5188.2021年7月26日(月) 世襲選挙に一定の規制を出来ないのか。

 今日のオリンピックも金メダル・ラッシュが続いた。女子スケート・ボードで何と13歳11か月の西矢糀選手が史上最年少で優勝し、3位に16歳の中山楓奈選手が入って銅メダルを獲得した。夜になって連日金メダルを獲っている柔道で、男子73㎏級の大野将平選手が金メダルを獲得して2連覇を成し遂げ、女子57㎏級で芳田司選手が銅メダルを獲得して3日間に3つの金メダルを獲った。更に卓球混合ダブルスで水谷隼、伊藤美誠組が決勝で中国ペアに逆転勝ちで金メダルを、男子体操団体で銀メダルを、アーチェリー男子団体で銅メダルを獲得した。これで日本が獲得した金メダルは8個となった。出だしは素晴らしい。

 さて、国会が休会中で何をして良いのか分からない国会議員の存在感がまったく見えない。当然ながら菅首相の支持率がどうもぱっとしない。首相就任直後は幾分高かった支持率も急坂を転げ落ちるように落ちる一方である。メディア各社独自の直近の世論調査によると、凡そ支持率は30%前後で、昨年9月就任以来最低ラインにまで落ち込んだ。これで新型コロナウィルス対策と東京オリンピックが順当に行かなければ、支持率は一層下がることだろう。

 ついては、最近外国の首脳の動向が話題になることが多いが、2つほど真偽の実態が分かり難い例がある。

 ひとつは、6月6日に行われたペルー大統領選挙で、1か月半が経過して漸く左派急進派のペドロ・カスティジョ氏の当選が決まったことである。かつてリマの日本大使館が襲撃され長い間人質の身柄が拘束されていたが、大統領令による警察の強行踏み込みで犯人全員を殺害して解決させ評価を高めた日系人アルベルト・フジモリ大統領は、その後社会的に大量虐殺を命じたとして刑を受け収監中に恩赦により解放された。今回娘ケイコ氏が対抗馬として3度目の立候補をしたが、投票日からカスティジョ氏側に不正があったと追及していたが、漸く選挙結果を受け入れた。1か月半に亘って国家のトップが不在の状態では、国を前へ進めることは難しい。この5年間でペルーの大統領は4人も交代した。これでは国は益々世界の動きから置いて行かれてしまう。1日も早く新体制を再スタートさせることが急務である。

 そして2つ目の不審は、来年5月に実施されるフィリピン大統領選挙の事前の動きである。フィリピンの大統領は1期6年と決められている。現在のドゥテルテ大統領の任期も来年6月に期限が来る。強気で何かとトラブルの多い現大統領ではあるが、庶民的でもあり国民の人気はそこそこある。大統領としてはもう少し権力を保持していたいが、憲法の制約上それが許されない。そこでいろいろ画策しているらしい。そのひとつが、現在ダバオ市長である娘のサラ・ドゥテルテ氏を後継者に仕立てて、自らは副大統領として立候補するという奇想天外な話である。この国では大統領と副大統領がセットで戦い選出されるのではなく、それぞれ別々に選挙を実施する。娘が大統領候補として、父が副大統領候補として別々の選挙を行えば、当選後には親子で政権を維持出来ると考えられる。副大統領が主導権を握る可能性もなしとしない。ただ、一族による「王朝支配」には批判が出る危険も考えられる。

 まぁあまり日本では考えられないことであるが、これほどとは考えられないまでも日本でも国会議員の選挙では、今や世襲議員立候補者が目白押しで似たようなものではないだろうか。一旦握った権力を他人に渡さず、一家で引き継いでいく。明らかに途上国に多く見られる現象である。その点では残念ながら日本も途上国と言えるのではないだろうか。偶々今朝の朝日社説に「政治家の世襲 政党は制限の検討を」と題して、最近ベテラン議員の引退が相次いでいるが、皆親族に地盤を引き継ぐ世襲が目立つが故に世襲の慣習に制約を行うべきだと批判している。かつては、世襲批判の旗振り役だったたたき上げの菅首相が、今では閣僚に麻生副総理、河野行革相、小泉環境相ら世襲議員が名を連ねて世襲制限に一言も発しなくなった。2017年の総選挙で自民党当選者のうち世襲は83人で全体の29%だった。これでは国民目線のまともな政治を行える筈がない。

2021年7月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com