4586.2019年12月3日(火) 珍しい古書「交際の常識」を読む。

 以前古書店で買い求めた文学博士の春山作樹・東大教授の著作「交際の常識」なる三省堂発行の文庫本を通読した。春山博士は姫路藩武家の末裔で昭和10年に他界された教育学者であるが、この文庫本は昭和12年に永澤毅一工学博士が署名して小杉某に贈ったものである。

 内容は昭和初期のエチケット、礼儀作法や言葉遣い、服装、紹介のマナー、日本と外国との交際上の違い、等々を比較しながら当時の上流階級の作法を事細かに紹介したもので、永澤教授が小杉某に参考として贈呈したものである。とにかく細かいところに手が届く説明には、今日では必ずしも納得出来るものではないが、当時はある階層の人たちにとって参考となった貴重な書物だったようだ。その証拠に昭和8年の初版発行以来、昭和12年までに版を重ねて75版も発行されている。定価は何とたったの15銭である。きっと当時のインテリ層の間では著名なベストセラーだったのではないかと推察される。

 すでに装丁は綻びて染みがついて今にもバラバラになりそうである。すべて春山教授の言う通りというわけには行かないが、それでも中身のほとんどはなるほどと改めて納得するものである。

 漱石や鴎外作品のように明治の名残を今日に伝える名作は多くの人びとに読まれているが、この作品のように昭和初期のベストセラーで、内容的に役立つ実用書であれば、何とかリバイバルとして現代の若者たちに読んでもらえる機会があれば良いのではないかと思う。

 さて、香港のデモ騒ぎで社会的にも経済的にも混乱に巻き込まれた香港で、今年度(19年4月~20年3月)の財政収支が15年ぶりに赤字になると話題の人、林鄭月娥行政長官が発表した。当初は今年度決算は黒字になると予想していたが、長引く抗議デモが影響して小売業や観光業の業績が悪化して税収が落ち込んだことが大きい。行政長官はこのほどアメリカが成立させた「香港人権・民主主義法」には中国政府と同じく内政干渉と強く反対している。同法は、すでに1992年にアメリカでアメリカの法律の下に中国政府とは別の待遇を受けるものとする考えで成立したものである。1国2制度が守られているかどうかを毎年検証することを義務づけるアメリカの法律である。

 しかし、中国政府が言うようにこれは内政干渉である誹りは免れない。むしろアメリカ政府は、香港が中国返還された時に英中両国政府が交わした「1国2制度」の協定が守られていない事実に鑑みて、イギリス政府に対してイギリスが中国政府に約束事を守らせるよう注文をつけるべきであると思う。それなら内政干渉だと言われることもあるまい。今のイギリスは、自国の頭の蠅を追うのに追われているが、どうも政治が劣化していてそこまで出来るかどうか心配である。アメリカもその点が気になったのではないだろうか。かつての覇権国家・大英帝国も今や見る影もない。

2019年12月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4585.2019年12月2日(月) ドローンの登録制と流行語大賞

 最近各方面で使用され、その利便性が高い評価を浴びてテレビのドキュメンタリー番組などでもしばしば目にするドローンが、無登録のまま飛ばされていたとはまったく知らなかった。ドローンは今ではかなり広範囲に使用されているが、特に山岳地帯で遭難者が発生したケースなどでは、人が容易に入り込めない山の中を上空からカメラで撮影してくれるので、遭難救助などの場合は極めて有効な飛び道具である。

 新製品が開発されるとどんなものでも役所に届け出て法的に新規登録を行うのが当然と思っていたので、ドローンの無登録には些か驚いている。特にドローンは他人の土地であろうと不法侵入して家内の資産までカメラに収めることが出来る。文句を言おうとしてもそのまま逃げてしまえば誰が飛ばしたのか分からない。

 これまで登録していないので、機体に№が書かれていない。どこの誰が飛ばしたのかまったく分からない。追跡しようがないのだ。人混みの上空を飛んだドローンが、もし人の上に落ちてきたら怪我人が出るのは言うまでもない。最近も都内の盛り場の上空を飛来したドローンを危険だからと捕らえてみれば操縦していたのは土地不案内の外国人だった。これだけドローンが使用されていながら、今まで無登録のために違法があっても取り締まることが出来なかったのではないだろうか。特に2020年東京オリンピックを控えて警察庁では全国的にテロ警戒に力を入れているが、現状ではテロリストがドローンを使用したら簡単にターゲットはやられてしまうのではないだろうか。そういう意味では、遅い決断ではあったにせよ登録制にして管理を強化することは進歩だと思う。

 アメリカではすでに登録制が導入されているが、ヨーロッパ諸国では来年から導入される予定である。日本では漸く来年登録制を導入することになりそうだ。

 日本の航空法によれば、ある程度の大きさの飛行体は飛行許可を得なければいけない。飛行許可が必要な地域で無許可のドローンとみられる物体が見られるケースや、実際に航空機と接触しそうになった危険なケースもある。

 現在一番頭を悩ましているのは、年々あわやの事故が増えている航空会社である。こんなことは分かり切っているのによくぞここまで放置していたものである。これが隅々まで気を配らない安倍政権である。

 さて、今日今年の流行語大賞が決まった。何とラグビー・ワールドカップで初めてベスト8に進出した日本代表チームの合言葉「ワン・チーム(ONE TEAM)」に決まった。チーム・ワークを強調するのにぴったりの言葉だと思う。ワールドカップ以来あちこちで使われている。私もこれが一番良いのではないかと思っていたので、にんまりである。他にもトップ・テンに挙った流行語の中に今年高齢者の運転による事故が多く発生して話題になった「免許返納」がある。これは今年免許を返納した全ての人が対象となる。私も免許証を返納した対象者のひとりである。

2019年12月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4584.2019年12月1日(日) アマ交響管弦楽団定期演奏会鑑賞

 早いもので今日から師走である。このところ寒い日が続いていたが、気象庁に依れば今年は冬に入る前に木枯らし一番が吹かなかったという。とにかく予想を覆すような気象には気候温暖化の影響もあり先行きが心配である。

 さて、今日は恒例の上野浅草シンフォニー管弦楽団の定期演奏会を浅草公会堂で、いつもながらゼミの仲間がチェリストの赤松晋さんを声援がてら演奏会後の懇親会も楽しみに集まる。以前はよく参加していた鈴木安良太さんが先日亡くなり、また小松隆二先生も体調を崩され不参加でやや寂しくなった。妻も明日のコーラス発表会の練習のため出かけて不参加せざるを得なかった。今日の演奏曲は、ベートーヴェンの交響曲第4番とブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」だった。2つともあまり馴染みのない曲だが、いつもながら赤松さんが事前に送ってくれる演奏曲の解説が秀逸である。赤松さんは80歳までは、続けると言っている。当分ゼミ仲間の楽しみは継続されそうである。

 12人が出席した懇親会では、どうしても最近の政界ニュースが話題になる。安倍政権の現状と安倍首相の間違いや、ウソをつく性格、隠ぺい工作、昭恵夫人の行動などについて相当厳しい意見が出た。結局安倍長期政権を許しているのは国民である。現状は、大した実績を残さなくてもそつなく、影では怪しげなことをやりながら決定的なボロを出さなければ、ネームバリューで何とかなるという情けない構図である。

 ところで今日残念だったのは、東京オリンピックの3人目のマラソン代表選手を決める選考レースのひとつでもある福岡国際マラソンと、関東大学ラグビー早明戦をテレビで観られなかったことだ。

 前者は、2位に入り日本人トップだった藤本拓選手が派遣設定記録の2時間5分49秒には及ばなかった。3人目の代表選手決定は3月に先延ばしされた。

 後者は前売り券が完売され、秩父宮ラグビー場は満員となったが、1994年以来25年ぶりの全勝対決となった伝統の「早明戦」である。明大が前半10-7、後半26-0に抑えて36-7で制し、4年ぶり17度目の優勝を果たした。残念ながら慶應は対抗戦5位に終わり、全国大学選手権への出場権を逸した。日体大に僅差で敗れたのが痛かった。

2019年12月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4583.2019年11月30日(土) オリンピック主会場の新国立競技場完成

 2020年開催の東京オリンピックのメイン競技場である国立競技場が今日完成となった。2016年12月に工事が始まってから工期はちょうど3年になる。映像で観る限り47府県の木材を使用した中々素晴らしい競技場だと思うし、最近のスタジアム建築によく使用される金属、セメント、人工樹脂などより、各所に木材が使われているので和風のイメージが感じられ斬新である。一旦はイラクのザハ・ハディッド女史のデザインが採用されたが、試算の結果建築費がかかり過ぎるとの理由でデザインを再び募集して隈研吾氏のデザインが採用された経緯がある。工費は1,600億円かかったそうだが、これが高いか安いかは何とも言えない。しかし、外観もセンスのあるものだと思う。問題は耐用年数と維持費が年間24億円もかかることである。その点からオリンピック後の運営は民間に委ねられる。

 今度のオリンピックでは経費節減を求められながら、64年大会で使用した一部施設が使えるにも拘わらず、それを使用せず新施設を建設したのは、明らかに経費の無駄使いであり、建設面でいかなる意図があったのか理解に苦しむ。実際自宅近くの駒澤オリンピック公園内には、使用できる競技施設がいくつもある。現在行われている全日本バドミントン大会が開催された屋内体育館では、前回女子パレーチームが金メダルを獲得した。他にも最近改築されたばかりの別の屋内競技場があり、ホッケー場もサッカー場もそのまま残されている。交通の利便性もどこの会場にも負けないほど立地も良い。駒澤には、屋内体育館が2つもある他に、陸上競技場や、サッカー場、ホッケー場、野球場もあるのに、どうしてそういう競技施設を使用しないで、大井にホッケー場を新設したり、バレーボールや体操会場として有明に豪華な施設を建設するのだろうか。その他にも随分新しい施設を2020年大会のために新規建設している。

 多分オリンピック関連施設を作ることによって、関係者の中には利便を得られる関係機関があるからではないかと考えざるを得ない。

 さて、「桜を見る会」の底深いスキャンダルが一向に解決に向かわない。後から後から隠ぺいしていた疑念が表沙汰になる。今日の朝日夕刊「素粒子」欄に以下の風刺が載っていた。

 

 「ア」あざとい対応が目に余る

 「ベ」弁明は言いたいことだけ

 「ソ」率先して説明しないのは

 「ウ」後ろめたさがあるからか

 「リ」李下に冠を正したからか

 「サ」遡れば『森友・加計』も

 「ク」繰り返してた公文書廃棄

 「ラ」乱暴な国会軽視も同じだ

 「ミ」みずからまいた種だから

 「ル」縷々、首相が語るべきだ

 「カ」頑なに質疑を拒む政治を

 「イ」いつまで続けるつもりか

 

 ざっとこんな具合である。こうまで言われても鉄面皮の首相が自らの不徳を語ることはあるまい。いくら非常識なことをやってもそれを繰り返すような、懲りないスキャンダル塗れのお人だからである。

2019年11月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4582.2019年11月29日(金) 中曽根康弘元首相 死去

 今日の都内最高気温は9.7℃で今季一番の寒気だった。ちょっと近くの郵便局まで出掛けたが、やはり寒かった。

 昨日大学ゼミの仲間が亡くなったことについて書いたところ、今年1月に他界した高校ラグビー部の後輩でOB会副会長だった入野耕二さんの奥様から彼の思い出を綴った小冊子を送っていただいた。彼は人間的にも円満で人望があったが、小冊子には奥様の彼への細やかな愛情が滲み出にいる。彼は幸せな人生を送ったものと推察出来る。彼は私がOB会長に推された時、副会長をお願いして快く引き受けてくれ、終始協力してくれた。昨日、今日と偶々私的な弔事が重なったような気がしていた時に、不思議なことに今日大物の死が伝えられた。101歳で永眠された中曽根康弘元首相である。

 中曽根元首相は、「三角大福中」と呼ばれ頭文字を取ったライバルともども総理大臣になったが、その中で在任期間が5年と長く、戦後5番目の長期政権だった。目立つ業績としては、何といっても巷間伝えられる電電公社、専売公社、国鉄など民営化の実施である。NTTドコモ、日本たばこ産業、JR東海などは、中曽根首相の下で発足した。直近の共著「新世代の観光立国」で中心的な共著者だった須田寛JR東海相談役は、国鉄改革により初代JR東海社長になられた。

 他にも都下日の出町の中曽根別荘でレーガン大統領と会談して一躍有名になったロン・ヤス会談ではアメリカと密約し、アメリカ戦略防衛構想(SDI)への研究参加や、国内防衛費をして国内総生産の1%枠を突破させた。また、リクルート事件への関与が信頼を大いに損ねた。憲法に関しては自主憲法の制定について早くから声を上げたり、靖国神社へ初めて公式参拝して当時の中国から強い反発を受けてもいた。功罪相半ばというところであろうか。

 ただ、長らく親交のあった渡辺恒雄・読売新聞主筆が、中曽根さんと会えば必ず読書の話になり、酒の席でも文学や本の話になったというから2人とも余程読書が好きだったのだろう。今読書離れが言われて久しいが、この機会に本を読まない若者は、中曽根さんかナベツネの爪の垢でも煎じて飲んでみてはどうだろうか。

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4581.2019年11月28日(木) 畏友・鈴木安良太くん永眠

 昨夕ゼミ仲間の鈴木安良太くんの奥様から電話で彼が今月6日に亡くなったことを知らされ愕然とした。最近体調が悪くこのところ毎年2度後輩の赤松晋くんがチェリストとして演奏する上野浅草フィルハーモニー定期公演会にも来られなくなった。一昨年2月に同じくゼミの先輩である小松隆二教授が、ニュージーランドから勲章を受章されたお祝い会を催し、その時会って以来電話で数回話したことぐらいである。それにしても寂しく残念である。彼は東京都庁に務めて、時々ゼミの後輩のためにサブゼミを開いてくれていたと、サブゼミの受講生だったゼミの後輩がわざわざ知らせてくれた。

 彼の結婚式に招かれた時、どなたかが彼の珍しい名前の謂れについて話された。百歳で亡くなった国文学者・土屋文明が「安良太」という名前の名付け親だったと聞いてすごいと思った。

 60年安保闘争を経験した本当の安保世代の我々は、同級生の間でも特に親しかった。今80歳前後の我々世代もそういつまでも元気でいられるとは思わないが、今思い出しても一番印象的なことは、大学3、4年時に磐梯高原で行った合宿研修である。あれで先生とゼミナリストの気持ちが急に強く結ばれたような気がする。あの仲間の鈴木くんも逝ってしまった。せいぜい我々は彼の生きる予定の分まで生きて楽しく余生を送りたいと願う。

 さて、先月から8%の消費税が2%上がり10%になった。日本中が振り回された値上げだった。消費税増税に伴い、キャッシュレス決済に伴うポイント還元制度の活用が想定を超えて推移し、ポイントの原資が年度末までに不足する恐れが高まったことから、政府が令和元年度補正予算案に、1,500億円前後の追加歳出を盛り込む方針を固めた。鳴動した値上げの余韻がまだ収まっているとは言えない。そこへ水を差すように、国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事が日本経済に関する年次審査後の声明で、消費税率について「2030年までに20%に段階的に引き上げる必要がある」と指摘したのである。専務理事は高齢化のコストを賄うためには消費税率の必要だと言っているが、あまりにも性急ではないか。日本政府もIMFの提言を安易に受け入れるのではなく、きちんと根拠を示して日本なりの事情を説明すべきだと思う。それにしても安倍首相は10月に消費税率を上げた直後に10年ぐらいは上げる必要がないと言っていたではないか。

2019年11月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4580.2019年11月27日(水) 二酸化炭素ガス増加とロシア東京五輪不参加?

 昨日より今日は更に寒かった。この時期で最も寒い1日となった。

 6月に愛用車を友人に譲り9月に自動車免許証を返納して身軽になった反面車への懐かしさと不便を感じることがある。今日お歳暮品を買いに新宿の小田急百貨店へ出かけたが、従来なら車で簡単に行けた。だが、今日はバスと電車を乗り継いで新宿へ向かった。特に今日は小雨混じりの天候だったために人一倍車が恋しくなった。車から気持ちが離れるのはまだ時間がかかるかも知れない。

 さて、今日は世界的にびっくりするニュースが2つあった。

 ひとつは、国連環境計画(UNEP)の年次報告書によると世界各国の温室効果ガスの2018年の排出量は二酸化炭素(CO₂)換算553億㌧で過去最高になったことである。UNEPは、各国が掲げる目標を積み上げた合計のCO₂削減量と、世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して2℃未満、または1.5℃に抑制するために削減量を分析した。これによると2020年以降10年間に世界全体の温室効果ガスを毎年7.6%削減する必要があると試算した。しかし、世界第2位の温室効果ガス排出国のアメリカが、せっかく目標をひとつにする地球温暖化対策「パリ協定」からさっさと離脱してしまった。アメリカ人のみならず、世界中の人びとが等しく責任を問われる問題であるにも拘らず、アメリカは自らのエゴイズムでさっさとトンズラしてしまったのである。CO₂を世界中で必死に減らそうと努力している間に、アメリカだけがひとり自国産業を発展させてCO₂をまき散らそうという腹積もりなのだろうか。その結果世界中の人びとが毎日灼熱地獄の苦悩を味わわされ、地球上から氷河や雪が消えて海位が上がり水中に沈む島々も出て来る。このまま手を拱いていてはいずれ地球も人類も滅びる。アメリカには世界のリーダーとして、各国の先頭に立ってCO₂の減少に真剣に力を尽くしてもらいたいものである。

 もうひとつ驚いたのは、スポーツ界の話題である。ロシアが来年の東京オリンピックとパラリンピックに出場出来なくなる可能性が出てきたことである。近年世界的スポーツ大会のたび毎に、ロシアの国家ぐるみのドーピング問題が大きくクローズアップされる。世界反ドーピング機関(WADA)は検査データがロシアによって改ざんされたとして、ロシアのオリンピック、パラリンピックを含む国際大会へ4年間出場禁止の制裁案を常任理事会に諮ると公表した。ロシアの反ドーピング問題は今に始まったことではない。16年リオ・オリンピックでもロシアは当初てい締め出しの危機にあったが、個別の国際競技団体が出場を認めたため出場することが出来て大量のメダルを獲得することが出来た。12月に開催されるWADAの常任委員会で制裁案が承認されれば、ロシアは来年の東京オリンピックとパラリンピックに出場できなくなる。

 ロシアはこれまでに度々データ改ざんを行い、WADAの信頼が薄いが、当然ロシア国内で厳しく糾弾されているかと思いきや、競技団体の関係者や一般市民は「ショックだ」とか、「これほど厳しい処分は聞いたことがない。ロシアの権利を侵害しようという願望だ」と反省もなく、まるで懲りていない。彼らが冒した反モラル行為をロシアの関係機関はロシア国民に正しく伝えていないのではないか。プーチン大統領ですらドーピングの事実を承知していたとも言われるほどロシア・スポーツ関係者はドーピングにどっぷり浸かり不感症になっている。ロシア人が、果たしてこれを契機に悪いことは悪いと骨の髄まで思い知ってもらえば、お仕置きは先行きプラスに作用するだろう。

2019年11月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4579.2019年11月26日(火) 噛み合わないローマ教皇と安倍首相

 今日は寒い1日だった。外出はしなかったが、昨日より10℃も低かったそうだから寒い筈である。そんな厳しい寒さの中を3日前に訪日されたフランシスコ・ローマ教皇は、今日午前上智大学を訪問して学生たちにスピーチをした後、特別機で羽田空港から離日された。長崎・広島から帰京されて、昨日は午前中に東日本大震災の被災者との集いに参加した。午後は皇居で天皇にお会いになり、その後首相官邸で安倍首相と会談してから各国大使らの前で講演された。夕方には東京ドームのミサを開き、5万人の人びととともにお参りされた。私より1歳年長の教皇にとっては3泊4日のスケジュールは、さぞやお疲れのことと想像する。

 長崎と広島で教皇は、「私たちは未来の世代に対して大きな責任があることに気づかなければならない」と暗黙裡に安倍首相が被災国の首相として世界へ向けて反核の声明を発せられることを希望されていたが、首相は逸らして核保有国への橋渡しになると少々ずれたスピーチをしていた。教皇は日本がアメリカの核の傘に入ることに暗に批判したことに対して、従来の方針を変えない姿勢を示した。核保有国アメリカへ忖度した首相らしい説得力のない対応だったのかも知れない。結局被爆国日本からローマ教皇の反核の強いメッセージが世界へ発せられることはなかった。

 さて、大阪の女子小学生が栃木県小山市の男に誘拐された事件で、SNSで簡単に見ず知らずの男と接触する怖さについて専門家がテレビで厳しく警告している。その他にも年少者のスマホ使用の功罪について語っている。スマホによるキャッシュレス支払いなども啓蒙している。いずれも特に褒められるケースではないが、23日のテレビでスマホにより現金引き出しの手口を説明していたのにはびっくりしている。

 まだ実験的というか、限定的に実施されているようだが、東急渋谷駅の乗車券自動販売機でスマホにより現金を引き出せることが紹介された。まだ渋谷駅の券売機から横浜銀行とかんぽ銀行の現金を引き出せるという実験的な試みのようだが、新しい発想であり、いずれ銀行の多くの支店が鉄道駅と連携することにより利用されるようになるだろう。私自身は駅の自動販売機で現金を引き出す気持ちなんてないが、時代はどんどん進歩しているということだろうか。

2019年11月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4578.2019年11月25日(月) 香港民主派圧勝と不遜なNHK

 香港では6月から民主派のデモが警察と対立して治安が極めて不安定な状態にある。そんな揺れ動く中で昨日行われた区議会議員選挙の結果、親中派に対して民主派が圧勝した。香港市民の関心も高く、投票率は返還後最も高かった4年前の47%を大きく上回り71.2%に達した。それでも今まではどうしても中国政府の影響を逃れられない環境にあり、実際これまで中国政府シンパ議員が過半数を制して香港政治を牛耳っていた。それが、住民投票の結果、これまで3割しかいなかった民主派議員が、8割強にまで増えた。これは香港政界を抑えていた林鄭月娥・行政長官らにとってはショックであろう。同時に香港を力づくで抑え込もうとしている中国政府にとっても衝撃だった筈である。だが、あくまで香港を抑えて自由な活動をさせまいとする中国政府は、今後あらゆる手段で民主的な活動の抑止に向かうだろう。実際現時点でも内政問題として中国の立場を主張、広言して非民主的な圧力を香港政府にかけている。市民の声を無視する動きに出れば、中国は世界中から非難を浴びるだろうが、中国政府は気にもしないようだ。これから当分の間、香港政界の動きから目を離せない。

 さて、メディアの顧客に対する不親切な対応については、多くの人が不満を抱えているが、上から目線の彼らには顧客に真摯に向き合おうとの気持ちがない。ひとつの例としてNHKのケースを紹介したい。

 先月27日のラグビー・ワールドカップの準決勝、ウェールズ対南アフリカ戦がNHKテレビで放映されたが、時間切れとなった。その際その続きはサブチャンネルでご覧くださいとテロップを残したまま一方的に他の予定番組に切り替えられてしまった。NHK・Eテレビや BSへチャンネルを切り替えてもラグビーは放映されず、サブチャンネルなんて知らない後期高齢者にとってはNHKから身下されたような気がしたものである。それを翌日高校の同級生に会ってこのことを話したところ彼も中継を観ていてそう感じたと怒っていた。あまりにも不親切で不誠実な対応に、翌日NHKへメールで問い質したところ、問い合わせは受け付けたと回答があった。ところが、その後の対応がNHKらしく顧客無視そのものでウンともスンとも言ってこない。1か月近く経っても何の連絡もなかったので受付番号を添えて昨日NHKへ尋ねたところ、下記のようなメールが送られてきた。この不遜な返事の中身を普通の人はどう思うだろうか。

 「NHKの番組をご視聴いただき、ありがとうございます。お問い合わせの件についてご連絡いたします。番組の編成につきましては、視聴者の皆さまそれぞれがお持ちの様々なお考えに基づく幅広いご要望も踏まえ、総合的に判断しております。ご理解のほどお願いいたします。

なお先だって頂きましたご意見につきましては、他の数々のご意見同様、担当と共有して今後の参考とさせていただいております。また、サブチャンネルを利用した放送(マルチ編成)につきましてはこれまでにも何度も実施してきております。ご利用の仕方についてはお手数ですがお持ちのテレビや録画機の説明書などをご確認ください。

今後とも、NHKをご支援いただきますようお願いいたします。

お便りありがとうございました。

NHKふれあいセンター(放送)」

 というものだった。サブチャンネルを知らないようでは、話にならないと言わんばかりに自分自身でもっと調べなさいと言っているようだ。これが「国営放送NHK」の正体なのだと思う。相も変わらず親方日の丸で、外部(特に視聴者)に対して上から目線である。

2019年11月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4577.2019年11月24日(日) ローマ教皇、長崎と広島で反核呼びかけ

 昨夕来日されたフランシスコ・ローマ教皇は今朝早々に長崎へ向かった。雨の中を長崎の爆心地でスピーチして「この場所は私たち人間がどれだけひどい苦痛と悲しみをもたらすかを深く認識させる」と述べて核兵器の非人道性を強く非難した。そして「核兵器や大量破壊兵器を持つことは平和や安定につながらず、妨げになる」と指摘して、核兵器を持つことが安全保障につながるという考えは、恐怖と相互不信に基づく誤った認識だとして批判した。更に核兵器禁止条約を含め核兵器と軍備の削減に向けて各国に引き続き働きかけていく考えを示した。

 核兵器から解放された平和な世界こそが、数え切れないすべての人が強く求めるものだと述べ、核兵器のない世界の実現に向けて核の保有国、非保有国を問わず各国政府をはじめ、すべての人が一致団結して取り組むよう呼びかけた。

 この教皇の言葉を安倍政権はどう受け止めるだろうか。アメリカに気を遣い過ぎているせいか、今以て核兵器禁止条約に背を向けて批准もしていない。教皇が気にされているように地球上で唯一原爆による被爆体験のある日本国民として積極的に核廃絶へ向けた運動の先頭に立つべきではないかと思う。

 教皇はこの後広島へ移動して平和祈念公園で再び核廃絶への呼びかけを行った。

 さて、昨日南太平洋・ブーゲンビル島自治州内でパプア・ニューギニアからの独立を求める住民投票が始まった。寡聞にして知らなかったが、もう20年以上も独立闘争が続いていたという。戦前の日本にとっては極めて馴染みの深い島で、旧日本海軍の航空基地もあった。あの連合艦隊司令長官・山本五十六元帥が搭乗していた戦闘機が狙撃され、名誉の戦死を遂げた島である。少しでも自治権を手に入れると次に目指すのは独立となるが、ブーゲンビルの場合は、かつての先進国からの独立ではなく、オーストラリアから独立したパプア・ニューギニアからの独立闘争である。独立闘争へ至った最大の原因は、パプア・ニューギニアが産出する銅の5割を産み出しながら、見返りが少なく貧しいまま待遇的に恵まれない点が大きいようだ。州都は北部のブカとなっているが、今から30年以上も前にシドニーからポート・モレスビー経由で到着した時は、最大空港のキエカだった。あの頃はのんびりしていたような気もするが、ただ道路や海岸にやたらに野良犬が随分徘徊していて危険だと感じたことがある。あの後、ガダルカナル島やニュープリテン島のラバウルなども訪れたが、それらの島々では今のところ独立の動きがないようだ。

 独立か、残留かの決着はまだ時間がかかりそうだが、独立後他の太平洋諸島同様に中国が食指を示しているので、中国の進出テクニックであるハードウエア面の構築に支援を受けて、ソフトウエアの部分で食い込まれるアプローチ方に十分警戒する必要がありそうだ。最近の香港のデモ騒ぎを見ていればよく分かる。

2019年11月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com