5194.2021年8月1日(日) ミヤンマー・クーデターから早や半年

 今年も猛暑の8月に入った。今日も朝起きた時から外は暑そうな空模様だった。とてもウォーキングに出かける気にならない。

 2月にミヤンマーで軍事クーデターが発生してから今日でちょうど半年になった。最も好きな国のひとつであるミヤンマーの自由と民主化が抑圧され、軍政下に置かれたミヤンマーの人びとの気持ちを想うと寂しく悲しい気持ちになる。

 昨日まで3日間続けて朝日新聞には1頁の4分の1のスペースにミヤンマーのクーデター後の現状を連載していたが、レポートではミヤンマーの前向きな明るい気配が感じられない。そこには、クーデターとミヤンマー国軍を非難する欧米諸国に対してロシアと中国が、欧米とは逆に軍事政権の後ろ盾となっているからである。今朝も新たに同じ程度のスペースにミヤンマーの現状について両サイドの視点から書かれている。「対ミヤンマー 割れる世界/欧米諸国は制裁―ロ・中反対」と題した記事だが、公平に見て見出しだけ読めば、ミヤンマーに対する支持が恰も二分されているような印象を受ける。欧米諸国は揃って選挙によって選ばれた民主政府から軍事力によって権力を奪い取ったミヤンマー国軍を厳しく非難しているが、ロシアと中国だけが軍事クーデターで政権転覆を図った軍事政府をその背後で支援しているのである。これは中ロともに、この機会にミヤンマーへの進出を図り、陣営に組み入れたいとの利己的な思惑がはっきりしているからである。覇権国家である中国、及び同じようなロシアは、ともに自国の権益をミヤンマー国内で拡大したくて表面的にミヤンマーの後ろ盾となって欧米などの制裁に反対しているに過ぎない。個人的に自国内で強力な権力を掌中にした習近平国家主席とプーチン大統領は、自国国民が国内問題や動きに騒ぎ立てないよう外国の、とりわけ欧米の動静に目を向けるよう仕向けるために、敢えて火中の栗を拾うようにミヤンマー軍政を擁護するような言動を行っている。

 民主的な政権をクーデターで転覆させた軍部の行動は、断じて民主国家、民主社会で許されるものではない。欧米諸国がこのミヤンマー軍を非難し、制裁を課すというのは至極当然とも思える。それをロシアと中国は国連安保理でも「内政不干渉」を理由に制裁決議に反対したが、特に中国の「内政干渉」に対する反対は、自国に都合の悪い点が暴かれることを恐れているというのが主たる原因である。新疆ウィグル族、チベット族への弾圧や、香港における「1国2制度」の撤廃や、香港国家安全維持法の強行など、誰が考えても民主化を抑圧する行為であり、それに対して外から異を唱えると錦の御旗のように「内政不干渉」と直ちに反論するのは、ご都合主義以外の何物でもない。それにしても民主的にミヤンマー国軍の行動に反対をアピールする欧米諸国の抗議が、今では中ロの術中にはまって活路が開けず、我が物顔に民主化を損なう中ロのやり方が、「そこのけ!そこのけ!お馬が通る」とばかりに許されるのは、ミヤンマー国民にとってばかりでなく、世界の人びとにとっても不幸を押し付けることと変わらない。それほどロシアと中国がよその国を舞台に行っていることは罪が重いと思う。

2021年8月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com