6060.2024年3月25日(月) トランプ氏の資産差し押さえと水原通訳の違法賭博

 今年11月予定のアメリカ大統領選の共和党候補者・トランプ前大統領が人気を取り返し、今では当面の相手である民主党候補者のバイデン大統領を上回っているとの評判である。ただ、この御仁はとかく個人行動で世間を騒がせる性癖があり、いくつも訴追されその対応にあたふたしているところがある。中でも選挙に際して一番厳しいのは、2021年1月に連邦議会襲撃事件を起こしたトランプ支持群衆の背後でトランプ氏が糸を引いていたと訴えられたことである。その上に2月に民事訴訟で700億円超の巨額賠償を命じられたことである。これには、流石に資産家であるトランプ氏も窮地に追い詰められている。その原因は所有する不動産の価値を高く見せることで不正に融資を受けたと見做されたからである。支払いを命じた判決後から利息が生じて1日ごとに利息1,600万円が出ていくというから凄まじい。資産家のトランプ氏にとっても手元資金からこれほどの支払いをするのは、並大抵ではない。今日25日までに資金が用意できない場合は、トランプ氏の資産差し押さえに動く可能性もある。平素から金融界における信用が充分でないのか、支払いを保証する保証会社を探し求めているが、30社以上から断られたという。トランプ氏の得意技は、これまで自身や資産保有会社を破産させることで、それによって資産の差し押さえを一時的に止められるという窮余の一手である。

 世界最大の国家であるアメリカ合衆国の大統領を狙う人物がこの有様とは、とても理解出来ないし、アメリカと言う国もよく分からない。トランプ氏は自分に対する厳しい批判などは、事あるごとに政治的迫害と呼び、選挙妨害と非難しているが、常識的なアメリカ人は本当のところトランプ氏の言動をどう思っているのだろうか、知りたいものである。

 さて、これもアメリカのメジャーリーグ(MLB)の試合外で起きたことだが、ドジャースのスーパースター大谷翔平選手の通訳を務めていた水原一平氏の違法賭博=解雇が大きな話題となり、それはアメリカばかりか日本でも大分注目を集めている。大谷選手への期待が大きい選手であるだけに、彼の近くで一番親しくしていた水原氏が違法行為を行っていたことにショック、同情、批判が渦巻いている。そもそも水原氏が違法賭博を行っていたことに大谷選手本人はもちろん周囲の人も驚いている。水原氏がのめり込んだスポーツ賭博は、全米50州すべてにおいて違法と見られているわけではない。ただ、ドジャースが本拠地とするカリフォルニア州は法律で禁じられている。そんな最中に水原氏がひとりでスポーツ専門チャンネルの要請に応じて90分間もの取材を受けたことが話題を呼んでいる。そしてその翌日にはその内容を否定したことも話題となっている。AP通信ではアメリカ野球界最大級の賭博スキャンダルに発展するかも知れないと報道した。何せ水原氏が大谷選手の口座から賭けの元締めに振り込んだ金額が、断片的に6億8千万円というのだから驚くばかりである。

 大谷選手がアメリカでも有名な野球選手になったが故に、アメリカのメディアでも大きく報道しているようだ。しかし、気の毒なのは大谷選手である。知らないところで横領事件が起き、自身は資金を支払わされ、挙句に違法を承知で通訳にその金を提供していたということになると、大谷選手自身も違法賭博に関係したと見られ、下手をすると社会的に、またはMLBから処分を受けることになる。

 それにしても大谷選手は人柄の良さもあってか、少々水原氏に甘かったのではないかと言う気がしている。もう少し水原氏に言うべきことや、成すべきことをきちんと指示すべきだったと思う。水原氏には学歴詐称もあったようだ。シーズンも始まったことでもあり、1日も早く問題が解決してすっきりとプレイに専念出来ることを願っている。

 仮にスポーツ賭博が全米で許可されていたら、水原氏はこのまま賭博に熱中して大谷選手から更に多額の資金を掠め取り、一方大谷選手はこんなに騒がれることもなくプレイに専念出来たことだろうか。アメリカが各州で独自の権限も有していることがどうも事態を複雑にしているようなところもある。賭博なんて違法とすべきだろう。はっきり言ってまだ全容解明に至っていないので、よく分からないというのが本当のところである。

2024年3月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6059.2024年3月24日(日) 平幕尊富士、110年ぶりの新入幕優勝

 今日大相撲春場所は千秋楽を迎え、前頭17枚目の幕尻・尊富士が新入幕力士として110年ぶりの優勝を13勝2敗の成績で成し遂げた。しかも昨日負けた際に負傷して救急車で運ばれた危機的な状況にあったために、今日千秋楽の出場が危ぶまれていた。それでも兄弟子・横綱照ノ富士に励まされ強気にも出場し、相手力士の豪の山を積極的に攻めて完勝した。気持ちの良い勝ちっぷりで、上位陣がパッとしない中で土俵を締めてくれたと思う。大学出の力士は幕下付け出しが一般的であるが、尊富士は大学卆でありながらどういう事情か中高卆者と同様に前相撲から勝ち上がり、今場所デビュー10場所目の優勝となった。これも1909(明治42)年に優勝制度が出来て以来史上最速で、今までの両国関の11場所を破る快挙だった。おまけに殊勲賞、技能賞、敢闘賞の3賞まで独占受賞した。

 春場所は普段から「荒れる春場所」と言われるように、とかく大波乱が起きる場所が多い。振り返って70年前に京都市内の中学校を卒業したが、父親の転勤に伴いすぐ藤沢市へ転居することになったので、同級生らと最後の楽しみとして春場所千秋楽を観戦に大阪府立体育会館へ行った。大関三根山が優勝し、打ち出し後の優勝パレードで三根山と握手したことをよく覚えている。 

 そんな春場所のジンクス通り、先場所優勝した横綱照ノ富士が途中休場し、大関霧島は5勝しか出来ず負け越す有様で、大関も4人の内貴景勝が8勝で休場する結果となった。大関4人で35勝24敗1休である。それにしても尊富士の優勝はその相撲ぶりを含めて実に爽快感がある。久しぶりに好ましい力士が現れたものである。来場所以降も活躍を期待したいと思う。

 さて、ウクライナへの侵攻と大統領選挙の大きな話題により、ロシアへ世界中の目が向いていた一昨日夜、首都モスクワ郊外のコンサートホールに侵入した過激派組織イスラム国(IS)のテロ組織が銃を乱射し、建物内に火災が発生し、133人が死亡した。

 この直前に大統領選の圧勝を国民にPRするために、プーチン大統領は周囲を若い男女に囲まれてテレビに登場し、ロシアは一つだなどと選挙の完勝と自らの専権政治について力説していた。ISによる襲撃はそれから間もなく実行された。プーチンは昨夜国営テレビでこれは野蛮なテロだと非難し、実行犯4人を含む11人の容疑者を拘束し、全員を処罰すると述べた。そのうえで、彼らがウクライナ方面へ移動したことを口実に、容疑者らとウクライナ政府による協力の可能性を示唆した。当然ウクライナ政府は否定し、ゼレンスキー大統領は、ロシアは常套手段でいつもウクライナへ不利な行為をなすりつけようとすると激しく非難した。

 しかし、この劇場襲撃事件には、不思議なことがある。事前にこの情報をCIAを通じてキャッチしたアメリカ政府が、ロシア在住アメリカ国民に対して注意を呼び掛け、ロシア政府にも事前に情報を伝えていたことを明らかにした。これだけの情報を入手したロシアがどうして十分な対策と防備を怠っていたのか、どうも理解に苦しむ。

 それでもプーチン大統領は大統領選で圧勝したことを受けて、今後益々強気な政治を行うことであろう。この様子だと世界に安定した平和な時代が訪れることは当分期待出来ないのではないかと憂鬱になる。

2024年3月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6058.2024年3月23日(土) 桜の満開はまだまだ先か?

 今日は広島に勤務中のサラリーマン1年生の初孫の誕生日である。この桜咲く季節が来ると春が来たとの感傷が湧いてくる。彼がまだ小学生だったころ、我が家の近くの桜並木の名所・呑川のほとりを一緒に歩いていた時、桜は満開だった。それから毎年この辺りを歩いて感じるのは、桜の開花が年々早くなってきたことである。これも地球温暖化のせいだろうか。それが、今冬は真冬になったり、夏日になった日もあるほど気候の変化が甚だしく、待ち望んでいる桜はまだ蕾のままである。とりわけ開花が遅れていると思うのは、書斎から窓越しに数軒先にある小さな宮前公園の十数本ある桜の大木に開花の兆候さえ見られないことである。やはり新年度のスタートとなる4月には、桜が咲いていないと心なしか寂しい気持ちになるものである。今日の天候も雨模様と聞いたので、小雨降る中を傘をさしてウォーキングに出かけ桜並木を歩いてみたが、桜はまだ蕾の段階で今月中に満開となるかどうかは分からない。

 今日から月末まで皇居内にある600mの乾通りでは桜の一般公開があって、外国人を含む多くの観光客が、坂下門から皇居内へ入った。しかし、やはりまだ早くてもう一度来たいと言う人がかなりいたようだ。桜の開花が遅れているのもこれも気候変動のひとつの影響だろうか。

 さて、今週は株式相場も上り調子で株価も史上最高値を計上したり、今年の春闘では組合の賃上げ要求に企業が満額や、それを上回る回答で応えるなど経済界にとっても好景気を象徴するような業績に、国民はウハウハの状態かと言えば必ずしもそうでもない。物価の上昇がそれを帳消しにしてしまうのである。企業が好決算を計上したのは、企業自体の努力によるところが大きいが、それ以上にこのところ法人税率が下がり続けた恩恵に救われている。先に本ブログでも取り上げたが、日本の法人税率は、最高だった1980年代は実に45%だった。それが徐々に引き下げられ、2012年度からは25.5%まで下がり、以前に比べて半額近い法人税率となった。こうなれば当然「濡れ手に泡」式に企業の利益は増える。消費税10%の確実な収入増も貢献して法人税引き下げに影響を与えた。資本金10億円以上の大企業では、先日の国会で田村智子共産党委員長がされた質問の中に、過去30年間の利益と税負担率が提示された。1992年度に比べて30年後の2022年度の税引き前利益額が、11.2兆円から61.9兆円に増えたのは、大企業の税負担率が58.9%から16.7%に大幅に下がったからである。このうえ経団連は更に法人税率の引き下げを求めた。

 この経団連の要求に対して企業献金が欲しい自民党は、2024年度の税制改正大綱で法人税の引き下げを求めたが、企業の内部留保や現預金が大幅に増える傾向にあり、流石に引き下げ要求は通らなかった。

 結局法人税の税率によって企業の収益は大きく左右されるケースが多い。そこに大企業と政治家間に阿吽の呼吸が合って、法人税率引き下げと企業献金が実現する。今自民党内では、裏金問題を解決し、再発しないための話し合いがしきりに行われているようだが、企業の献金がなくならなければ、裏金もなくならないだろう。

2024年3月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6057.2024年3月22日(金) 外国人J1サッカー選手の申告漏れに追徴課税

 昨日ドジャース大谷翔平選手の通訳が違法賭博にハマった挙句に、大谷選手の預金口座から横領してカジノへ大金を支払っていた件で、球団を解雇されるような不祥事が大谷ファンのみならず、多くの日本人を失望させるようなスキャンダルが明るみに出た。そんな野球選手がらみの不祥事が多くの人びとを暗い気持ちにさせたばかりだが、今日明らかになったのは、同じプロ・スポーツ選手であるサッカーJリーグ所属の3人の外国人選手の契約金をめぐる申告漏れが、大阪国税局から指摘された不明瞭な事案である。

 中でも元スペイン代表のスーパースターだったヴィッセル神戸のイニエスタ選手の申告漏れは、実に8億6千万円の高額で、源泉徴収で支払ってはいるが、確定申告はしていなかった。その追徴税額は5億8千万円に上るという。生活の本拠が日本にあるのに、必要な確定申告をしていない期間があったことを当局から指摘されたのだ。他の外国人2選手も同じようなケースであるが、契約したヴィッセル神戸側がイニエスタ選手側に契約の際納税について詳しく説明していなかったのではないかと懸念される。イニエスタ選手は、昨年7月まで5年間神戸に所属していた。最初の1年分は非居住者であると申請し、源泉徴収(20%)だけを済ませていたが、確定申告(最高税率45%)をしていなかった。しかし、大阪国税当局の見方は、イニエスタ選手は、入団時から家族とともに神戸市内で生活していたことから、1年目も2年目以降と同様に確定申告を行う必要があるとの判断である。

 悪意があったわけではないと思うが、契約に際して控除額を少な目にするために、チームはイニエスタ選手が家族と生活を共にしていることを知りながら、そうではないとの解釈を適用させようとしたのではないか。そうだとすれば、チームの責任も問われなければならない。3選手の所属チームはこの件で取材を申し入れてもいずれも個人情報であるとか、契約に関わることなので取材には応じられないと説明をしようとしない。納税について選手に大きな罪はないと思う。むしろチームがきちんと税金を含めて契約内容を正しく、詳しく外国人選手に伝えるべきだと思う。こんな不誠実なことで選手から信頼を失うようでは、これから外国人選手が日本チームと契約を結ばなくなるのではないかと懸念される。選手にとってはもちろんだが、チームにとってもすっきりしない嫌なトラブルである。

 さて、日銀の金融緩和策を発表以後株式市場は上り調子であるが、19日に初めて4万円台に乗せた株価も、昨日40,816円の市場最高値を更新して終わったが、今日はそれを更に72円上回る40,888円の2日連続史上最高値で取引を終えた。景気の良いのは経済界だけだろうか。これでは現在の裏金問題がそのまま解決しないようだと、企業から政治家への献金がまた増えて、裏金は隠れたところで益々あの手この手で蔓延ることだろう。今話題になっている裏金問題を再現させないような手をしっかり打っておく必要がある。

2024年3月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6056.2024年3月21日(木) 大谷選手を襲った不運、通訳解雇

 このところ関東地方でも地震が多いが、今朝も北関東方面、特に埼玉、栃木で震度5弱の地震があった。我が家でもそこそこ揺れ、大分経ってから棚に飾ってあった木彫りの象が2頭墜落しているのに気付いた。これから用心しないといけない。

 さて、昨日のドジャースとパドレスの韓国における初めてのMLB開幕試合が実況中継され、地元韓国はもちろん、日本、アメリカでもかなり話題を呼んでいたようだ。喜ばしいことに昨日は大谷選手が活躍し、ファンを歓喜させたが、その一方でパドレスのダルビッシュ投手、今年入団した松井裕樹投手もそれなりに責任を果たすピッチングをした。その後の夜の報道番組でもこの試合ばかりでなく、選手のグッヅや家族の話など何でもかんでも派手に伝えられて、大谷選手の出身地である岩手県奥州市ではパブリックビューイングを観ながら応援する地元ファンの様子を伝え、かなり盛り上がっていた。この分では日本のプロ野球が開幕しても、当分人気は大谷ドジャースに奪われたままではないかと心配するほどで感銘を受けている。

 その大谷選手に突然不幸が襲い掛かった。今朝のニュースでは大谷選手の通訳を務めていた水原一平氏が、違法賭博を行い、その借金を大谷選手の口座から送金した疑惑によりドジャースから解雇を伝えられた、と驚くような報道に各テレビ局の報道番組は大騒ぎである。昨日の試合でも水原氏はベンチで大谷選手の傍に寄り添っていたが、それが今日の第2戦では姿は見えなかった。大谷選手の精神的ショックもかなりのものだろう。水原氏が賭博に投資した金額が、何と6億8千万円と聞いて2度びっくりである。普通の人間には賭博にこんな巨額を注ぎ込むなんてとても考えられないが、1度はまると抜け出せなくて中毒になるのが賭博の魔力のようだ。それにしても2人の友好関係は見ていても微笑ましいほどで日本国内でも人気のコンビだったが、水原氏が大谷選手に黙って詐欺行為をやったとは今以て信じられない。人は見かけだけでは分からないものだということを教えてくれるような通訳氏の裏切り行為である。

 この賭博行為の常習性は、広く知られているが、大阪万博の跡地に大阪府が公営賭博場を建設する計画が、周辺住民から強い反対の声が上がっている。これを主催者の大阪府は言い訳で言い繕っていたが、この通訳氏の賭博の常習性が広くPRされれば大阪も立場が苦しくなるのではないか。

 今日3か月ぶりに慶応病院循環器内科で、昨年来診察してもらっている心臓の不整脈について審査結果を教えてもらった。最近ちょっと気になっていた不定期ながら、時々脈拍が急降下する現象について数値グラフを示して医師に尋ねたが、許容範囲ということと上腕血圧計の数値だけでは、何とも言えないということだった。次回6月に昨年9月に続きもう少し精巧なホルター心電図検査を受けることになった。

2024年3月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6055.2024年3月20日(水) 大谷選手の活躍と「富嶽三十六景」の競売

 数日前の天気予報で、今日は早朝から晴れるが寒くて午後から夜にかけて荒れた天候になり、都内では雷雨も予想されるということだった。そこで午前中にウォーキングをしてしまおうと駒沢公園へ出かけた。春分の日という祭日でもあり、これから天候が崩れる予報にも拘らず、多くの家族連れが遊んだり、散策していた。陸上競技場脇を通ったところ場内で陸上競技大会をやっているのが目に入り、入場規制もなさそうだったので、スタンドではなくフィールド内へ初めて入ってみた。ちょうど長距離のスタート前だったが、選手たちが1周するのを見て外へ出た。その足で屋内球戯場傍を通ったところ、ここでも何かスポーツ大会をやっている様子だったので、ここも初めて中へ入り込んでみると空手道関東選手権大会なるものが行われていた。近くに住んでいながら公園のこれらの施設内に入り込んだのは、幸か不幸か初めてだった。

 午後になって青空が暗くなり、予報通りいよいよ雷雨のお出ましかと思っていたところ、3時ごろから逆に雲が消え空も明るくなってきた。ところが、4時過ぎになって雨が降り始めた。新橋方面は大変だったようだが、世田谷は雷が鳴ったが、それほど風雨は強くなかった。

 ところで、今日から韓国ソウルでMBL初めての開幕試合が行われた。「オータニサン」大谷翔平選手が所属するLAドジャースとダルビッシュ投手のSDパドレス戦が、数日前から盛り上がって韓国における大谷選手の人気もすごいものだ。期待に違わず2安打を放ち1打点をあげ、盗塁もひとつ成功させて5-2でドジャースの勝利に貢献した。今日の開幕戦は、NHKが実況中継やら、7時のニュースの冒頭に想定外の大谷選手のプレイ・シーンを放映する有様だった。これからもMLBの試合で日本選手の活躍ぶりを見せてくれることだろう。

 今日衝撃的だったニュースは、ニューヨークで美術品のセリが行われ、江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の「富嶽三十六景」のシリーズ全46図が競売にかけられ、5億3700万円で落札されたというショッキングな話である。驚くとともに落胆したのは、この国宝とも言える芸術的作品が日本にはなく、海外で度々取引されていた事実である。売却した所有者が前回これを入手したのは、2002年11月パリで開かれたオークションだったという。稀に見る日本の古典的芸術作品がしばしば外国人の手によって売買されている現象に悲しい気分になってくる。これほどの日本独特の価値ある名作をどうして日本で所有保管出来ないのだろうか。

 「富嶽三十六景」の中でも、とりわけ「神奈川沖浪裏」は郵便切手の絵図にも使われ、多くの人に知られ、昨年8月ドイツのバイエルン州立図書館が、個人の収集家から数億円で購入し、2025年に日本の版画を集めた展覧会で目玉として展示すると発表してまだ間もない。バイエルン州科学・芸術大臣が保存状態は良く「コレクションに新たな宝石が加わった」と喝采を叫んでいたばかりである。

 繰り返すようだが、なぜ日本の芸術品が日本人の手を放れ、海外へ行ってしまうのだろうか。ここには、文科省をはじめ、日本の文化・芸術関係者が日本の宝であるとの認識をしっかり持ち、決して海外へ放出しないよう、最後の砦で国が購入してでも手放さないとの強い信念と気持ちがなければいけないと思う。とにかくがっかりした。本物にはもう会えないかも知れない。

2024年3月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6054.2024年3月19日(火) マイナス金利解除と派閥幹部証人喚問要求

 今日日銀は金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除することを決め、17年ぶりの利上げに踏み切った。これによって長期金利-0.1%を+0.1%に変更し、短期金利を0から+0.1%に上げる。これを受けて三菱UFJ銀行は早速21日から0.001%だった普通預金金利を、0.02%に引き上げると発表した。三井住友銀行も追随することを発表した。これから外為市場や住宅ローンなどにも影響が表れて来ることだろう。また、今日の日経平均株価は、再び4万円台に戻り40,003円となった。

 さて、自民党派閥の裏金問題は、政治倫理審査会で派閥幹部ら関係者が答弁したが、一向に明確な説明がなく闇は濃くなるばかりである。しびれを切らした野党4党は、予算委員会で派閥の事務総長経験者など6人について、罰則規定のある証人喚問を行うよう自民党に要求する模様だ。国民の自民党に対する不信感と政治に対する失望感などが強まり、数日前に行った朝日新聞の世論調査によると岸田内閣の不支持率がまた上がり、遂に67%に達した。有権者の3人に2人が岸田内閣を支持していないことになる。首相のリーダーシップも何やら頼りなさそうで、仮に今解散し総選挙を実施したら自民党は相当得票率を下げるのではないだろうか。

 国内の政治が裏金問題の解明に費やされて、能登半島地震支援などに充分手が回らない印象である。その間に闇に隠れるように安保問題が素通りして行く。とりわけ防衛費の増額に示されるように、敵基地攻撃能力とか、戦闘機の共同開発による輸出や、オスプレイの不安な飛行復活など、日米協定という隠れ蓑の陰で着々と危ない手を打っている。特に気になるのは、イギリス、イタリアと日本が共同開発している次期戦闘機である。イギリスは、日本が同意しない「防衛装備移転3原則」の変更を求めたが、これは日本の国是である非戦平和主義を逸脱するものである。ところが、これに条件付きであるにせよイギリスの要望を受け入れた。当初公明党は賛成しなかったが、今では人気も下り坂の公明党が同じ与党の自民党と一層連携を強めることで愁眉を開こうとしたのか、次期戦闘機輸出解禁で合意する有様である。今や日本は軍事国家に変貌しつつあるのだ。

 その次期戦闘機開発・製造に当たるのは、航空機製造に実績のある三菱重工業のようだが、何と自民党は同社から年間3千万円の献金を受けていたことが分かった。これも裏金のひとつとしてキックバックの対象となり、関係筋の国会議員の懐に入っていくのだろう。

 停止していた米軍のオスプレイの飛行も14日から日本国内で再開を認めたが、昨年11月屋久島沖で墜落した原因の調査結果に納得して再開に同意したと、防衛省は手早くアメリカの意を受けた発言をしている。しかし、調査結果の内容を厳しくチェックすることもなく、問題なしとして安易に再飛行を認めたのは、これもまたアメリカの言いなりということではないか。屋久島沖の事故オスプレイは、都内の横田米軍基地に所属していただけに基地周辺の住民からは不安の声が聞かれる。

 裏金問題に忙殺されている間に、防衛省は難しい問題を抱えて大分困惑しているようだ。今秋のアメリカ大統領選でトランプ前大統領が復活当選するようなことにでもなったら、トランプ・アメリカは次々と日本に過大な要求を突き付けて来るだろう。

 ともかく現在の岸田内閣の政権運営は心配で見ていられないというのが率直な気持ちである。現在の政倫審もこれという成果がなく、真実を隠蔽していることが考えられるとして証人喚問に進めば、スッキリするが、同時に、岸田首相自身が身を退く事態も考えられるのではないだろうか。

2024年3月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6053.2024年3月18日(月) プーチン大統領、疑問符の付く「歴史的大勝」

 15日から3日間行われたロシア大統領選挙の投開票が終わった。最初はどうして投開票のために3日間も費やすのかと首を傾げていたが、考えてみるとロシアの国土は広大で、バルト海に面した飛び地カリーニングラードからカムチャツカ半島東端まで、実に11の時間帯があるので10時間の時差があり、どうしても1日や2日ですべての作業を終えることが出来ないからである。

 投票結果は、予想されていた通りプーチン大統領のいわくつきの圧勝だった。単にプーチン氏の強権的独裁をPRしただけで、はっきり言って事前に反プーチン行動を抑圧し、有力な反プーチン派候補者には立候補を認めず排除し、投票でもプーチンへの1票を押し付けるなど、勝負は最初から分かっていた。とても開かれた民主的選挙と言えるものではなく、形だけの選挙である。国民からの信頼と委託を投票に具現化する選挙とは程遠い。総選挙を行わずに独裁的権力を行使している中国の習近平・国家主席や、北朝鮮の金正恩・朝鮮共産党総書記と何ら変わらないままトップの座に君臨するようなものである。この2人の独裁者から早速祝電が届いたそうであるが、同じように独裁的権力で国家を抑え込んでいる2人と相通じるものがあるのだろう。時代錯誤も甚だしい。

 投票への呼びかけも威嚇的で、大学構内で大学当局から学生たちに投票するよう圧力をかけたり、ウクライナ東部のドネツク州など4州のロシア占領地区では、武器を持った関係者が全住民の家庭を訪問して投票を強要した押し付けがましい選挙民への投票要請については、国連加盟国50か国以上が、一斉に非難する共同声明を発表したほどである。

 何を考えているのか、プーチン側は選挙で圧勝して、絶対的な勝利で信頼と権力を得たと誇示することによって引き続き思うがままに政治、経済、外交面で行動する存在感をアピールしようとしているのだ。結果的に開票率98%時点で、プーチン氏の得票率は世界でもあまり例のない87.34%で文句のない?圧勝だった。

 プーチン氏が再びロシア大統領に選出されたことにより、今後2030年までその地位に就くことになる。任期切れの30年に再び当選すれば、更に6年間思うままに権力を揮える。取り敢えず在位30年となり、旧ソ連時代に殺人鬼と言われた独裁者スターリンの在位25年を超えて最長の在任期間になる。偶々今晩NHK「映像の世紀」で1千年間自由のない国ロシアと殺人鬼スターリンについて放映していた。人騒がせで利己的な独裁者プーチンがこれからもロシア大統領として居座ることによって、世界は益々暗く偏屈なものとなる。

 さて、昨日セルビアにいる友人から次のような情報を知らせてくれた。20年前の昨日、コソボでロシアの友好国セルビアを糾弾する暴動が起きた。これがきっかけとなりコソボではセルビア製品の輸入禁止、今年2月からはコソボ地域でのセルビア通貨の使用禁止により年金や給与が受け取れなくなったり、それらがエスカレートして数日前からロシアを中心に使用されているキリル文字の使用禁止などが、日常生活に影響を与えているという。そもそも暴動の原因となったのは、アルバニア人の3人の子どもが川で溺死した事件である。コソボ人男性が地元のメディアに、3人はセルビア人に追われて逃げる途中に川に落ちたというフェイク情報がきっかけで、コソボ全域で暴動が起こり、セルビア人襲撃とか、正教会聖堂の焼き討ちなどの民族浄化が行われたということである。

 これはロシア大統領選とは直接関係ないが、旧ユーゴスラビアから独立した国家間で複雑な民族間対立があり、そこへロシアが入り込み、ロシアと友好的なセルビアとそうではない国々の間に対立感情が堪っているからである。ことの良し悪しは別にしてもロシアが絡むとどうも嫌な事件ばかり浮かび上がって来る。

2024年3月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6052.2024年3月17日(日) 内憂外患の岸田内閣は大丈夫か?

 いま自民党の派閥裏金問題の対応を巡って党内は揺れに揺れている。自民党は、昨日全国幹事長会議を党本部で開いたのに続いて、今日都内ホテルで全国党大会を開催した。各都道府県の代表者である幹事長らからは、本部への批判が相次いだ。岸田首相は冒頭の挨拶で国民の間に政治不信を引き起こしたとして謝罪した。首相は、政治責任、再発防止、政治資金規正法改正などを進めると述べたが、自民党が変わらなければならないと言い、党本部ともども命がけで党再生に努力することを誓った。そして、茂木幹事長に関係議員の処分について結論を得るよう指示した。

 そのうえで自民党の今年度の運動方針案について語ったが、実際のところ裏金問題が決着つかない状態では、それが果たして今年度中に実現できるかどうかは不透明である。運動方針案の基本とは、

 ・政治と金について、反省と国民へのお詫びとして従来の「派閥」を2度と復活させない。

 ・憲法改正について、2024年度中に国民投票で国民の判断を仰ぐ。

 ・北朝鮮拉致問題については、全被害者の即時帰国実現のために全力を尽くす。

 ・皇位継承には、責任ある政権与党として党内で議論を進める。

 ・次期衆議院選は、高い緊張感を持ち、勝てる態勢構築。

 ・賃上げは、物価上昇を上回る賃上げへ政策後押し。

 である。

 派閥の復活をしないと大見えを切ったが、まだ政治倫理審査会の手打ちが済んでいないこれまでの経緯を見ると、またすぐに復活するのではないかとの疑問が膨らんで来る。また、憲法改正のための国民投票まで進めることは難しいだろう。この件についてはまだ国民はほとんど知らされていない。拉致問題の解決も、北朝鮮の最近までの対応から考えて可能性は限りなく0%に近いと思う。皇位継承権の議論については、難しい問題もあり果たして自民党内だけの議論で問題を先へ進めることが出来るだろうか。次期衆議院選の前に、4月に補欠選挙が3か所で実施される。裏金騒動の流れの中で議席獲得はかなり厳しいと考えられる。賃上げだけは、昨日すでに大幅上昇で決着したが、物価上昇をカバー出来るだろうか。

 自民党が当面切り抜けなければならないハードルは、4月のトリプル補選であろう。そのひとつの東京15区は、江東区長選を巡る公選法違反罪で有罪判決を受けた柿沢未途議員の辞職に伴う補選で、後継者が見つからず不戦敗の空気である。2つ目の長崎3区も裏金問題で政治資金規正法違反に問われ略式起訴された谷川弥一議員の辞職の後釜であるが、後継立候補者を捜し難く、自民党としてはここも不戦敗の方向である。3つ目の島根1区は、細田博之前衆院議長が長期に亘り安定的議席を獲得していただけに、細田氏の死去に伴う欠員は後継者が見つかっただろうか。自民党全体に逆風の影響もあり厳しいと見られている。

 ウクライナ、パレスチナなど国際的な人道問題が取り沙汰されている混乱の中で、日本政府はこれという手が打てないまま、アメリカの後押しをしている。経済問題では日本製鉄によるアメリカの最大の鉄鋼メーカー「USスチール」の買収につき、USスチール労働組合の反対の動きに乗って、バイデン大統領やトランプ前大統領が強い口調で認めないという国内の政治問題から外国の経済問題に露骨に口を出す動きにも日本政府は何らの手も打てない。正に岸田内閣はいま内憂外患に晒されている。

2024年3月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6051.2024年3月16日(土) 春闘の高い賃上げと北陸新幹線開業

 法人税が低率のため企業の利益が膨らんでいるのか、大手企業が今春闘で随分景気の良い賃上げを提示した。正社員の賃上げ率が平均5.28%で、1933年以来33年ぶりに5%を超えた。驚いたのは、この過程で各社が公表した賃上げ額の中に満額回答や、満額を上回る回答があった企業が大分あったことである。

 連合が目標としていた5%以上を上回ったことに、芳野友子会長は得意満面で「この結果が今後、消費につながることを期待したい」と述べた。今気がかりなのは、この高水準の賃上げが、中小企業にまで普く影響が及ぶかということと、賃上げが物価上昇を上回り実質賃金が上がるのかという点である。それによっては現在日銀が11年もの長期間に亘り実施している金融緩和策を転換させることもあり得る。

 それにしても日本製鉄が平均賃上げ額を3万5千円、トヨタ自動車が2万8千円と回答したのには、度肝を抜かれた感じである。私は1963年入社してその時手にした初任給は1万8千円だったが、当時の新入社員2人分の給料に当たる金額を、日本製鉄の現役社員は昨年の給与の上に乗せてもらえるというのだから、時代の流れもあり貨幣価値も随分変わったが、懐具合は大分良くなったのではないかと思う。今の社員たちは、いただいた給料に見合う労働をきちんとやっているのだろう。

 ただ、こういう好景気の指標が示されたために、以前に比べて労働ストを決行する企業はほぼ影を潜めた。特に半世紀前は春闘というと鉄道会社や交通機関がストを決行し、通勤、通学の足に随分影響を与えていた。全般的に落ち着いた社会になってきたとは言えるのだろう。

 さて、今日JR北陸新幹線金沢~敦賀間が開通した。能登半島地震により北陸方面への観光客が減少しつつある中で、地元では大歓迎である。ただ、この路線は中々分かり難く、当初1997年に高崎~長野間が開通し、上野~高崎間は上越新幹線と同じ路線を走っていた。そして2015年に長野~金沢間が延長され、今日金沢~敦賀間が開通したことにより、上野から金沢経由で敦賀までつながった。この区間には加賀温泉と芦原温泉という有名な温泉場があり、地元では景気回復の梃子になると期待されている。

 しかしながら沿線から東京及び首都圏への交通は利便性が高まった反面、大阪方面は直通列車が消え、乗り換える必要がある不便から、今後関西方面の大学への受験生が、関東方面へ変わるケースが増えるのではないかと考えられている。当分大阪~敦賀間の新幹線建設工事は予定されていないという。敦賀駅では祝賀ムードが溢れ、一番列車の出発、到着時間前後はホームにも人がいっぱいの状態だった。

 敦賀と言えば、戦前は中国大陸との交通の出入り口で、ヨーロッパとの国際連絡鉄道の日本側の受け入れ港として街は未曽有の発展を遂げ、戦前にすでに「市」として一本立ちしていた。それが戦災に遭い戦後はあまり特徴のない都市として、発展からやや取り残されてしまった。今改めて北陸地方の街として再認識させるチャンスでもある。

 敦賀市民にとっては新幹線さまさまであろう。

2024年3月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com