4457.2019年7月27日(土) 小田実さんについて想う。

 24日付朝日新聞「時代の栞」に「何でも見てやろう」の著者小田実について同書、及び小田の行動について紹介している。私自身同書ばかりでなく、小田の思想・哲学・行動に強く惹かれ影響を受けた。それだけに留まらず、私自身の海外武者修行は小田に大きく影響された。2004年にギリシャ政府観光局長賞に拙いエッセイを入賞させてもらったのも、投稿の動機が小田のアクロポリス観に感化されたからである。2007年に小田は75歳で亡くなられた。青山葬儀場で行われた葬儀に私も参列し、その後小田を追悼するパレードに参列したが、それが翌日の朝日朝刊に写真付きで取り上げられてしまった。いろいろな意味でいつまでも忘れられない人である。

 この「時代の栞」記事に小田と親しかった同じべ平連仲間の小中陽太郎さんがコメントしている。その感想を小中さんにメールで送ったところ、小中さんを取材した大内悟史記者から昨日私宛にお礼を兼ねて記事のオリジナルを送って来られて驚いたところである。小中さんが大内記者に連絡したらしい。

 昨今のドキュメンタリーには、小田作品のように読み始めた時に感じるわくわく感があまり感じられない。その点で小田の臨場感あふれる著書や、信念の篭った行動にはなにがしかのエネルギーと圧倒されるような迫力を感じたものである。

 現在80歳代の高齢者冒険家のドキュメントをメディアへの批判を込めて書いているところだが、そこでも少し小田について触れている。小田のような論理的にも納得出来て、行動力も評価できる人はそうめったにいるものではない。実に惜しい人を失ったものである。生存されておられたらトランプ大統領観を小田さんに伺いたいところである。

 さて、昨日から奈良にいる長男が出張の序に我が家に滞在し明日帰るが、今年は我々夫婦にとって金婚式に当たるので、夕食をごちそうしたいという有難い申し出があったので、今夕深沢不動尊近くの和食料理店「田」で美味しい和食をご馳走になった。お店から金婚式祝いまでいただいてしまった。息子も家族そろって健康でいてくれることが嬉しい。奈良に自宅を構えて京都市内へ通勤しているが、いつまでも元気に活動して欲しいと思っている。

2019年7月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4456.2019年7月26日(金) 韓国、WTOへ日本提訴も空振り

 とにかく今年の夏は雨続きで今週に入ってから漸く夏らしく蒸し暑くなってきた。九州、西日本地区では漸く梅雨明け宣言がなされた。そして、都内ではこの数日夏日となったと思いきや、小笠原諸島近海に発生した熱帯性低気圧が台風6号となって、明日から明後日にかけて関東地方を襲うという予報である。明後日は柏市内で小学校時代のクラス会が催されるが、悪天候がやって来ないことを祈るばかりである。

 さて、現在日韓関係に亀裂が生じて過去最悪の状態に陥っている中で、現時点における最大の懸案事項は、韓国が主張する日本政府による韓国への半導体輸出管理強化が、経済面で世界的影響を与えるとして「日本はWTOルール違反を犯した」と世界貿易機関(WTO)へ提訴したことである。

 一昨日閉会した世界貿易機関(WTO)理事会へ日本が韓国に対して半導体などの製造に使う材料の輸出規制を厳しくしたことを元徴用工訴訟判決への報復だと反発して韓国から提訴された問題について、日韓両国が主張した他にはいずれの国からも発言はなく、当事国である日韓両国で協議することになった。結局韓国の空振りのような結果となった。

 しかしながら、問題はそのまま先送りされただけで、根本的な解決には至っていない。

 そもそも戦前の植民地政策に基づく歴史問題が両国間には長く引きずられてきた。1965年の日韓請求権協定でそれらはすべて解決済みと両国が了解した。その後旧従軍慰安婦問題が持ち上がって来た。しかし、これも2015年12月日韓合意の締結により日本の寄金による旧従軍慰安婦助成のための財団を設立することによって、旧従軍慰安婦問題を解決すると最終的な解決を約束した。

 しかし、現在の文在寅政権になって、韓国はこの国家間の約束を無視して旧従軍慰安婦問題を蒸し返している。これではいくら国家同士が話し合いをして解決策を見出しても、一方的にそれを反故にしているようでは、永久にこの問題は解決しないだろう。

 韓国にはかつて「韓国は法治国家か」と疑問を呈した梁承泰・前最高裁長官のような気骨のある人物もいた。彼は「人を罰する材料を探し出すための捜査は法治国家を破壊し、憲法に反する。それこそ権力の乱用だ」と国家の在り方を厳しく批判した。今の文大統領は、このような理念を持ち合わせていないのだろうか。

 この問題で日韓両国には、日本商品不買運動や、交流の中止など思いがけないマイナス要因が発生している。特に両国間のチャーター便飛行が中止されたり、新潟県や、神奈川県大和市の中学生派遣による文化交流が直前にキャンセルされて折角事前準備に当たって来た関係者を失望させている。国家レベルの対立が、一般国民の文化交流まで妨げるようなことは断固あってはならない。政治家はよくよくこの点を心しなければならないと思う。

2019年7月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4455.2019年7月25日(木) 参議院比例区の「特定枠」って何だ?

 参議院選挙が終わったが、恥ずかしながら未だに細かい点で理解出来ないことがある。その最も理解しがたいのは、比例区の「特定枠」立候補者に関する取り決めである。得票順に当選が決まる非拘束名簿式の別枠として、候補者の得票数にはかかわらず上位に扱われて推薦党への得票が割り当てられるようだ。
 今回初めて導入された特定枠とは、合区で選挙区から立候補できなかった候補を救済する目的で自民党が主導したものであり、優先的に当選させたい人を政党が事前に決めるシステムだという。特定枠で出馬した候補者は、個人としての選挙活動を制限されポスターの掲示も禁止されている。自民党は「鳥取・島根」「徳島・高知」の合区が対象となり、選挙区に候補を出せなかった島根と徳島両県を地盤とする新人と現職がこの恩恵を受けて当選した。

 一方今回話題になった「れいわ新選組」からも障碍者2人がこの制度に乗り議員に選ばれた。ALS患者の舩後靖彦氏と脳性マヒの木村英子氏の2人である。ともに大きな車いすを使用する。この2人を議員として送り出すことになった「れいわ新選組」代表の山本太郎氏は、個人的に飛びぬけて大量の100万票近い得票があったにも拘わらず、落選ということになった。この辺りの説明がなされていない。特定枠で当選した自民党議員も、「れいわ新選組」の2人の得票も公表されていない。100万票を獲得した代表の山本太郎氏が落選となった経緯と結果については、どこのメディアでも報道していない。事情が複雑な選挙だったことは分かるが、今回の選挙は国政でもあり誰もが分かるようにもっと丁寧に説明すべきではないだろうか。こういう不親切が若者の不投票にしてしまうのではないだろうか。

 ところで参議院選挙で自民党は、勝つには勝ったが、理想の予定数には達しなかったようで、過半数は抑えたが、改憲発議に必要な2/3(164名)には届かなかった。参議院の自民党現有勢力113名に公明28名、維新16名、保守無所属3名を加えてもまだ届かない。

 そこで安倍首相は、「日本維新の会と国民民主党が統一会派を結成して欲しい」などとふざけたことを言いだした。公明党には、憲法改正反対論者が多い。そこで21名を有する国民民主党を取り込もうとしたのだろうか。撚りによって急速に話題の核になった「れいわ新選組」に国民民主党が秋波を送っている最中にである。

 政治と政治家というのは、普通の常識では考えられないようなことをやるものだ。よく分からない人種である。

2019年7月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4454.2019年7月24日(水) イギリス新首相にボリス・ジョンソン氏

 2020年東京オリンピック開催まであと1年となった。今日はそれに因んだいろいろな催しが行われたが、本番で一番懸念されている交通渋滞に対応するために、都内高速道路の通行を制限して本番に備えた。各競技施設も少しずつ出来上がり、いよいよゴールへ向けて一目散に走る。来年の今日は、果たしてどんな開会式が見られるだろうか。

 さて、これほど酷いとは思わなかった。若者の選挙への関心がこんなものかと慨嘆したのは、3日前に行われた参院選18歳と19歳の有権者の行動だった。想像も出来ない呆れるほどの低い投票率だった。彼らの投票率は、僅かに31.33%だったのである。全体の平均投票率が48.8%と戦後2番目に低い投票率の中で、その平均を大きく下回る彼ら若者の低投票率は一体どういうことだろうか。3人弱に1人しか投票所へ足を運んでいないことになる。これでは彼らに選挙権を与えた建設的な理由も霞んでしまう。高校を卒業した彼らは、現在大学で学ぶ者、社会へ出て働いている人で、今後更に学んで飛躍して、新しい時代の担い手になるべき人々である筈である。それがこの体たらくである。他の世代に比べて格別に彼らが、抜き差しならぬほど多忙で時間が取れないようには思えない。世間を舐めているのだろうか。国民としての権利であり義務でもあるせっかく与えられたばかりの選挙権を無碍に放り出して行動しないとは、あまりにもニヒルで無責任と言わざるを得ない。恥を知れと言いたい。がっかりである。

 ところで、イギリスの次期首相候補に保守党のボリス・ジョンソン前外相が選ばれ、今日新しい首相に就任した。行動がアメリカのトランプ大統領に似て、イギリスのトランプとも呼ばれている。何事にも積極的で派手なパフォーマンスが目立つ人である。だが、ドイツのシュピーゲル誌は、事実と虚構を理解しない人と厳しく批判している。同時に政治の冒涜と幼児化を表しているとこき下ろしてもいる。父方の先祖を遡るとジョージ2世に辿り着く家系から子供のころからお坊ちゃん扱いされ、常に出自を自慢していたそうである。

 ロンドン市長を2期全うし、その間オリンピックを無事開催して実行力は高く評価されている。本日メイ首相の後継者となるについては、EU離脱問題のどさくさがあり、メイ首相の実行力に疑問が呈されたことにより、一層強硬派のジョンソン氏でEU離脱を正面突破する作戦のようである。いずれにせよイギリスのEU離脱には賛否両論があるが、今後他のEU諸国からの非難は避けられそうもない。暫くは世界的な関心を惹くことだろう。

2019年7月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4453.2019年7月23日(火) 米大統領の移民排斥の影響か、ビザ取得が遅れる。

 このところ世俗的な事件が2件注目を集めている。そのひとつは、アニメーション制作会社の「京都アニメーション」現場で、男が押し入りガソリンを撒いて34名が死亡した事件である。海外からも悲しい事件として悼まれ、弔慰金として直ちに2億円近い寄金が集められたという。犯人も火を被り重傷のようで、尋問することが出来ず、動機と事件の全容解明は当分先になるようだ。

 もうひとつは、わが国の興行界で一大勢力を築いていた吉本興行の反社会的勢力との付き合いに関するスキャンダルである。昨日開かれた吉本興行社長の記者会見は5時間半に及んだ。社長は会社の立場を説明するつもりだったようだが、結果的には各界から不評を買い、世間の常識とはかけ離れた闇社会の不文律を曝け出すことになってしまった。やはり興行界というところは、普通の人間の感覚とは少々違うということを改めて世間に知らしめた。

 さて、昨晩はわが家の右隣のお宅のご主人が救急車で運ばれたので、今日午後心配して奥様に尋ねてみたところトイレ内で貧血を起こして倒れて顔面を強打し、出血が激しかったので救急車を呼び、日赤広尾病院へ運ばれたという話だった。患部の他に前立腺とか、認知症もあり暫く入院するような話だったが、同じ年の私としては生死に関わることではなかったようなので、ホッとしている。

 しばらくしてわが家の左隣の奥様が来られた。ご主人がロサンゼルスに勤務中で一家揃って彼の地にお住まいであるが、近々帰国されるということから、その準備もあって今日ご挨拶に来られた。高校生の息子さんと中3の娘さんがおられるが、直面しているアメリカ西部の人種問題に関わる話を聞くことが出来た。その他にもトランプ大統領の移民排除の考えとアメリカ・ファーストのせいだろうか、最近は駐在員家族の滞在ビザが中々認可されないと伺った。このため一家の主の駐在地へ付いていく家族の滞在ビザ入手が遅れるようになり、現地の学校への転校もスムーズに行かなくなっていると聞いた。トランプ大統領の白人至上主義は、誰もが知るところだが、それが日本人の滞在ビザにまで影響が表れているとはついぞ知らなかった。相も変わらず、世界中に迷惑をかけている世界最大強国のリーダーの行状である。

2019年7月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4452.2019年7月22日(月) 若者の政治逃避と政治音痴

 参議院議員選挙が終わり、その結果に各党それぞれ悲喜こもごもである。先般秋田県の陸上配備型迎撃イージスショア設置問題では、自衛隊に軽率なミスが見つかって自民党候補者が落選する結果となった。また、新潟県では関門海峡高速道建設に関して地元の安倍首相と麻生副首相への忖度発言が問題視された自民党世襲現職候補者が落選した。前回1人区で11人が当選した野党勢力一本化は今回10人の当選だったが、それでも自民には厳しい結果だった。

 今回の選挙では2つの点が気になった。ひとつは、相変わらず低投票率だったことである。全国平均で50%を割って48.8%の戦後2番目の低さだった。3年前に比べても5.9%も低い。都内の取材状況を見ていても若い人たちが「興味がない」「自分の1票では変わらない」「選挙がよく分からない」等々、無責任でいい加減な返事が返ってきてこれでは選挙権を与えることが無意味に思えてくる。「スマホに夢中で本を読まない」「電車・バスのシルバーシートで高齢者に席を譲らない」若者たちの自分さえ良ければ好いとの現代若者観が選挙でもはっきり表れた。自助努力をせず、努力する他人を冷やかす現代風わがまま世相を映し出している。年齢別の投票傾向が分からないが、あまり若者の投票率には大きな期待は持てない。つまり一般論として若者の言動にあまり期待出来ないということになり、これからの日本の行く末が気にかかることである。近年若者たちに溌剌とした生きの好い現象や行動が見られないのは、外へ智を求めた明治維新時の「五カ条のご誓文」に悖る小さな自分の世界へ閉じこもる引き篭もり現象のせいではないだろうか。

 もうひとつ選挙で気になったのは、何だかんだと言いながら自民党が第1党を占め、そのシェアも他党を圧倒したが、トータルでは10議席減らした。他方で、立憲民主党が9議席から17議席へ伸ばしたことである。その他に新党「れいわ新選組」と日本維新の会に変化をもたらしたことである。その特徴として勝った自民党は勝てども絶対得票率が下がったことで、その傾向は毎回続いている。過半数は得たが、改憲発議の改憲議席数には届かなかった。1強他弱に慢心して、今回選挙8連敗となった沖縄では住民の民意をまったく配慮しようとしない傲慢な対応がそろそろ全国的に嫌われてきたのだろう。

 それにしても若者の政治からの逃避傾向は文部科学省も含めて、学校教育の場において考えないといけない問題ではないだろうか。

2019年7月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4451.2019年7月21日(日) 令和初の国政・参議院選挙

 今月4日の告示以来今日の投票まで2週間余に亘って参議院選挙運動が続けられてきたが、今日その決着をつける投票日を迎えた。かねてより懸念されていた投票率が、今回も悪いらしく午後3時ごろになってある政党関係者から、電話で投票に行ったかどうかの確認を求めて来た。今回も投票率がかなり悪そうだ。われわれ夫婦は、いつも通り午前中に近くの息子たちの母校、東深沢小学校投票所へ出かけ投票を済ませた。投票へ来られる人たちを見ていると昨今懸念されているように若者が少ないように思われた。毎度のことだが、全体の投票率もさることながら、若者の投票率の低いことがとりわけ気になる。3年前の参議院選以来選挙権が18歳に引き下げられた。このこと自体は大いに結構だと思うが、その結果としてせっかく与えられた選挙権を若者は無駄にすることなく、権利と義務を行使して投票所へ足を運んでもらいたいものである。最終的に投票率は、明日以降でないと判明しないと思うが、せめて若者には高齢者を上回るような熱意を見せて欲しいと思う。

 今回の焦点は、2千万円が不足とされ論争を来した年金、10月に予定されている消費増税、そして憲法改正である。前2点に話題が集中して表向き憲法論議はあまりなされていないが、自民党としては安倍首相在任中に憲法を改定したいとの願いがあり、問題を逸らしながら密かに憲法問題に照準を合わせている。

 今回の改選議席数は124議席であるが、憲法改正の国会発議に必要な2/3は164議席である。自民党を含む改選勢力は非改選で79議席あり、2/3議席を維持するには、今回の改選で85議席が必要となる。即日開票の結果今夜半には最終的な結果が判明するだろう。野党勢力は結集し、今回も全国の1人区で候補者を一本化した。前回も野党は一本化して1人区で11選挙区を獲得したが、果たして今回はどれほどの成果を上げることが出来るだろうか。

 政府もいち早く参議院の結果総括をやり過ごさないと、対外的には日韓関係の悪化に加えて、アメリカからホルムズ海峡など中東海域の船舶の安全を確保するとの名目のもとに強く参加を要請されている「有志連合」参加への圧力が強まるだろう。アメリカとイランの狭間でこの判断と対応も難しい舵取りを迫られる。下手をするとイランとの友好関係にひびが入るし、日韓関係悪化でアメリカへ有利な仲介を望んでいる韓国にもつけ入れられる恐れがある。

2019年7月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4450.2019年7月20日(土) 戦没者遺骨収集事業に対する誤解

 このほど厚生労働省は戦没者の遺骨の身元確認のひとつの方法としてこれまで行わなかった頭骸骨のDNA鑑定を行うことを決定した。1970年代初頭から約20年間に亘って旧厚生省戦没者遺骨収集事業に関わってきた経験から考えると少し遅すぎたのではないかとの印象が拭えない。ただ、記事を読んでみると私が関わっていたころにはDNA鑑定はやっていなかった。そのため遺留品に名前が書かれているケースや、遺族、戦友らが戦没者と断定する以外ほとんど本人と決めつける材料がなかった。その意味では、正式にDNA鑑定を行うというのは結構だと思う。

 中部太平洋諸島遺骨収集団のケースでは、1か月間に各島で収集された遺骨を、収集団本部のあるサイパンに集めて積み上げたお骨に点火して焼骨式を行っていた。灰とならずに焼け残ったお骨を布袋に、そして段ボールに詰め白いシーツで覆い日本に持ち帰ったものである。主に大腿骨が多かったが、その時骨片が残れば頭蓋骨も持ち帰った。しかし、これらはDNA鑑定を行わなかったので、戦没者を特定出来なかった。他にも日本側の事情だけでOKというわけには行かないケースが多い。相手国によっては現地で焼骨することを条件に求めているところもあるくらいである。厚生省も遺骨収集事業を大々的に効率よく進めるべきだとの国内世論の突き上げもあったが、こればかりは遺骨収集国の国内事情から望んでも実施してもらえない時期が長く続いた。そればかりは政府の怠慢行為ではなく、あくまでも相手国の厳しい事情によるものである。

 今回DNA鑑定を行うことが決定されたが、どうしてこれまでDNA鑑定を行わなかったのだろうか。この間名前が分からないまま焼骨により、灰になったり、証拠がなく不明者とされた戦没者がどれほど多くいただろうか。

 遺骨収集事業には、どうも腰が引ける気持ちがあるのも事実である。国家事業でありながら政府は予算をつけるだけで、主体的に業務を行うのはほとんど遺族、戦友、一部のボランティアである。それがため実情を知らないボランティアや、損得勘定に敏感な人が絡むと本来の主旨とは乖離していく傾向がある。

 例えば、2015年10月に放映されたテレビ東京のガダルカナル島の遺骨収集団のようにテレビ局は誤解のうえに、偏った自己主張が激しく、これでは戦没者、遺族、真摯に事業に取り組んでいる人々の気持ちを逆なでするばかりである。

 まだまだ海外で亡くなられて遺骨が母国へ帰らない戦没者は多い。時が経ち、現地での収骨作業自体が難しくなっている時に、どうやって実効成果を上げることが出来るか、難しい課題である。頭蓋骨のDNA鑑定が行われるのを機会に、何とか遺族の気持ちを汲み取って欲しいと思う。

2019年7月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4449.2019年7月19日(金) 近代経済学と相いれない異端のMMT

 昨晩NHK番組「日本人のおなまえっ 鉄道SP!」を観ていたら鉄道にまつわる名前特集だった。その中で1970年旧国鉄のキャンペーン「ディスカバー・ジャパン」が取り上げられていた。その説明役として何と現在一緒に共著書を書いている須田寛・JR東海相談役が登場された。そのキャンペーン効果により新幹線の個人客が大きく伸びたと言っておられた。共著の原稿はすでに再校して送ったところだが、この「ディスカバー・ジャパン」についてはまったく触れなかった。私の担当テーマ「観光のあゆみ」からすれば、やはりコメントすれば良かったと今更のように思った。間に合うなら書き加えたいと思い、取り急ぎほんの2行ほどの追加文章を出版社の担当者に送稿したところである。来月下旬に発行されるので、ぎりぎりの追加原稿だったが、間に合えばハッピーである。

 さて、近代経済学の経済原理を変えかねない経済論が今注目されている。つい最近知ったのだが、ニューヨーク州立大学ステファニー・ケルトン教授が発表した異端の理論が注目を集めている。この理論はMMT(Modern Monetary Theory)と呼ばれているが、教授は財政赤字は悪でも脅威でもないと喝破して財政赤字の拡大を容認する立場を取っている。主流派経済学者から異端と評される所以である。我々が大学で経済学を学んだ際、負債も資本と合わせて資産であると学んだが、現実にケルトン教授は国の債務は資産であり、富の一部で積み上げても問題はないと言い、反って予算の制約がなくなり、教育や社会保障を充実できるとアピールしている。

 日銀が大規模な金融緩和により国債を大量に買うことも問題ないとしている。財務省が何とか財政収支をバランスよくして、財政赤字を削減しようと考えていることについてケルトン教授はどう考えているのだろうか。国際通貨基金(IMF)は財政再建を強く求めるが、教授はIMFは予算を優先させて各国民の生活を破壊してきたと反論している。

 昨日閉幕した主要7か国(G7)財務省・中央銀行総裁会議では、フェイスブックが計画している仮想通過(リブラ)に対して規制などを話し合っていたが、リブラが中央銀行の制約を潜り抜けて自在に発行されたなら、世界的なインフレ現象が起きて経済不安が募るのではないか。それもケルトン教授の予算支出に無制限な考え方と似ているような気がしている。

 考えてもいなかった論理が突然表れると、そのうち付いて行けなくなるのではないかと心配になる。つくづく難しい時代になったなぁと思う。

2019年7月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4448.2019年7月18日(木) 京都アニメ・スタジオの放火で死者多数

 今日午前京都市内で驚愕すべき猟奇的な事件が発生した。京都市伏見区内のアニメ制作会社「京都アニメーション」のスタジオ社屋内で放火事件があり、時間の経過とともに死者が増え、夜10時現在現場にいた社員76名のうち、ほぼ半数に近い33名の方々が亡くなられた。他に多数の重軽傷者がいる様子である。火を点けたのは41歳の男でよほどこのアニメ会社に恨みを抱いていたと思われる言葉を吐いていたようだが、まもなく火傷を負ったまま身柄を確保された。容疑者は事務所内へガソリンを撒いて火を点けたという。事故や災害でなく、事件でこれほどの死者が出たというのは近年記憶にない。平成以後これだけの死者が出た事件は初めてだという。今後捜査が進めば事件の動機や全容が解明されるだろう。それにしてもどんな理由があるにせよ、酷いことを冒す男がいるものだ。

 さて、今年上半期の第161回芥川賞と直木賞受賞者が昨日発表された。芥川賞は今村夏子さんの作品「むらさきのスカートの女」に、直木賞は大島真寿美さんの「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」に与えられる。2つの賞とも女性作家に授与されるが、最終リストに残っていた候補者は、芥川賞6人が全員女性だったし、直木賞にしても5人中3人が女性だった。そういう意味では、女性が受賞すべく受賞したと言える。近年女性作家の活躍が目覚ましく、これからは一層女性作家の進出が見られるだろう。ただ、2003年下半期に2人の女性受賞者、「蛇にピアス」を著した20歳の金原ひとみと「蹴りたい背中」を書いた19歳綿矢りさが選出され、当時最年少と話題になったが、はっきり言っていずれも興味を持って読んでみたが興味をそそるような作品ではなかった。どうしてセックスばかり描写するような作品に、文学界最高栄誉を与えたのか理解できないほどだった。

 プロの作家としては著作が売れなければ、いくら賞をいただいても名誉だけに終わってしまう。その意味では、作家生活を継続していくためには、ある程度自作品が読者に好まれ売れなければプロ作家としては苦しい。その点で今期受賞の2人は今後どう面白く、売れる作品を書き残すことが出来るか鼎の軽重を問われるわけである。

 偶々今朝の朝日新聞インタビューの中でやはり直木賞作家の林真理子さんが、ユニークで面白おかしく応えている。著書「野心のすすめ」の中で、野心や努力の大切さを説いている。毎朝散歩の途中で、若い男がチェーン店で牛丼を食べているのを見て、その男のつまらなそうで覇気がない姿に、野心も欲望も薄いと日本の将来を心配するというものである。この遠因に本を読まなくなったことがあると断定する。面白い見方だと思う。確かに若い人たちは読書をしなくなった。電車内で本を読んでいる若者の姿がめっきり減った。日本文化が退廃しなければ良いがと林さんならずとも気になる。

 ところで、芥川賞と直木賞の発表は、かつては毎年3月と9月に行われていたと思っているが、昨日はまだ2か月も早い。なぜだろうか。

2019年7月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com