6507.2025年3月7日(金) 新しいシニア向雑誌「イコール」発刊に想う。

 このほどNPO「知的生産の技術研究会(略称:知研)」の会員仲間たちが、新しい雑誌を発行したということだったので、取り敢えず30冊ほど注文して送ってもらった。元々この研究会の名称は、民俗学者でベストセラー「知的生産の技術」を書かれた故梅棹忠夫・京都大学名誉教授から、会の立ち上げを承認してもらい、4年前に亡くなられた八木哲郎元会長が終始献身的に会を主導、運営に携わって来られた。私も八木会長にお声をかけてもらい会員となって60年近くになる。その間機関誌には毎号と言っても好いくらい拙稿を書いてきた。東洋経済新報社から発行された「知の現場」には、私も共著者として名を連ねたこともある。今度創刊された雑誌名は「イコール」と言い、副題として「アクティブ・シニア革命」と名付けられた。一応季刊誌として発行されたようだ。現在は広告ひとつ掲載していないので、経営的に苦しいと思い、どうやって発行し続けるのかが大きな課題だと思う。かつてのように会員として活動していたころなら、積極的に起ち上げから参加するところだが、健康上や、会合の場所などの問題から創刊号には関われず、拙稿「海外の旅で臨場感を悟れ!」を寄稿するだけで済ませてもらった。

 手に取ってみると雑誌のイメージや中身のデザインなどが新鮮な感じである。編集責任者は知研理事長の久恒啓一・多摩大学名誉教授で昔からよく存じ上げている。久恒理事長は「図解」の開発者で、図解に関する多くの著書を出しておられる。この創刊号にもかなり「図解」が見られる。急に発行した雑誌の注文分を久恒氏がわざわざ4日に自由が丘まで届けてくれるということで、今後の方針などについてじっくり話を伺うつもりだった。ところが、体調が大分悪くなり、急遽予定をキャンセルしてもらったので、残念ながらその機会を失してしまった。

 副題に銘打たれたように、人生百年時代を迎えて高齢者にもやる気と学ぶ機会を作り、充実した余生を送ってもらいたいとの願いから「アクティブ・シニア」層に活動の場を見つけてもらい、活躍して欲しいと願ってこのような立派な雑誌を創刊したのだ。私も期待に応えてこれから問題を提案しながら、自分自身でも執筆し寄稿していきたいと考えている。

 全般的に久恒流の図解が散りばめられていて、懐かしい気もする。創刊号に寄稿している人たちは、自分の活動について堂々と披歴しているが、高齢者を対象にしているだけに、年齢が書かれている全寄稿者23名を見てみると最年少者が53歳で、最年長者が何と私の86歳で、平均年齢がちょうど70歳である。アクティブなシニアということでもあり、全体として人生100年までまだ30年もあり、有能な人たちばかりなのでその成果が期待される。私も70歳の若手に負けずに成果を上げて行きたい。

 余生にまた新たな目標が出来たというべきであろう。自分自身腹に納めている上梓は、まだ2作品ばかりある。何とかこれを世に出すことであり、毎日書き続けているこのブログを100歳近くまで継続して書き続けて連続1万回を達成することが新たな夢となった。

 私の好きな言葉、上杉鷹山の「成せばなる。成らぬは人の成さぬなりけり」にあやかり、何とか「成せばなる」としたいものである。

2025年3月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6506.2025年3月6日(木) 来年度一般会計予算衆議院を通過

 今も延焼し続けている岩手県大船渡市の山火事は、昨日でちょうど発生以来1週間となった。昨日幸いにも久しぶりの降雨により大分延焼を食い止めることが出来たようだが、まだ鎮火には至っていない。今日も雨が降るようで、地元民は天の恵みと降雨を期待しているようだ。全国各地から応援の消防隊が駆けつけているようだが、すでに市内面積の内9%、約2,900㌶を焼失した。1日も早く鎮火されるよう祈っている。

 一昨日以来関東でも山間部では降雪地域が多いが、テレビ画面を観ていて箱根を越える国道1号線上で連続的に車が追突事故や、道路脱落事故を映し出していた。今から60年前の冬を思い出す。会社の同期入社社員らと箱根へ1泊旅行にオペルに乗って出かけたが、生憎氷結した道路上で滑りブレーキを掛けたが及ばず、そのまま岩壁にぶつかってしまった。もうひとりの友人の車も少し離れた場所で滑って道路からはみ出してしまった。幸いひとりもけが人が出なかったが、目に見えない道路上の氷結には、怖さを感じたものである。

 さて、一昨日来年度の国の一般会計予算案が衆議院を通過した。これから参議院で採決を採るが、賛成多数で成立するだろう。

 少数与党となった自民党と公明党は、日本維新の会の高校授業料無償化の要求を呑み、国民民主党の「年収103万円の壁」は、一部123万円までは容認しつつも要望した178万円まで引き上げることは認めなかったので、国民は予算案に賛成しなかった。予算案は橋本龍太郎内閣以来29年ぶりに当初案を修正し衆議院で可決した。当初案より3千4百億円減の115兆2千億円となったが、それでも過去最大である。

 少し前に東京都の来年度予算額が決定したが、一般会計は9兆1千億円、特別会計などを合わせて合計で17兆8千億円となり、対前年7.8%増である。東京都は東京都内にある企業の登記が多く、その点からも法人税収入が他府県に比較して、圧倒的に多く、その点では多少ゆとりがあるが、それでも都税収入は全歳入額の3/4であり、残りは東京都債を発行して補充している。しかし、世界的大都市だけに総額としては国家予算の7.8%の規模で、スイスの国家予算14兆7千億円を大きく上回るほどの高額予算規模である。

 いずれにせよ、毎度気になるのは、予算案を決める国会議員らに財政健全化の認識が欠けることである。このまま年度を重ねれば、赤字予算の積み重ねにより国の借金は返済しようがないところまで行き着くだろう。こうした声が出ては消え、一時的に話題にはなるが、真剣に国家の問題と捉えていない近視眼の国会議員たちは、あまり真剣に国の財政の在り方を考えていない。借金が増えることより、これら国会議員らの認識の甘さの方がよほど気がかりである。

2025年3月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6505.2025年3月5日(水) 地球上を暴れ回るトランプ旋風

 今朝起きたら雨は降っていたが、昨日来懸念されていた積雪はなく、寒い中で雨がしとしと降っていた。雨空を気にしながら妻は友人と約束していた雪の箱根へ出かけた。

 さて、相変わらず地球上をトランプ旋風が暴れ回っている。地球温暖化なんてまったく無視したトランプ旋風は、昨日首脳会談でこじれたゼレンスキー大統領に対してウクライナへの軍事支援を一時的に停止すると発表した。ウクライナにとってアメリカの支援が得られなければ、戦争を継続していくことは不可能である。トランプ大統領は、自分たちの援助で国を維持出来ているのに、感謝の言葉がないとまで口汚く非難した。トランプ旋風は、「ゼレンスキーはアメリカの後ろ盾がある限り平和が訪れることを望んでいない」と、悪意を込めて解釈する有様である。EU各国は、ウクライナを支援すると結束を固めたようだが、ほくそ笑んでいるのはロシアだけで、今後優位になった現状をどう利用して立ち回るのか、予断を許さない。

 引き続き、トランプ旋風は貿易相手国への攻撃的猛威を振るっている。すでに事前警告していたメキシコ、カナダへの25%の関税を課すことと、中国への追加関税としてこれまでの10%を20%に引き上げたことである。こう一気に畳みかけられたのでは堪ったものではない。メキシコ、カナダとアメリカの北米3か国はこれまで関税を互いに削減する自由貿易圏を形成していたが、一方的にアメリカが高関税を課すことで自由貿易体制を揺るがしかねない。懸念されたように、メキシコ、カナダは報復関税を実施すると公表し、同時に中国もアメリカからの農産物に最大15%の報復関税をかけると発表した。貿易摩擦が激化すれば、今後世界経済を停滞させかねないことが懸念される。

 トランプ旋風は日本も避けて通らず、鉄鋼と自動車への追加関税を日本に伝えて来た。更に日本が円安通貨安定策を取っているとして一方的に日本の金融市場に牽制球を送ったが、こんなことは円安が進んだ時の日本の慌てぶりを知れば、分かりそうなものだ。早速加藤勝信財務相が断じて通貨安定策はとっていないと反論していた。

 わがまま勝手なトランプ旋風はいつまで吹きまくるのだろうか。これから4年もの間こう強引に吹き回られたのでは、世界経済も停滞し、劣化するであろう。

 それにしてもバンス副大統領以下アメリカの政界トップクラスの勝手な言動には、世界中が迷惑を被っている。大統領の身勝手さが、同盟国をはじめ多くの国々に迷惑をかけている行為に対してアメリカ国内から反対の声がまったく現れないことがむしろ不思議である。4年間このまま行くのか、或いは良識の声が生まれてトランプ大統領の行動を諫める事態が出てくるのか、期待を込めて見守るしかない。

 今朝上下両院合同会議の場で施政方針演説を行ったトランプ大統領をテレビで観ていると、大統領就任84日間で過去の大統領が4年乃至8年間に行った成果以上のものを成し遂げたと、大統領の議会演説としては近代史上最長の100分間を使って自慢気にぶちまけた。大統領の演説中にブーイングをした民主党議員に対してジョンソン下院議長は、秩序を乱していると直ちに退場を命じる案配である。そもそも議長が大統領の演説に拍手を送るなんてあまり公平とも思えない。こんなところにもアメリカの民主主義が劣化し、崩壊しつつある姿を見ているようだ。

 まぁアメリカ政界の恥部を見ることが多くなった。世界がこんな好い加減な国に振り回されるのだけは,御免被りたい。

2025年3月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6504.2025年3月4日(火) 戦争へ突き進みつつある世界、日本でも

 今年は昭和100年に当たる。そして昭和20(1945)年に太平洋戦争が終ってから戦後80年となる。序でに言うなら、あの反戦運動に関わっていたベトナム戦争終戦からも50年、ちょうど半世紀になる。その終戦の前年から80年前の今ごろ3月にかけて、米軍機による日本本土への空襲は激しくなった。特に3月10日の東京大空襲は、罹災者が100万人を超え、死者は10万人と言われ「東京大焼殺」と呼ばれたくらい大規模なものだった。

 偶々今日の朝日朝刊「天声人語」の書き出しにこんなユーモラスなことが書かれていた。「小学校へあがる直前に引っ越した。♪一ねんせいに なったら 一ねんせいに なったら ~~~ ともだち ひゃくにん できるかな♪ 学校ってどんなところだろう。うまくやっていけるかな」と天声人語氏の思い出話である。私と同じように入学式直前に引っ越しをしたらしい。私の場合、小学校入学はちょうど80年前の終戦の年だった。空襲警報が発令された激しい戦時下の3月に湘南鵠沼の地から、千葉県の勝山町(現鋸南町)へ引っ越し、翌4月に当時の勝山国民学校初等科1年生になった。あまり違和感は感じなかったが、当時の土地柄や隣組の雰囲気もあって都会からやってきた我々家族に対して、近所の人たちが冷めた視線を送って、特に母は勤労奉仕に狩り出されて冷淡な付き合いをされたような印象を受けたものだ。実際にはそんなことはなかったと母は言っていたが、子ども心に周囲の空気や見方をそんな風に受け止めていた。引っ越し直後は、まだ友だちも出来ずにいたが、学校に入ると直ぐに近所の子どもたちと親しくなり、坊主頭に下駄履きで通学はいつも友だちと一緒だった。あれから4か月後に日本は敗戦を迎えたのである。最も親しかった近所の友だちの金田くんはご両親が朝鮮人で、夏休みの間にご両親の母国朝鮮へ帰って行った。戦争は終わったとは言え、仲が良かった友だちが突然いなくなって寂しかったことを今でもよく覚えている。

 それにしても「人間は生きる(戦う)ために戦う(生きる)動物であり、人類史は戦いの歴史である」と言われるが、どうしてそうなるのだろう。どうして戦争は止まないのだろう。戦争直後は、皆申し合わせたようにもう2度と戦争はしないと誓っても年月が経ち戦争の印象が薄らいでくると、戦争を知らない世代が国家の権限を握り、戦争によって物事を解決しようとするからである。

 昨晩NHK「映像の世紀‐バタフライエフェクト」で「死の大地独ソ戦」と題して、1941年に始まったドイツとソ連によるスターリングラード攻防戦について伝えていたが、2人の独裁者、ヒトラーとスターリンによる強硬な戦略により多くの無駄な犠牲者を生んだ。第2次世界大戦では、ドイツで7百万人が、ソ連では2千7百万人が犠牲になったという。今あの呪わしい第2次世界大戦から80年以上が経ち、戦争を現場で恐ろしいと感じた人は、政治の世界からすべて消えてしまった。そして、プーチン、習近平、金正恩、トランプのような戦争を知らない世代の独裁政治家が世界の政治を動かしている。第3次世界大戦が刻一刻近づいているような気がしてならない。

 日本も他人事と知らん顔しているわけには行かない。防衛費は年々増額され、自衛隊は敵基地攻撃能力などを備えるようになり、日本時間の今日国連本部で始まった核兵器のない世界を目指す「核兵器禁止条約締約国会議」に唯一の被爆国でありながら、オブザーバーすら派遣しない日本政府の姿勢は、アメリカへのご機嫌取りというより核兵器所有を認めていることであり、戦争へ一歩一歩突き進んでいると言っても好い。

 その一方でこの時期に戦争にブレーキをかける国際司法裁判所(ICJ)所長に日本人岩沢雄司氏がICJ裁判官から選任された。すでに国際刑事裁判所(ICC)所長には、同じく日本人の赤根智子所長が、プーチン大統領に対して戦争犯罪に関わったとして逮捕状を出している。こうした日本人らの戦争を抑止しようとする活動に合わせて、石破首相ら国会議員らも、もっと真剣に戦争というものを直視して欲しいと思う。

2025年3月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6503.2025年3月3日(月) 恒例の2024年分確定申告書を提出

 ♪あかりをつけましょ ぼんぼりに~~~きょうはたのしい ひなまつり♪ 

 今日は桃の節句、雛祭りである。早朝より久しぶりに雨が降っていて寒かった。昨日の東京は、最高気温が22℃だったが、今日はそれより何と15℃も低い7℃だった。午後になって雪が降り出し積ることは無かったが、寒さは本物のようだ。東京都内でも山間部の青梅や八王子市内では大分雪が降っていた。明日後半からまた寒くなり、これからしばらくの間気温の変化が激しいことだろう。

 今日は2024年の税務確定申告書の書類作成のために、体調がまだ優れないのに無理して玉川青色申告会へ出かけた。順番取りのために、まず青色申告会へ少し早めに出かけて午後2時に再び出かけ、確定申告書類の書き込みを手伝ってもらった。出来あがった書類を隣の玉川税務署へ提出して受け付けてもらい、1月以来延々と資料作りに時間を注ぎ込んだが、これで漸くお役目を済ませることが出来て、取り敢えずホッとしたところだ。

 さて、一昨日未明フリーアナウンサーでタレントの「みのもんた氏」が亡くなった。80歳だった。鎌倉山の弟の自宅近くの山林内のような敷地内に豪華な自宅がある。12年ほど前に息子さんが不祥事を起こし、ちょっと仕事を自粛したせいもあり、近年はあのアクの強い個性的な姿をテレビ画面で観ることが少なくなった。しかし、かつては1週間に16もの番組の司会を務めて世界で一番忙しい司会者として、ギネス・ブックにその名が載ったこともあった。昨晩も彼が出演した思い出のビデオが紹介された。その内20年間司会を務めた「午後は〇〇おもいっきりテレビ」の最後に挨拶をしていた場面で、「・・・20年間どうもありがとうございます」と視聴者へお礼の言葉を述べていた。ここで普通の人は「ありがとうございました」というところを、彼は「ありがとうございます」と正しい言葉で結んだ。この場合はみのもんた氏の表現が正しい。「ありがとうございました」という過去風の表現は間違いである。というのは、「ありがとう」という感謝の言葉に丁寧語の「ございます」を付けただけで、過去形だから「ございました」という人が多いが、「ございます」は、動詞ではないので、過去形に変化することはない。それを当然のように疑似過去形を使用する人が多い中で、みのもんた氏は正しい表現をしていた。この件については、NHKのアナがいつもこの言い方をしていたので、2004年にNHKに「アナの『ございました』という言い方はおかしい」と抗議を兼ねて問い質して、NHKが専門家に糺したうえで、私の説が正しいので、今後「ありがとうございます」と言うように指導すると了解してもらったことがある。それでも「喉元過ぎれば熱さも忘れる」のだろう。今では元の木阿弥で、NHKアナのほとんどが間違った表現「ありがとうございました」と言っている。とかくの噂のあったみのもんた氏だったが、この辺りは彼なりに毅然とした表現をしていたことを昨日知り、彼に対する先入観と常識を新たにしたところである。

 ところが、みのもんた氏の死去には、尾ひれがついたというか、後腐れがあった。昨日未明に鎌倉の自宅へ強盗が侵入したという。家主が亡くなった直後に盗みに入るとは、現代では盗人には一分の義もなくなった。何も盗らずに逃げたようだが、死人の出た家に強盗とは、まさに世も末だと思う。

2025年3月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6502.2025年3月2日(日) 両首脳の喧嘩仲直りは出来るだろうか。

 3月弥生を迎えてから庭の白梅も見事に開花して今まさに満開である。見栄えも好い。このところ連日のように野鳥がやって来て、蕾をあさっている。昨日だけでも百舌鳥、シジュウガラ、メジロ、ウグイスなどが飛来してくれたのは、嬉しいことではあるが、昨年もそうだったようにウグイスは存在感を示す「ホーホケキョ」の鳴き声がさっぱり聞かれなくなった。かつてはかなり賑やかに美声を聞かせてもらったが、近年はあまり鳴かなくなった。環境が野鳥たちにとって好ましくなくなったのだろうか、やはり寂しいものである。

 ついては、昨日のトランプ大統領とゼレンスキー大統領のドラマチックな口論は、世界中に大きな衝撃を与えた。卑しくも平素より民主主義国家の牙城と自称しているアメリカの代表者が、かくも非常識で子どもじみた人物で他国の大統領を口汚く罵るとは、アメリカ人にとっても思いも寄らなかったのではないだろうか。その日ワシントンを発ったゼレンスキー大統領は、その後イギリスに立ち寄り、スターマー首相と会談し、イギリスはウクライナの味方であると慰められていた。他の西欧諸国でもほとんどゼレンスキー擁護派である。

 この決裂した首脳会談について、アメリカの有力紙「ワシントン・ポスト」社説では、ゼレンスキー大統領に対するトランプ大統領の振る舞いは、映画「ゴッドファーザー」の主人公マフィアのボスだと批判した。トランプ氏のウクライナ軽視は、ロシアの脅威に対する「甘さの表れ」だと指摘し、「プーチン大統領にはお世辞を言うのではなく、ゼレンスキー氏に取ったような無礼な態度で接するべきだ」との苦言を呈している。

 流石にトランプ氏称賛一辺倒の共和党内部にも批判的な意見が出ている。例えば、共和党内の穏健派であるマカウスキ上院議員は、「政権は友好国から離れ、ロシアのプーチン大統領を受け入れようとしているようだ。吐き気がする」とXに投稿している。

 一方で笑いの止まらないのが、プーチン大統領である。メディア報道でも侵略者をこれ以上利するような状況に陥らせてはいけないと警戒している。トランプ氏とゼレンスキー氏は頭を冷やして協議の席に戻ってもらいたいという声が強い。

 そもそも口論のきっかけとなったのは、同席したバンス副大統領が、和平に向けた「外交」の重要性を強調したが、ゼレンスキー氏はロシアのプーチン大統領が停戦合意を破って2022年に侵攻したことを挙げ、「あなたが話しているのはどんな『外交』ですか?」と聞いた。これに対して大統領同様に傲慢な副大統領は「失礼ながら、大統領執務室に来て、米国メディアの前でこの件を訴えようとするのは無礼だ。(トランプ)大統領に感謝を示していない」と非難した。更に「あなたがしていることは、この国に対して非常に失礼なことだ。あなたはもっと感謝しなければならない」などとお仕着せがましく反論した。これが、激論に火に油を注いだ形になった。

 以前からトランプ氏の言動には、相手の言い分や立場を配慮しないところがあったが、今あからさまに交渉相手国の大統領を激しく糾弾するとは、大国大統領のやるべき言動ではない。ゼレンスキー氏は、袂を分ったわけではなく、再び交渉の席に就きたいと述べたが、下手に出ることを好まないトランプ大統領が、再びよりを戻すことがあるだろうか。

2025年3月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6501.2025年3月1日(土) 帝劇閉鎖とアメリカ・ウクライナ両大統領の口論

 昨日TVニュースが2つの名物建物が昨日を最後に閉鎖されると伝えていた。ひとつは、日本を代表するミュージカルのメッカとでも言える帝国劇場であり、もうひとつは新宿東口前の商業ビル「ALTA」だった。前者については、この2週間最後の公演の最終日をミュージカルの特集として組み、昨晩日本TVで生中継していた。

 ミュージカルは、日本では新宿西口で大テントの中で♪CATS♪を大分以前に見たことがあるが、それよりむしろ海外で多く見る機会があった。NYの五番街で♪CATS♪や、♪オペラ座の怪人♪を見たし、ロンドンでも同じものを見た。ショーの中で唄われるテーマソングが中々名曲揃いで、昨日は「日本人が好きなミュージカルの名曲30曲」と題して耳にしたことがあるテーマソングを、日本の名だたるミュージカル・シンガーが披露していた。このミュージカル・ショーを観ていたが、人気ベスト3は、1位♪民衆の歌(レ・ミゼラブル)♪、2位♪メモリー(CATS)♪、3位が♪オペラ座の怪人♪で、いずれもよく聞く名曲で、現場で何度か耳にした曲である。帝国劇場は、旧帝劇が1911年にオープンして以来114年が経つ。その後59年前の1966年に現在の帝劇に改築された。鉄筋ビルの耐用年数がちょうど60年だから、潮時と言えるのかも知れない。新帝国劇場は5年後の2030年に再び開業する予定である。

 後者の商業ビル「ALTA」は、現役サラリーマン時代に近くに務めていたのに、ほとんど関心がなく、今テレビで画像を観て改めてこれが「ALTA」だと知らされた次第である。1980年に伊勢丹・三越が開いた商業用ビルで、近年営業成績が下降気味だったようで、再開業の予定はない。ビル内のスタジオでは、かつて人気TV番組「タモリの笑っていいとも!」が32年間に亘って生公開されていた。昨日は若い人たちがビルの前で写真を撮っていたが、そもそもビル内にはレストラン、カフェ、ファッション、雑貨店など若者向きの店が入っていた。

 老舗というような施設が消えていくのは、寂しいことである。これも栄枯盛衰が激しい時代の流れと呼ぶべきだろうか。

 さて、このところアメリカのトランプ大統領のあまりに傲慢で身勝手な言動に愛想を尽かし、話題にするのも腹立たしいと思っている。ところが、昨日ゼレンスキー・ウクライナ大統領が訪米し、日本時間の今朝明け方にトランプ大統領と会談した。それが話し合いどころか、ゼレンスキー氏がトランプ氏はウクライナの頭越しにロシアのプーチン大統領の言い分を聞き、ウクライナの支援や安全保障にあまり気持ちが向いていないと、トランプ氏を非難したことから会談は激論となった。首脳同士の会談がこのような口論にまでなるのは、前代未聞である。EU各国首脳は、いずれもウクライナの平和のためにともに取り組み続けると、ウクライナ支持を表明した。

 そもそもこの会談が開かれたのは、トランプ大統領の虫のいい、ウクライナの地下埋蔵鉱物資源の権益を得たいという腹があったからである。これに対して、ウクライナは自国の安全を具体的に保証するよう求めたが、トランプ氏は安全の保証はヨーロッパ各国が担うべきだという考えを示したために、ゼレンスキー氏は契約に署名しなかった。

 トランプ大統領は相当怒っているが、ロシアのメドベージェフ安全保障会議副議長は、「恩知らずの豚が、豚小屋の主人からしっかり平手打ちくらった」とトランプ大統領の肩を持った皮肉を込めた酷い言い方をした。

 この行方は当分分からない。トランプ大統領が取り組むと収まっていたものまで壊してしまう乱暴者の印象が益々強まるばかりである。

2025年3月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6500.2025年2月28日(金) ブログが記念すべき連続6500回になった。

 今日は私にとって個人記録であり、励みともなる本ブログが通算連続6500回となった記念すべき1日となった。やはり18年間も書き続けられたということは自己満足もあるが、嬉しいことである。山仲間の友人から、ブログについて記念すべき6500回を迎えたことを祝うメールをいただいた。毎日自由気ままに、好き勝手に思いついたことを書いてきただけだが、それにしても6500回まで書き続けられるとは、自分でも考えてもいなかった。自分でもよくぞ書き続けることが出来たと感動している。2007年5月15日、折しも5.15事件勃発の日に第1回をスタートさせてから、今年5月には19年目に入ろうとしている。その間海外へも度々出かけたが、思うようにならない環境下でも何とか1日も欠かさず書くことが出来た。

 今では毎月Googleから1か月間のアクセスによる視聴者の反応の結果を報告してくれるが、思いがけないことがある。大体小説についてコメントしたことにアクセスが集中するというのも想定外のことだった。例えば、山崎豊子、多和田葉子、新聞連載小説について書いたことに関心が集まるようで、意外な印象を持っている。これから更に書き続けてどのくらいまで書き続けられるか、想像もつかないが、1万回までは、まだ10年近くかかるので、その時には96歳になっているので、中々難しいとは思っている。小学生時代から作文が好きで抵抗なく書いていたことが習慣となって書き続けていられるとは、恩師の指導のお陰でもあるが、余得というか、趣味が生きたようなものでもある。書ける内は、書き続けるという一念でこれからも気張らずに気軽に書いていきたいと思う。

 さて、このところ空気が乾燥しているせいもあり、各地で火災発生のニュースが多く伝えられているが、最近の岩手県大船渡市の山火事が、広く広がり中々消えず避難者も大勢出て大騒ぎである。特に、大船渡市の山火事は、先日1週間ぶりに鎮火したところへ、今度は隣の陸前高田市で起きた山火事が飛び火して大船渡市で新たな火事となったものである。すでに焼損面積と言われる消失面積は、約1,200㌶というから大変なもので、東京都千代田区の総面積の約半分に当たるという。大船渡市は3.11東日本大震災では津波により東側の海岸部分を浸食され、今度は西の山林部分が火災に遭い、随分苦労させられている。まもなくその東日本大震災から14年目の震災記念日がやって来る。岩手県は鎮圧を目指して総務省を通して東北各県を中心に他府県の緊急消防援助隊の要請をしている。

 この騒ぎの中で、実は千葉県知事選が昨日告示され、3月16日に投開票が行われるが、現職知事の他に新人3人が立候補した。この3人のなかで共産党の支援を受けた候補者は、公約をはっきり打ち出しているが、残りの2人は、いつもながらの冷やかし立候補である。目立つ選挙には、当選が目標ではないと宣言して、必ずと言ってもいいくらいに立候補する立花孝志・NHK党代表と、これもお騒がせやの「つばさの党」黒川敦彦代表である。皆真剣に働いている中で、この2人は単に選挙という公的な手段を弄んで自らを売り込むためだけに、世間を振り回し、愚弄しているようなものである。火事で避難している人々が知ったら、とても黙ってはいないだろう。

 それにしても知事や都道府県議員選挙に立候補するための条件のひとつには、選挙区内の自治体に3カ月以上居住していなければならないが、立花氏のように昨年11月の兵庫県知事選に出馬して、すぐ千葉県へ住所変更したのだろうが、こう慌ただしく住所変更をしているようでは、住民税や所得税なんて支払っている時間も余裕もないのではないだろうか。兵庫県も千葉県もよく調査してみるべきだと思う。

 このように身勝手な行動で選挙の秩序を乱しかねない立候補については、何とか止める手立てはないものだろうか。

2025年2月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6499.2025年2月27日(木) 人気観光地にオーバー・ツーリスム現象

 日本の財政に大きく貢献しているインバウンド客がコロナ渦により一時減ったが、コロナを脱してから再び回復に向かっている。1月に日本を訪れた外国人観光客の数は、378万人で1か月間の訪日旅行者数としては過去最多である。2024年の訪日観光客数も過去最多の約3千7百万人を数え、前年より5百万人も増えた。予想以上に順調な回復ぶりである。これには、財務省も内心ホクホクであろう。

 ところが、観光業繁栄の陰で人気観光地では、オーバー・ツーリズム現象が問題を提起している。訪問地におけるインフラ施設の受け入れ対応が追い付かず、観光地によっては自治体が音を上げているのが実態である。そこで近年各観光地では宿泊客に宿泊税を課することを検討し始めた。北海道倶知安町の宿泊料の2%という定率制以外はほぼ定額制を採り入れている。東京都でも1人当たり100円~200円の宿泊税を徴収している。ところが、京都市が来年3月を機に一気に宿泊税を値上げすることを決定した。現在までのところ宿泊料金の2万円未満200円、2万円以上5万円未満500円、5万円以上千円の3段階だったが、これをそれぞれ値上げして、更に2段階加えて6千円未満200円、6千円以上2万円未満400円、2万円以上5万円未満千円、5万円以上10万円未満4千円、そして5段階目が10万円以上として1万円の宿泊税を課す計画である。

 10万円以上の宿泊料を支払う観光客は、全体の約0.5%で全般的には大きな影響はないようだが、老舗旅館の経営者の間からは観光客から敬遠される可能性があるとして反対を唱える声もある。

 今外国人観光客を多く受け入れている都市の中には、飽和状態の施設面、交通障害など都市独自では解決が難しい問題が派生している。京都市では、市内バスの利用などに関して市民優先料金制などを適用して市民が公の施設を利用しやすい工夫もしている。その他に市は観光分散化の取り組みを実施して、その成果が現れたとも説明している。それは京都市内の主要な観光地で、外国人が増えた一方で日本人が訪れることが少なくなった現象にも表れている。例えば、外国人が46%も増えたが日本人が23%も減少した伏見稲荷や、先斗町に近い花見小路では、外国人29%の増加に対して日本人19%の減少、河原町の錦市場では、外国人42%増に対して日本人16%減、人気の嵐山渡月橋でも、外国人24%増に対して日本人11%減となっている。他にも同じような現象の観光地はかなりある。

 他に最近問題になっているのは、北海道函館地区の函館湾や、青函連絡船摩周丸などが眼下に広がる函館市内の八幡坂で、外国人観光客などが車道に出て写真を撮るマナー違反が顕在化していることである。近隣の私有地や学校内敷地にまで無断で立ち寄るケースも散見され、市がSNSで自粛を呼び掛けている。

 こういうオーバー・ツーリズムは日本にばかり起きた現象ではなく、今では世界的な観光地では大きな問題となり、訪問客に対して課税している都市もある。例えば、イタリアのヴェネチアでは、2024年から特定の日に日帰り観光客に対して入島税を課している。日本でも徴収する関所のような場所の設営に悩むところだが、そろそろ検討することも考えて良いのではないかと愚考する。

 観光業が益々栄えて国の財政に好影響をもたらすならば、国は自治体だけに任せるのではなく、ある面で自治体に協力する姿勢を示すべきではないだろうか。

2025年2月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6498.2025年2月26日(水) トランプ大統領のロシア融和政策で欧米対立

 今日は戦前帝国日本に軍事色が強くなりつつあった時代に、恐るべき青年将校によるクーデター・2.26事件が発生した。あれから89年になる。毎年思うことだが、この軍部のクーデター以降日本は益々軍国化の道を進み、太平洋戦争へ突き進んで行った怖い事件である。近年メディアではほとんどこの2.26事件について報道しないが、珍しく今日18:00のNHKニュースで軍国主義への自戒を込めて犠牲者を慰霊する式典を開催したことを伝えていた。メディアが戦時色に染まる日本の現状を伝えない限り、日本はどんどん保守化、軍事国家、戦争へ近づいていく。メディアは、この重大な事件をしっかり伝える責務があると思う。今トランプ大統領をはじめ世界の指導者も戦争を知る人、そして戦争を恐れる人はほとんどいなくなった。怖い時代になったとつくづく思っている。 

 さて、一昨日のことである。戦後の国際政治の場で、アメリカがロシアと組み、中国ともどもヨーロッパ諸国と袂を分ったような印象を与えた場面があった。こんなことは初めてであり、これが国際社会に新たな難問を突き付けたのではないかと懸念している。

 ウクライナへロシアが侵攻してから3年目となった一昨日、国連安全保障理事会は、アメリカが提出した決議案を賛成多数で採択した。その決議案とは、ロシアとウクライナの紛争の迅速な終結を求めるもので、表面上の字ずらだけを見た限りでは、誰しも歓迎し賛同するものだ。だが、決議案の中身をよく見てみると、この侵攻におけるロシアへの批判の文言はなく、トランプ政権のロシアへの融和姿勢と欧米間の亀裂が鮮明となっている。英仏などヨーロッパ5か国は採択に際して棄権を選択した。侵攻開始以来アメリカはバイデン前政権の下で一貫してウクライナ支援を打ち出していた今ではトランプ大統領がアメリカの立場を転換させアメリカ・ロシアがともに賛成するような決議案を提案するような事態になった。15理事国の内ヨーロッパ5か国が棄権したことにより、アメリカの決議案が通過した。しかし、英仏両国はロシアが全面侵攻したことを記述する修正案を提案した。だが、それは無駄だった。フランス国連大使は、「侵略が報われ、弱肉強食が罷り通れば、平和も安全もどこにも存在しない」とロシアとウクライナを同列に扱ってはならないと厳しく論じた。

 安保理事会とは別に開催された国連総会の緊急特別会合でも、ウクライナを巡る欧米の亀裂が露呈され、ロシア軍の即時撤退を求めるウクライナとEUが提出した決議案に対し、考えられないことだが、アメリカは反対票を投じた。幸い決議案は賛成多数で採択されたが、193か国の内賛成は93か国で、2023年の141か国の賛成から50か国近くも減った。これには、トランプ政権との関係を重視して棄権や反対に回った国が多かったと見られている。日本は今回賛成に回ったが、対トランプ外交を考えると今後の対応難しいだろう。大丈夫だろうか?

 同時に主要7か国(G7)は首脳会議を開いた。トランプ大統領はAIで就任後初めて出席し、ゼレンスキー・ウクライナ大統領は、頭越しにロシアとの停戦交渉を進めるトランプ政権の姿勢に対する警戒感をあらわにした。ここでもロシアを非難する表現で首脳声明の調整が難航していると見られ、G7としての結束を示せない状態である。

 トランプ大統領の理由が分からない対ロシア融和政策によって、ヨーロッパを中心に世界中に不安と不信感が広がっている。

2025年2月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com