5085.2021年4月15日(木) オリンピックまで99日、開催出来るか?

 いま混乱の極にあるミヤンマーでは、毎年この時期になると水祭りという伝統的風習があり、通りを歩いているとバケツで水をかけられる。今年は13日から17日までの5日間「テインジャン」と呼ばれるミヤンマーのお正月期間に行われる筈だった。しかし、今年は当然のことながら、そんな風習も封印されたかのように、お祭り気分がまったくないようだ。この時期が過ぎると雨季に入るので、私自身もこの時期に出かけたことがない。それでも戒厳令が布かれているマンダレー市内で抗議活動を行っていた医療関係者の集団に対して、ミヤンマー国軍治安部隊が発砲した。

 このままでは、ミヤンマーの混乱は収まる気配はないとなるとイラクと同じような内戦状態に陥るのではないかと懸念される。国連制裁が中国とロシアの反対によって実行されない以上、各国が個別に制裁を課すより方法がない。その点で日本政府は2017年に来日されたミンアウンフライン国軍司令官と安倍前首相が会って、両国の経済協力を約束した。それによって国軍と日本企業間の交流が出来て、日本の資金が軍関係企業に流れるようになった。クーデター発生以来日本は経済的協力を絶つべきだとの声が揚がっているが、現時点では取り止めたという話が聞かれない。政府はこれからどう対応するだろうか。

 さて、新型コロナウィルスが勢いを吹き返し、このところ全国の新規感染者数が増え続けている。コロナ対策分科会の尾身茂会長が、昨日衆議院厚生労働委員会で「第4波に入っているのは間違いない」と述べた。日本医師会の中川俊男会長もだんだん高い波になっていると言い、危機感を募らせている。特に感染拡大が大きくなっているのは、関西地方の大阪、兵庫、奈良と沖縄で、大阪では重症病床数を超える患者が発生して、医療崩壊が現実となっている。特に最近目立つのは、変異株で感染速度が速く重症化しやすいと言われている。

 過日大阪、兵庫、宮城の3市について「まん延防止等重視措置」を認められたが、いま神奈川、埼玉、千葉、愛知県でも同措置の申請をする検討段階に入った。昨日東京オリンピック開幕までちょうど100日に迫ったが、無事開催できるかどうかは予断を許さない。偶々自民党の二階俊博幹事長が、コロナの感染がより深刻になった場合には、大会を中止することも考えざるを得ないと語った。その前日コーツ国際オリンピック委員会(IOC)は、「確実に開催される。コロナ対策については、選手や観客の安全を確保するためあらゆる対策が実施され、パンデミックに人類が勝利したことを示すことが出来る」とオリンピック開催の意義についても言及した。余すところ3か月で、願い通り安全に開催出来るだろうか。出来れば、何とか開催して世界へ向けて日本の正確、堅実なスケジュール運営と感染防止の模範を示してもらいたいものだ。

2021年4月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5084.2021年4月14日(水) 福島原発のトリチウム汚染水、海に放出

 熊本地震発生以来、今日で5年目になる。熊本県民の誇りだった熊本城も大きな被害を受けたが、漸く天守閣は復旧し一般に公開されるようになった。それでもまだ4百人余りの人が避難生活を続けている。いま九州南部のトカラ列島では地震が頻発しており、余震が収まる気配がない。つくづく日本は地震列島だと感じる。

 10年前に起きた東日本大震災は、今も多くの人びとに避難生活を強いて心のケアを取り除くにはまだまだ時間がかかりそうだ。

 そんな時に、東日本大震災で破壊された福島第1原発から排出された放射能物質を含む百万トン以上の処理済みの汚染水を福島県沖合に放出する計画を、昨日政府が承認した。菅首相は、「風評対策徹底を前提に海洋放出が現実的と判断」したと述べたが、果たしてそうだろうか。いつも問題発言を繰り返す麻生太郎副首相なんか、「あの水を飲んでも何ちゅうことない」と無責任にも暴言を発して韓国のネットユーザーから「それなら海に捨てず、自分たちの飲料水にしたら」などと怒りのコメントが流れたそうだ。このお人は、軽薄な言葉をノーテンキに口から滑らせるので周囲も警戒しているようだが、いつまで経っても成長しない典型的なおバカさんである。福島県民はもとより、国民の多くが不安な気持ちでいることが分からないのだろうか。

 汚染水を海へ放出することについては、6年前当時の環境大臣が汚水の海中処理には地元の了解を得ると約束していた。しかも数日前に菅首相は、地元の漁業関係団体の代表者に会い要望を聞いている。それにも拘わらず、国は反対の声を無視して汚染水を海に放出することを決定した。
 政府の汚水処理決定には、現在約130万トンの放射性物質を含む水が巨大タンクに保管され、2022年にはタンクが満杯になり、近くには新たにタンクを設置する土地が底をついていることがある。また、放射性物質を含んだ水は複雑なプロセスで処理されてほとんどの放射性物質は取り除かれ、僅かにトリチウムだけが残っているという。そのトリチウムは、濃度を国の基準の40分の1に、世界保健機関(WHO)が示す飲料水の基準で7分の1程度に薄めるという。

 政府がこれを決断した背景には、放射性物質を含んだ汚染水の海中放出は、すでに各国の他の原発が行っていることと、科学者がリスクはないと述べていることに根拠があるようだ。加えて、国際原子力機関(IEAE)が同意し、アメリカのプライス国務省報道官も反対していない。但し、地元住民同様に近隣国の韓国、中国、台湾とロシアがこの決定に強く反対したのは理解できる。しかし、中国にはいつもながら中国特有のひねくれた言い分があるようだ。中国沿岸部の原発からもトリチウムが放出されているのではとの質問には、「最高レベルの事故が起きた福島第1原発の廃水は、正常に運転されている原発の廃水と全く異なる」と反論にならない反論をしたそうである。日本政府の説明も納得し難いが、この中国のコメントもいかにも中国らしい自己弁護と言い訳である。

2021年4月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5083.2021年4月13日(火) 中国共産党による宗教統制

 いまアメリカに次ぐ第2の大国・中国に対する国際社会の非難が厳しくなっている。月刊誌「選択」4月号には、中国に関する手厳しい記事が下記の通り4章も掲載されているほどである。

 1.中国「台湾侵攻」は遠くない

 中国「宗教弾圧」がさらに狂暴化

 3.ロシアとの同盟を「拒否」した中国

 4.中国経済「虚構」の急成長

 それぞれに内容は興味深いが、2.「宗教弾圧」には驚愕している。あまりの中国共産党の酷い仕打ちには副題として「広がる冬季五輪『拒否』の声」が冠せられている。その中国の傲慢なやり方とは、5月1日を以て施行する国家宗教事務局令により世界の3大宗教である仏教、キリスト教、イスラム教、及び国内主要宗教の宗教活動を中国共産党が指導、監督するというのである。これは宗教の中国化を睨んで国内聖職者の任命権に踏み込むことで、宗教に対して厳しい統制を敷くことになるということである。

 カトリック教会では、ローマ法王庁が聖職叙任権を持っているが、新政令ではこれを全面的に否定している。イスラム教については、すでに新疆ウィグル自治区内に作られた強制収容所で思想改造を強制されている。新政令は国家の宗教弾圧に法的根拠を与えると見られる。不思議なのは、かつて中国は中国内の聖職任命権を主張したのに対してローマ法王庁は断固譲らなかったため、双方は1951年に断交した。それが3年前にお互いに「司教任命権で合意した」と発表し関係改善に歩み出した。ところが、司教は司教会議によって承認され叙階すると明記されているという。司教会議とは、中国側の官製団体であり中国当局の言いなりである。中国側があくまで承認権を持つということである。ローマ法王庁についてはまったく言及されていない。ローマ法王が中国に屈したというのが法王庁内の受け取り方である。

 実は、10年余前中国共産党は、約7千万人の会員を持った信仰宗教団体「法輪功」を暴力的に鎮圧した過去がある。中国国内では宗教であろうとなかろうと共産党に楯突くことは、敗北、壊滅を意味する。それにしても人間精神の安息所にまで入り込み、撲滅しようという神をも畏れぬ所業には、二の句が告げない。

 ここまで中国共産党と党主席の習近平を思い上がらせたのは、何が主たる原因だったのだろうか。学生や労働者、また貧しい農民は何が故にここまで習近平一派に抑え込まれてしまったのだろうか。いま再び天安門事件が起きないものか。経済的には確かに中国は表面的に発展した。GNPはアメリカに次いで3位の日本を上回る世界第2位である。しかし、人口で割った1人当たりのGNPは、日本の23位に比べても遥かに劣る世界第72位である。富や社会福祉が貧しい層にまで及ばず、貧困のツケは貧しい農民層にしわ寄せされている実態は、共産主義国家でもなく社会主義国家でもない典型的な帝国主義国家であり、覇権国家なのだ。

 アメリカのバイデン政権はウィグル族弾圧をジェノサイドと呼んで強く非難している。記事は新制度下の宗教弾圧は、国際社会との摩擦を一段と先鋭化しそうだと結論づけている。

2021年4月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5082.2021年4月12日(月) マスターズで松山選手がアジア人初制覇

 今朝一番にテレビで入って来た朗報は、ゴルフの松山英樹選手がアメリカの男子4大メジャーゴルフの最高峰マスターズでアジア人として初優勝を遂げたニュースだった。2位との差は僅か1打差の際どい優勝だった。これまでに女子は、1977年全米女子プロで樋口久子が、2019年全英女子オープンで渋野日向子が優勝しているが、これまで多くの日本人男子ゴルファーが挑んだタイトルでは、期待を抱かせながらもマスターズ4位が最高位で優勝は夢物語と言っても良かった。その夢が現実となったせいで、今日のテレビのエンタメ番組や、夕刊はこのマスターズ優勝の報道に沸いていた。私自身ゴルフはプレイしないが、このマスターズのタイトルだけは価値があると思っていた。

 優勝6回のジャック・ニクラウスや、5回のタイガー・ウッズもべた褒めである。最近アメリカでアジア系住民に対する人種差別が問題になっていることもあり、ニューヨーク・タイムズはアジア生まれの男子として、初のマスターズ勝者となったと報道する傍ら、ヘイトクライムの現状も併せ伝えた。実際オリンピックのアメリカ空手代表の日系アメリカ人の国米桜選手が公園内で、見知らぬ男から「チャイニーズ、国に帰れ!」と脅され、周囲の人も見て見ぬふりをして何も言わなかったという記事が今夕の新聞に載っていた。アメリカ人の人種差別は根っからのもので、当分人種差別感がなくなるとは思えない。

 ところで、昨日近くの駒澤公園競技場で行われたラグビー・トップリーグのサントリー対NTTコミュニケーション戦がテレビ中継された。NTTの№8として出場していた栗原大介くんは、今年創部70周年を迎えた母校ラグビー部の後輩である。年齢的には彼は今年31歳で私より51年も後輩である。私が母校ラグビー部OB会長を務めていた当時の主力選手で、一緒に菅平の合宿に行ったこともある。その頃から活躍し周囲から期待されて慶應に進学した。慶應でも活躍して4学年時には副将を務めた。サントリー戦では敗れたが、久しぶりに彼のプレイを目にすることが出来た。

 また、昨夜のNHK「サンデースポーツ」で、メイン・キャスターを務めていた豊原謙二郎スポーツ・アナもラグビー部後輩である。母校の31年後輩の彼は、2015年の対南アフリカ戦で大番狂わせを演じて勝った試合では、トライ直前に興奮のあまり絶叫した「日本!行け!行け!」は、日本人としての気持ちが没入したもので、後日アナの中立性から問題ではないかと冷やかしたことがある。今年はコロナ禍で中止になってしまったが、毎年正月に母校で開催されるラグビー祭で親しく話し込んだことも幾度かある。以前は近くのNHK社宅に住んでいた時期もあったが、その後鎌倉へ引っ越された。それにしても同じ日に同じ高校のラグビー部後輩を2人もテレビ画面でお目にかかれるとは思わざる嬉しいハプニングであり、先輩冥利に尽きる。

 さて、今日から東京、京都、沖縄の都府県で新型コロナウィルスのまん延防止等重点措置が実施されることになった。このところコロナは息を吹き返して確実に第4波がやってきたようで、東京ではこの12日間は前週の同じ曜日の発症者を上回る勢いである。そして、待ち望んでいたワクチン接種が、漸く高齢者から八王子市内で始まった。世田谷区も間もなく始まる予定である。

2021年4月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5081.2021年4月11日(日) 中国がミヤンマー人殺害を見過ごし

 憂慮していたミヤンマー情勢が益々緊迫してきた。現地に駐在していたメディアが国軍によってほとんど取材不許可、国外退去を命ぜられてニュース・ソースも素人のSNSに頼っていたが、国軍はこれも外部との通話が出来ないよう厳しく規制し始めた。このため日本へ伝えられるニュースも数少ない外国通信社に頼るだけになった。

 ロイター通信が昨日伝えたところによると、軍治安部隊がクーデターに抗議する市民らに重火器を使用して80人以上を殺害した。その一方で国軍は、国軍の系列テレビを通じて19人に死刑の判決を課したと伝えた。その理由は、先月27日の国軍記念日にデモ隊が国軍関係者を襲い、1人を殺害、1人にケガをさせたうえバイクや武器を奪って逃走したというものだ。但し、19人中17人は指名手配中である。国軍による市民弾圧は益々エスカレートして、3月に大都市に発令された戒厳令により、行政、司法の権限を地域の司令官に移譲し、重罪は軍事法廷で裁き、上訴も出来ないようにした。

 ミヤンマー国軍の強硬姿勢は、国内だけに留まらず、国連や在外公館にまで及んでいる。ロンドンのミヤンマー大使館では、国軍を非難した全権大使がミヤンマー人駐在武官によって大使館から追い出された。また、国軍によって解任されたチョーモートゥン国連大使も国軍を非難し、ミヤンマーを支援するよう訴えている。しかし、国連安保理事会が国軍に対して厳しい制裁を課そうとしても、中国とロシアの反対により効果的な手を打てないでいる。中ロ両国はミヤンマー問題に手を下すのは、ミヤンマーに対する内政干渉だと言い張っている。だが、現状がいつまでも続くようなら罪もないミヤンマー市民がこのまま殺害されるばかりである。これを内政不干渉との口実で黙って指をくわえて見ていても良いというのだろうか。そこには自ずから愛情、博愛、良識、モラルなどがある筈である。両国の対応は、あまりにも冷淡で非情ではないだろうか。このまま中国、ロシアの言葉通りミヤンマー国軍の暴力を見過ごしたら、中ロ両国はジェノサイド(集団殺害)を放置したことになる。それは取りも直さず、中国とロシアがミヤンマー人に対するジェノサイドを冒したのと同じことである。中国とロシアは自国の利ばかり考えずに、大国らしく冷静に現実を見て平和的な行動を取るべきではないか。さもないと、将来「大量殺人鬼・中国国民」と呼ばれるようになるだろう。

 魅力的な国、大好きな国民として現在までのミヤンマーについて今思いつくままにNPO誌に原稿を書いているが、書けば書くほどいろいろな思い出が蘇ってくる。何とかこれ以上情勢が悪化しないよう願うばかりである。中国がミヤンマーにごく当たり前の感情を持ってもらえれば、ミヤンマー情勢は大分好転すると確信している。もしこれ以上中国の関わり方が冷酷になるなら、個人的にも中国と言う国に愛想を尽かして、世界の最低民族国として見放すばかりである。

 それに引き換え、すっきりしたのは昨日まで開催されていた東京オリンピック代表選考会を兼ねた競泳の日本選手権で女子代表となった池江璃花子選手が、4種目を制したことである。一昨年2月に白血病と診断され、絶望のどん底に落とされ一時再起が危ぶまれた。3年前のアジア大会では出場全種目で金メダルを獲得して大会の最優秀選手に選ばれた。そして数か月後奈落の底へ突き落されるような不幸に追い込まれた。にも拘わらず、ひたすら自分の力を信じて地道な努力で2年後に再び第一線選手としてカムバックしたのだから素晴らしいことだし、実に爽やかである。比較が少々的外れかも知れないが、最近の中国という国の存在は、この爽やかな20歳の女子選手の対極にあるような気がしてならない。

2021年4月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5080.2021年4月10日(土) 中国6年内に台湾侵攻?

 いま日本ではあまり真剣に受け止められていないが、安全保障問題で最もリスクの高いのが、隣国の台湾である。このところ中国による台湾への軍事力介入がしきりに取り沙汰されている。これまで中国は世界に向かって台湾は中国と一体で1つの中国であるとアナウンスするだけで、台湾に特別に干渉することはなかった。だが、次第に昨今の中国の帝国主義的な動きを見て、中国に対する警戒心と不信感が高まり、新疆ウィグル自治区やチベットの人権抑圧や、香港の非民主的な人権及び言論の弾圧などから一気に対中非難が高まってきた。その間に米中対立が深まり、台湾では反中国の蔡英文が総統に就いた時から、アメリカと台湾が接近して、アメリカが台湾に武器類の販売、供与を行うに従い、中国政府は台湾への監視と警戒を一層強めるようになった。

 これまで大きな問題がなかった中台関係が急激に険悪化しつつなるにつれ、中国による台湾への干渉、介入が懸念されるようになった。中国の習近平・国家主席が台湾を軍事的に統一するとの考えに傾いて来たとの観測があるようだ。仮に中国が台湾を制圧すれば、アメリカの東アジアにおける威信と影響力は大きく揺らぐ。だが、同地域にはアメリカとともに軍事協定や、対中競争に加われるような堅固な同盟国は見当たらない。そこで期待されるのは同盟国日本である。今日ではアジア地域における大きなアメリカの軍事基地は、日本と韓国ぐらいである。台湾が戦争の舞台となれば、地勢的にも沖縄にアメリカ軍基地を抱える日本が同盟国として頼られ、アメリカから協力を要請されるのは火を見るより明らかである。

 こんな時に、次のインド太平洋軍司令官と目されているジョン・アキリーノ太平洋艦隊司令官が、中国による台湾侵攻が最重要問題と述べたことから、先月末産経新聞に「中国の台湾侵攻迫る」と報じられた。台湾の軍事戦力は、中国に比べれば、押し並べて10分の1以下である。そこで頼りになるのは沖縄にアメリカ軍基地を持つ日本の協力を得ることである。日本が憲法で戦争を禁じられ、非核3原則を堅持していることはアメリカだって百も承知であるが、背に腹は変えられない。最近日本の安全保障に精通したジェフリー・ホーナン・ランド研究所研究員が、アジアの状況を考えると日本は法律上の制約、防衛費上限を見直すことが必要と身勝手な発言をしている。

 中国が6年以内に台湾に上陸するとの観測がアメリカ軍部内で持ち上がっている。来る16日に菅首相が訪米してバイデン大統領と最初の首脳会談を行う予定であるが、アメリカ・ペースにはまらず、日本の立場、軍事協力関係をきちんと説明して、絶対に戦争へ加担するようなことがあってはならない。

 今朝の朝日新聞にタイミングよくアメリカ政府国防総省と国務省の高官が、核兵器予算の削減を示唆したと紹介された。核抑止力の維持に努める考えも強調したというから、トランプ時代の猪突猛進ぶりからバイデン政権になって多少自制力は強まってきたように思う。

 とにかく核開発競争が激化して、一旦事が起きたら世界は終わりだいうことをよく考えてもらいたいものである。

 今夕のTBSテレビ「池上彰のニュース!!」で、あの池上さんもこのテーマを深く突っ込んで取り上げていた。何事も起きなければ好いが・・・。中国の考え次第だろう。

2021年4月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5079.2021年4月9日(金) 冬季五輪北京大会ボイコットをどう思うか。

 開催が極めて不安視されている7月の東京オリンピックに、一昨日北朝鮮が不参加を決めたとのニュースが入った。新型コロナウィルスから選手を守るためと言っているようだが、国内の経済問題が絡んでいるようだ。正式に東京オリンピック組織委員会とか、IOCへ連絡したわけではなく、朝鮮中央通信が一方的に発表したものである。いつもながら正式な手順を踏まない常識を欠く国らしい。開催準備で苦慮している開催国である日本に対しても礼を失している。前回リオ大会に参加した北朝鮮は35人の選手を派遣して、金2、銀3、銅2計7個のメダルを獲得した。

 ところが、アメリカ国務省内に来年の冬季オリンピック北京大会を同盟国と共同してボイコットする案が持ち上がった。プライス報道官が記者会見で新疆ウィグル自治区の人権抑圧問題を厳しく指弾したのである。直ちに中国は反発し、東京大会を間近に控える日本は当惑し関係者から困惑の声が出ている。ウィグル族の人権問題はひとつのきっかけであり、米中対立の強硬論から生まれたものである。だが、アスリートは素直に従うわけがない。1980年のモスクワ大会では、前年に当時のソ連がアフガニスタンに侵攻した行為に対して大会ボイコットの声が挙がった。アメリカはオリンピック参加は国家による決定を飛び越えて選手団、つまり国のオリンピック委員会が決定した。結果的に西ドイツを除くほとんどのヨーロッパは、政府の意向とは別にオリンピック委員会が参加を決めた。当時日本でも参加、不参加の議論があったが、政府の決定に対して選手団は一部の反対を無視して泣く泣く政府の方針に従った。テレビでも金メダル獲得確実を言われたレスリングの高田裕司選手が涙を流しながら出場をアピールする姿が国民の同情を誘った。

 このプライス報道官の発言にアメリカ国内では一部賛成の声もあるが、アメリカ・オリンピック委員会、及びパラリンピック委員会は毅然として反対している。両委員会のライオンズ委員長は、「ボイコットは過去、選手にとっては負の影響しかない。中国で起きている人権侵害を軽視したわけでは決してないが、アメリカの若い選手たちが、政治的な駒として使われるべきではない」とはっきり明言している。イギリスのジョンソン首相もボイコットをすでに否定し、イギリスは一般的にスポーツ関連のボイコットは支持していないと主張した。カナダ政府はカナダオリンピック・パラリンピック委員会が決めると政府は関わらないことを言明した。日本はアメリカから同調の圧力があった場合、この声をどう受け止めるか、前記のように反対が多い中で、いつものようにアメリカの言いなりになるわけには行くまい。政府は参加、不参加の決定をJOCに委ねると話すだけで好いのではないか。それにしてもアメリカは、同盟国内にボイコット反対の声が強い中でプライス報道官のコメントに沿っていかなる行動を取るだろうか。

 こればかりは、アメリカも同盟国を束ねることは難しいだろう。人権抑圧はそれとして、政治を安易にスポーツの場へ持ち出すべきではないと思う。

 さて、突然であるが、今晩イギリスのエリザベス女王の夫・エジンバラ公フィリップ殿下がウィンザー城で亡くなられたとイギリス王室が発表した。99歳だった。最近ハリー王子家族と王室との間で穏やかならぬ騒動が伝えられていただけにイギリスも大変だと思う。

2021年4月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5078.2021年4月8日(木) 「八十冒険爺の言いたい放題」が地方紙の新刊紹介に

 今日4月8日はお釈迦様の誕生日である。小学校2年生?の国語教科書にお釈迦様の誕生について1項目割かれていた。「~今日はめでたいお釈迦様の誕生日。天上天下を指さしてお立ちになっていらっしゃる。今日はお釈迦様の誕生日~」というような内容だったように記憶している。果たして今の小学校低学年生は学校で実生活のうえでほとんど関係のないお釈迦様のような人について学ぶことがあるだろうか。

 さて、秋田魁新報社編集委員の大学ゼミの後輩が4月3日付同紙を送ってくれた。有難いことに、同紙上に拙著「八十冒険爺の言いたい放題」を新刊紹介として推薦文を掲載してくれたものだ。7年前にも同紙上に「南太平洋の剛腕投手」を掲載してくれた。東北地方では名門紙なので、これで少し販売数が伸びるのではないかと期待している。冒頭「半世紀以上にわたり世界を巡り歩いた冒険譚が満載だ。命の危険にさらされながら、現場取材に徹する姿勢が臨場感を産み出している。~」で始まる文は海外の冒険旅行を想像させてくれるように思う。間もなく重版が出る予定だが、併せて大いに期待したい。

 今日も新型コロナウィルスの発症者が後を絶たない。特に大阪では緊急事態宣言が解除されてから急増している。東京も増え続けて政府は、大阪、兵庫、宮城の6市に続いて東京都を含む首都圏自治体の「まん延防止等重点措置」を適用する検討に入った。

 ついては、本欄にも何度か取り上げたことがある高齢者の医療費値上げについて、今日田村憲久・厚生労働大臣は、国会で全世代対応型医療にすべく後期高齢者の医療費を現行1割負担から2割負担へ値上げすると述べた。現状は70~75歳の自己負担割合は2割、75歳以上は1割である。原案は、2022年度から75歳以上を一気に1割から2割負担にしようというものである。懸念されているのは、これが実施されると医療施設に通わなくなる高齢者が増えるのではないかということである。日本医師会は、この値上げに強く反対している。診断を遠慮する高齢者が増え、病状が悪化し、反って医療費が増大すると主張している。2018年度の医療費は約16兆円だった。その内75歳以上の医療費は37%を占めた。確かに巨額であるが、対応も難しいようで大臣が言うように全世代型医療と呼ぶ前に医療費全体の出入りだけで考えずに、社会保障全体の枠の中で検討することは出来ないものだろうか。

 筋道論ばかり言っている役人のお粗末な決算書として、先日4人以上の会食を自粛するよう国が要請している最中に、おひざ元の厚労省役人23人が深夜近くまで会食したことが明らかになった。今日その内の3人が陽性と判った。締まりのない役所が言うことは、当てにできないということではないのか。医療費値上げはもっと広範に国民から声を聞き、時間をかけて検討すべき問題だと思う。

2021年4月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5077.2021年4月7日(水) 直木賞作家・三好徹氏、黄泉の国へ旅立つ。

 このところ著名人の訃報が目につく。先日テレビドラマ「北の国から」で主役を演じていた俳優の田中邦衛さんが、先月24日に88歳で亡くなっていたことが発表された。「北の国から」は観たことがなかったので、むしろ加山雄三と共演した「若大将シリーズ」の青大将役の方が印象に残っている。

 そして4日には、文化勲章受章者で脚本家の橋田寿賀子さんが、急性リンパ腫のため熱海市内の自宅で亡くなられた。95歳である。

 お2人ともご高齢のうえ自らの能力を思う存分発揮されて旅立たれたので、恐らくこの世に思い残すことも後悔もないことと思う。

 そんな折、今日新聞である作家の訃報を知った。亡くなられたのは直木賞作家でペンクラブ副理事長も務められた三好徹氏である。実は、三好氏とはこれまで挨拶程度で突っ込んだ話をしたことはなかったが、6年前に日本ペンクラブの理事選挙に小中陽太郎氏ら同志とともに立候補した時、井出孫六氏とともに推薦人となっていただいた。その時は残念ながら落選だったが、その2年後に再びご推薦をいただき、理事に当選することが出来た。理事当選後は、同志とともにそれまで理事会が消極的ムードで、限られた役員だけが活動するような偏った運営に対して会員の間から不満が噴出していたので、これを正し活を入れるべく理事会で積極的に発言し、2年後の総会会場では会員を前に不明瞭な会計、並びに一部理事の違法とも思える理事選挙工作を糾弾して、これを認めさせた。だが、仕返しや反動もあり、次の理事選では敗れた。残念ではあるが、以後ペンクラブの活動からは足が遠のいている。

 早速小中陽太郎さんにメールで三好氏ご逝去の連絡をしたところ、すぐに「率直な方、悲し」と返信があった。

 ついては、健康問題について一言。1月に「八十冒険爺の言いたい放題」を上梓して、海外で忙しく動き回っているような印象を与えているようだが、実際には80歳を超えると健康面でいろいろ不自由な面が表れ、中々思い切ったことが出来なくなる。現在82歳となり、かつての健康優良児も身体にやや衰えが感じられるようになった。現在腰と左ひざが痛むので時折通院しながら、薬を服用して身体をケアしている。この1週間ばかりの間に両足の甲が腫れてむくんできたので、医師のアドバイスもあり出来るだけ足を上げて血流を良くするよう努めている。ウォーキングは距離を短縮し、就寝時もベッドの下方に座布団を置いて足を乗せるよう努めている。幸い昨日辺りから若干効果が表れて甲の部分に青い血管が浮かんでくるようになった。血流が良くなった証しである。毎日体温を計測し体重も量っているが、体温は平熱で、体重も一時上昇しつつあったが、このところ下がり始めた。良い方に向かっているようだ。しばらくはこのまま続けていきたいと思っている。

2021年4月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5076.2021年4月6日(火) 公的サービス精神がどこかおかしい?

 相変わらず新型コロナウィルスの感染は収まる気配がなく、全世界で荒れ狂っているようだ。国内では緊急事態宣言が解除されていたが、一向に感染拡大が止まらない6都市では、昨日からやや弱いが感染にブレーキをかける狙いで仙台、大阪、神戸、芦屋、明石、尼崎の6市でまん延防止等重視措置が適用された。これら6市がある3府県では重症の入院患者が急増して危機感を示している。

 出足は早いと思われていた日本のワクチン接種が意外に手間取り、世田谷区では今月から始まる予定だった高齢者の接種が遅れそうだ。昨日八王子市で高齢者のための接種予約を始めたところ一斉にメールと電話が殺到して電話は1時間半で、メールは20分で予約受付を中止する体たらくだった。比較的しっかりしていると思った日本の自治体の受付業務が、国の指導が拙いせいもあるだろうが、自治体で高齢者数と接種希望者の予測が出来ず、接種受け入れに対応出来ないままトラブルを生じさせている始末である。

 最大の問題は、政府と自治体の連携の拙さにある。高齢者接種は政府が基本的な実施方針を示し、詳細は自治体が判断する仕組みだったが、これまで政府が何度も方針を変更し、その都度自治体が苦慮させられてきた面がある。しっかり対応策を講じないとこれからもうまく処理できるのか心配である。

 さて、コロナ、コロナに追われてそちらに目が行っている間に日常生活に欠かせない電気料金とガス料金が4~5月以降に値上げされる。先日も本ブログで取り上げたように後期高齢者の医療費が10月から倍額に値上げされる。そこへどこの家庭でも毎日使用する電気とガス料金が値上げされては収入が限られている高齢者家庭では、一層苦しい家計をやりくりせざるを得ない。ところが、この電気料金とガス料金の値上げについては、原料価格の値上げに強く影響されたと会社はいうだけで経産省のコメントは聞かれない。ある程度はやむを得ないと思うが、もう少し事前に値上げ案を示して、メディアでも討論し、ある程度国民が納得したうえで決定すべき事案だと思う。なぜ新聞社はこれらの値上げに今日まで沈黙を守っていたのか理解出来ない。政治家の発言には、やいのやいのと言うくせに、国民の日常生活に大きく響く基本的な経費の値上げについては一言も言わないのは、電力・ガス会社とメディアの間で何らかの密約が裏にあるのではないかとつい疑ってしまう。

 最近おかしなことが他にもあった。日本郵政の子会社のかんぽ生命保険で散々阿漕な契約問題を引き起こし、顧客に過大な損害を負わせて結果的に社員3,300人の処分を課したばかりだが、今度はもうひとつの子会社の日本郵便が長崎の元郵便局長が10億円の搾取を行ったことを公表した。日本郵便は、6年前にも長野の局員が8.9億円を、3年前には都内の局員が5億円を騙し取るなど不祥事が度々発覚している。その日本郵便が今年10月から土曜日の普通郵便配達を止め、同時にこれまでより配達日数が1日程度増えると発表した。値上げではないが、明らかにサービスの低下である。こういうサービス低下についてはこれもまたメディアは追及をしないし、大きく報道もしない。国民はメディアと日本郵政に舐められているだけである。

2021年4月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com