1099.2010年5月17日(月) タイの対立・暴動はいつ収束するのか。

 タイの暴動は一向に止む気配がない。このところバンコック市内で対立している政府軍と反政府軍は一触即発の様相を呈している。連日死者も出て内戦のように泥沼になってきた。どうしてここまでもめるのか、理由はあるにせよ多くの人を巻き込んだ戦争ゴッコの感が否めない。もう少し時が経つと戒厳令が敷かれるかも知れない。ふと41年前のタイへの新婚旅行を思い出す。事前に計画を細かく決めずに、現地を訪れてから対応しようと考えていた旅行だったが、生憎マレーシア国内で戒厳令が敷かれ空港封鎖で予定のペナンへ行けなくなってしまった。咄嗟に格別の目的もなくチェンマイへ飛んだことがあった。

 その時バンコック市内で泊ったのが、ルンピニ公園前の「バンコック・タワー・ホテル」だった。その小さなホテルは今も順調に経営されているだろうか。毎朝散歩したルンピニ公園は今では軍が封鎖している。また、チェンマイも渡航延期令が出ているようだ。

 双方の対立はぬかるみにはまったようで、解決の見通しが立たない。割合温和で人懐っこいタイ人が、よくもここまで粘り強く闘うものだとその根気に感心もし呆れもする。だが、このままいつまでも対立し続けて、ゲバルトを繰り返しているとお互いに共倒れになるのではないか。

 実際外国人観光客はタイを訪れなくなり、経済活動は停止され、このままの状態が続けば、いずれ前代未聞の不況が訪れるだろう。不思議に思うことは、こういう場合普通は国連が調停に乗り出すのだが、今回の暴動にはその兆しもない。いつもトラブルの予兆があると、国連は特使を派遣して、場合によっては介入することもあるが、今回はその素振りすら見せない。多分、王家が仲介に乗り出すとでも考えているのだろう。確かに、かつては国内にデモらしい気配が見えると必ずと言ってもいいくらい、国民から敬愛されているプミポン国王がお出ましになり、一言話すと事態は丸く収まったという感じだった。その国王も今年齢83歳でお歳がお歳だけに、自らタフな調停に乗り出すということは考えられないのではないか。

 今日も銃弾のようなものが飛び交っている。1966年初めて訪れた外国が「微笑みの国」タイだったせいで、余計タイの動向が気にかかる。

2010年5月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com