6081.2024年4月15日(月) ワイン評論家は、天界でも嗜んでいるだろうか。

 今年1月にワイン評論家の弁護士山本博氏が亡くなられた。新聞でその死を知り、あれっと驚くとともに直ぐに山本氏をよくご存じでワイン愛好家でもある中学時代の友人に連絡したところ、それは知らないというので、直ぐに死亡公告の切り抜きを送った。そして、一昨日の朝日夕刊「惜別」欄に写真入りで山本氏の経歴やワイン論が紹介されていた。友人は自身イラストレーターとしていくつもの賞を受賞し、「プレイボーイ」誌表紙に彼のイラストが載った腕利きである。イラスト関係の会社を手広く経営して、自身のイラストでデコレートした装丁のワインに関する著書を何冊か出版している。2017年には、「極上葡萄酒談義」と題するシリーズ物の第3巻に山本氏の推薦文を添えて上梓したほど親しくお付き合いしていた。その出版記念会には私も出席した。

 私が山本氏を知ったのは、別のルートからで現在病に臥している小中陽太郎氏から、有楽町のワインバーに誘われた時が最初だった。その後何度かお会いして、ある時カラオケではなくワインバーで、一曲歌う羽目になって古臭いかも知れないが、私の好きな加藤隼戦闘隊戦隊歌♪エンジンの音 轟々と ハヤブサは征く 雲の果て~♪を唄い出したところ、山本氏が大好きな歌だと仰って一緒に歌ってくれた。弁護士という堅い職業でありながら、随分気安い方だと思っていた。こんな一面を曝け出したこともある。ある時、唐突に貸した本を返して欲しいと書かれた手紙を受け取り、まったく心当たりがなく、人違いではないかと問い合わせたところ、大分経過してから間違いだったとお詫びの印に著書を送っていただいたことがある。ある面でそそっかしい一面がある愉快なお人でもある。

 その山本氏は「惜別」によると、フランスをはじめ、日本各地のワイナリーを訪ねて日本のワインを世界に広くPRしておられ、ワインの翻訳書を随分手がけておられる。「日本ワインを愛する会」を立ち上げ、日本ワインの普及に力を尽くされた。山本弁護士の特に個性的な点は、ワインをランク付するワイン審査員は「個性があるのに点数をつけることはできない」との信念から、一切引き受けなかったという。その頑固一徹にワインをどこまでも愛する気持ちには感動をすら覚える。

 「シャンパンに飽きたというのは、人生に飽きたということだ」とまで言い切った。それにしてもこれほどワインが大好きで、ワインに関しては信念の塊のような尊敬できる人がまたひとり天界へ旅立ってしまい、寂しい気がしている。享年92歳だった。心よりご冥福をお祈りしている。

 さて、今年に入って株価が上昇を続け、度々過去の株価を上回る値を出していたが、この数日はむしろ株価は下落傾向にあり、今日も先週末に比較して日経平均は290円も下がった。円相場も下がりっ放しで、今日も1㌦154円台の円安になったというから輸入に頼るエネルギー関連商品は頭が痛いことだろう。いつも株価や外為市場がパッとしない時に、コメントされる鈴木俊一財務相が、今日も決まり文句を述べた。大臣の言葉は、「しっかりと注視している。万全の対応を取りたい」というのだが、この大臣はこれまでにこれ以外の発言をしたことがないくらいである。他にもう少し原因とか、対策を詳しく説明することが出来ないものかと尋ねたい。財務省スタッフ、専門家や、学者らからもっと具体的な言葉を引き出すよう促すことが出来ないものだろうか。これからも鈴木大臣の言葉を「注視していく」が、他に分かり易く気の利いた表現は見つからないものだろうか。これからも「注視していきたい」。

2024年4月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com