一昨日かかりつけの内科で検査してもらった結果の説明を受けるために今朝医院を訪れた。ちょっとショックだったのは、これまで安定していた、蛋白質の量を示すと言われる数値「CRP」が大分上がったことである。それに尿の赤血球と白血球に薄い濁りのようなものがあるということだった。一昨日夜就寝中に右背中から上腹部に移った経験したことがないような痛みの状況から、内臓の皮膚の一部か血液が尿内に入り込んだのではないかということだった。しばらくは新しい薬を服用し、常時水分補給をしながら経過観察ということになった。
ついては、毎朝NHKの朝ドラ「あんぱん」が、視聴率トップの人気ぶりである。絵本「アンパンマン」の作者・漫画家のやなせたかしを主人公「柳井嵩」としたドラマである。この数日来ドラマでは柳井が軍隊は大嫌いなのに徴兵されて小倉の部隊へ転属させられ、厳しい訓練を受けている姿が映されている。終戦直前のことでもあり、軍隊では下級兵士への苛めとも思える訓練が行われている場面である。私には小学校に入学直前のことでもあるが、同じような光景を見たことが度々あったので、改めて終戦前後の当時を思い出している。
町から赤紙徴兵で戦地へ往かされる男性を近所の人びととともに駅まで見送りに行ったり、戦後しばらくして復員した元兵士を出迎えに行ったこともある。今でも酷いお仕置きだなぁと思うのは、上官による往復ビンタである。他にも戦時中の厳しい軍隊生活については、戦友会の人たちや、遺族会の方々から随分聞いたことがある。父も赤紙徴兵され、北朝鮮平壌へ派兵されたが、幸か不幸か病に罹り兵役解除除隊となった。当時深夜帰って来た父を祖父や母、兄と最寄り駅まで出迎えに行ったことがある。いずれにしろ今にして思えば、忌まわしい戦争の思い出であり、2度とあってはならないと身に染みて思っている。
さて、昨日の本欄にも書いたが、ロスアンゼルス市内のデモ隊に対してトランプ大統領が、治安維持と称して州兵2千名を派遣した。すでに派遣された海兵隊700人に対してカリフォルニア州政府は合衆国憲法に違反すると提訴した。デモ隊と警察・州兵との衝突で治安悪化が懸念され、バス・ロス市長は市中心部を対象に夜間外出禁止令を出す事態にまで発展している。トランプ大統領が抗議デモは、平和と社会秩序に対する攻撃と非難したのに対し、ニューサム州知事は、大統領が状況を悪化させていると批判し、両者の対立は激化するばかりである。
そもそもロス市内で人種間の暴動が起きたのは、1992年仮釈放中の黒人が市内で車を運転中にスピード違反が見つかり逃走したが、4人の白人警察官に捕まり、その時の彼らの乱暴な様子がビデオ映像により全米に流れ、警察に対する批判の声が高まった。裁判の結果4人の白人警察官に無罪判決が下され、それが黒人らを憤らせ暴動に繋がった。
この時私は偶々黒人差別政策(アパルトヘイト)下の南アフリカに滞在していて、テレビ・ニュースでこの事件を知ったが、アパルトヘイトの南アではあっても比較的恵まれた黒人たちはあまり強い関心を示さなかったのがちょっと気になった。アパルトヘイトは1994年マンデラ大統領の就任によって漸く廃棄された。
今度のロス暴動は、1992年4月以来実に33年ぶりである。民族問題、人種問題は異民族の間で生活してみなければ実態は分からないと思う。その点で日本人の間ではあまりそういう経験がないので、人種問題の本質は分かりにくいと思う。
今や多民族国家になったアメリカでは、人種問題によるトラブルが絶えず、トランプ大統領はそれを差別的になくそうと考えている。その方法があまりにも露骨で、非人道的で良識に欠けるものだけに問題を大きくしている。人種差別的言動により問題を一層複雑にしているのは、むしろ大統領自身ではないのか。