5085.2021年4月14日(水) 福島原発のトリチウム汚染水、海に放出

 熊本地震発生以来、今日で5年目になる。熊本県民の誇りだった熊本城も大きな被害を受けたが、漸く天守閣は復旧し一般に公開されるようになった。それでもまだ4百人余りの人が避難生活を続けている。いま九州南部のトカラ列島では地震が頻発しており、余震が収まる気配がない。つくづく日本は地震列島だと感じる。

 10年前に起きた東日本大震災は、今も多くの人びとに避難生活を強いて心のケアを取り除くにはまだまだ時間がかかりそうだ。

 そんな時に、東日本大震災で破壊された福島第1原発から排出された放射能物質を含む百万トン以上の処理済みの汚染水を福島県沖合に放出する計画を、昨日政府が承認した。菅首相は、「風評対策徹底を前提に海洋放出が現実的と判断」したと述べたが、果たしてそうだろうか。いつも問題発言を繰り返す麻生太郎副首相なんか、「あの水を飲んでも何ちゅうことない」と無責任にも暴言を発して韓国のネットユーザーから「それなら海に捨てず、自分たちの飲料水にしたら」などと怒りのコメントが流れたそうだ。このお人は、軽薄な言葉をノーテンキに口から滑らせるので周囲も警戒しているようだが、いつまで経っても成長しない典型的なおバカさんである。福島県民はもとより、国民の多くが不安な気持ちでいることが分からないのだろうか。

 汚染水を海へ放出することについては、6年前当時の環境大臣が汚水の海中処理には地元の了解を得ると約束していた。しかも数日前に菅首相は、地元の漁業関係団体の代表者に会い要望を聞いている。それにも拘わらず、国は反対の声を無視して汚染水を海に放出することを決定した。
 政府の汚水処理決定には、現在約130万トンの放射性物質を含む水が巨大タンクに保管され、2022年にはタンクが満杯になり、近くには新たにタンクを設置する土地が底をついていることがある。また、放射性物質を含んだ水は複雑なプロセスで処理されてほとんどの放射性物質は取り除かれ、僅かにトリチウムだけが残っているという。そのトリチウムは、濃度を国の基準の40分の1に、世界保健機関(WHO)が示す飲料水の基準で7分の1程度に薄めるという。

 政府がこれを決断した背景には、放射性物質を含んだ汚染水の海中放出は、すでに各国の他の原発が行っていることと、科学者がリスクはないと述べていることに根拠があるようだ。加えて、国際原子力機関(IEAE)が同意し、アメリカのプライス国務省報道官も反対していない。但し、地元住民同様に近隣国の韓国、中国、台湾とロシアがこの決定に強く反対したのは理解できる。しかし、中国にはいつもながら中国特有のひねくれた言い分があるようだ。中国沿岸部の原発からもトリチウムが放出されているのではとの質問には、「最高レベルの事故が起きた福島第1原発の廃水は、正常に運転されている原発の廃水と全く異なる」と反論にならない反論をしたそうである。日本政府の説明も納得し難いが、この中国のコメントもいかにも中国らしい自己弁護と言い訳である。

2021年4月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com