今日は東京都議会議員選挙の投開票日である。首都の決戦であるだけに、各党党首も昨日まで街頭に出てしきりに応援演説を行っていた。昨日までと同じように今日も戸外はかなり暑かったので、陽が完全に落ちた5時半過ぎに妻ともども投票所で投票した。これまでと違って、投票所が従来の息子たちの母校だった区立小学校からすぐ近くの東京学芸大学付属小学校に移転した。投票所は体育館内だったが、立派な建物でエアコンがよく効いていた。小池都政は都財政が豊かなお陰で結構実績を積んだが、64億円も投じたプロジェクション・マッピングのような無駄な支出も多い。結果は今夜遅くならないと判明しないだろう。
さて、今日お昼のニュースで、突然アメリカのトランプ大統領が、イランの3つの核施設に大規模、かつ精密な攻撃を行ったと得意げに公表した。この数日の雲行きから多少懸念していたが、まさか本当に不意打ちで核施設を空爆するとは思いも寄らなかった。まるで逆真珠湾攻撃のようなものだ。イラン原子力庁は直ちに「国際法に違反する残忍な攻撃を受けた」と非難した。攻撃された3つの核施設の内ひとつは16世紀ペルシャ時代の首都イスファハン近くである。30年ほど以前に同じ古代都市ペルセポリスとともに訪れたことがあるが、「イランの真珠」と呼ばれる美しい町であり、その中心「イマーム広場」と市場の雰囲気には魅せられるものがあった。影響を受けていなければ良いがと願う。
トランプ氏の身勝手な言い分は、「われわれの目的は、イランの核濃縮能力の破壊と、世界最大のテロ支援国家がもたらす核の脅威を阻止することだった。私は世界に対して、この攻撃が軍事的に見事な成功を収めたことを報告できる」という自慢話のようなものである。こんな身勝手な話が世界の人びとを納得させられると思っているのだろうか。トランプ氏は、自分たちの行動はすべて正しいものだとの認識と自己擁護のうえで、相手国の目障りな障害物の撤去を期している。この次は、イランの最高指導者ハメネイ師の暗殺を考えているらしい。
今世界中で広島や長崎の原爆被災を例に、2度と核による人類へ災禍を止め、止めさせる、核拡散防止運動が広がっている。その中で極めて危険で、下手をすると核施設から漏洩した放射能有機物が地球上に広まる恐れも考えられる。こういう誰もが反対する核施設攻撃などという手荒な行動に出たトランプ大統領には、最早付ける良薬が見つからない。
トランプ氏は正しいことをやったと自らを信じ切っているようだが、世界中の人たちを危険に曝すような荒療治を誰が良しとするだろうか。今やトランプ政権内部には、正論を述べる雰囲気がまったくないようで、ただ大統領の顔色を窺っている愚かな閣僚ばかりが雁首を揃えているだけである。世界にとって「悪の中の悪」であるこのような無鉄砲な核施設攻撃を、アメリカ本土にやられたわけでもないのに、仕返しのような行動を起こすのは、常人の神経では考えられない。精神に異常を来たしているとしか考えられない。1日も早く、トランプ大統領を精神病院へ強制入院させて徹底的に精密検査をするべきである。
ところが、近年好戦的な言動のイスラエルのネタニヤフ首相は、常にアメリカの支援を受けているせいであろうか、今回のイラン攻撃に関してトランプ大統領を称え、「トランプ大統領は力強く自由世界を導いている。彼はイスラエルの偉大な友人だ」と手放しで褒めちぎっている。同じ穴のムジナである2人の言動をアメリカ国民とイスラエル国民は、良識的にどうして止められないのだろうか。
去る17日、イスラエルがイランを不意に攻撃してイランの核施設攻撃に対して、西欧諸国は、イスラエルは自国を守る権利を有すると言い、ドイツのメルツ首相などは今以てナチスのホロコーストのトラウマのせいで、常にイスラエルに対して遠慮勝ちである。今回も「イスラエルの攻撃につき、行動をとる勇気を持ったことに最大限の経緯を表する」と馬鹿げた忖度しきりである。しかし、核施設まで破壊するような今日の危険な攻撃に対して、本当はどう思っているだろうか。いずれ真意を知りたいと思うが、他の西欧諸国の首脳も何らかの声明を発表するだろう。