4449.2019年7月18日(木) 京都アニメ・スタジオの放火で死者多数

 今日午前京都市内で驚愕すべき猟奇的な事件が発生した。京都市伏見区内のアニメ制作会社「京都アニメーション」のスタジオ社屋内で放火事件があり、時間の経過とともに死者が増え、夜10時現在現場にいた社員76名のうち、ほぼ半数に近い33名の方々が亡くなられた。他に多数の重軽傷者がいる様子である。火を点けたのは41歳の男でよほどこのアニメ会社に恨みを抱いていたと思われる言葉を吐いていたようだが、まもなく火傷を負ったまま身柄を確保された。容疑者は事務所内へガソリンを撒いて火を点けたという。事故や災害でなく、事件でこれほどの死者が出たというのは近年記憶にない。平成以後これだけの死者が出た事件は初めてだという。今後捜査が進めば事件の動機や全容が解明されるだろう。それにしてもどんな理由があるにせよ、酷いことを冒す男がいるものだ。

 さて、今年上半期の第161回芥川賞と直木賞受賞者が昨日発表された。芥川賞は今村夏子さんの作品「むらさきのスカートの女」に、直木賞は大島真寿美さんの「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」に与えられる。2つの賞とも女性作家に授与されるが、最終リストに残っていた候補者は、芥川賞6人が全員女性だったし、直木賞にしても5人中3人が女性だった。そういう意味では、女性が受賞すべく受賞したと言える。近年女性作家の活躍が目覚ましく、これからは一層女性作家の進出が見られるだろう。ただ、2003年下半期に2人の女性受賞者、「蛇にピアス」を著した20歳の金原ひとみと「蹴りたい背中」を書いた19歳綿矢りさが選出され、当時最年少と話題になったが、はっきり言っていずれも興味を持って読んでみたが興味をそそるような作品ではなかった。どうしてセックスばかり描写するような作品に、文学界最高栄誉を与えたのか理解できないほどだった。

 プロの作家としては著作が売れなければ、いくら賞をいただいても名誉だけに終わってしまう。その意味では、作家生活を継続していくためには、ある程度自作品が読者に好まれ売れなければプロ作家としては苦しい。その点で今期受賞の2人は今後どう面白く、売れる作品を書き残すことが出来るか鼎の軽重を問われるわけである。

 偶々今朝の朝日新聞インタビューの中でやはり直木賞作家の林真理子さんが、ユニークで面白おかしく応えている。著書「野心のすすめ」の中で、野心や努力の大切さを説いている。毎朝散歩の途中で、若い男がチェーン店で牛丼を食べているのを見て、その男のつまらなそうで覇気がない姿に、野心も欲望も薄いと日本の将来を心配するというものである。この遠因に本を読まなくなったことがあると断定する。面白い見方だと思う。確かに若い人たちは読書をしなくなった。電車内で本を読んでいる若者の姿がめっきり減った。日本文化が退廃しなければ良いがと林さんならずとも気になる。

 ところで、芥川賞と直木賞の発表は、かつては毎年3月と9月に行われていたと思っているが、昨日はまだ2か月も早い。なぜだろうか。

2019年7月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com