踏んだり蹴ったりとは、こういうことだろう。昨日石川県能登半島に大雨が降り、線状降水帯が発生し、統計開始以来雨量が最も多かったという。今年正月に能登半島地震で大きな災害を被ったが、ここへきて再び自然災害に襲われてしまった。気の毒にも、地震で道路などが破損してその復旧のために工事を行っていた作業員らも、豪雨による土砂崩壊で行方が分からなくなっている。地震で家屋が崩壊し、一時的に仮住宅に住んでいる人たちも仮住宅自体が床上浸水して、再び避難した有様である。これまでに死者1名、行方不明者数名が出ている。
この大雨を降らせたのは、沖縄海域から中国を襲い中国国内で多くの被害を与えた後、方向を急カーブして日本へ向かう形勢を見せた台風14号の影響が大きいようだ。
今年になって9か月の間に、大地震と豪雨という2つの大きな自然災害に襲われた能登地方の珠洲市や輪島市、能登町には、被害が大きくなるのは河川や地形に特徴があるからのようだ。河川の規模が小さく、川の長さが短い傾向があり、地形的に水が丘陵のすぐ傍にある集落や、海、川に流れる傾向がある。加えて両岸の堤が地震で低くなり、そのために川の水が直ぐ増水して道路上に溢れるようだ。被害に遭われた方々は、諦めムードだったが、いずれにしても、こういう地域への支援を早く進めてあげないと「生きる夢も希望も無くなってしまう」のではないだろうか。
この不運な災害の中で、ほんの慰めと力になるのは、地元能登出身力士・大相撲の関脇大の里が千秋楽を待たずに昨日秋場所14日目にして2度目の優勝を決めたことだろう。すでに大関昇進確実の話が真実性を帯びてきた。成長株で素質もあるので、このまま力を付けて行けば、いずれ輪島関に次ぐ石川県出身の横綱の誕生も夢ではないと思う。
さて、何かと掛け声の大きい自民党総裁選と立憲民主党代表選の動きであるが、明日23日に立憲民主党、27日に自民党のトップが決まる。両党とも同じように候補者が揃って全国各地へ出向いて政策発表討論会を行っているが、現時点で自民党は小泉進次郎・元環境相が、立憲民主は野田佳彦元首相がリードしているようだ。
立憲代表選では、4人の候補者が正面から互いに論戦を挑むというシーンが見られない。これまでの自民党政権がやったことの粗探しと候補者相手に論戦を仕掛けるのではなく、自らの考えを述べるだけである。
小泉氏は自民党員間では優勢ではあるが、仮に決選投票になった場合、議員票確保の点で相手が石破氏であろうと、高市氏であろうと後塵を拝するのではないかと予想されている。小泉氏にやや翳りが見られるとして決選投票では、小泉氏と石破氏か、高市氏と石破氏か、と自民党内では考えている人が多いという。9人の中で、最も考え方の相違がはっきりしたのは、「選択的夫婦別姓」に関して、小泉氏は賛成し導入法案を国会に提出して1年以内の成立を目指すと前向きで、石破氏もややそれに近いのに対して、極右の高市氏は家族一体とした「氏」は残すべきだと断固反対して、保守派の多い自民党員の間では、高市派が多いのではないかと推察する。
立憲民主党代表選では、共同通信による党所属国会議員136人の聞き取り調査の結果では、1位野田43人、2位枝野30人、3位吉田22人、4位泉21位だった。同党でも過半数を獲得出来そうな候補者はおらず、2人による決戦投票に持ち込まれる可能性が高い。
問われるのは、実際に選ばれた後に約束した公約が実行出来るかどうかである。しかし、これまでの密室でいつのまにか後継が決まっていたのとは違い、一応考え方は国民の前に披歴した。実際に約束通り政策を実行出来たかどうかの判断は、我々国民の責任であると想う。