611.2009 年1月14日(水) 東大紛争からまもなく40年

 昨日ジャーナリスト北岡和義氏から雑誌「現代への理論」新春号への寄稿文をメール送信してもらった。「オバマ圧勝、究極の民主主義、その光と陰」と題して15頁に亘る力作である。やはりアメリカに27年も在住して取材現場に関わっていたジャーナリストの見る目は、的確に本質を見抜いている。外面は黒いが中は白く、ナスビと言われるオバマの白人的な考え、さりとて完全な黒人でもないエリートが選挙期間中に自分の人種的な気持ちを外へ出さないようセーブして行動していたとは、並の人物ではない。

 北岡氏も忙しそうで、元日からアメリカへ行っていたという。日大国際関係学部の非常勤講師を務めていたが、昨年特任教授になったと知らせてくれた。先日のヨタロウ会では、むしろ私の活動に刺激を受けたと言っていたが、どうしてどうして、北岡氏は専門的な分野で派手に活動している。

 昨年暮れ以来「知的生産の技術研究会」で「知の現場」を出版するため東洋経済新報社へ企画書を提出する準備を進めて、その作業のまとめ役を秋田事務局長にやってもらっている。出版社との窓口は久恒理事長とは旧知の編集部長だそうである。今日秋田さんが作成した企画書前文を下敷きに自分なりにたたき台としてまとめてみた。それをプロジェクトの仲間へ送ったところである。今年はこの知研の出版が大きな仕事になりそうだ。

 夜は2時間ものテレビ番組「東大落城」を感慨深く観た。東大紛争からもう40年も経った。懐かしいフィルムもふんだんに使われ、学生のヘルメットに書かれた「全共闘」「中核」「反帝学評」を見て郷愁を感じたくらいである。あれは1969年1月18日寒い中で放水車によって水を被った学生が震えていたのが印象的だった。60年安保闘争からすでに9年が経過していた。翌年が70年安保闘争だったが、確かあまり盛り上がらず外野席にいた自分としては、少々がっかりしたのを憶えている。それに比べれば、この東大紛争は、医学部改革を主に、全学的にベトナム反戦を訴えていた。その流れもあって当時この東大紛争には強い関心を持っていた。いろいろ批判はあったが、あの紛争をリードした学生たちの元気さは、今の学生には露ほども感じられない。個を抑えて大きな目標のために活動した、われわれよりも10年遅れの若者たちの勇気と元気を誉めてやりたい。

 久しぶりに学生運動に心を奪われた。

 パレスチナの戦火はまだ当分続きそうである。

2009年1月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com