4058.2018年6月23日(土) 沖縄最後の戦いの日

 沖縄における最後の戦いが名実ともに終わったのが、73年前の今日である。死者の数、実に20万余人と言われ、県民の4人にひとりが犠牲になった悲劇だった。

 今日正午過ぎから犠牲者を悼む沖縄全戦没者追悼式が、糸満市の摩文仁の丘の平和祈念公園で行われた。主催者の翁長雄志・沖縄県知事を始め、安倍晋三首相、大島理森衆院議長、伊達忠一参院議長、米軍関係者らが列席され、冒頭に翁長知事が平和のメッセージを述べた。安倍首相らを前に戦後73年を経て、なお米軍基地の7割が沖縄に集中して県民が事故や環境問題に悩まされている理不尽を訴えた。また、民意を顧みない辺野古新基地建設は基地負担軽減ではなく、アジアの緊張緩和に逆行していると指摘した。県遺族会長も普天間基地移設と新基地建設に反対を述べた。これに対して来賓挨拶をした安倍首相は、基地負担軽減に努力すると語ったが、出席していた遺族にはどう映っていただろうか。

 列席していた来賓の中に、当然のように福井照沖縄・北方領土担当大臣もいたが、安倍内閣の閣僚はこの沖縄担当相に見られるように能力、資質、人格において首を傾げざるを得ないような閣僚が多い。それを証明しているのが、この福井大臣である。沖縄県民を愚弄していると思わせるのは、素行不良の議員が沖縄担当大臣に任命されたことである。これまでに女性とのイチャツイタ破廉恥な写真漏洩、愛人自殺など問題児として週刊誌に取り上げられてきた。そんな人物が沖縄戦戦没者追悼式に出席して、沖縄県民が素直に喜ぶだろうか。安倍首相は世間知らずで甘い。

 テレビで追悼式の実況中継を観ていたが、知事が首相を見る様子もなく、お互いに挨拶を交わすようなシーンも見られず、首相が挨拶を終えた後にはヤジが浴びせられていたことを考えると、この追悼式は、終戦記念日に天皇・皇后両陛下ご臨席の下に日本武道館で政府が主催して開催される「全国戦没者追悼式」とは随分雰囲気が異なる。国と県との間にわだかまる感情が尾を引いている。白々しい空気が流れていたように思えた。それもこれも安倍首相の沖縄に対する不誠実な対応によるものである。戦争犠牲者への追悼の言葉を言い、戦争を避ける努力を続けると述べながら、憲法9条改定をして戦争準備を進めようとしている鉄面皮ぶりに、翁長知事を始め沖縄の県民は皆気がついているからである。

 これでは戦争を知る生存者は納得しないままであり、慰霊される戦没者にとってはいつまで経っても浮かばれないことだろう。

2018年6月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com