1100.2010年5月18日(火) JN協会総会と多摩美大開講で忙しい一日

 今日は2つの予定があった。ひとつは、NPO法人JAPAN NOW観光情報協会の定期総会であり、もうひとつは今年も受講することにした多摩美術大学の外国美術史講座の最初の聴講である。

 前者は昨年まで会場はプレスセンターで行ってきたが、今年は生憎会場を予約出来なかったということから、松尾理事長が会長職を務めている海事センターが入っている海事会館で行われた。このNPO団体は、大手企業が会員に加わっていることもあり比較的財政は豊かで、決算書類はほとんど問題ない。決算書類はすべてシャンシャンシャンと承認された。理事の改選も予定通り同意され議事はすべて滞りなく承認された。一応理事のひとりである私も引き続き2年間理事を続けることになった。

 日本経済も今や不況で行き場がなく閉塞感から脱却出来ない。新たな産業の創出も難しい中で、幸い観光は政府の肝煎りもあり、成長材料と期待されている。われわれ観光に関わるNPOも日本経済の期待を背負っていると受け止めて、観光振興について、広く執拗に発信していく必要があると思う。その意味でも今秋上梓予定の観光書が少しでも役立てば嬉しいことである。

 観光書「そこが知りたい 観光・都市・環境」については、同じ「観光」を分担する須田寛JR相談役から早くも原稿をいただいた。須田さんの新幹線に関する近著もいただいた。とにかく須田さんは原稿を書かれるのが早い。また、全体の構成として須田さんの文章より、私の文章を前に配置することを提言された。いずれ出版社を交えて話し合いをしようということになった。

 総会後の講演は、元国交省審議官・羽生次郎氏で「アメリカの高速鉄道計画の将来展望」とアップトゥデートな話題について話された。GW中に前原大臣とともにアメリカへ新幹線敷設採用の売り込みに行った後に、ベトナムへも売り込みに行かれた。その折の現地の対応と印象について語られた。国と民間が一体となったトップセールスの印象として、アメリカの高速鉄道計画を獲得出来る可能性は、極めて厳しく楽観出来ないと話された。そもそもライバルに比べて売り込みのスタートが遅いということと、ライバルの仏独社に比べて、売り込みがパッケージとして一体化されていないことがネックらしい。つまり、ブラジルへの売り込みの例でも分る通り、商社と車両メーカーが協力してセールスをかけているが、肝心の運営会社であるJR社が噛んでいないことに弱点があると指摘しておられた。更に後発だった中国が今や強敵になったと言っておられた。

 後者については、懇親会を途中で失礼して、一旦帰宅してから妻に車で多摩美大へ送ってもらい開講時間ぎりぎりに飛び込んだ。

 今日は、「都市を美術とともに歩く」シリーズの第1回「アメリカ・ニューヨークを歩く」と題して、笠原恵実子講師が担当されたが、ユニークな授業で中々面白かった。これまでにない教え方だった。副題が付いていて「アーティストの移住、そのbefore/after」と、アーティストの溜り場であるマンハッタン南部、SOHO地区とブルックリンの芸術家の制作意欲の表し方が面白かった。笠原講師は、多摩美大彫刻科大学院を卒業して彫刻家として活動し、長年ブルックリンに居住しながら制作活動を続けているので、その経験談、中でも彫刻家としての視点が興味を惹いた。廃屋に近いアパートが、芸術家が住むことによって地価が上がり、ハイクラスな地域に変貌していくという見方は面白かった。次回以降他の講師の話も楽しみである。

2010年5月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com