6082.2024年4月16日(火) 貴重なドキュメント映像の価値と説得力

 昨晩NHKで放映された「映像の世紀・バタフライ・イフェクト『ノルマンディー・決戦のDデイ』」を観て感慨深く感じた。第2次世界大戦の雌雄を決した1944 年6月6日の「史上最大の作戦」と称せられ、私も同じ名前の映画を鑑賞したことがあるドキュメントである。このドキュメントを観ながら2つほど印象的な点に思いが至った。

 ひとつは、長年の個人的なお客様を案内して、2001年6月にノルマンディーのオマハ・ビーチを訪れた時の思い出である。今では何事もなかったかのような静かな海となった激しかった戦場跡を散策して感慨に耽ったことを想い出す。近くには連合軍各国の戦死者が、芝生上に整然と国別に区分けされ祀られていた墓地とその環境に鮮烈な印象を受けたことである。

 もうひとつは、この日だけで15万人もの兵力を注ぎ込んだ、このオーバーロード作戦と呼ばれたノルマンディー上陸作戦に先立って、前年の43年11月にイランの首都テヘランでアメリカのルーズベルト大統領、イギリスのチャーチル首相、ソ連のスターリン首相による3巨頭会談が行われ、スターリンが独ソ戦を分断するために2人の首脳にノルマンディー上陸作戦を要請したことである。チャーチルは賛意を示さなかったが、ルーズベルトはソ連が対日参戦を約束したことからこの作戦の実行に同意した。この時大英帝国チャーチル首相は、「我々が小国に落ちたことを思い知らされた。会談にはソ連の大熊とアメリカの大牛、その間にイギリスの哀れなロバが座っていた」と自虐的な言葉を残している。チャーチルにとっては万止むを得ず認めたが、余程の屈辱だったのだろう。この3者会談の中で、ソ連が日本に侵攻することが作戦の大きなきっかけになったとは寡聞にして知らなかった。開戦前にはアメリカが日本の力を恐れていたことが推察出来る。

 このドキュメントは今まであまり紹介されなかったような赤裸々な映像が、かなり映し出されて説得力を強めてくれ、勉強にもなる。これからも楽しみにしている。

 さて、昨日はワインについて書いたが、今日はその関連で土地の食べ物に関する情報を見つけたので、触れてみたい。

 アメリカに「FOOD & WINE」というグルメ雑誌があり、毎年‘Global Tastemakers Awards’という、「世界で最も飲食が楽しめる街」をランクアップする部門があり、それを毎年発表している。その1位に今年は東京がランクされ、大阪も9位に名を連ねた。何でも東京はミシュランの星付きレストランが世界最多の183店舗もあり、東京らしい特徴のある特別な料理はないが、郷土料理と世界各国の人気料理が融合する食の環境が素晴らしいとの評価を得た。併せて、観光産業が復活した今東京は体験すべき食の宝石のような都市とかなり買いかぶられたようだ。2位以下には、イスタンブール、メキシコ・シティ、パリ、リマ、ローマ、シンガポール、コペンハーゲン、大阪、10位マドリードの順位である。私自身は残念ながら格別食通ではないので、これらの都市ですべて外食をした経験があるが、これと取り立てて印象に残っているようなグルメはない。

 それにしても近年日本への外国人観光客が増え、彼らの日本の印象はべた褒めでこれからもインバウンド観光客は増え続けることだろう。政治的には力不足で物足りないが、他の面では日本は世界に徐々に存在感を示していると思う。

2024年4月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com