日本ペンクラブの第54回総会がいつも通り東京會舘で開かれた。今年は国際ペン東京大会が9月に開かれるので、阿刀田高会長を始め役員が話すのは、もっぱらその話題ばかりである。決算書類は賛成多数で承認された。
国際ペン東京大会は26年前に井上靖会長の下で開催されて以来26年ぶり3回目のことである。2回目の時はやはり会員だった父も参加した。9月23日から30日まで京王プラザホテルと早稲田大で開催されるが、スケジュールの概要について担当理事の吉岡忍氏が説明された。運営経費は中々厳しいと言っておられ、浅田次郎氏のごときは、出版社の門前で腹を掻っ切ってでも資金を分捕ってくるなどと威勢のよい発言をしていた。外国からは中国の高行健氏のようなノーベル賞受賞作家、カナダ人作家マーガレット・アドウッド女史、キャスター小宮悦子さんらも憧れているアメリカ人作家サラ・パレッキー女史らも参加されるようだ。
総会後のパーティに先立ち、先日亡くなられた前会長・井上ひさし氏を追悼して黙祷した。会食中西木正明氏に、過日営業休止宣言をしたインターネット新聞社がなぜ休業に追い込まれたかを尋ねてみた。西木氏は、インターネット新聞代表だった竹内謙氏と早大探検部部員仲間で親しいので聞いてみたわけである。西木氏によると理由は2つあり、そのひとつは大きなスポンサーが広告を取り止めたことであり、もうひとつはライバル間の競争が激しくなったことだそうである。西木氏は竹内氏がそう簡単にへこたれる人間ではないので、近い将来必ず復活させてくれるでしょうと話してくれた。いつか竹内氏本人に会って直接聞いてみたいが、この荒波に負けずに再び立ち上がって欲しいと願っている。
他に何人かの会員とも立ち話をしたが、みんな異口同音に鳩山首相の言動に対して批判的だった。その鳩山内閣の閣僚で、社民党党首の福島瑞穂・消費者少子化担当相が今日沖縄を訪れ、仲井真県知事と会談した。協力して沖縄に基地を増やさないために頑張ろうと話し合ったと記者団に語った。知事も有難いとは感じただろうが、相当面食らっただろう。政府がすでに腹を決めた以上、いくら福島党首が反対を叫んでもその可能性は限りなく小さい。福島氏は社民党党首かも知れないが、閣僚でありながら、悪びれずに閣内不統一発言をしている。これに対して首相は、閣僚の行動としていかがなものか、と言っただけであり、社民党党首としての行動ならやむを得ないとまで言っている。鳩山首相のこの厳しさのない発言に、「正体見たり」が汲み取れる。このずぶずぶ内閣ではもうまったく当てにできない。一刻も早く次ぎの首相を決めるべきだと思う。