612.2009年1月15日(木) イスラエル、ますますエスカレートへ

 今日は父の命日である。亡くなって7年になる。わがままで頑固な父だったが、割合我々息子たちの言い分を聞いてくれた。今生きていればちょうど百歳になる。時折父の元部下だった方からいろいろ思い出話を伺うが、父が生きていればきっと私の著述について喜び、理解してくれたでしょうと言ってくれた。父も明治乳業の役員をしながら、ペンクラブやエッセイストクラブの会員として、話し方の教室を始めたり、タウン誌に寄稿したり、かなり地域でも自由に活動していた。普段はあまり思い出すこともないが、やはり命日になるとふっと思い出す。おねだりをしたことはあまりないが、いざという時には相談に乗ってくれた。私には頼りになる父親だった。

 今日もガザ地区に対するイスラエルの攻撃は容赦ない。死者はすでに1,030名を超えた。空爆のほかに、イスラエルは市街戦も視野に入れているという。この期に及んでなお攻撃の手を緩めようとしないのは、徹底的に掃討しようと企んでいるからに違いない。ハマス側の攻撃に対抗するためであるというイスラエルの自衛的な言い訳は、ここまで攻撃的になると最早通用しないのではないか。小中陽太郎さんもメールで書いていたが、「ガザはいたいけな子どもたちの血で染まりました。かつてアウシュビッツほかで民族クレンジングの悲劇を体験した民族が、今度は同じ無法行為を行うとは歴史の教訓を履き違えています」。

 イスラエルの悪質さは、停戦交渉のためイスラエルを訪れていた潘基文・国連事務総長が外相と話し合いを行っている効果的な時期を狙って攻撃したことである。流石のパン総長もイスラエル側に怒りを伝えた。アウシュビッツに関してイスラエルは世界の同情を買い、イスラエルも悲劇を強く訴えてこのような残虐な行為を絶対防止しなければならないと被害者として説得力ある行動を行っていたが、このイスラエルも一皮剥けば凶暴な殺人鬼になることを世界中に曝け出した。イスラエルの正義はもう通用しない。

 今日ついに南米のボリビアがイスラエルと外交関係を断絶すると発表した。それにしても従来の外交姿勢から当然断交を主張し、他国にも働きかけると見られたロシアと中国が、一向に明確な態度を打ち出さないのはまったく不可解である。

2009年1月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

611.2009 年1月14日(水) 東大紛争からまもなく40年

 昨日ジャーナリスト北岡和義氏から雑誌「現代への理論」新春号への寄稿文をメール送信してもらった。「オバマ圧勝、究極の民主主義、その光と陰」と題して15頁に亘る力作である。やはりアメリカに27年も在住して取材現場に関わっていたジャーナリストの見る目は、的確に本質を見抜いている。外面は黒いが中は白く、ナスビと言われるオバマの白人的な考え、さりとて完全な黒人でもないエリートが選挙期間中に自分の人種的な気持ちを外へ出さないようセーブして行動していたとは、並の人物ではない。

 北岡氏も忙しそうで、元日からアメリカへ行っていたという。日大国際関係学部の非常勤講師を務めていたが、昨年特任教授になったと知らせてくれた。先日のヨタロウ会では、むしろ私の活動に刺激を受けたと言っていたが、どうしてどうして、北岡氏は専門的な分野で派手に活動している。

 昨年暮れ以来「知的生産の技術研究会」で「知の現場」を出版するため東洋経済新報社へ企画書を提出する準備を進めて、その作業のまとめ役を秋田事務局長にやってもらっている。出版社との窓口は久恒理事長とは旧知の編集部長だそうである。今日秋田さんが作成した企画書前文を下敷きに自分なりにたたき台としてまとめてみた。それをプロジェクトの仲間へ送ったところである。今年はこの知研の出版が大きな仕事になりそうだ。

 夜は2時間ものテレビ番組「東大落城」を感慨深く観た。東大紛争からもう40年も経った。懐かしいフィルムもふんだんに使われ、学生のヘルメットに書かれた「全共闘」「中核」「反帝学評」を見て郷愁を感じたくらいである。あれは1969年1月18日寒い中で放水車によって水を被った学生が震えていたのが印象的だった。60年安保闘争からすでに9年が経過していた。翌年が70年安保闘争だったが、確かあまり盛り上がらず外野席にいた自分としては、少々がっかりしたのを憶えている。それに比べれば、この東大紛争は、医学部改革を主に、全学的にベトナム反戦を訴えていた。その流れもあって当時この東大紛争には強い関心を持っていた。いろいろ批判はあったが、あの紛争をリードした学生たちの元気さは、今の学生には露ほども感じられない。個を抑えて大きな目標のために活動した、われわれよりも10年遅れの若者たちの勇気と元気を誉めてやりたい。

 久しぶりに学生運動に心を奪われた。

 パレスチナの戦火はまだ当分続きそうである。

2009年1月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

610.2009年1月13日(火) ガザでは戦火、日本ではノー天気の政治

 昨日パレスチナ・ガザ地区支援問題に関して、小中陽太郎氏へ宛て私見をメールした。我々の声がマス・メディアを通じて政治へ届くと信じようというのが小中氏からいただいた返信である。それにしても今日の国会は第2次補正予算案の是非について建設的な議論が交わされたとはとても思えない。与野党の足の引っ張り合いの挙句、自民党代議士が無断でビデオを撮っているのがばれてカメラを取り上げられるお粗末な一幕もあった。まさに内憂である。渡辺喜美・元行政改革大臣が自民党を離党する会見を行った。パレスチナ問題なんかまるで頭の中にはないようだ。目先のこと、しかも本質論から外れた議論ばかりで、多くの尊い生命が砲火の中で無残にも失われつつあることなんかまるで眼中にないようだ。

 夕方のNHK「クローズアップ現代」では、今回のイスラエルの強行作戦について、パレスチナ自治暫定政府の内紛につけこんだイスラエルの本気の戦争だと断定していた。パレスチナ側の内輪もめが巧みに利用されている。パレスチナ自治区がヨルダン川西岸とガザ地区に分断されていることも問題を複雑化している。しかも、暫定自治政府を代表しヨルダン川西岸に本拠を置いているのが穏健派のファタハであり、一方住民から信頼され06年の選挙で勝ちガザ地区において主導権を握ったのがイスラム原理主義組織・ハマスである。イスラエルの狙いは、敵対する過激派ハマスを徹底的に叩いて掃討した後に、条件付で穏健派ファタハと協定を結びたいと考えていると見られている。

 死者はすでに900人を超えた。エジプトの調停案はまだ提示されていない。イスラエルとハマスは国連決議を受け入れる気は毛頭ないという。戦禍は雪だるま式に増えるばかりである。

 今日麻布十番で芳野満彦さんにお会いした。来月10日の出版記念会にご出席の確認をして、山の絵を2点購入した。絵画は出版記念会で出席者に抽選でお贈りしたいと考えている。芳野さんにも喜んでいただいた。

2009年1月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

609.2009年1月12日(月) イスラエルは殺人鬼となるか。

 何年か前に「成人の日」が1月15日から第2月曜日に替わった。今日がその第2月曜日で、各地ではそれなりにさまざまな催しがあった。7年前の「成人の日」(1月15日)には父が亡くなった。自分が迎えた「成人の日」当時は、目前の大学入試をどうやってパスするかということ以外何も考えられなかったし、何も覚えていない。暗い憂鬱な毎日だった。2年間も浪人していて、父からこれ以上浪人すると同年齢の仲間からどんどん遅れて、将来絶対損するからどこの大学でもいいから、今年は決めろと言われた。毎日が追い詰められた暗い日々で、成人式のような晴れがましいことなんか考えたこともなかった。あれからちょうど半世紀、50年になる。

 ある意味では、折角の「成人の日」を周囲からも、自分自身でも祝うことがなかったのは、ほんのひと時ではあったが、不幸と言えば不幸であったかも知れない。

 さて、パレスチナ・ガザ自治区におけるイスラエルの残虐ぶりが少しずつ明らかになってきた。AFPによれば、死者は885人、加えて「白リン弾」を使用していることが分った。この「白リン弾」は敵の目をそらすために煙幕を張ったり、塹壕に隠れている敵を焙りだすために使用されるが、化学兵器とは看做されていないために国際条約上禁止兵器とは考えられていない。しかし、人体への影響が残るため非人道兵器と指摘され、人権団体からの批判も多い。ガザ地区のような狭く、住民が密集する場所でこういう兵器を使うこと自体どんなに甚大な人的被害をもたらすかは、火を見るより明らかである。それを承知のうえで、蛮行を重ねているイスラエルは確信犯である。

 折も折小中陽太郎氏からメールをいただいた。パレスチナの現状を伝えるとともに、日本政府がイスラエルの残虐行為に対して抗議をしないアメリカ寄りの姿勢、アウシュビッツの悲劇を味わったにも拘わらず同じような行為を行うイスラエルへの義憤を思い、どうしてこの残虐行為を止めさせるべきか、効果的なアイディアや意見を募ってこられた。私も考えているが、在日イスラエル大使館へデモをかけるとか、ガザ地区支援のための義捐金を集めることぐらいしか咄嗟には頭に浮かばない。

 これから考えて提言はしたいと思っているが、行動まで出来るかちょっと自信がない。しかし、現時点で日本政府はもちろん、日本の政治家が誰ひとりとしてイスラエルの攻撃を止めさせるための具体的な提言とか、行動を起こそうとしていない。この1点だけを見ても、日本の政治が内向き志向だということが分る。しかもみんなアメリカに気兼ねしている。その一方で、当然パレスチナに同情的と見られる共産党や社民党がまったくイスラエル非難の声を上げないのはなぜか。どうも腑に落ちない。それにしてもイスラエルのやり方は酷い。恨みを後世に残し、将来のイスラエルにとって決してプラスにはならないと思うのだが・・・・・。

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608.2009年1月11日(日) 高校ラグビー新人戦は3回戦どまり

 神奈川県高校ラグビー新人戦3回戦が法政二高グランドで行われた。母校湘南高の対戦相手は県立横浜修悠館高であるが、失礼ながらこれまで校名を聞いたことのない学校でシードされるような戦績を残しているわけではない。正月に顧問の芹沢先生に尋ねたところ、制度の改正により旧湘南高通信制が、新たに校名を変更したこの学校に組み込まれたらしく、それなら元々わが母校と兄弟校だったということになる。自衛隊少年工科学校生徒の多い旧湘南高通信制なら結構実績を残しているし、一度戦ったこともある。かなり手強そうだということは分っていた。母校の1~2回戦の戦いぶりから推して、些か心配してはいたが、FWの弱点は正月にOBが練習台となって鍛えてくれていたので、少しは骨のある試合をやってくれるのではないかとの期待感もある。

 試合は立ち上がり続けてトライを2本とられて、完全に相手のペースにはまってしまった。しかし、徐々にペースを取り戻し、前半終了寸前にセット・スクラムからウィングが右タッチライン沿いに走り抜け、右中間にトライ、ゴールも決まって10-7で前半を終えた。後半は一進一退の攻防の後、湘南はバックスが左中間にトライして、14-10と逆転。稚拙なプレイもあったが、相手にもミスが重なりほぼ互角のまま推移した。ノーサイド5分前にキャッチング・ミスから左隅に攻め込まれ、執拗なモール、ラックの攻めにディフェンスが堪えきれずゴールを割られてしまった。これで再逆転、14-17とされ、更にPKを決められ万事休す。よく戦ったが、全般的には押されていた。スコアは14-20、トライ数も2-3本で負けていた。反省点はいくつもあるが、前2試合の戦いぶりから察すれば、今日の試合は充分力がついていたと受け取れる。今年もベスト8進出を逃してしまったが、次の目標である春の大会に期するとしよう。

 夕べ近所の和田正温先輩の奥さんから電話をいただき、和田さんが心不全で東京医療センターへ緊急入院したと伺った。今日帰ってから奥さんへ和田さんが気にしている試合結果をお知らせした。容態は安定して今日個室へ移ったそうでほっとしている。

 パレスチナ・ガザ地区では今日もイスラエル軍の容赦のない攻撃が続けられている。死者は850人を超えたそうである。世界各地で、特にイスラム社会ではイスラエルとアメリカに対する非難と抗議が高まって、デモが大型化しつつある。いつまで続くぬかるみぞ。

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607.2009年1月10日(土) パレスチナ危機はどうなるのか。

 イスラエルがパレスチナ・ガザ地区を攻撃してから2週間になる。前日国連安保理事会で即時停戦が可決されたにも関わらず、イスラエル軍とイスラム過激派・ハマスの交戦は止まない。死者はついに8百人を超えた。エジプトが仲介交渉しているようだが、その内容がはっきり分らない。この対決に対して戦力の弱いハマス側、というよりパレスチナに世界の同情の声が寄せられている。しかし、イスラエルを背後で支えるアメリカは、イスラエルがハマスの攻撃に対して反撃する立場を理解するような下院決議を行った。イスラム諸国の神経を逆撫でするような行動である。当然というべきだろうか、イスラム諸国を中心に反イスラエル・反米のデモが世界各地で起こりつつある。

 しかし、当然ではあるが、イスラエル国内における世論は圧倒的に自己弁護が強く、世論調査では9割以上がイスラエルの空爆は正当化されると回答している。国連決議を無視され、メンツをつぶされた潘基文事務総長はすこぶる機嫌が悪い。イスラエルのオルメルト暫定首相に電話で失望の意を伝えた。このままでは、いつ解決するのかまったく見当がつかない。どこかで落としどころを見出さないと取り返しのつかないことになり、アメリカは世界中の鼻つまみものになる。年明け早々まったく困ったものである。

 数日前イギリスの高級陶磁器ウェッジウッドが倒産してファンから惜しまれていたが、救いの神が現れた。アメリカの投資ファンドが買収することになった。

 7年前にスコットランド湖水地方のウィンダミアから200km近い道のりをバスで本社工場のあるストーク・オン・トレントを訪れた時、牧場のような緑いっぱいの環境に目を奪われた。工場とか工房の印象はなかった。こういう自然環境の中で芸術品が製作されているのだということを感慨深く受け止めた。あの名品工場が、まさか破産するとは思いも寄らなかった。しかし、どんな形であれ、伝統工芸品が残され、後世に伝えられていくのは伝統文化継承という意味でも大いに価値のあることである。

 今日大学ラグビー選手権決勝戦が早稲田大と帝京大の間で行われ、早稲田が対抗戦で敗れた借りを返し、2連覇を達成した。やはり早稲田は試合運びが巧く洗練されている。帝京大監督をして伝統の力と言わしめた。試合とは直接関係ないが、それにしても早稲田は全国から高校ラグビーの超一流選手をスカウトして入部させている。今日の選抜メンバー15選手のうち、11人が高校日本代表選手だった。先週の準決勝では15人中14人が日本代表選手だった。選手を種子を蒔いて地道に育成するのではなく、よそに咲いた花を刈り取るのだ。しかも、入学試験という厳しい試練を乗り越えても優秀な選手を集めてくる。過去45回の大学選手権で1/3に当る15回の最多優勝回数を誇るのは、こんなところにも原因がある。これはアマチュアスポーツ、なかんづく学生スポーツにしては少し行き過ぎではないだろうかというのが、失礼ながら率直な感想である。

2009年1月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

606.2009年1月9日(金) なりふり構わぬアメリカも末期症状か。

 漸くパレスチナ情勢に対する危機意識が国連安全保障理事会において具体的な結論を導き出した。ガザ地区の即時停戦を求める決議案を賛成多数で採決したのである。

 しかし、14ヶ国が出席した安保理事会でも、全会一致とはいかなかった。停戦案には反対する国こそ出なかったが、主旨に賛同できないアメリカが採決では棄権を選択した。言い分がふるっている。ライス国務長官は仲介に当っているエジプトの仲介協議の結果を見極めてから決めたいと言っている。いつもは先頭になって独断的に決め、他国にも押しつけがましい行動をとるアメリカが何をこの期に及んでと言ってやりたい。結局アメリカ国内のユダヤ人と彼らの母国・イスラエルにだけ気を遣っているのである。当事者のイスラエルとイスラム過激派ハマスが果たしてすんなり受け入れるかどうかも不透明である。

 朝日朝刊によれば、オバマ次期政権としては「日本が自信を持ち、米国が思いつかないような構想を打ち出し、米国が出来ない役割を果たして欲しいと考えている。単なる『劣位の同盟国』から、補完的、有機的な関係を築ける対等なパートナーになることを期待している」と相変わらず自己本位なことを言っている。つまりこれがアメリカの本音であり、対日スタンスである。

 経済においても従来のアメリカ的な考えや手法ではセイフテイネットが充分でないとの考え方が浮上してきた。強欲主義でよいのかとの反省である。槍玉に挙げられたひとつの例は、アメリカ政財界のリーダーを育成してきた「資本主義の士官学校」ハーバード・ビジネススクール(HBS)である。HBSの卒業生の1/4が危機の震源地となった金融界で働いている。金さえあれば何でも出来て、大手を振って歩ける。例えば、破産したリーマン・ブラザースのCEOリチャード・ファルド氏は2000年以降330億円の高額報酬を得ていた。そしてリスキーな投資のうえ会社を倒産させた。汗水たらして働くことよりも、労働の手を抜いても金融工学によって最終的に手元資金を残すことが世の勝利者である。これがHBSの指南書である。

 アメリカはすべての面で自己過信している。もうそろそろ目覚めないと他の国々が迷惑するばかりである。そのアメリカのお先棒を担いでいるのが、自己判断できない日本の政治家どもである。

 夜のNHKニュースのインタビューでノーベル賞作家・大江健三郎氏が「今年の正月の新聞ほど暗いニュースが盛られていたことはかつてなかった。・・・・・ものを書くということは想像力が必要である。今の日本には想像力がなくなっているが、それを社会が咎めない」と言っていたのが印象的だった。

 話は違うが、イギリスのインディペンデンス紙によれば、近年の発明品の中で最も重要、且つ下らないものは、カラオケだそうである。次いで、24時間スポーツ・チャンネル、ゲーム機、携帯電話らしい。

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605.2009年1月8日(木) 時限停戦って何だ?

 未だに解決のメドが立たないガザ地区における戦争状態は、イスラエルの攻勢によって益々悲惨な状況になっている。ガザ地区の死者はすでに650人を超えた。そこへエジプトのムバラクおじさん(大統領)が助け舟を出した。このムバラクという人は、1981年10月サダト前大統領の暗殺によって、副大統領から急遽繰り上げされた大統領である。サダト前大統領が暗殺された衝撃的なテレビニュースを、偶々出張先のアメリカのインディアナポリスで観ていたが、その後大して実績も人望もないままに、いつの間にか在任27年を超え、独裁政権を築き上げるまでになった。現在80歳である。アラブ諸国の中では唯一イスラエルとまあまあの関係にある。ガザとエジプトの国境門をイスラエルの意向を汲んで遮断して、あまりガザ寄りの姿勢を示さなかった。ところが、このイスラエルのガザ地区攻撃がアラブ諸国内でエジプトへの非難を急速に強めることになったので、この強い風当たりを避けるために、ムバラクおじさんは急遽停戦調停に乗り出した。アメリカやフランスも一応の評価をしているが、その内容とは停戦は一日僅か3時間で、しかも1日置きの時限停戦だという。こんなへんてこりんな停戦もあるのかなぁ、またこんな戦争あるかなぁというのが率直な実感である。まあ所詮ムバラクの売名、実績作りの停戦であるが、とても本格的な停戦とはなるまい。やらないよりはやった方がいいという程度の3時間停戦である。

 しかし、やはりと言うべきか、3時間経過して現地ではまた火を噴いた。はてさてこの行方はどうなるのか。

 グッドニュースもある。昨年9月エチオピアのオガデン地方でオランダ人看護師とともに誘拐された、NGO組織「世界の医療団」に所属する赤羽桂子医師が昨日解放された。ソマリアの各地を移動させられていたらしい。犯人もソマリア人だという。今ソマリアは無政府、無警察状態にあり、極めて治安が悪い。ソマリア沿岸では海賊が跋扈している。ソマリア沖合いでは各国の船団がソマリア海賊に襲撃され、被害も甚大である。このまま海賊対策に手を拱いていたのでは、安心して航海することが出来ない。

 これまでの拉致被害者と異なり、赤羽医師のケースは貧しい地域で直接的な医療支援活動に当っていて、現地住民のために献身的に活動されていただけに気の毒だった。解放されてまず良かった。

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604.2009年1月7日(水) 内向き志向の日本は存在感を示せるのか?

 まもなく離任するトーマス・シーファー米駐日大使が、船橋洋一・朝日新聞主筆のインタビューに応えている。大使は日本が自信を失くし内向き志向になっている点を懸念している。そのうえで日本が世界で役割を明確にしていないし、発揮していないことが、アメリカにとって気がかりな点だという。アメリカがそう仕向けているにも関わらずである。大使の懸念の最たるものは、アフガニスタンの安定支援とか、対テロ支援からの「撤退」だそうだ。ただし、大使の述べる根拠には正確な視点がある、と同時にアメリカにとって都合の良いいびつな誤解もあると思う。

 前者については確かに内向き志向であることは残念ながら正しいと思う。大使は、民主党の小沢代表に対して話し合いに応じようとしない点を惜しんでもいるし悔やんでもいる。小沢代表がアメリカの希望に合致しない主張をすることも、小沢代表に好意的でない原因だろう。いずれにせよ日本の内向き志向は、海外から日本について誤解を生じさせる最大の原因である。日本が6ヶ国協議でアメリカはもとより、中国や韓国からも拉致問題だけしか向き合おうとしないという点で批判されている。この背景には、日本の立場を主張する日本側代表の説明不足と説得力欠如がある。これは政治力学はもちろん、外交哲学の問題だと考えている。現在のわが国の政治のあり方、また政治家の能力と哲学から考えると、外交力が身につく筈もないからである。

 後者の誤解については、アメリカに同調することを求められたが、従わなかったことからアメリカの不満をテロ支援からの撤退とすり替えられたのだ。完全に誤解されている。これも説得力が足りないからである。日本の判断がぐらついていた点を見抜かれてもいる。政治家というのは、相手の弱みを利用したり、逆手にとったりするものである。それは外交面でもはっきりしている。

 日本は日本たるべき磐石の考えを固めて、喩え相手が同盟国であろうとも動じない、是々非々の立場を貫くことが相手にスキを見せず、長期的には信頼を勝ち得ることにつながることを知るべきである。その点で日本の現在の政治家は、残念ながら当てにならない。

 シーファー大使も言っているように、日本はもっと世界へ向かって政治的行動を起こすべきである。そして、アジアでも、中東でもどんどん仕掛けをするべきではないか。金だけ出して黙っている手はない。行動の中にこそ存在感が浮かび上がってくるものだ。これは私自身の信念でもある。

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603.2009年1月6日(火) 転機のアメリカはどう決断するのか?

 イスラエルのパレスチナ・ガザへの攻撃は益々激しさを加えている。いつになったら戦火は止むのか。サルコジ仏大統領のイスラエル政府との即時停戦調停は結局失敗に終った。パレスチナ暫定自治政府を代表するファタハは停戦を受け入れる姿勢を示したが、過激派のハマスがイスラエルの存在自体を認めない態度を取っていて、イスラエル側が妥協することを拒否した。この間国連はまったく無力である。アメリカが反対するとこうもすべてが機能しなくなるものか。その意味では反面教師のように、アメリカはその存在感と力を見せつけてくれたようなものである。

 アメリカにしても、今はそれどころではないというかも知れない。自動車産業ビッグ3の経営不振は落ちるところまで落ちて、政府が相当な覚悟で資金援助しないと数ヶ月でまた行き詰まるそうだから、えらいことである。どうしてこうもジリ貧になるまで誰も緊急事態に気がつかなかったのか。3社の販売実績は対前年18%減である。アメリカ市場におけるシェアが50%を割った。

 アメリカ政府にとって政治的、外交的、かつ経済的に清水の舞台におけるシビアな決断を迫られている。オバマ次期大統領はまだ公式に動けず、さりとてメッキの剥げたブッシュ大統領では、説得力と指導力を失っている。さあ、アメリカさん、どうする?どうする?

 今朝の日経紙によれば、各地方自治体に「隠れ債務」が30兆円あるという。これまで地方債など自治体が抱える借金は約200兆円とされていたが、このほかに企業などが積み立てている退職給与引当金が加算されていないことが明らかにされた。損益計算書は作っていたが、貸借対照表が作成されていなかった。これで当然かかる経費が帳簿から落ちていたことになる。これにしても今まで誰も気がつかなかった、放っておいたこと自体が怠慢でずるいやり方ではないか。都合の悪いことは表に出さない役所の隠蔽体質が、こういうところにも表れている。

 ところで個人的に昨年秋辺りから血圧が上昇気味で、このところ上が160前後になってきて、些か心配になったので、森内科で診てもらったところ、下は比較的安定しているので、今服用している血圧降下剤を現段階でワンランク・パワーアップした降圧剤に代える必要はないとの診断だった。寒い時期を考えて仕事にあまり精を出さない方がよいとアドバイスされた。それは、その後松本整形外科で診てもらっても同じことを言われた。松本先生からも少し仕事の手を抜いたらどうかと言われてしまった。昔からどうもひとつのことに掛かりきるとそれに没頭してしまう熱中症のキライがある。年齢を勘案して、ゆっくりゆっくりを心がけるよう自戒したい。

 正月明けということもあり、いずれの医院も千客万来で随分待たされた。混雑する整形外科へ中年のインド人夫婦と妙齢の娘がやってきたが、狭い待合室で大声を出してペチャクチャ話し続けて煩くてしようがない。他の患者も迷惑そうな顔をしていたが、話を止めるどころか、オクターブの高いインド方言は一向に止む気配がない。ついに見るに見かねて、もう少し小さな声で話してくれと英語で注意したら、母親が不満そうな顔をしながらも、少し小声になった。だが、その内に揃って外へ出て行ってしまった。あの後彼らは戻ってきて診察を受けたのだろうか。あの大声があのインド人親子にとっては当たり前の話し声なのだろうか。はた迷惑も甚だしい。インテリ親子に見えたが、節操のない外国人にも困ったものである。 

 思い返すと、昨年多摩大学でおしゃべりを止めない学生を怒鳴りつけたことといい、相変わらずわが若気の至りは止まるところを知らない。血の気が多く衰えるどころか、益々意気軒昂である。

2009年1月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com