4063.2018年6月28日(木) 「はやぶさ2」、小惑星リュウグウへ到着

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、探査機「はやぶさ2」が地球から約3億㎞も離れた小惑星「リュウグウ」に到着したと発表した。地球一周は4万㎞であるが、「リュウグウ」までの距離はまったく想像もつかない。

 2014年12月に種子島宇宙センターから打ち上げられて、地球の引力を使って太陽の周囲を回りながら飛行してリュウグウに着陸したが、そんな誘導を3年半もかけて地道に、事故もなく続けられたのは、JAXA関係者の努力もさることながら日本の科学技術のレベルが世界でも最高の域にあるからだと思う。「はやぶさ2」は今後1年半リュウグウに留まって表面の砂を採取して、同時に金属片を高速で打ち込んで小惑星内部の砂の採取も目指すという。その後リュウグウを離れ2年後に地球に帰還する予定である。

 ロケットと言えば、米朝首脳会談前までは北朝鮮が弾道ミサイル発射の都度、アメリカのトランプ大統領は金正恩・朝鮮労働党委員長を「ロケットマン」と茶化して呼んでいたが、わが国ではロケット開発に携わった東大航空宇宙研究所長だった糸川英夫教授が高名だった。糸川教授の名は小惑星のひとつにも名付けられている。また、糸川教授は東大卒業後、中島飛行機に勤めて旧陸軍の一式戦闘機「隼」などの設計に関わったことから、現在の「はやぶさ」「はやぶさ2」も糸川博士に因んで名付けられたのではないかと思う。かつて何度となく「加藤隼戦斗隊戦跡慰霊団」にお供する機会をいただいたが、その辺りに多少なりとも「はやぶさ」とのご縁があったと考えるのは、少々考えすぎだろうか。

 誇るべきことに現在日本の科学水準は、世界でも羨望されるほど高いレベルにある。それに引き換え「科学は一流、政治は三流」と揶揄されるほど、政治のレベルは低い。科学分野では、今後も大いにレベルアップが期待されるが、政治はあまり期待出来ないだろう。

 その元凶は、国会議員を始めとして地方議員までほとんどの政治家が世襲政治家であることが大きな原因として考えられる。今国会で審議中の健康増進法改正案では、年内から段階的に施行し、禁煙の全面施行はオリンピック前の2020年4月後からとなる。ところが、昨日可決された東京都の受動喫煙防止条例は、前記国の法令改正案より大分厳しい。国会議員の中には、禁煙志向の法律自体に後ろ向きの議員が多い。例えば、受動喫煙が問題になっている時期だけに、せめて公的に議員が使用するスペースは禁煙にすべきところを、典型的な世襲政治家の麻生太郎財務相は財務大臣室を禁煙にしていないことでも分かる。自分が喫煙者だからである。自分の立場も分かっていない政治家が、財務大臣の椅子にふんぞり返っている。喫煙に厳しいこの時世に遅れた政治家が、要職を占めているようでは日本の政治はいつまで経っても三流だろう。

 こんな低次元の政治家たちに実績を望むことはとても期待出来ないが、せめて世襲政治の流れを一日も早く断ち切れないものだろうか。

2018年6月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4062.2018年6月27日(水) スウェーデン・アカデミーの闇

 昨日小中陽太郎さんとお話しした中で、ちょっと気になっていたことがある。それはスウェーデン・アカデミーに対する見方である。小中さんらベ平連が1967年10月に横須賀米海軍基地に停泊中の原子力空母イントレピッドから脱走した4人の米海軍兵を匿い、スウェーデンに逃がした衝撃的な事件があった。その主役のひとりが小中さんだった。小中さんは4人のうちのひとりを自宅に保護し匿っていた。4人をスェーデン側に引き渡した際に条件で行き違いがあったのかも知れなかったが、仲立ちをしたスウェーデン・ペンクラブとの間に信頼を傷つけるような約束違反があったのではないかと思っている。それが彼らへの不信感の始まりだったように思う。

 更に深刻なことは、実は最近になって今年のノーベル文学賞がスウェーデン・アカデミーの内紛、セクハラ醜聞が公になり組織が混乱して肝心なノーベル文学賞受賞者が決められず、今年は受賞者がいないという異常事態を惹起させたことである。それ以前に国際ペンクラブが実質的にスウェーデン・アカデミーによって乗っ取られるような事態が発生し、意味不明な費用を日本ペンクラブも国際ペンクラブに支払うということがあった。それもこれもスウェーデン・アカデミーが絡んでいた。これについて小中さんは同人誌「川」3号の中で「スウェーデン、おまえもか」と題して批判的に書いている。スウェーデン・アカデミーのガヴァナンス欠如により文学界最高権威であるノーベル文学賞受賞者も決められない体たらくとなった。

 さて、一昨日イギリスのウイリアム王子がイスラエルを訪問して、今収賄容疑の渦中にいるネタニエフ首相夫妻と会った。訪問にはイギリス政府のそれなりの理由があると考えられている。しかし、イスラエル建国70周年にあやかり今年5月に。アメリカ政府がアメリカ国内のユダヤ教信徒らの心情を忖度して駐イスラエル大使館を首都テルアビブから一方的にエルサレムに移転して反発を招き、イスラエルとパレスチナ間に不穏な動きがある時期でもあり、あまりにもタイミングが悪過ぎ、イギリスに何らかの意図があると勘繰られても仕方がない。王子はこの後パレスチナ自治政府代表のアッバス氏とも会う予定だというが、どうも真意が理解出来きない。

 そもそも現在の宗教対立を超えたパレスチナ紛争を引き起こした最大の原因は、第2次世界大戦中にイギリス政府が、イスラエルにも、アラブ側にもエルサレムを首都と思わせるようなお得意の二枚舌手形を発行したせいであることは世界中が承知していることだ。そんな世界中から顰蹙を買っていた複雑な事情をイギリス政府もウイリアム王子も知らないわけがない。上手に丸め込まれたのかどうか分からないが、利用する方もされる方も、あまりにも配慮が足りないのではないだろうか。

2018年6月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4061.2018年6月26日(火) 小笠原諸島返還50周年記念

 今日は小笠原諸島がアメリカから施政権を返還されて丁度半世紀になる。現在小笠原は東京都に帰属して世界自然遺産にも登録されている。アメリカ領だった期間中は小笠原村では学校の授業が英語で行われ、生徒たちは家族とは日本語、学校では英語を話すバイリンガル環境だった。

 今朝もテレビで放送していたが、小笠原は東京都下とは言え、東京の中心部から海を隔てて1,000㎞も離れ、月1度の定期船の往来では生活物資などの物流面で不自由さを感じている。しかも片道24時間もかかるのがネックになっている。特に救急患者が発生した時の患者輸送手段に限界があり、島としては航空路線の開設を希望しているが、自然保護と環境汚染の面から空港建設は問題が多いとされ、実現は前途多難のようだ。

 振り返って1952年日本が漸く占領支配から解放されたサンフランシスコ平和条約締結、72年の沖縄返還、などに比べれば小笠原返還はやや地味な印象ではあった。しかし、自然ばかりが強調される小笠原諸島の中には、住民が1人もおらず、戦時中激しい戦斗により日本兵2万人以上が亡くなった「硫黄島」があることを忘れてはならない。現在海上自衛隊が管理しているその「硫黄島」には、日米防衛上の機密から旧島民ですらこの生まれ育った懐かしい故郷へ再訪することを許されていない。

 外国人から、日本人は人に優しいと言われ、礼儀正しく秩序を守る民族と評価されるが、それでは私たち日本人は、同じ日本人である戦争の惨禍を受けた沖縄や小笠原の人びとの気持ちを充分斟酌しているだろうかと考えると首を傾げざるを得ない。国は戦時中上陸する米軍の盾となって犠牲となった島民や、疎開させた島民にもっと温かい対応を行うべきではないだろうか。

 さて、今日の午後近くにお住いの小中陽太郎さんのお宅へお邪魔して健康状態のお加減を伺ってきた。このところ日本ペンクラブ理事会、例会にも出席されず、ひと頃は各種会合に出席の後2次会にも積極的に出られていたにも拘わらず、最近は欠席続きだったので、ペンの仲間が心配し、隣組の私が様子を伺ってくるよう仲間から申しつかっていた。

 お見かけしたところいつもと変わらず、お元気でいろいろ話し込んできた。ペンの現状について話し合ったが、ほぼ同意見だった。他に奥様を交えて話し合った時、奥様と意外に接点があるのに驚いた。父の上司の娘さんと奥様が友人で学生時代に私の鵠沼の実家近くに下宿されていたことや、その友人の娘さんが私の高校、大学の後輩であること、また彼女が私の高校同級生の兄である岡崎元神奈川県知事と結婚されたことなど、あまりにも偶然が重なったことである。

 とにかくお元気であることを確認出来たことがなによりだった。

2018年6月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4060.2018年6月25日(月) ワールドカップ第2戦はドロー

 サッカー・ワールドカップが益々ヒートアップしている。朝日新聞の一面トップ記事は、朝刊も夕刊も日本チームの活躍ぶりを紹介している。日本代表チームの第2戦対セネガル戦が昨晩というより、今日深夜にエカテリンブルグで行われた。キックオフが日本時間の深夜12時なのに、NHKは大河ドラマ「西郷どん」終了後ゴールデンアワーの時間帯にも拘わらず、そのまま試合予想の紹介、解説などの事前放送を始めて、民放の同時放映と合せて今朝2時過ぎまで実況中継を放映する状態だった。深夜にも拘わらず視聴率は30%を超えたというからすごい人気である。ほとんどの人が、セネガルが勝つと予想していたようだが、結果は2-2の引き分けとなり、勝ち点1を得て日本としては結果オーライだった。当然勝つものと決めていたセネガル人にとっては勝ち点3の筈が1となり、在日セネガル人らは少なからずショックを受けているようだ。

 自宅近くの在日セネガル大使館では、いつも朝10時前に玄関前で人の姿を見ることはないが、今日車で大使館前を通過したら3人ぐらいの姿が見られたので、いつもとは異なる風景だった。

 今日もテレビでは各局が日本、セネガル合せて4つのゴールをひとつずつくどいほど丁寧に解説をしてくれた。また、在日セネガル人の家庭内に入り込んでインタビューしながら勝敗予想とか、日本チームに対するコメントを聞き出していた。かつてないくらいの熱狂ぶりに唖然とするばかりである。

 海外のメディアも日本チームの活躍ぶりを注目しているようだ。別の意味でも日本人サポーターがスタジアムで清掃してから帰ることに賛辞を送ってくれている。実際外国チームの試合後のゴミの散らかり方は酷いものらしい。この点は、清潔好きな日本人は誇りにしても良いのではないか。

 早くも決勝トーナメント進出・ベスト16の夢が膨らんでいる。次のポーランド戦で勝てば文句なしに決勝トーナメントへ進める。ドローでも進める。だが、敗戦なら他チームの勝敗次第になる。

 3日後の予選リーグ最終戦を期待したい。

 さて、今日は朝鮮戦争が勃発した日である。今から68年前の1950年6月25日北朝鮮軍が北緯38度線を越えて南下して戦争は始まった。それから68年は早かったという印象である。当時小学校6年生だったが、担任教師がよく話題に採り上げて分かり易く説明してくれた。

 毎年北朝鮮はこの日を「反米闘争の日」と決めて、国民に対して闘争心を煽っていたが、今年は先の米朝首脳会談の影響もあり反米的アジは聞かれない。しかし、アメリカは約束したと見られている経済制裁中止を行わず、これをもう1年延長すると言っているので、先行きは安心出来ない。

 今日は国内いずこも暑い一日となった。栃木県佐野市では今年全国で最高気温の36.4℃を記録した。暑くてこれから先を考えるとゾッとする。

2018年6月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4059.2018年6月24日(日) 間違いだらけの歌詞、ワールドカップ・テーマ曲

 近年戦没者の慰霊祭に出席することがほとんどなくなったが、かつて旧厚生省主宰の太平洋戦争戦没者遺骨収集事業に関わっていたころは、しばしば慰霊祭で御霊にお参りしていたものだった。

 今朝の朝日新聞投稿欄「声」に「御霊」について、20歳の大学生と62歳のNPO職員の投書が掲載されている。それは開催中のサッカー・ワールドカップに因んで民放がテーマ曲として流した「HINOMARU」の歌詞について疑問を呈したものである。そのNPO職員は投稿で「RADWIMPS」が唄ったテーマ曲の歌詞がおかしいと首を傾げている。

 投書では、「~歌詞に『僕らの燃ゆる御霊』とある。『僕ら』の『御霊』? 『御霊』は死者の霊魂。生きている『僕ら』はまだ『御霊』ではないし、そもそも、敬意を表す『御』を自分の『霊』につけるのはおかしい。~」と言って歌詞は誤用であり、作詞者は歌詞の意味を理解していないと鋭く批判している。まったく同感である。そもそも「御霊」とは死者の霊魂を尊んでいう言葉であり、「僕らの燃ゆる御霊」とはどうあっても理解できない。作り手も歌い手もこの意味することが分かっていないのに、語感とか思い入れだけで「御霊」という言葉を安易に使ったのではないか。

 慰霊祭で献上する言葉は、普通彼岸へ旅立った死者に向かって敬意を込めて安らかに眠って欲しいとの気持ちを捧げるもので、誰もが心を打たれるものである。特に旧戦場の慰霊祭などで散華された戦没者に捧げられる言葉には、万感の思いが伝わりそれが傍で聞いている人たちの心に響き、つい涙が溢れてくるほど感動的なものである。たかがスポーツの場面で興奮して荒々しく魂を鼓舞するものとはまったく異質のものである。意見を述べた男性の気持ちがよく分かる。この曲では作詞者が「御霊」という言葉を使い方も分からず安易に使ったものと思える。言葉は乱れ、不愉快な表現が頻発する。言論の自由とは言え、戦没者に関わる表現だけに彼らの気持ちを慮って少しは慎んでもらいたいというのが、戦没者の慰霊行事に関わってきた者の気持ちである。

 年寄臭い言い草になるが、近ごろの若者はあまり読書をしないと言われるし、手紙もあまり書かない。従って文字や言葉の意味をあまり知らない若者が多い。その彼らが、「御霊」という言葉を軽々に使うことが世間に誤解を広めるのだ。

 大体グループの名称「RADWIMPS」なんてどういう意味だかさっぱり分からない。また、日本人なら国旗「日の丸」を「HINOMARU」なんて軽率にローマ字で書くなんてことは遠慮してもらいたい。こんな曲をテーマソングに使用する民放のレベルもかなりいい加減で、これでは泉下で戦没者も浮かばれないだろう。

2018年6月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4058.2018年6月23日(土) 沖縄最後の戦いの日

 沖縄における最後の戦いが名実ともに終わったのが、73年前の今日である。死者の数、実に20万余人と言われ、県民の4人にひとりが犠牲になった悲劇だった。

 今日正午過ぎから犠牲者を悼む沖縄全戦没者追悼式が、糸満市の摩文仁の丘の平和祈念公園で行われた。主催者の翁長雄志・沖縄県知事を始め、安倍晋三首相、大島理森衆院議長、伊達忠一参院議長、米軍関係者らが列席され、冒頭に翁長知事が平和のメッセージを述べた。安倍首相らを前に戦後73年を経て、なお米軍基地の7割が沖縄に集中して県民が事故や環境問題に悩まされている理不尽を訴えた。また、民意を顧みない辺野古新基地建設は基地負担軽減ではなく、アジアの緊張緩和に逆行していると指摘した。県遺族会長も普天間基地移設と新基地建設に反対を述べた。これに対して来賓挨拶をした安倍首相は、基地負担軽減に努力すると語ったが、出席していた遺族にはどう映っていただろうか。

 列席していた来賓の中に、当然のように福井照沖縄・北方領土担当大臣もいたが、安倍内閣の閣僚はこの沖縄担当相に見られるように能力、資質、人格において首を傾げざるを得ないような閣僚が多い。それを証明しているのが、この福井大臣である。沖縄県民を愚弄していると思わせるのは、素行不良の議員が沖縄担当大臣に任命されたことである。これまでに女性とのイチャツイタ破廉恥な写真漏洩、愛人自殺など問題児として週刊誌に取り上げられてきた。そんな人物が沖縄戦戦没者追悼式に出席して、沖縄県民が素直に喜ぶだろうか。安倍首相は世間知らずで甘い。

 テレビで追悼式の実況中継を観ていたが、知事が首相を見る様子もなく、お互いに挨拶を交わすようなシーンも見られず、首相が挨拶を終えた後にはヤジが浴びせられていたことを考えると、この追悼式は、終戦記念日に天皇・皇后両陛下ご臨席の下に日本武道館で政府が主催して開催される「全国戦没者追悼式」とは随分雰囲気が異なる。国と県との間にわだかまる感情が尾を引いている。白々しい空気が流れていたように思えた。それもこれも安倍首相の沖縄に対する不誠実な対応によるものである。戦争犠牲者への追悼の言葉を言い、戦争を避ける努力を続けると述べながら、憲法9条改定をして戦争準備を進めようとしている鉄面皮ぶりに、翁長知事を始め沖縄の県民は皆気がついているからである。

 これでは戦争を知る生存者は納得しないままであり、慰霊される戦没者にとってはいつまで経っても浮かばれないことだろう。

2018年6月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4057.2018年6月22日(金) アメリカ、国連人権理事会から脱退

 19日アメリカは国連人権理事会からの脱退を表明した。トランプ政権になってからアメリカの行動は些か異常であるが、このところ加速度がついてきた。アメリカは国連人権理事会のイスラエルへの姿勢が政治的変更、偽善であると批判して、国際社会がアメリカの意向に沿わなければ、アメリカは自らの国益を優先して脱退するという強迫的な脅しである。

 2006年国連人権理事会が発足してから同理事会は、70回以上もイスラエル非難決議を採択して反イスラエル傾向を徐々に強めてきた。一方でそんな時に、アメリカ大使館を今までのテルアビブからエルサレムへ移転したことが、各国がアメリカの対イスラエル政策への批判を一層強めることになった。

 折も折タイミング悪くイスラエルでは、ネタニヤフ首相の収賄容疑が追求されていた。それに加えて今度は、首相夫人まで公的資金を不正に使用した罪で横領と背任の罪で起訴された。

 今日までイスラエルではネタニヤフ首相の強気な対パレスチナ政策が一定の評価と支持を得て、9年間もの長期間に亘って政権の座を維持してきたが、今やそれも風前の灯火となりかねない情勢になってきた。イスラエル首相夫妻が窮地に追い込まれているのである。そんなイスラエルを支援、擁護しているトランプ政権が、ことここに至って更にことを荒立てようとしている。

 加えてトランプ大統領は、アメリカ国内における不法移民の取り締まりを批判されるや毀誉褒貶の言動を繰り返している。結局アメリカ国民の厳しい批判を受けてさしもの強気大統領も元の鞘に納めた。これまで国境の壁建設など一連の移民規制を行って、一度は不法移民の取り締まりで「ゼロ寛容」政策を導入し不法移民親子を切り離すことまで決めたが、世論の反発が強く方針転換を図りこれまで通りにすると決定したのである。こんな人権問題にかかわる重要なことをいとも簡単にひっくり返すのが、トランプ流のやり方だ。

 それにしても最近のアメリカの血迷った放浪ぶりは、大国として些かみっともない。いかに利己的で不見識な「アメリカ・ファースト」とは言え、TPP離脱に始まり、イラン核合意離脱、パリ協定から脱退、不法移民の取り締まり、輸入品高額関税賦課、アメリカ駐イスラエル大使館の移転などは、世界の共存にとってマイナス面しか浮かんで来ない。

 ぶれるアメリカ外交が、これからもどれほど世界の信頼を得ることが出来るだろうか。

2018年6月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4056.2018年6月21日(木) 日本ペンクラブ総会開催

 今日は恒例の日本ペンクラブ総会開催日である。神保町の如水会館で開かれたが、ここでの開催も今年が最後になるかも知れない。以前は日比谷の東京会館を使用していたが、現在は一時的に如水会館を使用している。来年度かつて使用していた東京会館がリニューアル工事完了と同時に、使用可能になった場合果たして従来の使用料で開催出来るのか心配だからである。

 総会前に理事会があり、総会を終えて懇親会が開かれた。理事会では執行部が決めた議題に沿って議事運営が進められたが、毎度のことながらどうもこの点に違和感がある。理事である我々が関与しない間に常務理事以上の執行部によって議題がすべて決められていることである。私が所属している財務委員会についても、従来は伝票上の細かい点などは事務局のペースで処理されていたが、民間企業の方式とは大分異なる点があるので、慣習とか、担当者がやりやすいとの理由だけで、そのまま続けて良いものだろうか。これもいずれ何とかしないといけないと自覚している。

 これは大きな問題であるが、ひとつひとつ納得づくで解決していくより仕方がないとは思っている。

 理事会で遠慮しながら発言したことは、4月理事会で3月に提案していた担当役員制度の存廃について結論が出され、私が申し出た制度廃止案が多数決によって否決された。この点について、これは否決されたからゼロになるのではなく、実績としてそういう事実があったということを記録、記憶に留めるべきであると述べた。他の理事はどう思おうと採決の結果がそのままゼロになるのでは、あまりにも空しいと考えている。

 いずれにせよ現在ペンは多くの難問を抱えている。何とかして問題解決のために微力を捧げたいと思っている。

 閉会後は、いつものメンバーで近くの学士会館へ行き、お口直しをしたところである。

2018年6月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4055.2018年6月20日(水) 日本、ワールドカップ緒戦で大金星

 ロシアでサッカー・ワールドカップが開催され、世界中から熱い視線が向けられている。昨日FIFAランク61位の日本代表チームは、同じHグループに属しFIFAランク16位の南米コロンピアと緒戦を戦い、予想を覆して2-1で堂々勝利を収めた。前回ブラジル大会でも対戦し日本は4-1の完敗だったので、戦前の予想では遥かに日本が不利だった。だが、勝負は水物である。アジアのチームが、ワールドカップで南米チームを破ったのは初めてである。朝鮮日報もこのことを伝えているし、欧米のメディアでもこの予想外の日本勝利を大きく報道しているようだ。朝日朝刊のトップ記事の見出しには、「日本、大金星発進」と大々的に紹介されている。

 コロンビア国内では、エスコバル事件再来かと懸念されている。昨日の試合で開始早々ハンドの反則を犯してレッドカードで退場させられ、日本にペナルティ・キックを与えて先取点を奪われたことが日本を有利にさせた。反則を犯したサンチェス選手の与えたPKが、1994年大会においてアメリカに2-1で敗れた時、オウンゴールでアメリカに1点を献上し、帰国後暴漢に銃殺されたエスコバル選手の二の舞を踏むようなことがないかと心配されているほどである。

 コロンビアではまさかの事態に相当ショックを受けているようだ。戦前コロンビア・サッカー協会幹部が現地で、日本チームは組織的だが、当たりが弱いと相手にもしていなかった。試合前には駐日コロンビア大使館内でドゥケ特命全権大使がサッカーのユニフォーム姿でニコニコして現れ、自国チームの勝利を予想していた。勝負はやってみなければ、分からないものである。

 そのコロンビアでは、3日前に大統領選挙が行われ、41歳の若いイバン・ドゥケ上院議員が新大統領に当選したばかりである。コロンビアでは、左翼ゲリラ「コロンビア革命軍」(FARC)による激しい反政府活動により長年国内で内戦が繰り広げられ、多くの犠牲者を生んだ。それでも何度となく政府とFARCとの間で和平交渉が行われたが、決着がつかなかった。2016年9月になって漸く当時のサントス大統領とロンドニョFARC最高司令官の間で和平交渉が成立した。奇妙にもこの折結ばれた最終合意文書について、翌10月国民投票が行われ、何と反対票が上回ったのである。合意文書が結ばれる前に残虐行為が多かったFARCに対して寛容すぎるという、あまりにもFARCにとって有利な合意というのがその理由のようである。

 ところが、この和平交渉に当たり合意文書に署名したサントス大統領に、その年のノーベル平和賞受賞が決定した。半世紀以上に亘って内戦の終結に努力した結果を評価したのである。それほど合意書は世界中から高く評価されていたのである。だが、コロンビアではそうではなかった。

 新大統領に選出されたドゥケ氏は、合意文書見直し派である。あるまいことか、今和平合意は覆水盆に返ろうとしている。多くの犠牲者を生んだ末に生まれた和平合意が、一方にとって有利過ぎるとの理由で、下手をすると再び内戦の危機を迎えることになりかねない。サッカーはともかく、コロンビアの国内政治は流動的で、この先楽観視出来ない。

 そのコロンビアと日本との国交が締結されたのが1908年で、今年5月に110周年を迎えた。奇しくも今日6月20日は、同じ1908年生まれの亡父にとっても110回目の誕生日に当たる。海外志向の強かった亡父が生きていたら、どう思うだろうか。

2018年6月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4054.2018年6月19日(火) インドの歴史が書き換えられている。

 歴史は夜作られるとよく言われるが、インドでは今白昼堂々歴史が書き換えられている。4年前にインド人民党のモディ首相が政権を握って以来、その支持母体である「民族義勇団(RSS)」は、ヒンドゥー教の伝統による社会の統合を目指し、ヒンドゥー教以外の事象を極力排除し始めている。

 インドでは、約13億人のうちヒンドゥー教徒が圧倒的に多く約80%を占め、イスラム教徒は15%しかいない。その少数派のイスラム教徒は国民会議派を支持している。それがモディ首相一派には我慢ならないようだ。インドにとって独立運動の過程で最も国民に敬愛された人物は、初代首相ネールと建国の父で暗殺されたマハトマ・ガンジーである。皮肉というべきだろうか、2人の偉人はヒンドゥー教徒ではなく国民会議派のメンバーだった。ともに今もなお全インドの各界各層から広く尊敬されていて、2人については学校で時間をかけて教えているという。モディ首相にはこれをそのまま放っておくわけには行かなくなったのだろうか。

 最近になってその様子が少々変わりつつあるという。連邦制のインドでは、各州によって教科書の内容は州政府が決めるのだが、モディ首相が州首相を務めていたグジャラート州では国民会議派だったネールをすでに教科書から削った。そして今ラジャスタン州でも公立校の社会科教科書からネールに関する記述が削除された。同時にガンジーの暗殺についても触れられていない。偉大な建国の士の存在が意図的に徐々に薄れようとしているのである。国民はこれを一体どう思っているだろうか。RSSは、ガンジーもネールもイスラム教徒に弱腰でヒンドゥー教徒を苦しめたと非難する有様である。

 とにかく根っ子には、人間批判よりヒンドゥー教とイスラム教間の根深い宗教対立があるようだ。歴史書き換えの波は、世界遺産にも及んでいる。例えば、ある州ではタージマハールを観光ガイドブックに紹介していない。イスラム系ムガール帝国の皇帝シャー・ジャハーンが先立った王妃のために建てた涙物語のタージマハールは、インド文化を代表するものではないということのようだ。時の為政者によって先人の偉業が葬られ、自分らに好都合な偉業やレガシーに書き換えられていくというのは、どうにも納得しかねる。これでは、インド独立のため全身をささげた偉人ガンジーやネール首相も浮かばれまい。

 そのうちモディ首相は、世界四大文明からインダス文明を取り下げるなどという暴挙も言いだしかねないのではないか。

 現在安倍政権がこのようにモディ政権と同じことをやるとは思いたくないが、最近の言動をみていると似たようなことをやり始めるような予感がしてならない。

2018年6月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com