6530.2025年3月30日(日) 横浜高校、19年ぶりセンバツ優勝

 一昨日発生したミヤンマーの大地震は、その後犠牲者の数が増えて、軍の発表によると今夕までに死者が1,700を超え、負傷者は3,400余人を数えることが確認されたという。ミヤンマーは軍部による非民主的な政権運営で、欧米先進国をはじめ支援しようという国は、まだあまり表面的には動き出していない。その最中にロシアと中国は早々に被災者救助のために、医師ら医療関係者をチャーター機で送り込んだ。

 あまり知られていなかったが、今回の地震は震源地マンダレーと首都ネピドー、ヤンゴンを南北にかけて結ぶ1千㎞以上のサガイン断層が走っている。その断層が一部ずれたことが揺れの原因とみられる。過去200年間この近くでは大規模な活動はなかった。地震のない「空白域」だったのである。それが住民ならまだしも建築関係者の気持ちのうえで地震への警戒心を弱めさせていたのだろう。その表れとして、木造の建物はともかく最近建築され高層ビルには、案外耐震性が低い建物が多く、少しの揺れでも瓦解する危険がある。私が知らない近年のタイやミヤンマーの大都市にも高層建築が目に入るようになったが、耐震性において欠陥があるため今回の地震でも簡単に崩壊している。地震大国日本の建築技術を見習って、もう少し耐震構造に留意すべきではないかと思う。

 さて、今日はセンバツ高校野球決勝戦が、横浜高校と智弁学園和歌山との間で行われ、接戦が予想されたが、案外大差がつく大味な試合となった。結果として11―4で横浜の19年ぶり4回目の優勝となった。横浜は昨秋から公式戦で20連勝だそうである。このまま行けば、夏の大会も勝って春夏連覇を成し遂げる可能性ある

 ところで、近年センバツ大会は出場校の顔ぶれが従来の出場校とは少しずつ変わり、強豪校の傾向も変わりつつあるようだ。今年も準決勝に進出したベスト4の内、3校が群馬、埼玉、神奈川県の関東地区の代表校である。残る1校が決勝戦の相手、智弁和歌山学園である。こんなことはかつてあまりなかったことである。高校野球界でその存在感が強かったのは、関西、四国地方の高校で、いつも通りなら今回とは異なりベスト4の内3校が関西及び四国が進出するのが普通だった。これからは高校野球界の分布図も変わることになるかも知れない。実際、最近5年間のセンバツ優勝校をみても2021年の東海大相模(神奈川)、22年大阪桐蔭(大阪)、23年山梨学院(山梨)、24年健大高崎(群馬)、そして今年の横浜(神奈川)であり、西高東低ならぬ東高西低現象がはっきり表れている。夏の全国大会でも2022年は仙台育英高(宮城)、23年慶應(神奈川)となり、これもいずれセンバツ大会と同じような傾向が現れるのではないかと思う。

 センバツ大会について思い出すことと言えば、高校に入学した今から71年前の第26回大会には母校も出場したが、残念ながら1回戦で四国の雄・高知商に1-0で敗れてしまった。爾来甲子園とは春夏ともまったく縁がなくなってしまった。今では、私立校が運動部の強化に力を入れるようになって、公立校は野球部に限らず、他の運動部も私立に押されっ放しとなり、公立校が甲子園や、花園などに出場出来るチャンスは稀になってしまった。寂しいことである。

2025年3月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6529.2025年3月29日(土) ミヤンマーにM7.7の大地震発生

 昨日珍しくミヤンマーで大地震が起き、多くの犠牲者と被害が出ている。中部都市マンダレーを中心に発生したマグニチュード7.7の相当大きな地震である。テレビでその第1報を知った時にはミヤンマーではなく、遥か1千㎞も離れたお隣のタイ・バンコックのビル倒壊の瞬間の映像だったことも奇異な感じがした。中国南部の雲南省でもその影響が現れ逃げ惑う住民の姿が映し出されていた。

 近隣の国々に大分影響が現れているようだった。ミヤンマーはあまり地震がなく、加えて現在軍部による抑圧的な政治態勢下にあるうえに、軍と少数民族が激しい内戦を繰り返してい外国人ジャーナリストの活動もかなり制約されていて、報道の自由も厳しく制約されるために真実が伝わって来ない。実情はどうなのか、残念ながら大雑把なことしか分からない。

 驚いたのは、バンコックでは34階建ての建設中の高層ビルが一瞬にして崩壊したテレビ画像と、震源地近くのマンダレー市内のビルの崩壊である。かつてマンダレーには何度となく訪れたことがあり、ミヤンマー第2の都市とは言え、あの牧歌的な街と王宮周辺の空気は何とも言えず魅力的である。マンダレーには以前はあのような高層ビルはなかった。それは日本人観光客が避難したヤンゴン市内の17階建てのホテルについても言えることである。現在国内は抑圧的なミン・アウン・フライン軍事政権下にあるため、外国から経済制裁を受けていてこの地震という災害に追い込まれた中で、外国に支援を求めても各国が素直に応じるかどうか分からない。それでも国連は緊急支援金として7億5千万円を送ることを決めた。評判の良くないアメリカのトランプ大統領も直ちに緊急支援金を送ることを宣言した。

 バンコックで崩壊した137mの高層ビルについてもあまり芳しくない話が流れてくる。その施工は、中国国営の建設会社が受注したビルで、同社にとっては海外で初めて請け負った超高層建築だった。完成後はタイ政府関係の施設が入居する予定で、2020年から工事が始まり現在30%程度の進捗状況だった。しかし、これらの情報は、SNSアカウントからまもなく削除されたという。こんな耐震性の低い安普請のビル建設に関わったとの噂が広まっては、中国建設業界にとっては極めて由々しいことで、慌ててブレーキを掛けたのだろう。

 ミヤンマーはもちろん、タイでも大勢の犠牲者が生まれたようだが、ミヤンマーの政治事情のせいで、詳細が判明するのはかなり時間が経ってからのことだろう。今日午後3時時点では、軍の発表によると死者が1,022人、負傷者2,376人だそうだが、バンコックの犠牲者も合わせると遥かに超えていると見られる。

 1971年に初めて当時のビルマを訪れてから、20世紀中に30回近く訪れている。戦友会の慰霊団のお供で何度もミヤンマーを訪れ、ミヤンマーの人々とも親しくお付き合いしていた。特に彼らの国民性というか、性格的に優しく人柄が親しみやすく毎年訪緬するのが待ち遠しいくらいだった。今では親しかった人も大分亡くなりお付き合いも途絶えてしまったが、元気な人たちはこの地震にどうしているだろうと気がかりである。大好きなミヤンマーの1日も早い復興を願っている。

2025年3月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6528.2025年3月28日(金) 国と民間企業が背負わされた難行苦行

 2024年度も残り4日となったが、与野党間の企業献金禁止を巡る話し合いがまとまらず、来年度の一般会計予算の参議院通過も厳しかったが、今日になって与野党間で期末の31日に参院通過で話し合いがついたようだ。国内政治が追い込まれているこんな厄介な時に、アメリカのトランプ大統領が対米貿易国に対して脅迫的な難問をぶつけて来た。アメリカへの全輸入車の関税を25%も上乗せすると発表したのである。日本車の輸入も例外ではなく、これまで対米関税率は、乗用車が2.5%だったが、27.5%になり、トラックなどは従来の50%が75%という途方もない関税がかけられる。当然それは販売価格に付加されることになり、アメリカ国内における日本車はとてつもなく高額になる。かつてはアメリカの繁栄を支えてきた自動車産業もこのところ外国車に押されて景気が良くない。トランプ大統領は、自動車産業の復興が製造業の中核と捉えてその復興を公約にした。これまでの大量の輸入がアメリカの産業基盤を損なったとして関税政策を正当化している。しかし、アメリカの産業が停滞したなら、本来的にはアメリカの産業自体の販売を伸ばす努力と方策をアメリカ国内で考えるべきであって、無意味な仕返しをしているように外国にツケを回すべきではない。

 これほど急激に、しかも過激にこれまで何かと友好的な関係を保ってきた国々に八つ当たりするのは、トランプ大統領のような悪質な変人だからこそ出来ることかも知れないが、それだけにトランプ大統領の存在自体は、日本をはじめ、諸外国にとって至極迷惑千万である。日本はアメリカからの輸入車に関税をかけていない。それでもアメリカは、日本独自の規制や商習慣などの非関税障壁によりアメリカ車の販売が低迷していると言いがかりをつけている。日本の対米輸出は年間399億㌦に上る。トヨタや日産が高額な献金をしている自民党としては、この不都合を自民党政府はどう自動車メーカーに説明し、対応するのだろうか。難しいが、興味深い問題でもある。

 さて、他方民間企業の不祥事の結論としてどうなるのか注目されていたフジ・テレビの役員人事が昨日公表された。1月末に開催された記者会見で、事件の発端とされた1タレントの女性スキャンダルによって会社の責任者、会長、社長らが退いたが、どうも責任の取り方がすっきりせず、改めて開いた記者会見は延々10時間にも及んだ。それでも会社の対応に納得感が生まれず、昨日の新会長と新社長の人事問題を主とする会見で何とか理解を得られたようである。

 それにしても単なる女性スキャンダルによって、会社としての責任感、対応ひとつでこうまで騒ぎが大きくなるものかと驚いている。フジ・テレビは6月の株主総会までに役員が大幅に刷新され、フジ・テレビの役員は22人から10人へ、親会社のホールディングスは17人から11人に減る。取締役の女性比率を3割以上にし、平均年齢も下げる。企業風土も疑問視され40年以上に亘り権限を揮ってきた日枝久氏が身を退くことに決まった。

 社内体制は一応身軽になって出直すことになったが、抱えた問題の解決は容易ではないと思う。かつては、10年間も民間テレビの視聴率3冠王だったが、今では毎週発表される視聴率では、20位以内にフジの番組はまったく顔を出さないほど落ちぶれてしまった。かなり多くのスポンサーが離れ、今年度の決算見込みでは、対前年度収益は9割も下がり大きな赤字決算となる。復興はいばらの道と言う他ないだろう。

 興味本位な疑問として、これほど大きな問題の発端となったのは、1タレントの不祥事であるが、タレント本人としては身から出た錆によりタレント生命を絶たれてしまい黙って引き下がるのは仕方がないが、多くのテレビ経営者を巻き込み引きずりおろしたり、テレビ会社の経営をどん底に突き落としたり、別の面で罪の意識は感じていることだろう。本音としては、どう思っているだろうか。聞いてみたいものである。

2025年3月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6527.2025年3月27日(木) 「赤旗」が公表、自民党への高額献金企業名

 2か月ぶりに慶應病院で心臓の不整脈の定期検査ということでホールター心電図を撮ってもらった。1月末には、不整脈は見られなくなったということから、果たして今日はどうだろうかと1月と同じ期待を込めて調べてもらったところ、今日の結果も不整脈は見られないということで安堵したところである。7月初旬にもう1度同じ検査をしてもらうことになった。採血もいつも通りしてもらいヘモグロビン(HbA1c)の数値も5.7で大分安定してきた。若干気になるのは、小腸の不調から腹痛を感じるのではないかと現在は飲み薬による処方を続けている東京医医療センターとかかりつけの内科医院の処方である。

 さて、裏金問題が暴露されて政党への献金はすべて禁止するか、一部を残すかとの議論が与野党間で続いている。中でも野党は企業、団体からの献金も一切止めるべきだと強く主張しているが、自民党は何とかこれだけは止めたくない。自民党の言いぐさは、一切法令に抵触するものではないと言い逃れ、何とかこの玉手箱だけは壊したくない。それが年度内に来年度予算案の決定まで遅らせていて、財務省当局もハラハラその推移を見守っているところである。

 ところが、今日発行の日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」日曜版(3月30日付)に、2023年度の自民党への企業献金リストが公表されたことを知った。受け入れたのは、自民党内の「国民政治協会」である。献金額上位20社の社名も掲載されている。トップはトヨタ自動車で5千万円、破綻寸前の日産自動車も3番目に多く3千7百万円も献金している。自動車会社はこの他にホンダ、マツダも載っている。これはアベノミクスの安倍政権時代の2013年から継続的に法人税率を引き下げた効果で、企業の利益が増えた中から「自民党へ還元」したものである。20社は皆大手企業で法人税率引き下げによる恩恵を受けたことが明白である。20社の内大手商社が5社、メガ・バンク3行がリストアップされている。例えば、トヨタの5千万円の献金効果として、法人3税の減税効果が、実に4,145億円もあったというから、献金した企業にとってもエビス顔になるのも頷ける。と同時に、メディアの批判や攻撃は、自民党へ向けられるが、献金した企業も非難されてしかるべきだと思う。献金した企業には大いなる見返りがあるわけだから献金を止める筈かない。その一方で一般国民はこの間消費税の値上げに厳しい生活を強いられている。メディアは自民党だけを責めるだけでなく、献金に加担した大手企業のぼろ儲けも批判するべきではないかと思う。これが赤旗によって暴露されたのをきっかけに、他のメディアも遠慮なく正体を暴くべきである。

 それにしても赤旗だけしか真実を明かさないというのは、自民党と各メディアの間に暗黙の秘密の協定が結ばれているのではないかと勘繰らざるを得ない。もう少し突っ込んだ報道を他のメディアも行ってくれるよう要望したい。

2025年3月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6526.2025年3月26日(水) 山林火災が頻発、旧統一教会は解散か?

 この数年多くの財産喪失者や犠牲者を出して厳しく批判され、中でも母親が信者だったことから犯人が恨みを抱いて安倍晋三元首相を狙撃して社会的に大きな注目を浴びた、宗教法人「世界平和統一家庭連合」(通称:旧統一教会)が昨日、高額献金や霊感商法などで東京地裁から解散を命じられた。被害者の声を聞いているとそれも当然と思われる決定である。

 この決定に対し当の旧統一教会は昨晩田中富弘会長が会見を開いた。東京地裁は決定の理由を「膨大な規模の被害が生じ、現在も見過ごせない状況が続いている。教団は根本的な対策を講じず、不十分な対応に終始した」と厳しく指摘した。この指摘に対して「国家による明らかな信教の自由の侵害だ。悪質な団体ではないことは明白であり、決定は明らかに不当だ。最後まで闘っていく」として、即時抗告の方針を明らかにした。統一教会の顧問弁護士も「残念、遺憾です。法治国家としてこんなことがあり得るのか」と憤慨していた。今後審理が高裁に移るが、再び解散命令が出ると例え最高裁に抗告したにせよ、解散の手続きが始まる。

 現時点で旧統一教会の総資産は、1,100億円余と見られているが、仮に解散するとこの資産を処分しなければならない。その際税制上の優遇措置を受けられなくなるので、今後審理の行方に焦点が移る。

 さて、先日岩手県大船渡市の山林火災が大きく広がり、日本中の関心を集めた。発生してから今日で1か月になる。そこへこの2,3日また山火事が愛媛県今治市と岡山市内で発生し、いずれも延焼して鎮火の見通しが立っていない。消火活動が延焼のスピードに追い付いていないというから今後も余程気を付けないと更に拡大する恐れがある。そして、今日新たに宮崎市の山林でも火災が発生した。

 他にも山林火災が発生した土地があるが、近年温室効果ガスに占める二酸化炭素(CO²)の割合が増えていることが地球温暖化の主要原因とされている。CO²が増えると地球温暖化が加速し、地球の平均気温が上昇する。このまま気温が上昇すると今世紀末には、前世紀末より地球上の気温は平均4℃上昇するという。それによって益々異常気象が発生し海水面の上昇や水資源の枯渇、空気の乾燥が激しくなる。つまり山林火災の遠因は、地球温暖化であり、これから益々温暖化が進めば、地球上の山林火災は増える一方だということになる。

 しかしながら、国際社会は地球温暖化に対してCO²排出を規制する取り決め「パリ協定」を締結したにも拘らず、そのCO²の最大排出国アメリカが協定を離脱する有様で、どこの国も現状この無軌道ぶりにブレーキを掛けられない。アメリカ人のような知恵と良識のない国民が世界政治を自家薬籠中のものにするようでは、地球は焼け焦げ、いずれ多くの生物が焼け死に、地球は滅びるという構図になる。何たる愚かなことかと思いつつ庶民には打つ手がない。

 今日東京都内の気温は、26℃だったが、3月に入ってから25.9℃以上の夏日を3度も記録したのは、過去にはないことだそうである。ちょうど1週間前の東京では雪が降っていたくらいである。確実に日本国内の気温も年々上昇し、国土は熱くなっている。我々はただ、アメリカ人のなすがままに、ただ焼け焦げるのを待つだけなのだろうか。この世に生きることをアメリカに押さえつけられていると言えよう。残念で情けないことである。

 さて、奈良に住む孫娘のひとりが間もなく大学を卒業し就職するのを前に一昨日から妹と、2泊3日で我が家にやってきた。4月から研修を終えた後松江市に勤務するという。一昨日夜は近々大阪勤務となる息子が合流して豪華?なディナーをともにしたところだ。昨夕は二子玉川のホテルでディナーをご馳走したところである。下の孫娘も来年大学を卒業して社会人となるが、これまであまり苦労したことがないせいであろう。屈託がなく、自由奔放、のびのびとしている。今日昼前に奈良へ帰って行ったが、流石に気を遣って2人の世話をした妻は疲れ切ったようだった。2人は家の中でもスマホに夢中で、これは一昨日の本ブログに書いたように、オーストラリア同様に年齢制限で使用を禁止した方が良いと実感したところである。

2025年3月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6525.2025年3月25日(火) 空爆により亡くなった朝日新聞ガザ通信員

 朝日朝刊一面の見出しと記事を見て愕然とした。朝日の通信員を務めていたパレスチナ人のマンスール氏が夕べのイスラエル空軍の空襲により亡くなったという悲しいニュースだった。他にもアルジャジーラの記者が死亡した。日本のメディアは、ニューヨーク同時多発テロに見舞われてから危険な土地の取材に日本人ジャーナリストを派遣することを控えるようになり、その代わりの役割を現地の人に委ねることが多くなった。実際NHK・TVを観ていてもイスラエルの大都市エルサレムには日本人社員を特派員として派遣しているが、危険なガザ地区では現地人がその職務を務めるというケースが多く見られるようになった。危険な地域では、日本人の視点から取材することが忌避されたのである。そして現地の写真をはじめ現地の生々しい取材記録は、外国通信社から入手したり、フリー・ジャーナリストに高い料金を支払ってドキュメント記事を入手したり、現地のメディア関係者を雇用する手段で対応しているケースが多くなった。このためにどうしても日本人的なアプローチや、視点に欠けて日本人の受け止め方とはややずれがみられたり、もっと突っ込んだ取材を求める声がある。メディア各社にしてみれば、不幸があった場合の故人の生涯補償金などの実負担から逃れられるという逃げ道はあった。だが、どうにも素直には納得出来ないのも率直な感想である。

 マンスール氏と契約出来たのも、朝日が直接交渉し、採用したということではなく、氏が所属するNPO法人を通じて交渉し、契約したらしい。

 これまで私は自分の講演の中で自らの経験上度々臨場感の大切さとか、現場に足を踏み込む効用を訴えてきた。現場でなければ分からなくて、どうしても記事や表現に臨場感や緊迫感が欠けてしまう。しかし、これこそが重要であり、これからもこの点を訴えたいが、一方でガザ地区のように危険が現実性を帯びてきたこともあり、難しい問題ともなった。

 さて、午後3時に自由が丘で、新雑誌「イコール」の責任編集者である久恒啓一氏と雑誌の今後の進め方について話し合いをした。まとめて50冊入手したが、45冊ほどを知人に送った。雑誌は見た目もよく、図解により分かり易くなり彼らの評判も良い。「イコール」は季刊誌ということなので、年間4冊の発行を目指しているが、その内2冊が久恒氏が責任を持って編集長を務めるという。今日の話し合いの中で、副題である「アクティブ・シニア革命」について、すべてのシニア世代が何か目的を持って前向きに進むことを目指すようにしたいということである。私もシニア世代の中でも長老の仲間入りをしているが、久恒編集長の考えで「旅行」について、世界遺産とそれを造った人たちとの関係をまとめて欲しいとのことだった。例えば、古代エジプトの世界遺産の建設に携わった人々との関係性をどこまで出来るか分からないが、究明してみようと思っている。

 この好雑誌を知的なものとしてステップアップする責任は重いが、大いに張り合いのある仕事でもある。これぞ「アクティブ・シニア革命」だと思っている。

2025年3月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6524.2025年3月24日(月) 親が幼児にスマホを買い与える是非

 今世界中でSNSの無防備な受発信が問題になっている。日本で若者が関わった特殊詐欺事件が問題になったのも勧誘がSNSで行われたからだと非難された。SNSによって好ましくない事件を引き起こすのは、概して若者、それもティーンエイジャー世代が多い。これを真剣に捉えて何とか止めようと行動を起こそうとしている国がある。それはオーストラリアである。オーストラリアは世界初と報じられた法規制に動いた。本年内に16歳未満の利用を禁止する法律を施行する。大人は一様に法律に賛成であるが、その反対にSNSを使えなくなる低年齢児には極めて評判が悪い。

 だが、いずこの国も会社であれ、保護者であれ、若者がSNSに埋没してしまうことを恐れ警戒はしている。中でも欧米の国々は企業の責任を問う声が強い。

 この問題は当然日本でも深刻に考えられている。小学生まではほとんど持っていなかったスマホを、中学入学と同時に保護者が子どもに買い与えて、子どもは夢中になってLINE、X、TikTokにのめりこみ、親ははらはらしながらも買い与えたスマホを取り上げるようなことはしなかった。この点に親と子どものスマホ感覚のずれがあった。

 日本人の若者の1日あたりのインターネット利用時間は年々増え、16歳を超えると6時間にも上る。これでは、勉強時間を相当犠牲にしなければ難しい。教育関係者や保護者は当然この点を心配している。子どものSNS利用に何らかの規制が必要かとの質問に対しては、8割以上が必要であるとの回答があった。中でも教職関係者は、子どもがSNSにのめりこみ自分ひとりの力だけで抜け出すことは難しいと考えているが、親や教師の一存だけでは禁止することは問題であり、国が何らかの手を打つべきであるという答えが一番多いようである。

 自分の拙く浅いスマホ経験からズバリ回答するのは難しいが、まだスマホの実態が分からない年齢の子どもに、マイナス面を考えることなくスマホを買い与えたことに最大の問題があると思う。好奇心旺盛な年ごろの子どもが、興味深いアプリに熱中するのは当然だと言える。

 問題が、国際的にも大きくなっただけにここはオーストラリア政府の対応を見守るだけではなく、文部科学省も自らの問題としてしっかり受け止め考える必要があると思う。

 さて、海外で悪評だらけのアメリカのトランプ大統領のウクライナ、及びパレスチナ・ガザ地区に関する和平交渉は、大統領就任前に直ぐにも停戦へ持ち込むことが出来ると大きな口を叩いていたが、まだとても停止へ行き着く状況にはない。そして、いかにトランプ氏が海外で嫌われているかということでは、カナダにおける政権政党自由党の支持票が急上昇したことから分かる。トランプ氏はカナダに対して厳しい関税を課すと豪語した。同時に、カナダをアメリカ51番目の州にすると主張したことにカナダ国内でトランプ政権への反発が噴き出て、交代したばかりのカーニー首相が、「我々はアメリカの大統領をコントロールすることは出来ないが、自分たち自身の運命は変えることは出来る」と述べ、自身が率いる自由党への支持を訴えた。今年1月の世論調査では支持率が20.1%で、ライバルの保守党が44.2%で大きく差をつけられていたが、トランプ発言以降自由党の支持率は37.5%となり、保守党の37.1%を僅かながら上回った。まだ、どうなるか先行き不透明であるが、トランプ大統領の礼を失した発言が他国のプライドを傷つけていることは間違いない。

2025年3月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6523.2025年3月23日(日) 71年前も大阪の春場所は大関が優勝

 今日大相撲春場所が千秋楽を迎えた。時間帯も良いので、ほとんど毎日午後の息抜きに自宅で観ているが、今日は久しぶりに優勝決定戦までもつれこんだ末に、3回目の優勝決定戦に臨んだ元大関の高安が、今場所も宿願成らなかった。大関大の里に敗れ大の里にとって大関に昇進以来初めてで、通算3度目の優勝となった。高安関は勝負に弱いところがあるのか、いつも良いところまで行くのだが、最後の正念場で負けてしまう。今日の大の里とは場所中は勝っていながら、いざとなると勝ちを逃がしてしまう。勝負の世界は厳しいので、これも実力の結果と肝に銘じて捲土重来を期すより仕方があるまい。

 そういえば、京都の中学を卒業した71年前の3月、友だちと大阪府立体育館へ大相撲春場所千秋楽を観戦に行き、やはり大関だった三根山が優勝して表彰式後にパレードを行った。当時は有名人と接触するチャンスがなかったが、幸いその時優勝力士三根山と握手することが出来たことを今でも時々思い出す。少年の心に残してくれた楽しかった思い出である。

 さて、コロナがほぼ消えて、マスクを着けない人が多くなった。それでもクリニックなどではマスク着用が要求されている。コロナで随分損をしたという人は多かったと思う。あまりにも期間が長過ぎた。しばらく知人と会うのを遠慮せざるを得なかったが、その間に亡くなった人もいる。

 そんなコロナ旋風の影響で、企業では社員の在宅勤務というスタイルが流行した。会社へ出社しなくても自宅などでPCによって対応出来るから敢えて出社するまでもないということのようであるが、我々のような古い世代から言わせてもらえば、これはごく限られた部門だけの問題であり、営業など接客が伴う分野では難しいということと、会社のような複数の同僚と仕事をする場合に、ブレーンストーミング的対応が求められ、これがなければ、社員同士が教え合い、学び合うことがなくなり、多くの知恵の結晶であるべき個性的な発想などが生まれないのではないかと思う。そうでなくとも近年になって話し合う空気がありそうでいて、案外薄れて来たように思っている。むしろ、在宅勤務というのは、家庭内の用事を仕事の合間に出来るから、とか時間に制約されないという自由度や便利性が重宝がられているように思えて仕方がない。

 こんなことが話題になっていた時に、アメリカの大手IT企業のアマゾン社が、コロナ渦で定着した社員の在宅勤務を止め、週5日のフル出社を義務付けたとの情報が入って来た。在宅勤務に適しているとされ、その旗振り役でもあったIT企業で出社を求められたことに反発する社員もいるようだ。コロナ下では在宅勤務を勧めたアマゾンが、2023年から週3日以上の出社としていたが、今年から在宅勤務を原則として禁じ、毎日出社するように社員に求めているという。アマゾンのCEOは、オフィスに集まる利点が非常に大きいと確信したと述べているが、そんなことを今更言っても始まらない。新興のIT企業がソフト面にばかり注力し、ハード面に目を向けなかった粗忽さが現れたというべきであろう。

2025年3月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6522.2025年3月22日(土) 米の高騰は、農業行政の失敗にあり

 恒例の春闘のベースとなる賃上げもまとまったようだが、連合の発表によると定期昇給を含む正社員の賃上げ率は、平均5.4%となり、昨年同期を0.15%上回った。ただ、連合に加盟していない中小企業では賃上げ率は5%台を割り込んだようである。

 他方新卒採用の売り手市場の影響により、人材争奪戦の中で新入社員への給与は上がり「初任給30万円」の声も聞かれるほどである。ユニクロを経営するファーストリテイリング社は初任給を33万円に引き上げたというから、62年前に社会人になった時の私の初任給18,000円なんて恥ずかしいくらいである。収入は当然全般的に上がることになるが、昨今の物価値上げ現象により消費者の生活は一向に向上しない。とりわけ生活に直接影響のある食品の値上げが著しい。中でも主食の米代の値上げが激しく、昨年2月には5㎏2,045円だった米が、ほんの1年の間の今年3月には4,077円にまで値上がりした。1年間に2倍になったことになる。

 その最大の原因として挙げられるのは、猛暑、台風などの自然災害による生産量の減少、投機的取引の他に、集荷競争の過熱により、従来の集荷業者だけでなくこれまで取り扱ってこなかった業者などが米を集めた結果、米の所在が分からなくなったということが言われている。そのため急遽輸入米を増やした。それも今年1月1か月間の輸入米は、2023年度1年分を超えるほどの量となった。それでも市場の米不足は収まらず、先月政府は備蓄米21万㌧を市場に放出することを発表した。政府の備蓄米を放出するのは初めてである。

 かつては、米の生産と消費で米の国と言われ増産政策を取っていた日本が、その後米の過剰に悩み、挙句に米の減反政策へ切り替える有様だった。

 今から70年前の高校生のころ、日本の人口は約8千万人だった。当時日本人の米の消費は年間8千万石と言われ、国内の生産量は遥かに足りない6千万石でしかなく、不足分2千万石は外米の輸入に頼っていたものである。それが、その後増産政策により米の供給が需要を上回るようになり、今度は生産を抑制するために減反政策に切り替え、耕作の田畑が大きく減少した。これによって農業人口も減り、今また増産を施行しようにも不可能な状態になってしまった。二転三転した農業政策の失敗のツケが、今日の米の値上げに大きく影響している。

 米の生産量減少は、上記のように農業人口の減少が大きい。それは米のみならず、田畑で栽培される他の食物にも見られる。特に野菜の値が上がりっ放しで、これは備蓄されるようなものではなく、農家の手によって生産されるものである。例えば、昨年の同月に比べて、キャベツは30.5%、ハクサイは29%、トマト23.1%、みかん37.5%も値上げされている。これはある程度気象条件に左右されるものであるが、日本の農業行政の在り方も問われなければならないと思っている。

2025年3月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6521.2025年3月21日(金) 次期IOC会長にジンバブエの女性を選出

 ちょっと意外な結果に終わった会長選出選挙だった。昨日国際オリンピック委員会(IOC)会長選挙が行われ、7人の立候補者の内、唯一の女性候補者だったジンバブエ・スポーツ相のコベントリー現理事が当選したのである。歴代9人の会長の中で初めての女性会長である。コベントリー氏は五輪競泳5大会に出場し、金メダル2個を含む7つのメダルを獲得しており、選手としての実績においては申し分ない。これまでの歴代会長が皆欧米出身者だったエリート組織でそのトップに黒人ではないが、アフリカ人が選ばれたというのは画期的で意義のあることである。欧米地区以外からの初めて会長をとアジアを代表して立候補した国際体操連盟会長の渡辺守成氏は落選したが、新会長が欧米以外の国から選出されたので、その点では由とすべきであろう。

 さて、また驚いたのは、トランプ大統領の強引な手法である。ひとつは、ウクライナ停戦問題でロシアのプーチン大統領と電話会談を行ったが、全面的にロシアの了解を得ることが出来なかった。しかし、話合いの過程でエネルギー施設への一時的な攻撃を止めることで一致した。そこに付け込んだトランプ大統領は「インフラ保護の最善策としてウクライナの原子力発電所をアメリカが所有する」ことを提案したというから、仲介役と称しながら自らの利はしっかり手に入れようという算段である。ガザ地区をアメリカの所有とすると先般公表して国際社会から顰蹙を買ったばかりである。あまりの強欲と利己主義には呆れるばかりである。

 更にアメリカ国内でも問題が広がりつつある連邦予算経費節減である。約230万人いる連邦職員の内試用期間中の職員を極力解雇するよう命じたが、昨日教育省廃止を目的とする大統領令に署名した。理由として「アメリカでは生徒1人当たり教育費が他国を上回るが、成果は最下位に近い」と批判して、教育省を出来るだけ早く閉鎖して教育行政を各州に戻すと表明したのだ。これでは州によって教育方針が異なり、州によって教育レベルに差がつくようになる。はっきり言って、国は教育に責任を持たないと言っているようなものである。

 大統領就任2カ月でこれほど問題発言をしている大統領は前例がないと思う。周囲を惑わせ迷惑かけているのは、プラス面もあるにせよ嫌悪されている方がよほど多いだろう。退任後もどんな評価を受け、その評判もどんなものか、顰蹙を買いそうだが、その点では今から楽しみでもある。

 国内でまた馬鹿馬鹿しいニュースとなったのは、16日の千葉県知事選に立候補、落選したばかりの「NHKから国民を守る党」立花孝志代表が、また地方の首長選挙に出るという落語話である。女性との性的関係で永野耕平前市長が失職したばかりの大阪府岸和田市長選へ立花代表は出ようというのである。前市長は市議会から2度の不信任決議を受けて失職したものであるが、本人から反省の気持ちは感じられず、立花氏の「2馬力選挙」をプラスと考えているようだ。どうしても理解出来ないのは、その立花氏は、去る16日に千葉知事選に立候補し、それから4月6日の岸和田市長選の投開票日までは僅か21日しか経っていない。公職選挙法上では選挙権はその土地に最低3カ月間居住するという条件が必要であるが、市区町村長選の被選挙権は最も条件が緩やかで25歳以上なら誰でも立候補出来ることである。立花氏はそれを都合よく利用したということだが、市民にしては舐められたような気持ちになるのではないだろうか。本人に最初から当選する気がないようなので、無駄な立候補と言える。選挙権と同じように、公職選挙法上の市区町村長の被選挙権行使にも最低3カ月以上の居住を義務付けることにしても良いと思う。

2025年3月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com