6610.2025年6月18日(水) 対米貿易の影響と、大学運動部不祥事頻発

 やはりそうかと言うのが率直な印象である。懸念されていたように、トランプ関税の影響をもろに受けた日本経済は、5月の貿易収支が6千3百億円の赤字となった。4月に3カ月ぶりの貿易赤字1,158億円を計上した。しかし、この4月は経常収支では2兆2千億円の4月としては過去最大の黒字額を計上していたほどだった。それが、5月には瞬く間に経常収支、貿易額ともに赤字に落ち込んでしまった。昨日行われた日米首脳会談でも、アメリカが要求する対日関税交渉では、日本側の要望をまったく聞き入れる気配はなく、今後日本にとって厳しい前途が予想される。

 しかし、私見であるが、アメリカが対日貿易赤字の主たる原因は、日本がアメリカ車を輸入しないせいだと主張しているようだが、双方の自動車取引は、日本車の品質と使い易さが優れている反面、アメリカ車は日本の安全装置など道交法に沿っていなかったり、大型車ばかりで高額である点をアメリカの自動車関係者が理解せずアメリカ政府に自分たちのマイナス要件を伝えず、政府が対日強硬対応をしている。日本政府としても、今後絶対にアメリカに対して卑屈な態度を取ったり、従来の日米通商交渉などでアメリカの言い分を安易に受け入れたような態度だけは決して取ってもらいたくない。

 日本の2024年度の経常収支は、過去最大の30兆円だったが、現状から考えると25年度はかなり苦戦を強いられると思う。インバウンド業界の好調にも拘らず、場合によっては久しぶりに経常収支が赤字になることも考えられる。現状では、当分決着が付きそうもない日米関税交渉の行方を見守るしかない。

 さて、3日前の本ブログで最近公になった日本大学重量挙げ部のスキャンダルと、頻発する日大の運動部の不祥事について、批判を込めて取り上げたところだが、今度は柔道界の強豪校のひとつである国士館大学柔道部の不祥事が警察の捜索から明かされた。同大町田キャンパス内の学生寮から6人の部員が大麻の使用を認め、数人から大麻所持の申告があったという。警察では麻薬取締法違反容疑で立件を視野に調査中である。

 同大柔道部は、今や日本柔道界の名門となり、レジェンドでもある。直近のパリ・オリンピックをはじめ、過去のオリンピックで金メダル獲得選手が目白押しである。男子日本代表の鈴木桂治現監督も同大出身である。大学側の対応は素早く、ことが公になる前に一昨日付で柔道部の活動停止処分を下した。これにより惜しいことに、今月末に日本武道館で開催される予定の「全日本学生柔道優勝大会」への出場を辞退し、一昨年以来の8度目の日本一のチャンスを逃してしまったことである。仮に部活動停止とか、部の解散などの厳しい処置が講じられれば、同大ばかりでなく、日本柔道界にとってもピンチである。実は、国士館大柔道部は、過去にもスキャンダルに塗れたことがあった。アテネ・北京大会で連覇した内柴正人・女子コーチが準強姦罪で、パルセロナ元代表・丸山顕志が女性から現金4千万円を騙し取ったと詐欺罪で実刑等々、不祥事が頻発している。。

 近年大学体育会運動部は部員のみならず、取り巻くOB指導者など関係者の間にも不祥事が度々発生している。大学当局が、クラブ活動には関与せずに学生らの自主性に任せて管理上目が届かない隙を突かれている。しかしながら、対外的には大学内の独自の問題であり、世間に対してもきちんと管理をする責任があると思う。これだけ最高学府内で反社会的な不祥事が頻発する以上、大学側が、更に言えば監督官庁である文部科学省も、ともに真剣にその絶滅に向けて厳しく対応しなければ、「2度あることは3度ある」をいずれ実証することになるだろう。

2025年6月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com