5195.2021年8月3日(火) オリンピックの話題いろいろ

 今日も暑い。その最中に行われているオリンピックの陸上競技で次々と世界記録が誕生している。

 しかし、その一方で問題も多いようだ。特に、ベラルーシの女子陸上100m出場選手が帰国を拒んで亡命を望み、ポーランドが亡命を受け入れる用意があると公表した。ベラルーシは、強権的でとかく問題の多いルカシェンコ大統領が27年間も実権を握り、政治ばかりでなくスポーツやメディア行政も支配して、ベラルーシ・オリンピック委員会会長も務めている。オリンピック・チームへの高圧的な発言も選手たちに負担となっているようだ。東京大会でもいまひとつ成績が勝れないことに対して、チーム役員、選手らにメダル獲得へのプレッシャーをかけている。これに対して役員・選手の間では、賛否両論に分かれ、亡命を望んだ選手はこれまで反体制的なコメントをSNSで発信してきた。そのことに政府が同選手の帰国命令を出した。これについて選手は帰国すれば逮捕される恐れがあるとして第3国への亡命を求めたという経緯がある。

 一方、こんな珍しい話題もあった。一昨日陸上男子走り幅跳びで同記録により首位に並んだ2人の選手が最終決戦に挑まず、ともに金メダルを獲得する結果となった。本来なら1位決定戦を行う筈だが、2人が同意のうえで競技が終了となった。ルールには「当該競技者がもうこれ以上跳躍しないと決めた場合を含み、1位決定戦が実施されない場合、2人同意の上で競技が終了し第1位となる」とある。このことは寡聞にして知らなかったが、夕刊の見出しにも「『金は1人』の常識 2人で乗り越えた」とある。表彰台でも2人が中央の優勝者の壇上に立ち、国歌は、2人の母国であるカタールとイタリアの順に演奏された。ゴールド・メダリストが2人もいるなんて、何となく奇妙で受け入れがたいが、これもオリンピックのモットーである多様性と調和であろうか。

 かつて、小学校の教科書で似たような例を学んだことがあった。ベルリン・オリンピック棒高跳び決勝で、西田修平、大江季雄両選手が同記録で2位と3位になり、これを2人は同じ日本人同士だからこれ以上争うのは止めようと2人で銀メダルと銅メダルを分かち合った話が美談として伝えられたくらいである。

 その他に、当初最も不快な話題になっていたのが、SNSによる選手に対する誹謗中傷だった。体操男子個人で優勝した日本の橋本大輝選手への中国国内からの悪質な誹謗に対して、中国から謝罪コメントが寄せられたほどである。これに対して優勝を逸して2位に終わった中国の肖若騰選手が、過度な攻撃は止めて欲しいと呼びかけ、日本の水鳥監督が感謝の意を述べて場外からの攻撃を日中代表が共同で払いのけたことが爽やかな印象を与えた。

 世界のスポーツの頂点であるオリンピックには、多種多様な話題があり、観客がいなかろうと大いに盛り上がる。明日以降もまだまだ楽しめそうだ。

2021年8月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5194.2021年8月2日(月) 人間ドック受診でいろいろあった。

 人間ドック受診のため信濃町の慶應病院まで出かけが、付随的にオリンピック・メイン会場のロマン溢れる空気に触れることが出来た、と同時にドック受診後思いも寄らないトラブルにも見舞われてしまった。

 1年に1度の恒例となった人間ドックの受診日である。昨日までに慶應病院から事前のPCR検査の結果で陽性の連絡がなかったので、新型コロナウィルス患者ではないことは確認済だった。いつも通りMRI検査や十二指腸の内視鏡検査、その他いろいろな検査を受けたが、今日の内視鏡検査は少々厳しかった。以前の内視鏡検査で今日ほどきついと思ったことはなかった。手指と同じ太さのチューブを口から1.5mばかり差し込んで写真に撮るのだから、肉体的にきついことは覚悟していたが、過去には内視鏡検査で厳しい記憶がほとんどない。情けないことに幼児のように涙、鼻水、よだれを出したのは実に久しぶりのことである。内視鏡の医師から内視鏡検査の写真も見せてもらい、ほとんど心配するような問題はないとの話だった。総合的にもあまり大きな問題はないということでホッとしている。ただ、便潜血反応で血痕が交じっていると指摘され、早めに専門的に診てもらった方が良いとのお勧めがあったので、すぐに紹介、予約をしてもらい12日に消化内科で診てもらうことになった。

 病院11階の帝国ホテル・レストランでランチを楽しみながら、周辺の景色を眺めていた。ちょうど同じ高さに今オリンピック陸上競技を開催中の国立競技場の屋根が見える。改めて周囲の森が建物に溶け込んで落ち着いた素晴らしい環境の競技会場だと思った。だが、周囲の人出は、やはり無観客、及び周囲が交通整理されているネットのせいで、静かな環境に包まれている。コロナさえなければ、ここに多くの人びとが溢れてオリンピックが熱狂の中で開催されている筈だが、とてもそうは思えない素晴らしい雰囲気である。喜んで好いのか、意外と言ったら好いのか、全体の環境は滅多に見られないほど静かで、神宮の緑に調和したスタジアムに厳粛さを感じた。

 ところが、受診がすべて終わって最後に代金の支払いに際し、カード支払いでひと悶着あった。処理することは出来たが、病院や私自身の責任ではなく、不愉快な目に遭ってしまったのである。

 代金支払いの場で、先日再発行したばかりの三井住友ビザ・カードが使えなかったのである。こんなことは初めてである。そのつもりでいただけに、請求額分の現金は持ち合わせておらず、結局銀行振り込みということになってしまった。

 昨年12月ビザが私の銀行口座から、名も知らない外国名企業の請求額を引き落としされる寸前に気が付き不審に思い、三井住友カード会社へ連絡したところ心当たりのない怪しい請求だったと分りビザはその引き落としを停止した。その後ビザ・カード会社から安全のために私のカード№を変更した方が良いとのアドバイスで№を変更したわけである。それが今日のように使用出来ないとすれば、カード・ホルダーはどう対応すれば良いのか。カード会社の言うなりに従ってカードが使用出来なくなり、結局恥をかかされ、結局はカードが使用出来なくなってしまったのだ。

 今やデジタル化時代に入り、現金支払いよりカード利用のキャッシュレスが一般化しているようだ。そこには当然カード会社にとってもメリットがある。ところが、カードによる顧客へのサービスが追いつかず、彼らに迷惑と負担をかけている。この実態をカード会社は何と心得ているのだろうか。カード会社に言わなければ個人のトラブルはそのまま見過ごされてしまうだろう。これは三井住友カード会社に、はっきり事実を知らせる必要がある。それにしてもこんな初歩的なミスが大カード会社で日常茶飯事に起きるとは、怖くてカードなんか使えない。実は、ビザ・カードでトラブったのはこれが初めてではない。どうしてこういう初歩的な事故がしばしば起きるのだろうか。企業の体質としては意図的とも思えて、偽装報告をして非難を浴びている三菱電機と何ら変わらないではないか。モラル喪失であり、実に情けない。日本の旧財閥のモラルもこの程度のレベルに落ちてしまったということだ。強く反省を促したい。

2021年8月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5193.2021年8月1日(日) ミヤンマー・クーデターから早や半年

 今年も猛暑の8月に入った。今日も朝起きた時から外は暑そうな空模様だった。とてもウォーキングに出かける気にならない。

 2月にミヤンマーで軍事クーデターが発生してから今日でちょうど半年になった。最も好きな国のひとつであるミヤンマーの自由と民主化が抑圧され、軍政下に置かれたミヤンマーの人びとの気持ちを想うと寂しく悲しい気持ちになる。

 昨日まで3日間続けて朝日新聞には1頁の4分の1のスペースにミヤンマーのクーデター後の現状を連載していたが、レポートではミヤンマーの前向きな明るい気配が感じられない。そこには、クーデターとミヤンマー国軍を非難する欧米諸国に対してロシアと中国が、欧米とは逆に軍事政権の後ろ盾となっているからである。今朝も新たに同じ程度のスペースにミヤンマーの現状について両サイドの視点から書かれている。「対ミヤンマー 割れる世界/欧米諸国は制裁―ロ・中反対」と題した記事だが、公平に見て見出しだけ読めば、ミヤンマーに対する支持が恰も二分されているような印象を受ける。欧米諸国は揃って選挙によって選ばれた民主政府から軍事力によって権力を奪い取ったミヤンマー国軍を厳しく非難しているが、ロシアと中国だけが軍事クーデターで政権転覆を図った軍事政府をその背後で支援しているのである。これは中ロともに、この機会にミヤンマーへの進出を図り、陣営に組み入れたいとの利己的な思惑がはっきりしているからである。覇権国家である中国、及び同じようなロシアは、ともに自国の権益をミヤンマー国内で拡大したくて表面的にミヤンマーの後ろ盾となって欧米などの制裁に反対しているに過ぎない。個人的に自国内で強力な権力を掌中にした習近平国家主席とプーチン大統領は、自国国民が国内問題や動きに騒ぎ立てないよう外国の、とりわけ欧米の動静に目を向けるよう仕向けるために、敢えて火中の栗を拾うようにミヤンマー軍政を擁護するような言動を行っている。

 民主的な政権をクーデターで転覆させた軍部の行動は、断じて民主国家、民主社会で許されるものではない。欧米諸国がこのミヤンマー軍を非難し、制裁を課すというのは至極当然とも思える。それをロシアと中国は国連安保理でも「内政不干渉」を理由に制裁決議に反対したが、特に中国の「内政干渉」に対する反対は、自国に都合の悪い点が暴かれることを恐れているというのが主たる原因である。新疆ウィグル族、チベット族への弾圧や、香港における「1国2制度」の撤廃や、香港国家安全維持法の強行など、誰が考えても民主化を抑圧する行為であり、それに対して外から異を唱えると錦の御旗のように「内政不干渉」と直ちに反論するのは、ご都合主義以外の何物でもない。それにしても民主的にミヤンマー国軍の行動に反対をアピールする欧米諸国の抗議が、今では中ロの術中にはまって活路が開けず、我が物顔に民主化を損なう中ロのやり方が、「そこのけ!そこのけ!お馬が通る」とばかりに許されるのは、ミヤンマー国民にとってばかりでなく、世界の人びとにとっても不幸を押し付けることと変わらない。それほどロシアと中国がよその国を舞台に行っていることは罪が重いと思う。

2021年8月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5192.2021年7月31日(土) 五輪表彰式の国歌演奏のうら話

 宴たけなわと言ってもいいオリンピックで、ロシアが国家としての参加が認められず、ROCという名称で参加している。言うまでもなくロシア・オリンピック委員会の略称である。ドーピング違反でIOCからお灸をすえられてロシア国としての出場を認められず、国家としての代表ではなく、国内のオリンピック委員会が代表として認める選手団が参加したわけである。そこでもし金メダルを獲得したら、国旗はもとより国歌はどう披露されるのか、♪オリンピック賛歌♪でも演奏されるのかと思っていたところ、国歌に代わって何とチャイコフスキーの名曲♪ピアノ協奏曲第1番♪が表彰式会場に流れるのだという。残念ながら今大会では♪君が代♪以外の国歌が演奏されるのをテレビ画面で観たことがないが、どんな雰囲気になるのか、想像するだけでも楽しくなる。

 1958年第1回チャイコフスキー国際ピアノ・コンクールで、若きアメリカ人ピアニスト、バン・クライバーンが颯爽と登場して優勝をさらっていったチャイコフスキーのこの名曲は、高低のバランスのあるリズムも良く流れがしなやかで大好きな曲である。この機会にこのレコードLP盤を買ってよく聴いていたものである。それがオリンピックでロシア人選手の優勝が決まった直後に会場内に流れ聞こえてくるとは、時代を感じる。いかにドーピングのせいとは言え皮肉なものである。

 実は、ROCは国歌の代わりに♪カチューシャ♪の演奏を希望したようだが、愛国色が強いと警戒され、チャイコフスキーの曲になったらしい。愛国色と言えば、現在のロシア国歌の方がよほど強すぎると思う。昨今北方領土周辺で怪しい動きが見られるロシアのパフォーマンスを見ていると、ロシアの政治的、軍事的動きから目を離せない。その意味では怪我の功名だろうか、オリンピックではロシア国歌よりチャイコフスキー曲の方がよほど落ち着いたムードを漂わせると言っても良いかもしれない。何とかロシア人選手が優勝した表彰式で♪ピアノ協奏曲第1番♪を聞いてみたいものだ。

 今日新型コロナウィルスの感染は飛躍的に拡大した。今日も東京では感染者は実に初めて4千人を超え全国の新規感染者は3日連続で1万人を超える有様だった。過去最多を記録した自治体も東京、神奈川、千葉、群馬、栃木、新潟、静岡、京都、沖縄の9都府県に及んだ。現在のような全国民にノルマがない緊急事態宣言だけではこのコロナ風を防止することは難しいとの声が上がっている。菅首相はロックダウンは日本では馴染まないと語っていたが、街でインタビューに応えた初老の男性は、もう戒厳令でも布かなければコロナを退治出来ないと語っていた。現状はそれほどまでに追い詰められているということである。

2021年7月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5191.2021年7月30日(金) 拙著重版、楽天ブックスと販促計画

 今年1月に上梓した「八十冒険爺の言いたい放題」が、幸いにもそれなりの評価をいただき、販売実績を伸ばして現在在庫が僅少となり、近日重版が出ることになった。本ドキュメント作品は自分なりに海外ひとり旅の実体験に臨場感を込めて精一杯書いたつもりであるが、評価いただいた蔭には推薦文を書いていただいた冒険作家・椎名誠氏の力強い後押しがあると思っている。

 ついては、昨日出版元の「はるかぜ書房」からの連絡で知ったことだが、日販、トーハンに次ぐ出版取次業界3番手の楽天ブックスネットワークからも高い評価をいただいているという嬉しい話で、楽天から今後宣伝媒体の制作や配信をしてもらえるという話を進めているということだった。今日ネットで調べていた別のアイテムの隣に、偶々楽天の宣伝による書籍がいくつか紹介された。そこに「八十冒険爺の言いたい放題」の他に、既刊拙著「南太平洋の剛腕投手」と「停年オヤジの海外武者修行」の表紙が次々と現れた。大変心強く感じている。これも楽天の評価の表れだろうか、重版が販売実績を伸ばし、更に版を重ねることを大いに期待している。

 今日も新型コロナウィルスの感染拡大は止まらない。東京は3日連続で新規感染者が3千人を超えた。全国的にも昨日に続いて、感染者は過去最多となり1万人を超えた。政府は今日首都圏の神奈川、埼玉、千葉と大阪府に緊急事態宣言を来月一杯発出することを決定した。同時に北海道、石川、京都府、兵庫、福岡県にまん延防止重点措置を実施することを決めた。オリンピックは今日から陸上競技が始まり、益々熱が入るだろうが、コロナは最悪の状態になってきた。今後の感染のありようによっては、政府の判断も鼎の軽重を問われる。

 さて、昨年10月以後、東京調布市内の住宅地域で東京外環トンネル内の大深度地下にある陥没事故が起きて以来、度々同様な道路陥没事故が発生している。陥没現場周辺の住民の間から強い不信感が強まり、事故の影響は近隣自治体にも広がっている。これが高速道路会社ばかりでなく、新幹線計画を実施するJRにも危機意識を与えている。現在調布市と同じく都内世田谷区、大田区で大深度地下工事が計画されているJR東海のリニア中央新幹線にも同じような危険をはらむ恐れがあると国土交通省も認識している。リニア新幹線が東京都内の高級住宅地帯・田園調布周辺地下を貫通するということから、何と田園調布の地元住民が工事の差し止めを求める訴訟を東京地裁に起こしたのだ。日ごろ反対運動などとは無縁な田園調布地区住民が、初めてリニア反対の行動を起こしたのである。地下鉄道沿線に居住する住民の気持ちも理解出来る。工事には充分抜かりがないよう万全を期すだろうが、周辺が突然陥没するような事態が起きたら名にし負う高級住宅地も台無しとなり地価も下がる。

 それにしても田園調布の住民が、「リニアから住環境を守る 田園調布住民の会」のプラカードを掲げて、公的企業に反対の意思表示を行うとは、かつては考えられもしなかった。時代の流れと、人々の率直な意思表示と行動、企業の甘い認識が、「あり得ない」と考えていたことを「あり得る」ようにさせたのだろう。

2021年7月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5190.2021年7月29日(木) オリンピックが抱える問題

 来月2日に例年通り慶應病院で人間ドック受診をする。昨年同様に病院の要請で、今日PCR検査を受けた。1年間慶應病院を訪れなかったが、正面玄関口へのルートが工事中で閉鎖され、隣のビルへ回った。改築工事が行われていて、古く暗い感じだった正面入り口の建物は撤去され、一時的に別の出入り口から建物内へ入った。建物はすべて近代的で清潔なビルに変わったが、正面玄関の建物が再建されれば、病院としては国内でも屈指の近代ビルに変貌することだろう。PCRは唾液を採取しただけで、結果が仮に陽性なら人間ドック受診前に連絡があるとのことである。

 今や国民の大きな関心事は、新型コロナウィルスとオリンピックである。コロナは今日も感染者が増加する一方で、東京は3,865人の3日連続で過去最多の新規感染者を出し、神奈川県、沖縄県も最多となり、全国ではついに初めて1万人を超え10,699人が感染し、専門家は「東京は経験したことのない爆発的な感染拡大に向かっている」と危機感を示した。

 オリンピックは東北地方への台風上陸と強い日差しのために若干予定が変更になったが、概ね順調にスケジュールをこなしている。好調の日本は今日柔道で男女2つの金メダルを獲得し、獲得した金メダルは合計15個となった。前回1964年東京大会、及び2004年アテネ大会の16個まであと1個に迫った。

 オリンピックについては、政治とスポーツは別物と考えられ、政治が冒さざるものとされているオリンピックで、意外にもそうとばかりは言えない難しい問題が表面化した。

 実際政治的に対立する国家間で、対戦拒否により試合が行えないケースが現実となった。一昨日柔道決勝で永瀬貴規選手に敗れたモンゴルのサイード・モラエイ選手は、イラン出身だが、2年前の世界選手権で敵対関係にあるイスラエル選手との対戦を前に国から出場辞退を迫られ、試合出場後にドイツへ逃れて難民認定を受け、その後モンゴル国籍を取得した選手だった。他にも今大会に出場予定だったアルジェリア選手が、イスラエル選手との対戦を直前に辞退したケースもある。

 韓国と北朝鮮が合同チームとしてソウル大会以降リオ大会、平昌冬季大会オリンピックまで参加したのは、政治的な理由と同じ民族の友愛精神に基づくものだった。同じ民族でもあり、政治的な事情が理解し合えれば参加してもイスラエルが与える諸外国への影響ほどのことはない。今大会にも当初南北合同チームとして参加する予定だったが、今年4月に突然北朝鮮が参加しないと言い出した。その言い分は、日本のコロナ感染拡大が懸念されるとのことだが、これは身勝手な北朝鮮らしい都合の好い言いがかりに過ぎない。

 いずれにせよ政治的、或いは他の利用にせよ、スポーツの場に政治的な空気を持ち込むこと自体、相容れるものではない。国際オリンピック委員会(IOC)も、もう少し毅然として成否を主張すべきだろう。財政的な問題からアメリカのテレビ放送権料に頼るあまり、開催時期、アメリカ国内のゴールデン・アワーに順守した競技時間、拡大する規模など彼らの言い分に従順過ぎる。このまま放置すればIOCもアメリカ・メディアに「庇を貸して母屋を取られる」の類になるのではないか。

2021年7月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5189.2021年7月28日(水) 高い五輪放送権料に今後のイベントは?

 今朝江田五月・元参議院議長が亡くなられた。80歳だった。東大在学中に東大紛争の真っ只中で活動し、退学処分を食らったこともある。その後1963年に学生運動から手を引くことになり、東大へ復学した。政界引退前に菱山郁郎・元日本テレビ政治部長に国会を案内してもらって、参議院議員会館内で江田氏を紹介してもらいお話しすることが出来た。安保闘争でも活動されたと思っていたので、当時の清水丈夫・元全学連書記長の動静について直接尋ねてみたところ、意外なことに名前は知っているがあまりご存じではないと仰っていた。清水さんとは安保、東大紛争と同じ時期に同じように活動していた筈だが、特に印象はないとのことで、その後考えてみてどうも江田さんは清水さんとは接点がなく、東大の退学処分を機に所謂「転向」した一派だったのではないかと思える。

 政治家としては父三郎氏の威光もあり、随分恵まれたように思うが、五月氏自身は弁護士でもあり、リベラル派と見られていた。新しく政党が生れる都度それに加わったり、リベラル派グループの立ち上げに手を貸したり、民主党では大臣を歴任したりしてよくメディアでも取り上げられ存在感はあった。だが、失礼ながらその存在感や主義主張に骨太なところがなかったように思う。人間的にソフトで笑みを絶やさない性格が、多くの人びとから愛されたが、アクの強さがなく、その点で迫力に欠ける点が惜しまれる政治家だった。私より3歳若いが、政治家の中で多少なりとも知っている人がひとりまた逝ってしまった。

 さて、オリンピックも花盛りの今日も女子水泳200㍍個人メドレーで大橋悠依選手が2つ目の金メダル、そして女子柔道70㎏級で新井千鶴選手と男子体操個人総合で橋本大輝選手が金メダルを獲得した。つい浮かれ気分でいたところへ、新型コロナウィルス感染が強烈に襲って来た。新規感染者が東京では3,711名と過去最多を先頭に、神奈川が千名を超えて過去最多、埼玉、千葉、茨城各県も最多だった。他に石川、京都も過去最多だった。全国的には9,576人で1万人に手の届くところまで来てしまった。

 コロナとオリンピックで連日、新聞、テレビの報道はヒートアップするばかりである。特にオリンピック関連では、テレビで朝から晩までNHKと同時に、毎日民放局が交代で番組を埋めていることに、少々やり過ぎではないかと思っているくらいである。放送が長時間の原因として、テレビ放送権料が高すぎるという事情があるようだ。アメリカのNBCと国際オリンピック委員会(IOC)が協約した高額の放送権料が、各国のテレビ局に押し付けられる。とてもテレビ局1社では受け入れられる金額ではなく、日本ではジャパン・コンソーシアム(JC)というテレビ各社が共同仕入れして仲間内で割り当てる方式で契約して放映するようである。33年前のソウル・オリンピックでは国内放送権料は77億円だった。それが今や東京大会では、平昌冬季大会分を含めて660億円にまで値が吊り上がった。昨今はテレビ会社も経営体力が落ち厳しい中にある。跳ね上がった放送権料を償える広告収入は、今の民放各社にはとても大きなノルマである。

 来年カタールで開かれるサッカー・ワールドカップでは、その放送権料が200億円を超えるとの噂がある。こうなるとテレビ局では最早放映出来るような事態ではない。ワールドカップはどのテレビ局が放映することになるのか、今以て未定だという。コロナ禍の中で、菅首相や小池都知事が、オリンピックは自宅のテレビで観てくださいと注文をつけているが、それも戯言に過ぎなくなるかもしれない。世の中の機構やシステムが少しずつおかしくなっているのではないかとも思う。

2021年7月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5188.2021年7月27日(火) 「黒い雨」裁判、上告見送りに関して一言

 今日も柔道81㎏級で永瀬貴規選手が金メダルを獲得し、団体では初めて日本ソフトボール・チームがアメリカを破り、北京大会以来13年ぶりの優勝を飾った。これで日本の金メダルは10個となった。

 しかし、オリンピック開催でお祭り騒ぎをやっている間にも、懸念されていた新型コロナウィルスは毎日拡大しているが、流石に今日の新規感染者数はギョッとさせるものだった。昨日千葉県で過去最多を記録したが、今日は東京の2,848人、埼玉県593人、沖縄県354人のいずれもが過去最多となった。全国でも7,626人となり、これは先週の約2倍だった。オリンピック関係者の感染も連日伝えられ、コロナはオリンピックの懐に入り込んできた模様である。菅首相は人流は減少しているので、オリンピックの中止は考えていないと語ったが、医療専門家らはその拡大のスピードを懸念していた。第5波もすでにやってきたのではないかと心配される。

 さて、国を被告とする裁判について一応の目安が立ったので、気づいた点を率直に記したい。先日広島への原爆投下後、放射能物質を含む「黒い雨」を浴びた住民らが、被爆者にあたるとして、被爆者同様に被爆者健康手帳の交付を国に求めていた裁判で、広島高裁は国にその公布を認める判断を下したことに、国は上告すべきか否か考慮中であった。昨日菅首相はこの判決への上告を断念する方針を表明した。広島県と広島市は、手帳の交付を国から委任されているため、裁判では被告として住民から訴えられる立場にあったが、高裁の判決後に上告の見送りを認めるよう国に求めていた。昨年7月の広島地裁の一審判決では、がんなどになった場合、不合理性がなければ原告を被爆者と認めた。今年7月の広島高裁判決では、疾病に関わらず、住民らが「黒い雨」に遭ったことを否定できなければ被爆者と認める判断を示した。

 「黒い雨」が降ったとされる地域も、おかしなことに大雨が降るか、小雨が降るかによって対応が分れる。今回の原告ら84人が居住していた地域も、それぞれ分かれている。しかし、このように地域によって被爆者、或いは非被爆者という区分けには疑問が残る。医学的には原爆症であることは調べれば当然分ることであり、地域性よりも症状によって判別すべきことではないだろうか。

 しかし、厚生労働省内部では、高裁の判断に否定的な声が強かったという。内部被ばくしたとしても放射線量は低く、健康被害は認められないとして、まかり間違えれば、話は広島だけに留まらず、同じ原爆の地・長崎や、福島原発事故の周辺住民への対応にも影響が出る恐れがあると考えたようだ。いつもはあまり明快な判断をしない首相としては、珍しく政府内でも「上告」すべしの声が高まる中を、敢えて上告を見送ったのは勇断と言えるかもしれない。

 今後被爆者の手当のためにも経費が膨らむことと思うが、今以て釈然としない点がある。それについて私見を述べたい。それは、経費の幾分かをアメリカに負担してもらうことである。原爆投下して76年が経過しようとしている。その間被爆者がどれほど苦しんだことか。どれほどの費用負担があったのか。その原因を作ったのは、いかに早く戦争を終わらせるためにはやむに得なかったとの理由があるにせよ、放射能による人体への影響があることを承知のうえで、敢えて放射能性爆弾を投下したのである。その惨状はアメリカ国民も理解している筈である。さすれば、この原因を作ったアメリカが少なくとも応分の経費を負担しても当然ではないかと考える。上告に同意した国会議員たちは、むしろその気持ちをアメリカ政府にアピールすべきではないだろうか。

2021年7月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5187.2021年7月26日(月) 世襲選挙に一定の規制を出来ないのか。

 今日のオリンピックも金メダル・ラッシュが続いた。女子スケート・ボードで何と13歳11か月の西矢糀選手が史上最年少で優勝し、3位に16歳の中山楓奈選手が入って銅メダルを獲得した。夜になって連日金メダルを獲っている柔道で、男子73㎏級の大野将平選手が金メダルを獲得して2連覇を成し遂げ、女子57㎏級で芳田司選手が銅メダルを獲得して3日間に3つの金メダルを獲った。更に卓球混合ダブルスで水谷隼、伊藤美誠組が決勝で中国ペアに逆転勝ちで金メダルを、男子体操団体で銀メダルを、アーチェリー男子団体で銅メダルを獲得した。これで日本が獲得した金メダルは8個となった。出だしは素晴らしい。

 さて、国会が休会中で何をして良いのか分からない国会議員の存在感がまったく見えない。当然ながら菅首相の支持率がどうもぱっとしない。首相就任直後は幾分高かった支持率も急坂を転げ落ちるように落ちる一方である。メディア各社独自の直近の世論調査によると、凡そ支持率は30%前後で、昨年9月就任以来最低ラインにまで落ち込んだ。これで新型コロナウィルス対策と東京オリンピックが順当に行かなければ、支持率は一層下がることだろう。

 ついては、最近外国の首脳の動向が話題になることが多いが、2つほど真偽の実態が分かり難い例がある。

 ひとつは、6月6日に行われたペルー大統領選挙で、1か月半が経過して漸く左派急進派のペドロ・カスティジョ氏の当選が決まったことである。かつてリマの日本大使館が襲撃され長い間人質の身柄が拘束されていたが、大統領令による警察の強行踏み込みで犯人全員を殺害して解決させ評価を高めた日系人アルベルト・フジモリ大統領は、その後社会的に大量虐殺を命じたとして刑を受け収監中に恩赦により解放された。今回娘ケイコ氏が対抗馬として3度目の立候補をしたが、投票日からカスティジョ氏側に不正があったと追及していたが、漸く選挙結果を受け入れた。1か月半に亘って国家のトップが不在の状態では、国を前へ進めることは難しい。この5年間でペルーの大統領は4人も交代した。これでは国は益々世界の動きから置いて行かれてしまう。1日も早く新体制を再スタートさせることが急務である。

 そして2つ目の不審は、来年5月に実施されるフィリピン大統領選挙の事前の動きである。フィリピンの大統領は1期6年と決められている。現在のドゥテルテ大統領の任期も来年6月に期限が来る。強気で何かとトラブルの多い現大統領ではあるが、庶民的でもあり国民の人気はそこそこある。大統領としてはもう少し権力を保持していたいが、憲法の制約上それが許されない。そこでいろいろ画策しているらしい。そのひとつが、現在ダバオ市長である娘のサラ・ドゥテルテ氏を後継者に仕立てて、自らは副大統領として立候補するという奇想天外な話である。この国では大統領と副大統領がセットで戦い選出されるのではなく、それぞれ別々に選挙を実施する。娘が大統領候補として、父が副大統領候補として別々の選挙を行えば、当選後には親子で政権を維持出来ると考えられる。副大統領が主導権を握る可能性もなしとしない。ただ、一族による「王朝支配」には批判が出る危険も考えられる。

 まぁあまり日本では考えられないことであるが、これほどとは考えられないまでも日本でも国会議員の選挙では、今や世襲議員立候補者が目白押しで似たようなものではないだろうか。一旦握った権力を他人に渡さず、一家で引き継いでいく。明らかに途上国に多く見られる現象である。その点では残念ながら日本も途上国と言えるのではないだろうか。偶々今朝の朝日社説に「政治家の世襲 政党は制限の検討を」と題して、最近ベテラン議員の引退が相次いでいるが、皆親族に地盤を引き継ぐ世襲が目立つが故に世襲の慣習に制約を行うべきだと批判している。かつては、世襲批判の旗振り役だったたたき上げの菅首相が、今では閣僚に麻生副総理、河野行革相、小泉環境相ら世襲議員が名を連ねて世襲制限に一言も発しなくなった。2017年の総選挙で自民党当選者のうち世襲は83人で全体の29%だった。これでは国民目線のまともな政治を行える筈がない。

2021年7月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5186.2021年7月25日(日) 日本、1日で金メダル4個を獲得

 オリンピックはまだ始まったばかりだが、今日もオリンピック・フィーバーが日本列島を駆け抜けていく。日本選手が、昨日の柔道・高藤選手に続いて今日4つの金メダルを獲得した。まず午前中水泳の女子400m個人メドレーで大橋悠依選手が優勝した。昼には、この暑い屋外で、初めて競技種目に加えられたスケート・ボードで若き日本の堀米雄斗選手が暑さをものともせずに金メダルを獲得した。そして夜になって柔道で男女種目に兄妹2人が揃って金メダルを獲得するという歴史的な偉業を成し遂げた。最初に女子52㎏級で妹の阿部詩選手が、次いで男子66㎏級で兄の阿部一二三選手が優勝した。戦前から兄妹で優勝すると騒がれた中で、期待通りトーナメントを勝ち抜き優勝することが出来たのはもちろん実力もさることながら、兄妹の助け合い、チーム環境とチームワークも大いに与って力となったことだろう。それにしても1日に4個もの金メダルを獲得したなんてことは、日本オリンピック史上初めてのことだろう。

 戦後初めて日本がヘルシンキ・オリンピックに参加した時は、レスリング・バンタム級で石井庄八選手が、やっとひとつ金メダルを獲得しただけだった。この70年間に日本は実力的にも存在感も向上させた。変われば変わるものだと感慨深く思う。

 今日の最高気温は福井県小浜市の36.4℃で、東京は34.4℃だった。これだけ暑いと屋外で行われる競技は、選手にとっては厳しいだろう。案の定テニスの世界ランキング1位のジョコビッチ選手(セルビア)らが、日中の試合を夜間に変更して欲しいと組織委員会に申し入れた。

 それでも午前中に女子ソフトボール・チームは、カナダを破り予選リーグで4戦全勝となり、明日のアメリカ戦を残して銀メダル以上が確定した。また、サッカーでも男子チームは、ロンドン大会金メダルのメキシコを破った。これで2戦2勝として決勝トーナメント進出へ大きく前進した。個人種目ばかりでなく、これまで体力差と歴史などから欧米型団体スポーツで日本が勝つのは難しいと思われていたが、そろそろその意識も改めなければいけないと思う。このまま調子を上げて行けば、これからも想定以上の成果を残しそうな気がする。これからも大いに期待したいと思う。がんばれ! ニッポン!

2021年7月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com