名張毒ぶどう酒事件も生々しかったが、その5年後に静岡市内で起きた一家4人殺害、いわゆる袴田事件の犯人として逮捕され、今も容疑を否定して裁判が継続中の元プロボクサーの袴田巌氏をつい思い出す。袴田氏の場合も実姉が終始付き添って私生活は一切面倒をみている。その姉も90歳である。87歳の袴田氏は体調を崩して心神耗弱状態にあり、車いすの生活を送っている。2014年に静岡地裁で再審開始が決定して、46年ぶりに自宅へ帰ることが出来た。だが、高齢にも拘らず、未だ最終的な処遇は決定していない。

 毒ぶどう酒事件にせよ、袴田事件にせよ、裏社会の話のようであまり爽快な気分で受け止めるようなことではないが、それにしても結論が出るまでにこれほどの時間がかかるとは驚くばかりである。例え、無罪となっても過ぎ去りし過去を取り戻すことは出来ない。失ったものがいかに大きいものか。裁判の結果はともかく日本の司法制度は、何とかもう少し迅速にことを進めることは出来ないものだろうか。

 さて、少子高齢化の時代を反映して、日本の人口が年々減少しているが、今月初め厚生労働省の「国立社会保障・人口問題研究所」が国勢調査の結果を基に、人口動態を公表した。それによると2008年の1億2千万人を頂点に以降毎年人口減少が進み、このまま行けば、2100年には日本人の人口は約8千万人になると予測されている。世界全体では増加傾向にあるが、先進国では日本同様にほとんどの国で人口が減少しつつある。

 全般的に人口減少の中で、東京都を主に首都圏の人口は都市化の進捗により、毎年転入が転出を上回る転入超過現象で人口は増えている。転入超過になった自治体は、東京都を始め、神奈川県、埼玉県、大阪府、千葉県、福岡県、滋賀県である。他の40府道県は軒並み減少している。その傾向は何となく想像出来る。このまま行けば、日本は高齢天国になり、財政的にも苦しくなってくる。裏金作りなどにうつつを抜かしていないで、身の回りの将来像を政治家たちには考えてもらわなければ困る。

2024年1月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6104.2024年1月29日(月) 人の生き方はいろいろあるが・・・。

 裏金問題が表面化して以来、自民党内の派閥の解消が話題となり、実際自民党内でも大きな派閥がいくつか解散を決めた。その中で麻生派と茂木派が派閥の効用を説明しながら政策集団として続けていくような考えを持っている。しかし、茂木派内では少しずつ派閥を脱退する議員も出て、改めて派閥解消について検討するようだ。頑固に派閥は人材育成の集団だと、派閥解消の気持ちはサラサラない麻生派は、自民党副総裁の麻生太郎派閥会長が若い派閥議員の教育と派内の人材養成について、得意顔で語るが派閥内における自身の教育はどうなのか聞いてみたいくらいだ。

 そんな皮肉のひとつもぶつけてやりたい尊大な麻生氏が、地元福岡で上川陽子外相について物議を醸しそうな発言をしたようだ。普段から軽口で脱線しがちな麻生氏だが、上川外相をそんなに美しいおばさんとは思わないと誤解されそうな発言をしたらしい。上川外相はハーバード大卒業であり、その点を意識したのかニューヨークに出張した際に、他の外交官の手を借りずにテキパキと処理していたと持ち上げていたが、上川外相を女性として初めての外相だと持ち上げたつもりで好い加減な発言をした。実際には田中真紀子外相、川口順子外相がいる。その麻生氏が最も恥を晒したのは、10年以上も前に公の場で中学生以上なら読める「有象無象」を「ユウゾウムゾウ」と読んで恥ずかしく後味の悪い思いをしたことがあった。そういう人物が、他の派閥会長が派閥の解散を行う中で、人材育成に効果があると派閥の効用を訴えているが、その自分自身の教育がお粗末だったのではないだろうか。

 さて、このところ親しい友人・知人で他界する人が増えた。昨年暮れ以来親しかった西木正明氏、日本ペンクラブ元副会長・高橋千劔破氏、そして昨日の新聞で訃報を知ったワインの評論家でもあった弁護士の山本博氏が旅立ってしまった。そこへ今日会社の山岳部仲間だった荒木正弘さんが一昨日亡くなったと連絡を受けた。荒木さんとは、随分一緒に山へ行ったし、彼の結婚式にも出席した。同年だったので、気持ちも理解出来た。数年前から体の具合が優れないということを言っていたが、その彼も天へ召されてしまった。また寂しい気持ちに捉われることだろう。

 亡くなったと言えば、元「東アジア反日武装戦線」のメンバーだった桐島聡らしき70歳の男性が、鎌倉市内の病院で亡くなった。50年前に丸の内の三菱重工ビル爆破事件の容疑者で、他にも連続企業爆破事件に絡んで全国に指名手配されていた。よくぞ半世紀も逃げ通すことが出来たものだと思う。偽名を使って藤沢市内の土木会社に住み込みで勤めていたらしいが、彼の目的は何だったのだろうか。末期がんとなり、仲間に連れられて入院して1週間足らずの間に天へ召されてしまった。人生を棒に振って、目的も果たせず、さぞや悔しい人生だったことだろう。我々60年安保闘争世代から、70年の東大紛争世代は、それぞれ目的がはっきりして、大願成就とはいかずとも社会に対してそれなりの関心と刺激を与えたと思う。しかし、東大紛争以降の学生ら若者の反社会的闘争は、次第に力を失っていった。桐島の願いは何だったのか?尋問を始めた警察も呆気にとられ、残念に思っているらしい。やはり生きている間は、目的を持って精いっぱい前へ進むことが大事だと思う。その点で桐島の人生は、極めて無駄と後悔の多い人生だったのではないだろうか。

2024年1月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6103.2024年1月28日(日) トランプ前大統領と世耕氏の下卑た言動

 「なんて素晴らしい勝利なんだ!」と、今年11月に行われる大統領選共和党予備選の2連勝をヨイショしたトランプ前大統領の取り巻きも、流石にショックを受けた裁判所の賠償命令である。一昨日ニューヨーク地裁がトランプ氏へ123億円にものぼる高額の賠償命令を下した。トランプ氏の女性への性的暴行事件自体はこれまでにも度々伝えられていたが、騒ぎが伝えられる度ごとにトランプ氏は、バイデン大統領による自らへの魔女狩りだと言い逃れをしていた。メディアに依れば賠償金は天文学的な評決だそうだ。天文学的な金額になったのは、トランプ氏が自分が冒した行為を鼻から否定し、自身への陰謀であると非難し、相手の女性作家は頭がおかしいとか、事件はでっち上げと中傷を重ねたことが被害者の名誉を傷つけたとして性的暴行に名誉棄損が認められ、精神的苦痛を与えたとして更に損害金が課せられ多額の賠償金になった。

 普通なら火事場から姿を消すところだが、常識と羞恥心の欠片もないトランプ氏は反って反抗することによって騒ぎを大きくしてイメージを悪化させている。ところが、我々が理解に苦しむのは、その犯罪人が選りに選って民主主義国家・アメリカ合衆国の大統領選の一番手に名乗りを上げ、その人気たるや、とても罪人に対する評価とは思えないことである。常識的に考えれば、これほど悪行を重ねた人物が国を代表する首脳として行動することは、アメリカ人として恥ずかしいものである。仮に再び大統領に選出され、各国首脳との会談に及んだ際に、若い外国女性首脳にでも手を出したら、どういう事態になるか、危なくて見ていられないのではないだろうか。

 アメリカ人有権者にはもう少し良識的、かつ理知的な判断を期待したいものである。

 一方、国内ではトランプ前大統領とは似て非なる問題ではあるが、世耕広成・前自民党参議院幹事長の行動が物議を醸している。自民党の裏金問題で東京地検特捜部の逮捕、及び立件から逃れたとは言え、後ろめたい議員らが国民から説明責任を求められているにも拘らず、未だに納得出来る対応をしていない。安倍派5人衆の中でも、政治家以外の活動で難しい対応に追われている幹部がいる。それが、世耕広成氏である。

 世耕氏は、現在祖父が創設した近畿大学理事長を務めているが、昨年12月に裏金疑惑が持ち上がると近大教職員組合は、大学の信用失墜行為であるとして理事長辞任を求める要求を大学側に提出した。しかし、大学側がその予定はないと回答した。そこへ世耕氏が1,500万円の還流不記載を明らかにし、「政治資金の管理は秘書に任せきりで把握できなかった」とか、「自分自身還流を受けているという認識がなかった」と述べたうえで、「私は起訴の対象にならなかった。法的な責任については区切りがついたと思う」と語ったことに対して、教職員組合は世耕氏の説明に納得せず、大学理事長である世耕氏に一層厳しい目を向けている。近大としては、愛される人、信頼される人、尊敬される人の育成を教育の目的にしていると訴え、世耕理事長の言動と真っ向から対立している。教職員として学生に何と説明すれば良いのか、と厳しく批判している。

 政治家として違法ギリギリの隙間を逃げ抜けて、世襲した近代理事長の地位を汚すような言動は、大学教職員としてはとても受け入れられないと現場サイドから厳しい突き上げにあっているのである。トランプ氏とは問題は異なるが、自らの身を正して国民への責任を全うして欲しいものである。

  ひとつだけ今日嬉しいニュースがあった。パリ・オリンピックの女子マラソン出場権に期待を賭けた大阪国際女子マラソンで、東京大会にも出場した前田穂南選手が、初めて2時間19分の壁を破る2時間18分59秒の記録を出し、19年ぶりに日本記録を書き換えたことである。

2024年1月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6102.2024年1月27日(土) 選抜高校野球出場校決定

 毎年2月1日に発表されると思っていた春の選抜高校野球の出場校が、昨日発表された。出場する32校の顔ぶれを見ていると、最近の傾向が分かる。その中でも特に象徴的なのは、32校の内何と公立校が僅かに4校しか選ばれなかったことである。しかもその内の2校は21世紀枠という特別出場である。残りの2校の内の1校、和歌山県立耐久高が創立された幕末の1853年は、ペリー提督が日本開港のために浦賀にやって来た年で、校名も地元の人材養成のための稽古場「耐久社」になぞらえて名付けられた由緒ある名前だそうだ。野球部創部も1905年で今年119年目になる進学校である。今では野球部強化に特化した私立高校でないと激戦区を勝ち抜いていけなくなった中で、こういう文武両道の県立高校があることは特筆すべきことだと思う。

 また、先般の能登半島地震により、石川県の日本航空学園石川高が、微妙な立場にあり、選抜される可能性ありとばかりに、選手たちは兄弟校の山梨キャンパスに移動した、その様子がしきりにテレビで紹介されていた。幸い選抜出場決定の知らせを知った関係者の歓声がテレビでも伝えられた。結局石川県からは星稜高と2校も選出されたことになる。

 他に若干首を傾げたのは、強豪校が多い神奈川県から1校も選抜されなかったことである。過去に東海大相模高、桐蔭学園高、横浜高、慶應高、法政二高、母校湘南高など他県に比べても優勝校は幅広い。中でも昨年夏の甲子園で107年ぶりに優勝したばかりの慶應高もある。それなのに、他地域に比べてレベルが低いと見られたということなのだろうか。

 ともかく3月18日に開幕となる選抜高校野球を楽しみにしたい。

 さて、イスラエル軍のパレスチナ・ガザ地区への激しい攻撃により、多くの市民が犠牲になっている。これに対して南アフリカが、ジェノサイド(集団殺戮)であるとして国際司法裁判所(ICJ)に訴えていたが、昨日ICJは暫定措置としてイスラエルに対して、ジェノサイドを防ぐすべての措置をとることなどを命じた。ただ、これをイスラエル政府が実行するか否かは不明である。実際イスラエルのネタニヤフ首相はこの直後に「イスラエルには自衛権がある。ジェノサイドの疑いを賭けるのは言語道断である」と強気に応えた。ジェノサイド自体は、第2次世界大戦中のホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を非難する意味を含めてユダヤ系の弁護士が使った言葉である。従って何がジェノサイドかを決めるのは、その攻撃や殺戮に人種差別に基づいた集団全体を消し去ろうとする意図があるかどうかが問題なのである。
 イスラエル国内では、ハマスの指導者や戦闘員が標的で、パレスチナ人全体を対象にしていないとの認識が一般的である。そのためハマスが民間人を人間の盾として使い、生き延びようとしている以上、攻撃はやむを得ない。イスラエルには、ハマスはイスラエルという国家がこの地域に存在することを認めようとはしないと考える市民が多くいる。ハマスの攻撃の方がジェノサイドに近いというホロコーストの経験者もいる。

 今その渦中にあって頭を痛めているのは、イスラエルの後ろ盾となっているアメリカであろう。ガザで多数の民間人を巻き添えにしているイスラエルに苦言を呈しているが、ジェノサイドの罪に問うことには反対だとアメリカは言う。この様子だとまだ当分停戦とはならないだろう。

2024年1月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6101.2024年1月26日(金) 自民党は果たして出直すことが出来るか。

 政界は自民党の派閥の裏金問題で上を下への大騒ぎであるが、今日通常国会が開会された。会期は150日間である。天皇ご臨席の下で開会されたが、珍しいことに岸田首相の施政方針演説が行われなかった。今国会の焦点は、逮捕者を出し、あれほど世間を騒がせた政治資金パーテイを巡る派閥問題である。自民党としては、国民に反省の姿勢を示すために「政治刷新本部」なるものを作って、国民からの疑念を解こうとプロジェクトをスタートさせた。しかし、東京地検特捜部も満足できる捜査を行えたわけでなく、巨額の裏金が派閥所属の国会議員にばらまかれたにも拘らず、証拠不十分と死人に口なしの壁に突き当たり、ほどほどのところで手を打たざるを得なかった印象である。

 一応自民党としては、臨時総務会で政治改革に向けた中間とりまとめを了承したようだ。その骨子は、①「お金」と「人事」から完全に決別し、派閥を政策集団に変える。②派閥の政治資金パーティを禁止し、盆暮れに所属議員に配る「氷代」「もち代」を廃止する。③内閣・党人事をめぐる推薦など、働きかけや協議は行わない。以上の3点だが、いつまでこれをやり通すことが出来るか、これまでの議員の言動を見ていると心許ない。

 また、派閥の存続をめぐり、岸田派、安倍派、二階派、森山派が解散を決めたが、安倍派に次ぐ第2派閥の麻生派と第3派閥の茂木派は、派閥存在の利点を語って派閥をそのまま存続させる意向である。

 今回の裏金問題の根源が「派閥」にあることが、麻生副総裁と茂木幹事長には分かっていない。これでは、この大物派閥会長がのさばっている以上、結局「大山鳴動してネズミ一匹」に終わるだろう。

 ついては、今日ネットを見ていてこんな馬鹿げた詐欺まがいがよくぞテレビで中継されたものだと思った。ところが、夕方にはそれがフェイクニュースだったらしいと報じられた。テレビ朝日「徹子の部屋」にゲストとして招かれた落語家の笑福亭鶴瓶師匠の株投資に関する話に、何と天下の日本銀行が、師匠の発言を提訴するとえらい厳しい行動に出たと書かれていた。

 ことの発端は、師匠が番組の冒頭で金持ちになるために働く必要がないと思わせぶりの発言をしたことに、黒柳徹子さんが突っ込んで金持ちになる方法を教えて欲しいと訊いた。そこで鶴瓶師匠がこの3年間に投資で大儲けしたカラクリについて触れた。それが拙かったようだ。鶴瓶後悔すれども、秘密はテレビで生放送されてしまったという。その場で徹子さんが投資最低額36,600円をリンクを通して登録すると約20分後には、+5,870円の41,870円になっていたので、徹子さんもびっくりだった。

 しかし、いずれにせよ投資とは言え、博打的要素があり、とても素人に勧められるような金儲けではない。おかしいと疑問を抱いたのは、そのリンクが午前中は「BITIQ」だったのだが、それが午後になると「Immediate Edge」に代わり、すべて英語表示となっていた。そして、午後遅くなってから、ネットに「鶴瓶の投資話はデマで日銀は提訴していない」と出た。やはりと言うべきか「Immediate Edge」自体が怪しいとも表示された。

 ただ疑問は残る。鶴瓶師匠と徹子さんは真面目くさってトークしていたような画像から視聴者は、信じ込むのではないだろうか。お2人にも誤解された視聴者への責任上からもフェイクニュースを流した発信者を訴えるべきではないだろうか。実際私自身当初疑いもしなかったのは、このネット上の話が読売新聞オンラインと表示されていたからだ。

 まったく油断ならないおかしな世の中になったものだ。

2024年1月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6100.2024年1月25日(木) 「やったぞ!」ブログ連続6千回達成

 今日のブログは、2007年5月15日に書き始めてから1日も欠かさずちょうど6千回に達した。6,000日毎日書き続けていたことになる。書き始めてからこの間16年8か月が経過し、今17年目に入っている。書き始めた当初はただ何となく書いていて、これが6千回にまでなるとは考えもしなかった。これから先何年、何回書き続けられるか分からないが、心身共に書き続けられる内は書いていきたいと思っている。

 「継続とは力なり」という言葉がある。継続出来たということは私自身力があるということになり、面映ゆい気持ちである。作文自体は子どものころから好きで、学生時代は新聞記者になることが希望でもあった。60年安保闘争デモに参加していて写真を撮られ、それが新聞に掲載されたことから、ゼミの恩師から新聞社入社は難しいのではないかと、他へ就職するよう勧められた。第1回目のブログに、中学、高校、浪人、大学1年までの7年間毎日日記を書き続けていたので、続けられるのではないかと書いた。実際それ以上になった。書き続けられたのは、文章を書くことや、手紙を書くことに抵抗がないことが大きい。そのお陰でサラリーマン時代に営業活動で随分プラスがあった。顧客の新規開拓や、顧客と長いお取引をいただけたのも手紙を書いたことが大分与って力となった。

 書くことに刺激を与えてもらい、多少なりとも文章力がつくようになったのは、今までお世話になった恩師らの影響が強い。特に3年前に創立150周年を迎えた千葉市立幕張小学校の湯浅和先生、高校で国語教師だった新山泰先生、大学ゼミの恩師・飯田鼎教授の他に、社会人になってから八木哲郎「知的生産の技術研究会」会長、べ平連で活躍された評論家・小中陽太郎氏には大変お世話になった。今病床に臥している小中氏以外は、皆さんすでに故人となられたが、今でも懐かしく想い出してはご薫陶いただいたことに心から感謝している。

 今年の年賀状にもこれからの目標として当面7千回を考えていると書いた。これまで海外へ出かけてもノートPCを持参して、宿泊先や、航空機、或いは列車内で書いていた。書いていると想像力が働き、つい時間を忘れるほど熱中することがある。中でも青海チベット鉄道に乗って車窓からチベット高原を眺めながらPCを使用していたことが懐かしい。

 2007年の最初のころのブログを見て思い出すのは、スタートした5月15日は、1932年犬養毅首相が海軍将校らによって暗殺された、いわゆる「5.15事件」発生の日だったことである。今では引退した横綱白鵬が、新横綱に昇進したのも5月だった。この年7月30日には、随分文章に影響を受けた作家の小田実さんが亡くなり、その日と葬儀が行われた8月5日のブログにも書いた。青山葬儀場で行われた葬儀に私も弔問に行った。その後の小田さん追悼デモ行進の写真がまた朝日に載ってしまった。小田さんのヒット作「何でも見てやろう」は、隅から隅まで5度ほど読み返した。そして言動に強い刺激を受けた。「何でも見てやろう」精神で、海外武者修行にも何度か出かけた。特に小田さんが「ヨーロッパで最も感動したのは、アクロポリスだった」との言葉に誘われ、妻を伴ってアクロポリスまで出かけ、その時の強烈な印象をエッセイに書いて「ギリシャ政府観光局長賞エッセイ入賞」というおまけまでいただいたほどである。

 僭越だが、過去のブログをざっと眺めているだけでも思い出は尽きない。さあ~て、まだまだこれからも書き続けるぞ!

2024年1月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6099.2024年1月24日(水) トランプ氏連勝、共和党候補は彼に???

 昨日の本ブログで今年11月に行われる、アメリカ大統領選の共和党候補指名争いの第1回アイオワ州予備選におけるトランプ前大統領の勝利について触れたが、昨日行われた第2回ニューパンプシャー州予備選では、またもやトランプ氏が勝ったとの報道に少々がっかりしている。それでも今回アイオワ州予備選直後に次点だったデサンティス候補が撤退した後、今後トランプ氏支持に回ると公表していた割には、トランプ氏の票はそれほど伸びていない。トランプ氏はしきりに対立候補のヘイリー氏に撤退を迫っているが、ヘイリー氏には今のところその気はない。まだまだトランプ氏に挑戦する意向である。

 ヘイリー氏にとっては2連敗となってしまったが、今後無党派層の支持をいかに獲得できるかによってトランプ氏に肉薄し、良識の風が吹けばその風に推されて勝利が期待出来ないわけでもない。ただ、昨日ニューハンプシャー州バーリンで開かれた集会で、些細な失敗を仕出かしてしまった。それは、南北戦争の原因について参加者から問われた際に、「基本的に政府をどのように運営するか、また自由に、そして人々が自由に出来ることと出来ないことにあった」と答えたことで、その応答には戦争の原因は奴隷制度にあったとアメリカ人なら誰でも知っている歴史的事実に触れなかったことである。ヘイリー氏の軽率な失点であろう。これからヘイリー氏が自分の真っ当な考えでアメリカ人にとって受け入れられる主張をどう説明し、納得させられるかによって彼女への支持拡大は決まる。そしてトランプ氏との勝敗も同じように決まることだろう。

 さて、最近講演を行う機会が少なくなってきた。積極的に依頼を受けなくなったことや、手を上げなくなったこともあるが、やや難聴気味であることもスピーチから遠のかせている原因でもある。それでも以前から講師登録をしていたNPO法人シニア大楽から、今日新年度の講師リストを送って来た。現在登録講師は全体で241名いる。私が登録している「レジャー・スポーツ・旅行」部門には、27名の講師がいるが、その中で私は2番目の年長者となってしまった。年々講師を辞める人も増えて寂しさも募るばかりであるが、学校の授業とは異なり専門分野に長く関わっていたその業界のプロが、専門の知恵や知識を授けることが出来るだけに中々貴重な講演であると思う。私も主に私自身の海外武者修行から学んだ体験談を話すケースが多い。7月の講演では、ニューヨーク9.11テロをアフガニスタンとパキスタンの国境カイバル峠を訪れた時に、国境近くの集落で武器の積み下ろしを見たことから予知したことを話した。また、11月にはイスラエルとパレスチナ自治区ヨルダン川西岸ベツレヘムを訪れた時に感じた臨場感から、イスラエルがなぜパレスチナを攻撃するかを私なりの視点で話した。多くの人と知り合える機会をいただき講師を務めることは、心身ともに健康管理のひとつの処方箋と考えていることもあり、コロナ禍もありしばらくの間やや腰が引けていたが、今後も出来れば講師を務めていきたいと考えている。

2024年1月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6098.2024年1月23日(火) 混戦模様の11月アメリカ大統領選

 今年は世界各国で首長選挙が行われるが、最も注目を集めているのは11月に行われるアメリカ大統領選である。改めて書くのも気が向かないが、どうして度々悪行を演じる「悪漢」トランプ氏が、再び選挙戦で頭角を現してくるのか、アメリカ人の心情が分からない。

 昨日共和党のデサンティス・フロリダ州知事が、選挙戦からの撤退を表明した。4年前に民主党のバイデン候補に敗れてから悪評の高いトランプ氏の出番は金輪際ないと思っていたが、悪漢はしたたかに生き延びているのである。しかも、大統領退任後も大統領へ未練たらたらで、選りによってバイデン大統領の不正によって選挙戦で敗れたと主張しては暴力的にいくつもの悪事を重ねてきた。今でも訴追されている事件が大分ある。こういう人物が大統領候補に進出すること自体民主国家アメリカの恥ではないかと憂慮している。

 今年11月の本選を前に、すでに共和党候補者指名争いでトランプ氏が一歩リードしていた。初っ端のアイオワ州党員集会でトランプ氏は過半数を獲得し、次点のデサンティス氏とヘイリー元国連大使にかなりの差をつけた。この次の予備選はニューハンプシャー州で行われるが、それを前に昨日デサンティス氏が早々に撤退を表明したことにより、トランプ氏勝利の可能性が一層高まった。

 トランプ氏とは異なり、初のアメリカ女性大統領を目指すニッキー・ヘイリー氏は、トランプ氏のようにお道化るような仕草は見せないが、デサンティス氏の撤退を知り、「私とドナルド・トランプの2人の競争になった。トランプとバイデン対決の道を再び歩むのか、新しい保守の道を歩むのか、有権者は決めることができる」と冷静に訴えた。トランプ氏は現在77歳、バイデン大統領は81歳でともに高齢者であり、特にバイデン大統領の行動を見ていると老いを感じることが多い。これから4年間国際社会が大きな変革期の中で、老いた大統領が世界の若い首脳と渡り合って行けるだろうか、気になるところである。その点では、ヘイリー氏はまだ52歳であり、経歴も下院議員の後に39歳でサウス・カロライナ州知事に当選し、2017年国連大使に任命された堂々たるものである。前・現大統領に比べれば、言動において若さ故のエネルギーを感じる。

 大統領選は10か月後であるが、この後民主党候補にはバイデン大統領が選出される公算が高い。再びバイデン・トランプの再戦となれば、どちらがなってもどうも新鮮さに欠けるし、健康問題が気になる。加えてトランプ氏には前途に多くの難問を抱えている。刑事事件もいくつか抱え、仮に起訴された場合、どういう事態になるのか。選挙中、また選挙後にその恐れがある。アメリカ国民の良識を信じるよりほかない。

 今世界では、イスラエルのネタニヤフ首相のパレスチナ・ガザ地区攻撃を停止する気がないことに批判が相次いでいるが、こういう強情っぱりを説得するのは並大抵ではない。実際昨日イスラム組織ハマスとの停戦について「拒否する」と発表し、軍事的圧力を強める姿勢を鮮明にした。トランプ氏にはネタニヤフ首相と似た行動癖がある。どちらがアメリカ次期大統領に選出されるにせよ、あまり期待感は持てない。敢えていうならトランプ氏は言動、人間性に信頼し兼ねるので、バイデン大統領の方がまだましだと思う。

2024年1月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com