607.2009年1月10日(土) パレスチナ危機はどうなるのか。

 イスラエルがパレスチナ・ガザ地区を攻撃してから2週間になる。前日国連安保理事会で即時停戦が可決されたにも関わらず、イスラエル軍とイスラム過激派・ハマスの交戦は止まない。死者はついに8百人を超えた。エジプトが仲介交渉しているようだが、その内容がはっきり分らない。この対決に対して戦力の弱いハマス側、というよりパレスチナに世界の同情の声が寄せられている。しかし、イスラエルを背後で支えるアメリカは、イスラエルがハマスの攻撃に対して反撃する立場を理解するような下院決議を行った。イスラム諸国の神経を逆撫でするような行動である。当然というべきだろうか、イスラム諸国を中心に反イスラエル・反米のデモが世界各地で起こりつつある。

 しかし、当然ではあるが、イスラエル国内における世論は圧倒的に自己弁護が強く、世論調査では9割以上がイスラエルの空爆は正当化されると回答している。国連決議を無視され、メンツをつぶされた潘基文事務総長はすこぶる機嫌が悪い。イスラエルのオルメルト暫定首相に電話で失望の意を伝えた。このままでは、いつ解決するのかまったく見当がつかない。どこかで落としどころを見出さないと取り返しのつかないことになり、アメリカは世界中の鼻つまみものになる。年明け早々まったく困ったものである。

 数日前イギリスの高級陶磁器ウェッジウッドが倒産してファンから惜しまれていたが、救いの神が現れた。アメリカの投資ファンドが買収することになった。

 7年前にスコットランド湖水地方のウィンダミアから200km近い道のりをバスで本社工場のあるストーク・オン・トレントを訪れた時、牧場のような緑いっぱいの環境に目を奪われた。工場とか工房の印象はなかった。こういう自然環境の中で芸術品が製作されているのだということを感慨深く受け止めた。あの名品工場が、まさか破産するとは思いも寄らなかった。しかし、どんな形であれ、伝統工芸品が残され、後世に伝えられていくのは伝統文化継承という意味でも大いに価値のあることである。

 今日大学ラグビー選手権決勝戦が早稲田大と帝京大の間で行われ、早稲田が対抗戦で敗れた借りを返し、2連覇を達成した。やはり早稲田は試合運びが巧く洗練されている。帝京大監督をして伝統の力と言わしめた。試合とは直接関係ないが、それにしても早稲田は全国から高校ラグビーの超一流選手をスカウトして入部させている。今日の選抜メンバー15選手のうち、11人が高校日本代表選手だった。先週の準決勝では15人中14人が日本代表選手だった。選手を種子を蒔いて地道に育成するのではなく、よそに咲いた花を刈り取るのだ。しかも、入学試験という厳しい試練を乗り越えても優秀な選手を集めてくる。過去45回の大学選手権で1/3に当る15回の最多優勝回数を誇るのは、こんなところにも原因がある。これはアマチュアスポーツ、なかんづく学生スポーツにしては少し行き過ぎではないだろうかというのが、失礼ながら率直な感想である。

2009年1月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com