1108.2010年5月26日(水) 福島瑞穂・社民党党首は基地移設でどう動くのか。

 昨日沖縄を訪れ、仲井真弘多・県知事と会見した福島瑞穂・社民党党首が、普天間基地が移設されることに関して断固反対の考えを語った。特に「辺野古」という地名をはっきりさせたことを問題視している。鳩山内閣閣僚の間で充分な根回しをせずに、社民党が反対している辺野古への移設を前提にした政府案をアメリカに伝え、アメリカからもほぼ同意の感触を得たことが、大臣の職にある福島氏を焦らせたようだ。

 しかし、このプロセスを見ているとまず鳩山首相にリーダーシップが欠けている。次に閣内で大事なアイテムを話し合うことをしなかった。また、大臣の要職にあるにも拘わらず福島氏は社民党党首として個人的な行動に走った。まだ、いろいろ問題点があるが、このドサクサに国民は呆れている。沖縄県民は当然怒っている。

 この閣内不統一の行動に対して、閣僚は口々に福島氏に対して不満を述べているが、さりとて閣内収束について誰ひとりとして行動を起こそうとはしない。自民党からは社民党を連立から切ればよいのではないかと茶々を入れられる始末だ。

 それにしても、思っている以上にアメリカとの話し合いは早かった。同意を得られる腹づもりがあったと思うが、それでもアメリカは釘を刺すことを忘れなかった。移設担保である住民の了解を得ることである。この住民の了解が一番難しい。日米両国で話をどんどん進めて、結局そこだけが未解決のままということが一番心配である。

 さて、最近とかく評判の良からぬ日本相撲協会がまた新たな問題を抱えてしまった。先の夏場所中に大関琴光喜が野球賭博をやっていたと週刊誌に報道され、警察に事情聴取された。これが大きく広がるかと思いきや、別のスキャンダルが表面化した。

 昨夏の名古屋場所中に暴力団が砂被り席で相撲を観戦していたことが分った。この席は維持会員と称する、相撲協会に一定額以上の寄付をした後援者用のもので、取り持った2人の親方が理事会で事情を聞かれるようだ。以前から興行を行う相撲協会と暴力団とは結びつき易いと言われていた。今回の切符手配の背景には、どうやら獄中の親分にシャバの幹部がテレビを通してメッセージを伝える意味があったらしい。

 相撲協会もこのところの不祥事続きにうんざりしているかも知れない。しかし、元はと言えば相撲協会のゆるふんによる身から出た錆である。協会には親方を始めとする全力士に対する指導がどうも徹底していないようだ。財団法人である日本相撲協会に、こう度々スキャンダルを起こされるのでは、監督官庁・文部科学省としても何らかの規制や、立ち入り検査、指導等を行わざるを得ないのではないか。

2010年5月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1107.2010年5月25日(火) 今秋国際ペン東京大会開催

 日本ペンクラブの第54回総会がいつも通り東京會舘で開かれた。今年は国際ペン東京大会が9月に開かれるので、阿刀田高会長を始め役員が話すのは、もっぱらその話題ばかりである。決算書類は賛成多数で承認された。

 国際ペン東京大会は26年前に井上靖会長の下で開催されて以来26年ぶり3回目のことである。2回目の時はやはり会員だった父も参加した。9月23日から30日まで京王プラザホテルと早稲田大で開催されるが、スケジュールの概要について担当理事の吉岡忍氏が説明された。運営経費は中々厳しいと言っておられ、浅田次郎氏のごときは、出版社の門前で腹を掻っ切ってでも資金を分捕ってくるなどと威勢のよい発言をしていた。外国からは中国の高行健氏のようなノーベル賞受賞作家、カナダ人作家マーガレット・アドウッド女史、キャスター小宮悦子さんらも憧れているアメリカ人作家サラ・パレッキー女史らも参加されるようだ。

 総会後のパーティに先立ち、先日亡くなられた前会長・井上ひさし氏を追悼して黙祷した。会食中西木正明氏に、過日営業休止宣言をしたインターネット新聞社がなぜ休業に追い込まれたかを尋ねてみた。西木氏は、インターネット新聞代表だった竹内謙氏と早大探検部部員仲間で親しいので聞いてみたわけである。西木氏によると理由は2つあり、そのひとつは大きなスポンサーが広告を取り止めたことであり、もうひとつはライバル間の競争が激しくなったことだそうである。西木氏は竹内氏がそう簡単にへこたれる人間ではないので、近い将来必ず復活させてくれるでしょうと話してくれた。いつか竹内氏本人に会って直接聞いてみたいが、この荒波に負けずに再び立ち上がって欲しいと願っている。

 他に何人かの会員とも立ち話をしたが、みんな異口同音に鳩山首相の言動に対して批判的だった。その鳩山内閣の閣僚で、社民党党首の福島瑞穂・消費者少子化担当相が今日沖縄を訪れ、仲井真県知事と会談した。協力して沖縄に基地を増やさないために頑張ろうと話し合ったと記者団に語った。知事も有難いとは感じただろうが、相当面食らっただろう。政府がすでに腹を決めた以上、いくら福島党首が反対を叫んでもその可能性は限りなく小さい。福島氏は社民党党首かも知れないが、閣僚でありながら、悪びれずに閣内不統一発言をしている。これに対して首相は、閣僚の行動としていかがなものか、と言っただけであり、社民党党首としての行動ならやむを得ないとまで言っている。鳩山首相のこの厳しさのない発言に、「正体見たり」が汲み取れる。このずぶずぶ内閣ではもうまったく当てにできない。一刻も早く次ぎの首相を決めるべきだと思う。

2010年5月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1106.2010年5月24日(月) 鳩山首相は職を辞するべきだ。

 鳩山首相が昨日沖縄を訪れ、普天間基地移設について辺野古移設案を提示して沖縄県知事を始め沖縄県民を怒らせた。今日の新聞・テレビでも鳩山首相はボロクソに言われている。14年前に首相就任3ヶ月でクリントン大統領から普天間基地返還の約束を取り付けた橋本龍太郎元首相が、沖縄へ15回も訪れたのに比べて、間際になってやっと訪れた鳩山首相は、本気度が大分違うと橋本内閣で経企庁長官を務めた田中秀征氏が述べていた。

 今日の朝日夕刊「素粒子」欄にこういうことが書かれている。

 「怒、怒、怒、怒。沖縄の人々が掲げた1文字にこもる思い。普天間移設、『最低でも県外』という自らの言を忘れたのか、鳩山首相よ。沖縄より米国との協議が大切なのか、日本政府よ。『地元の理解が不可欠』ではなかったのか、米政府よ。本当に努力をしてきたか、本土に住む私たちよ。沖縄の痛みを自分の痛みと感じる努力を。怒、怒、怒、怒。この文字が努、努、努、努に見えてくる」。

 公衆の面前で総理大臣が頭を下げ、お詫びとも言い訳とも知れない言葉を漏らし、県庁入りのルートを変えれば、抗議する県民から「逃げるな!」と言われ、一国の最高指導者としては何とも情けなく恥ずかしく哀れな姿だった。これほどミゼラブルな立場に追い込まれたのは、まさに首相自身に責任があるが、はっきり言ってもうこれ以上わが国の政治を鳩山由起夫に任せることは出来ない。政治家としての政治理念も明確なポリシーも持ち合わせていない。ことを為すのに右往左往して決断力がない。もう好い加減に辞めてもらいたい。とても総理大臣の職を続けるのは無理だ。鳩山首相の政治手法を見ていると、これ以上職を続けると日本を一層救い難い国へ引きずりこんでしまうのではないかと心配になる。あまりにも程度が低い。まったく情けない。

 海外のニュースでは、やはり気がかりだった韓国哨戒艦沈没事件に関して、李明博・韓国大統領が毅然として北朝鮮に制裁宣言をした。北朝鮮船舶の韓国領海の通過禁止、南北交流・交易の原則中断などの経済制裁のほかに、国連安保理での協議を呼びかけると明らかにした。このほかにも韓国が拡声器で北体制の批判を行うことなどを語ったが、即座に北は応戦すると反論した。一気に臨戦態勢が盛り上がってきた。韓国国内でも緊張感が高まってきた。嫌な予感がする。

 小学校5年生時に朝鮮戦争が勃発した。その当時切実感はそれほどなかったが、映画館へ行く度に観るニュースは、朝鮮戦争だった。また2度と朝鮮半島に戦争の危険がやってこないことを祈るばかりである。

2010年5月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1105.2010年5月23日(日) 民主党政権の基地移設の「裏切り」行為

 春のお彼岸にお墓参りが出来なかったので、長男家族とともに先祖と妻の実家の墓参りをした。先に私自身の生前墓もある中野の宝仙寺へお参りして、昼食後に多摩墓地を訪れた。今日の天候は雨模様とのことだったが、昨日多摩墓地のお墓周りの清掃をお願いしておいたので、断るわけにもいかず、予定通り出かけた。5月下旬というのに、肌寒い陽気には些か面食らった。

 しかし、雨の中にも拘らず多摩墓地は、いつもお世話になっている石材店では他に2つほど法事のような集まりがあり、少々忙しなかった。

 やるべきことをやらないと気分的にもすっきりしないが、漸く先祖の供養も済ませてほっとしたところである。それにしても、昼過ぎからずっと長男夫婦と孫3人と行動を伴にして、正直のところやや疲れた。夕食も近所で済ませて彼らが9時過ぎに帰った後は、夫婦揃ってしばし虚脱状態となった。

 さて、行き詰まった沖縄普天間基地移設問題が動き始めた。今日鳩山首相は沖縄を訪れ、仲井真知事と会い移設案の概要を説明した。県民から県内移設は認められないという強い反対の声が上がる中で、14年前に受け入れを容認した辺野古移設原案へ回帰する辺野古移設修正案を何とか受け入れてもらうより方法がなくなったのである。

 しかし、「海外移設、最低でも県外移設」を約束していた鳩山首相としては、当初の移設案に若干手を加える程度にしか、智恵は出てこない。結局多少の修正案でお茶を濁すしか方法がなくなった。だが、ここに大きな問題がある。政府はアメリカと実務者協議を進めていたが、漸くアメリカ側の了解を得られそうな感触を得たようだ。それを今日沖縄にぶつけたようである。

 鳩山首相はアメリカの了解云々という前に、まず沖縄県民の了解を得てからアメリカとの交渉を進めると繰り返し言明していた。然るにいま政府が行っている交渉内容は、沖縄県民の猛反発を喰らい、早々に尻尾を巻いて逃げ出したものではないか。順序が逆なのである。これが首相の言う沖縄県民の意思を尊重するということなのか。これでは完全に県民に対する裏切りである。

 政府はアメリカのお墨付きを得てから、沖縄が絶対反対する案を手土産付きで強引に押し付けようとしているわけである。民主党政権発足時に、これからはアメリカと対等の立場で言うべきことは言うと大見得を切ったが、何のことはない。対等どころかこれ以上の卑屈な態度はないのではないか。民主党政権はアメリカにお伺いを立て、「ご許可」をいただいたので、これを沖縄県民に押し付けるという不道徳な裏切り行為を行おうとしている。これではこの先落としどころをどこに見つけようとしているのか分らない。

2010年5月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1104.2010年5月22日(土) 旅行会社の経営について

 今日デパートの眼鏡売り場で、先日眼科で処方箋を書いてもらった、日常用とPC用の2つの眼鏡を注文した。その後家具売り場でリビングルームのソファーを購入した。いずれもカードで支払おうとした。ところが、家具売り場の支払い中係員にカード会社から本人確認の電話が入り、私自身がカード会社係員と直接話をする破目になった。カード支払いでこんなことは初めてだが、その理由として考えられるのは、一定額以上の眼鏡代金をカードで支払って、時間を置かずに再び高い買い物をしたので、カード会社は本人以外の人物が使用したのではないかと早手回しに確認を求めたからではないかと思う。銀行口座には充分な預金残高があるし、変だなぁとは思ったが、最近の振込み詐欺や類似の事件発生もあり、カード会社が別人使用によるものではないかと疑うのも無理はないとも感じた。すぐ住所や生年月日を照合して、カード会社にはすぐ分ってもらえたが、とんだ1件だった。

 さて、今朝の朝日日曜版「フロント・ランナー」に阪急交通社・生井一郎社長が紹介されていた。8年ほど大学の後輩に当たるが、同じ旅行業界人としての考え方には同意出来るところが多い。ただ、店舗展開に消極的な考え方には疑問を感じる。旅行というのは、未知の土地で未知の人と触れ合うことであり、従って人の接触が旅の原点である。その点で旅行申込者にとって最初の接点の場である店舗を、コスト上の理由から減らしていくという姿勢は素直には頷けない。

 しかし、現場を大事にする、旅行は感性である、という個人的な捉え方は理解出来る。なるほどと思ったのは、旅行業経営に関する理解の仕方だった。

 生井社長は、旅行業は利潤が少ないと言っている。それは正しい。ひとつ頷けたのは、旅行業は在庫管理を必要としないので、メーカーのような余分のコストがかからないという点に触れていたことである。更に付け加えるなら、旅行業では現金取引が多く、そのほとんどは前受金と、仕入れ先には後払いという小売旅行業者にとって有利性があるということである。それらが相俟って旅行業を何とか成り立たせている。

 今秋JN協会発行予定の共著「そこが知りたい 観光・都市・環境」で、現在観光について執筆しているが、一般にはあまり理解されないであろう旅行業経営の特殊性とか業態などについて、少し突っ込んで書いてみようと考えている。

2010年5月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1103.2010年5月21日(金) 周囲は嫌なニュースばっかり

 ギリシャの信用不安がNY経由で東京証券市場を直撃した。今日の日経平均株価は前日比245円安で、終値は年初来最安値9,784円となり、今年初めて1万円を下回った。NYダウも前日比376$安と急落して今年最大の下げ幅となった。

 不景気による影響は各方面に表れている。今春卒業した大学生の就職内定率は前年より3.9 %低い91.8%で、比較できる1997年以降で過去2番目に低かった。高校生は前年より1.6%低い91.6%だった。男女の差はそれほどないので、全般的に景気が悪いことがこの事態をもたらしている。われわれが就職した1963年は経済はすこぶる好況だったので、あまり深刻に捉えていなかった。不況の嵐に晒されている今の学生が気の毒でならない。

 昨日韓国政府の哨戒艦沈没が北朝鮮の魚雷によるものだとの発表は、世界中に波紋を投げている。韓国は北朝鮮の検閲団派遣の受け入れを拒否し、国連安保理事会での制裁協議の要請を検討中である。同時にフランス外相へ安保理での協力を要請した。アメリカ政府は、北朝鮮を「テロ支援国家」再指定を検討することを考えている。わが鳩山首相は日米韓間でメッセージを検討すると言明した。そこへ今日来日したアメリカのヒラリー・クリントン国務長官は、岡田外相との会談で北朝鮮を強く非難した。多くの証拠を挙げられ、これだけ責められれば、反省し陳謝するのが常識的な対応だと思うが、北朝鮮という国家は、外見上は国土を有し、国民を抱えて政治機構を備えているが、国家の体を成していない。国内外に対して国家としての責任を果たさず、外国に迷惑ばかりかけている。

 今日は昨日に比べて各国の北非難のステートメントだけで、大きな動きは出なかったが、週明けから少しずつ北朝鮮に対する非難が世界中からわっと浴びせられるのではないか。

 どこを向いても今日もあまりグッド・ニュースが聞かれない。今日大相撲夏場所13日目で横綱・白鵬が全勝で2連覇を決めた。横綱・朝青龍が去った後の大関陣がだらしない。

2010年5月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1102.2010年5月20日(木) 韓国艦沈没は北朝鮮による魚雷と結論

 夕刊各紙のトップ記事はすべて、3月の韓国哨戒艦沈没は北朝鮮の魚雷によるものとの韓国政府のコメント掲載である。

 今日発表された国際軍民合同調査団の報告書は、韓国哨戒艦の沈没を北朝鮮製の魚雷によるものと結論づけた。かねてから予想されていた通りで、やはりとの印象しかないが、韓国政府の必ず原因を突き止め、犯人を厳しく処罰するとの強い姿勢が国際専門家による慎重な調査となった。韓国を含む5ヶ国の調査団は回収された証拠物品、魚雷の部品などを科学的に調査し、分析した。

 北朝鮮による攻撃と結論づけられた根拠は、次の理由による。①回収された魚雷のスクリューの部品は、北朝鮮の魚雷の設計図と大きさや形が合致する。②魚雷後部に発見されたハングルの表記が、韓国が持っている別の北朝鮮製の魚雷の表記方法と一致する。③北朝鮮潜水艦2隻が、哨戒艦沈没の数日前に母港を出て、沈没後に帰還している。

 これらの具体的な根拠を否定し、反論するのは至難であろう。これに対して北朝鮮はいつもの通り、早速でっち上げで捏造と真っ向から反発した。更に韓国が制裁措置に踏み切れば、全面戦争を含む強硬措置をとると威嚇的なコメントを発表する一方で、北が派遣する検閲団に物証を見せるよう要求した。

 どうも穏やかでない。調査に加わったアメリカは、朝鮮戦争の休戦協定違反だとして「平和への挑戦」と強く非難した。いつものろのろしている鳩山首相も、「韓国を強く支持する。北朝鮮の行動は許し難い」とのコメントを発表した。更に国連安保理で北朝鮮への制裁決議案が提起された場合、日本政府も支持すると述べた。

 問題は中国である。毎度きれいごとや、利己的な発言しかしない国としては、今度ばかりは表立って北朝鮮を擁護する言動はしにくいのではないだろうか。遠回しだが、中国政府はこんな発言をしている。「この事件を適切に処理し、朝鮮半島の平和と安定を維持することが、関係各国の人民の共通の願いであり、関係各国の利益に合致する」。自国の利益に絡む事案だと必要以上に動くくせに、不利な立場になると俄然他人事である。これでよくも、他国の交渉に干渉出来るなぁとその神経の図太さには脱帽である。

 さて、韓国艦沈没は北朝鮮にとって極めて不利であるにせよ、今後当分の間国際的にも厄介な問題となるだろう。

2010年5月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1101.2010年5月19日(水) 口蹄疫が拡大する一方

 ギリシャの信用不安がヨーロッパ全域に不安感を煽って、ユーロ価格は下落する一方である。

 タイでは政府軍が反政府タクシン派のデモ隊を強制排除に乗り出した。随分荒っぽいやり方で催眠弾を発射したり、威嚇射撃をしてデモ隊に退去を呼びかけている。午後になってデモ隊の代表者が集会を終了すると発表し、代表者が警察に出頭した。警察も全面的に鎮圧したと発表した。ところが、デモ隊の中には、デモ中止の決定に不満を持つ者が多く、中心街の建物に火炎瓶などを投げつけて暴れまわっている。今夜になって市内に外出禁止令が出された。

 韓国では3月に不審な火災を起こして沈没した哨戒艦の原因究明がなされているが、北朝鮮の魚雷攻撃によって爆発し沈没したとの説が日増しに強まっている。国際調査団による原因解明のための調査はほぼ終了し、明日20日に韓国政府から調査結果の正式な発表がある。

 いずれも国際的にあまり芳しくないニュースばかりである。

 国内に眼を向けると沖縄普天間移設問題がデッドロックに乗り上げているが、ここ数日の間に宮崎県で発生した口蹄疫による家畜への影響がどんどん広がりをみせて、牧畜業者にとって厳しい家畜殺処分の範囲が大きく広がった。今日発表された殺処分13万頭とこれまでの処分を併せると、25万頭になった。

 ある業者が語っていたが、地域的に伝染地域内にあるが、自分の飼っている家畜は口蹄疫にかかっていない。出荷は出来ず、殺処分の指図を待っているが、この間6000頭の豚のエサ代が毎日75万円相当かかる。いま全頭を処分すると再生産には2年以上の時間が必要で、その間の生活保障、再開のための費用等を考えると辛いと言っておられた。

 政府は補償金を出すと言っているが、その場の補償金程度ではとても元の生活を取り戻すことは出来ないとがっかりしながら話していた。初動の調査発表が遅れたのではないかとの声もあるが、いまは伝染を防ぎ、1日も早く影響を断ち切るという決断と実行が求められる。

 それにしても暗いニュースばかりで、どうも気分も暗くなる。

2010年5月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1100.2010年5月18日(火) JN協会総会と多摩美大開講で忙しい一日

 今日は2つの予定があった。ひとつは、NPO法人JAPAN NOW観光情報協会の定期総会であり、もうひとつは今年も受講することにした多摩美術大学の外国美術史講座の最初の聴講である。

 前者は昨年まで会場はプレスセンターで行ってきたが、今年は生憎会場を予約出来なかったということから、松尾理事長が会長職を務めている海事センターが入っている海事会館で行われた。このNPO団体は、大手企業が会員に加わっていることもあり比較的財政は豊かで、決算書類はほとんど問題ない。決算書類はすべてシャンシャンシャンと承認された。理事の改選も予定通り同意され議事はすべて滞りなく承認された。一応理事のひとりである私も引き続き2年間理事を続けることになった。

 日本経済も今や不況で行き場がなく閉塞感から脱却出来ない。新たな産業の創出も難しい中で、幸い観光は政府の肝煎りもあり、成長材料と期待されている。われわれ観光に関わるNPOも日本経済の期待を背負っていると受け止めて、観光振興について、広く執拗に発信していく必要があると思う。その意味でも今秋上梓予定の観光書が少しでも役立てば嬉しいことである。

 観光書「そこが知りたい 観光・都市・環境」については、同じ「観光」を分担する須田寛JR相談役から早くも原稿をいただいた。須田さんの新幹線に関する近著もいただいた。とにかく須田さんは原稿を書かれるのが早い。また、全体の構成として須田さんの文章より、私の文章を前に配置することを提言された。いずれ出版社を交えて話し合いをしようということになった。

 総会後の講演は、元国交省審議官・羽生次郎氏で「アメリカの高速鉄道計画の将来展望」とアップトゥデートな話題について話された。GW中に前原大臣とともにアメリカへ新幹線敷設採用の売り込みに行った後に、ベトナムへも売り込みに行かれた。その折の現地の対応と印象について語られた。国と民間が一体となったトップセールスの印象として、アメリカの高速鉄道計画を獲得出来る可能性は、極めて厳しく楽観出来ないと話された。そもそもライバルに比べて売り込みのスタートが遅いということと、ライバルの仏独社に比べて、売り込みがパッケージとして一体化されていないことがネックらしい。つまり、ブラジルへの売り込みの例でも分る通り、商社と車両メーカーが協力してセールスをかけているが、肝心の運営会社であるJR社が噛んでいないことに弱点があると指摘しておられた。更に後発だった中国が今や強敵になったと言っておられた。

 後者については、懇親会を途中で失礼して、一旦帰宅してから妻に車で多摩美大へ送ってもらい開講時間ぎりぎりに飛び込んだ。

 今日は、「都市を美術とともに歩く」シリーズの第1回「アメリカ・ニューヨークを歩く」と題して、笠原恵実子講師が担当されたが、ユニークな授業で中々面白かった。これまでにない教え方だった。副題が付いていて「アーティストの移住、そのbefore/after」と、アーティストの溜り場であるマンハッタン南部、SOHO地区とブルックリンの芸術家の制作意欲の表し方が面白かった。笠原講師は、多摩美大彫刻科大学院を卒業して彫刻家として活動し、長年ブルックリンに居住しながら制作活動を続けているので、その経験談、中でも彫刻家としての視点が興味を惹いた。廃屋に近いアパートが、芸術家が住むことによって地価が上がり、ハイクラスな地域に変貌していくという見方は面白かった。次回以降他の講師の話も楽しみである。

2010年5月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1099.2010年5月17日(月) タイの対立・暴動はいつ収束するのか。

 タイの暴動は一向に止む気配がない。このところバンコック市内で対立している政府軍と反政府軍は一触即発の様相を呈している。連日死者も出て内戦のように泥沼になってきた。どうしてここまでもめるのか、理由はあるにせよ多くの人を巻き込んだ戦争ゴッコの感が否めない。もう少し時が経つと戒厳令が敷かれるかも知れない。ふと41年前のタイへの新婚旅行を思い出す。事前に計画を細かく決めずに、現地を訪れてから対応しようと考えていた旅行だったが、生憎マレーシア国内で戒厳令が敷かれ空港封鎖で予定のペナンへ行けなくなってしまった。咄嗟に格別の目的もなくチェンマイへ飛んだことがあった。

 その時バンコック市内で泊ったのが、ルンピニ公園前の「バンコック・タワー・ホテル」だった。その小さなホテルは今も順調に経営されているだろうか。毎朝散歩したルンピニ公園は今では軍が封鎖している。また、チェンマイも渡航延期令が出ているようだ。

 双方の対立はぬかるみにはまったようで、解決の見通しが立たない。割合温和で人懐っこいタイ人が、よくもここまで粘り強く闘うものだとその根気に感心もし呆れもする。だが、このままいつまでも対立し続けて、ゲバルトを繰り返しているとお互いに共倒れになるのではないか。

 実際外国人観光客はタイを訪れなくなり、経済活動は停止され、このままの状態が続けば、いずれ前代未聞の不況が訪れるだろう。不思議に思うことは、こういう場合普通は国連が調停に乗り出すのだが、今回の暴動にはその兆しもない。いつもトラブルの予兆があると、国連は特使を派遣して、場合によっては介入することもあるが、今回はその素振りすら見せない。多分、王家が仲介に乗り出すとでも考えているのだろう。確かに、かつては国内にデモらしい気配が見えると必ずと言ってもいいくらい、国民から敬愛されているプミポン国王がお出ましになり、一言話すと事態は丸く収まったという感じだった。その国王も今年齢83歳でお歳がお歳だけに、自らタフな調停に乗り出すということは考えられないのではないか。

 今日も銃弾のようなものが飛び交っている。1966年初めて訪れた外国が「微笑みの国」タイだったせいで、余計タイの動向が気にかかる。

2010年5月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com