5193.2021年7月31日(土) 五輪表彰式の国歌演奏のうら話

 宴たけなわと言ってもいいオリンピックで、ロシアが国家としての参加が認められず、ROCという名称で参加している。言うまでもなくロシア・オリンピック委員会の略称である。ドーピング違反でIOCからお灸をすえられてロシア国としての出場を認められず、国家としての代表ではなく、国内のオリンピック委員会が代表として認める選手団が参加したわけである。そこでもし金メダルを獲得したら、国旗はもとより国歌はどう披露されるのか、♪オリンピック賛歌♪でも演奏されるのかと思っていたところ、国歌に代わって何とチャイコフスキーの名曲♪ピアノ協奏曲第1番♪が表彰式会場に流れるのだという。残念ながら今大会では♪君が代♪以外の国歌が演奏されるのをテレビ画面で観たことがないが、どんな雰囲気になるのか、想像するだけでも楽しくなる。

 1958年第1回チャイコフスキー国際ピアノ・コンクールで、若きアメリカ人ピアニスト、バン・クライバーンが颯爽と登場して優勝をさらっていったチャイコフスキーのこの名曲は、高低のバランスのあるリズムも良く流れがしなやかで大好きな曲である。この機会にこのレコードLP盤を買ってよく聴いていたものである。それがオリンピックでロシア人選手の優勝が決まった直後に会場内に流れ聞こえてくるとは、時代を感じる。いかにドーピングのせいとは言え皮肉なものである。

 実は、ROCは国歌の代わりに♪カチューシャ♪の演奏を希望したようだが、愛国色が強いと警戒され、チャイコフスキーの曲になったらしい。愛国色と言えば、現在のロシア国歌の方がよほど強すぎると思う。昨今北方領土周辺で怪しい動きが見られるロシアのパフォーマンスを見ていると、ロシアの政治的、軍事的動きから目を離せない。その意味では怪我の功名だろうか、オリンピックではロシア国歌よりチャイコフスキー曲の方がよほど落ち着いたムードを漂わせると言っても良いかもしれない。何とかロシア人選手が優勝した表彰式で♪ピアノ協奏曲第1番♪を聞いてみたいものだ。

 今日新型コロナウィルスの感染は飛躍的に拡大した。今日も東京では感染者は実に初めて4千人を超え全国の新規感染者は3日連続で1万人を超える有様だった。過去最多を記録した自治体も東京、神奈川、千葉、群馬、栃木、新潟、静岡、京都、沖縄の9都府県に及んだ。現在のような全国民にノルマがない緊急事態宣言だけではこのコロナ風を防止することは難しいとの声が上がっている。菅首相はロックダウンは日本では馴染まないと語っていたが、街でインタビューに応えた初老の男性は、もう戒厳令でも布かなければコロナを退治出来ないと語っていた。現状はそれほどまでに追い詰められているということである。

2021年7月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com