4453.2019年7月22日(月) 若者の政治逃避と政治音痴

 参議院議員選挙が終わり、その結果に各党それぞれ悲喜こもごもである。先般秋田県の陸上配備型迎撃イージスショア設置問題では、自衛隊に軽率なミスが見つかって自民党候補者が落選する結果となった。また、新潟県では関門海峡高速道建設に関して地元の安倍首相と麻生副首相への忖度発言が問題視された自民党世襲現職候補者が落選した。前回1人区で11人が当選した野党勢力一本化は今回10人の当選だったが、それでも自民には厳しい結果だった。

 今回の選挙では2つの点が気になった。ひとつは、相変わらず低投票率だったことである。全国平均で50%を割って48.8%の戦後2番目の低さだった。3年前に比べても5.9%も低い。都内の取材状況を見ていても若い人たちが「興味がない」「自分の1票では変わらない」「選挙がよく分からない」等々、無責任でいい加減な返事が返ってきてこれでは選挙権を与えることが無意味に思えてくる。「スマホに夢中で本を読まない」「電車・バスのシルバーシートで高齢者に席を譲らない」若者たちの自分さえ良ければ好いとの現代若者観が選挙でもはっきり表れた。自助努力をせず、努力する他人を冷やかす現代風わがまま世相を映し出している。年齢別の投票傾向が分からないが、あまり若者の投票率には大きな期待は持てない。つまり一般論として若者の言動にあまり期待出来ないということになり、これからの日本の行く末が気にかかることである。近年若者たちに溌剌とした生きの好い現象や行動が見られないのは、外へ智を求めた明治維新時の「五カ条のご誓文」に悖る小さな自分の世界へ閉じこもる引き篭もり現象のせいではないだろうか。

 もうひとつ選挙で気になったのは、何だかんだと言いながら自民党が第1党を占め、そのシェアも他党を圧倒したが、トータルでは10議席減らした。他方で、立憲民主党が9議席から17議席へ伸ばしたことである。その他に新党「れいわ新選組」と日本維新の会に変化をもたらしたことである。その特徴として勝った自民党は勝てども絶対得票率が下がったことで、その傾向は毎回続いている。過半数は得たが、改憲発議の改憲議席数には届かなかった。1強他弱に慢心して、今回選挙8連敗となった沖縄では住民の民意をまったく配慮しようとしない傲慢な対応がそろそろ全国的に嫌われてきたのだろう。

 それにしても若者の政治からの逃避傾向は文部科学省も含めて、学校教育の場において考えないといけない問題ではないだろうか。

2019年7月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com