昨日沖縄を訪れ、仲井真弘多・県知事と会見した福島瑞穂・社民党党首が、普天間基地が移設されることに関して断固反対の考えを語った。特に「辺野古」という地名をはっきりさせたことを問題視している。鳩山内閣閣僚の間で充分な根回しをせずに、社民党が反対している辺野古への移設を前提にした政府案をアメリカに伝え、アメリカからもほぼ同意の感触を得たことが、大臣の職にある福島氏を焦らせたようだ。
しかし、このプロセスを見ているとまず鳩山首相にリーダーシップが欠けている。次に閣内で大事なアイテムを話し合うことをしなかった。また、大臣の要職にあるにも拘わらず福島氏は社民党党首として個人的な行動に走った。まだ、いろいろ問題点があるが、このドサクサに国民は呆れている。沖縄県民は当然怒っている。
この閣内不統一の行動に対して、閣僚は口々に福島氏に対して不満を述べているが、さりとて閣内収束について誰ひとりとして行動を起こそうとはしない。自民党からは社民党を連立から切ればよいのではないかと茶々を入れられる始末だ。
それにしても、思っている以上にアメリカとの話し合いは早かった。同意を得られる腹づもりがあったと思うが、それでもアメリカは釘を刺すことを忘れなかった。移設担保である住民の了解を得ることである。この住民の了解が一番難しい。日米両国で話をどんどん進めて、結局そこだけが未解決のままということが一番心配である。
さて、最近とかく評判の良からぬ日本相撲協会がまた新たな問題を抱えてしまった。先の夏場所中に大関琴光喜が野球賭博をやっていたと週刊誌に報道され、警察に事情聴取された。これが大きく広がるかと思いきや、別のスキャンダルが表面化した。
昨夏の名古屋場所中に暴力団が砂被り席で相撲を観戦していたことが分った。この席は維持会員と称する、相撲協会に一定額以上の寄付をした後援者用のもので、取り持った2人の親方が理事会で事情を聞かれるようだ。以前から興行を行う相撲協会と暴力団とは結びつき易いと言われていた。今回の切符手配の背景には、どうやら獄中の親分にシャバの幹部がテレビを通してメッセージを伝える意味があったらしい。
相撲協会もこのところの不祥事続きにうんざりしているかも知れない。しかし、元はと言えば相撲協会のゆるふんによる身から出た錆である。協会には親方を始めとする全力士に対する指導がどうも徹底していないようだ。財団法人である日本相撲協会に、こう度々スキャンダルを起こされるのでは、監督官庁・文部科学省としても何らかの規制や、立ち入り検査、指導等を行わざるを得ないのではないか。