昨日の2つのビッグニュースの続報である。タイのプミポン国王の死去はタイ国民に深い悲しみをもたらし、弔意を表すためであろうか、一般に人々は黒い衣装を身に付け、国は1カ月間の喪に服す。これほど親愛の気持ちを表される国王はそうはいないだろう。日本企業もタイ人従業員がどういう勤務をするか様子見のようだ。
もう1つのボブ・ディランが受賞したノーベル文学賞のニュースは、各界に改めて歌手ディランの作詞家としての高い価値と評価を認めさせ、同時に、ノーベル文学賞の在り方まで話題を提供している。そのディランが一向に受賞についてコメントを発表せず、今日ラスベガスで行われたライブでも一切語らなかったそうだ。更にノーベル文学賞委員会では、受賞発表後ディランからまったく連絡がなく、早く一報をと待ち焦がれているという。ちょっと風変わりな人という印象である。
さて、先日電通勤務の女性東大卒新入社員が、昨年過労勤務の末に自殺した。労災認定されたことで今日電通本社と支社に東京労働局と三田労働基準監督署が立ち入り調査に入った。25年前にも入社2年目の男性社員が長時間労働に悩み自殺し、最高裁が会社側の責任を認定した。また繰り返された同じような悲惨な自殺事件に、役所も会社の体質に問題があると呆れているのではないだろうか。件の女性社員の1ヶ月の時間外労働は何と100時間を超えるという。
今日の立ち入り調査で電通の労働時間の把握が杜撰で長時間労働が野放しになっていたらしいことが分かった。オリンピックの宣伝関係業務をIOCから一括して請け負い、受けにいっているが、営業はともかく人事管理が追いついていないのではないだろうか。攻め一辺倒のこの会社には、社員を守るべきディフェンス体制が整備されていないようだ。
かつて同じように立ち入り検査を受けたABCマートや、ドンキ・ホーテのようなブラック企業と同じレベルの会社ということになる。当局は違法な長時間労働が全社的に常態化していた疑いがあるとみて、刑事事件として立件を視野に調査を進めるようだ。
ついては、今日自動車免許証の書き換えに出かけた。もう何度目になるだろうか。3年に1度の免許更新で、3年前に引き続き世田谷警察署免許更新所で手続きを済ませた。70歳を過ぎてからは高齢者講習を受けなければならず、今回は事前に2度目の高齢者講習を済ませた。このために暑い盛りの8月に、まる1日を費やして自動車講習所で高齢者講習の受講(認知症テストを含む)と実技(見学しているだけでも可)を済ませて修了証明書を受領し、今日一般の人と同じ手続き書類にこの高齢者講習修了証明書を添付して提出した。更新手続きは簡単で、視力検査に合格してその場で写真を撮りほんの5分も待っていれば、新しい免許証を交付してくれる。流石にこの辺りはIT化されているのか一連の作業は早いものだ。これで向こう3年間有効の免許証を手にすることができた。
想えば、大学1年終了時に免許証を取得して以来56年になる。あの60年安保闘争の年である。爾来それほど長い距離を運転してはいないが、この間ブルーバード、オペル、ヴァイオレット、カローラ、カムリ、そして現在のVW、更に一時ニューヨークに友人と共有していた真っ赤なスポーツカー、コルベット・スティグレイにも乗った。国際免許証を発行してもらい海外でも結構運転する機会があった。ニューヨークでは当時在住していた、亡くなった友人の曽田順吉さんと共同所有の前記の車に乗って、ハイウェイをスピード感を楽しんでひとりでボストン郊外まで出かけたり、ベルギーではレンタカーで動き回ったことがある。
車の運転では旧厚生省から随分喜ばれ感謝もされた。毎年のように1カ月間も中部太平洋戦没者遺骨収集事業でサイパン島に常駐しては、本部が置かれたホテルで団長だった厚生省課長の秘書役として運転手役を仰せつかったからである。
反省すべきは、半世紀以上にわたって運転して1度だが事故を起こしたことである。交通ルールは順守して安全運転を心がけて来たが、1966年12月同期入社の友人たちと箱根へ旅行して、宿泊の翌朝箱根で道路表面が氷結しているのに気付かず、車が氷結した道路上を走る状態になり滑ってそのまま土壁にぶつけてしまった。幸い対向車がなくくて頭にけがをした程度で済んだが、車は中破してレッカー車のご厄介になる無様なことになってしまった。2台の車に分乗して移動中で、もう1台の車も滑ってぶつかった。幸い友人たちにけが人はおらず、崖下に転落するような惨事にもならず、胸をなでおろしたことも昨日のことのように思い出される。
これからいつまで車を運転することができるだろうか、まだ漠然としているが、次回の書き換えは81歳になっているので、そろそろ引き際ではないかと思っている。高校時代の友人の中にも免許証を返還して運転しないという友人が何人かいる。実際最近は人通りの多い地区をドライブしたりすると、人一倍神経を使うようになり以前より慎重にハンドルを握るようになった。これも運転上の老化現象かも知れない。そろそろ車の運転から身を引く時が近づいているのかも知れない。